「LINE広告の自動ターゲティングってどんな仕組みなの?」
「LINE広告の自動ターゲティングと手動ターゲティングとの違いって何?」
LINE広告の自動ターゲティングはβ版がリリースされており、概要が気になっている方は多いでしょう。
本記事では、LINE広告の自動ターゲティングについて、概要から手動ターゲティングとの違い・運用するうえでの注意点についてお伝えします。
LINE広告の自動ターゲティングについて気になる方は、ぜひご覧ください。
以下の記事「【入門】LINE広告とは?ターゲティングや費用、仕組みなど全て解説」では、LINE広告について基礎から解説しています。
ターゲティングから費用や仕組みまで細かくお伝えしていますので、ぜひご覧ください。
LINE広告の自動ターゲティングとは
はじめにLINE広告とはどのような広告なのか、概要を簡単にお伝えするとともに、自動ターゲティングについて解説します。
LINE広告とは
国内人口の約8割である、9,500万人以上ものユーザーを抱えるコミュニケーションアプリ「LINE」へ配信できる広告がLINE広告です。
LINE広告の配信先には、以下のようなさまざまな場所があります。
・トークリスト
・LINE NEWS
・LINE VOOM
・ウォレット
・LINEポイントクラブ
・LINEショッピング
・LINEチラシ
・LINEクーポン
・LINEマイカード
・ホーム
・LINE Monary
・LINEオープンチャット
・LINEレシート
・LINEファミリーアプリ
・LINE広告ネットワーク
配信面の豊富さに加え、クリエイティブには静止画や動画を使用できるのでLINE広告では視覚からの訴求が可能です。
LINE広告に出稿する大きなメリットとして、LINEを利用するユーザー層の広さとアクティブユーザーの多さが挙げられます。
以下の図は、LINEを利用するユーザー属性を表しています。
引用:LINE Business Guide「LINEのユーザー属性(性別・年齢・職業)」
https://www.lycbiz.com/sites/default/files/media/jp/download/LINE%20Business%20Guide_202310-202403.pdf
全体を通したLINEユーザーの性別は若干女性が多くなっていますが大きく変わらず、若年からシニアまで幅広い年齢層に利用されています。
SNS広告には、X(Twitter)広告やTikTok広告などさまざまなプラットフォームがあります。
しかし抱えているユーザーが多く幅広い世代へリーチ可能な点は、ほかのSNS広告と異なるLINE広告の大きな特徴といえるでしょう。
また以下の図は、LINEユーザーの世代別利用頻度を表しています。
引用:LINE Business Guide「LINEユーザー属性(性年代別の利用頻度)」
https://www.lycbiz.com/sites/default/files/media/jp/download/LINE%20Business%20Guide_202310-202403.pdf
家族や友人などのプライベートへの使用だけでなく、仕事や部活などの社会的なコミュニケーションにおいてもLINEを利用する方は多いでしょう。
毎日LINEを利用するユーザーは、図のようにどの世代においても6割を超えています。
FacebookやInstagramなどのSNSアカウントはなくても、LINEは毎日利用しているというユーザーは数多くいます。
LINEの世代を問わないユーザー層の幅広さやアクティブユーザーの多さから、LINE広告へ配信すると、これまでのSNS広告ではできなかった新規顧客へのアプローチが可能です。
以下の記事「LINE広告でアップデートされた「ラベル機能」とは?|設定方法や仕様・使えるアイデアなどを紹介」では、2023年8月に追加された「ラベル機能」について解説しています。
LINE広告の知見を深めたい方は、ぜひご覧ください。
LINE広告における自動ターゲティングとは
2023年4月に実施されたアップデートによって、LINE広告では手動のほかに自動ターゲティングが利用できるようになりました。
自動ターゲティングでは、広告配信するユーザーを機械学習によって選別します。
これまでに自社の広告を閲覧したユーザー情報を蓄積していき、今後のクリックを見込めるユーザーを選び、自動ターゲティングをおこないます。
AIによって最適なターゲティングをおこなってくれるため、LINE広告の配信で自動ターゲティングを活用すると、これまでの方法と比較してクリック率向上を見込めるでしょう。
LINE広告の自動ターゲティングと手動ターゲティングの違い
ここまで、LINE広告と自動ターゲティングの概要についてお伝えしました。
続いてLINE広告で利用できる自動ターゲティングは、手動ターゲティングとどのような点が違うのかについて以下の表をもとに解説していきます。
ターゲティングモード | ターゲティングの種類 | 入札方式 |
自動ターゲティング | ・オーディエンスセグメント配信
※ただし地域・性別・年齢・OSのみ |
・自動入札のCPC課金 |
手動ターゲティング | ・オーディエンスセグメン ト配信 ・オーディエンス配信 ・類似配信 |
・自動入札 ・手動入札 |
表のように、自動ターゲティングと手動ターゲティングは、選択できるターゲティングの種類や入札方式が異なります。
LINE広告において自動ターゲティングで選択できるターゲティングの種類は、オーディエンスセグメント配信のみです。
さらにすべてのセグメントにおいてターゲティング可能とは限らず、以下4つに限定されているので把握しておきましょう。
・地域
・性別
・年齢
・OS
入札方式に関しても自動ターゲティングでは、自動入札のCPC課金に限定されています。
そのため自動ターゲティングを選択した場合は、これまでの入札方式から自動的に変更されるので注意しましょう。
一方手動ターゲティングは、LINE広告が可能な以下3つのターゲティング機能すべてに利用できます。
・オーディエンスセグメント配信
・オーディエンス配信
・類似配信
3つのターゲティング機能について、もう少し詳しく解説していきます。
以下の記事「LINE広告 自動入札の仕組みとは?メリットや導入方法を徹底解説!」では、LINE広告の自動入札について、詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。
オーディエンスセグメント配信
オーディエンスセグメント配信とは、年齢や性別・地域などにおいてターゲットを限定して広告配信をおこなう機能です。
LINE広告では自動ターゲティングと、手動ターゲティングのどちらも利用できます。
※ただし 手動ターゲティングは地域・性別・年齢・OSのみ
オーディエンスセグメント配信では、以下のようなセグメントの種類を指定できます。
参考:LINEヤフー for business「オーディエンスセグメントを利用して配信する」
https://www.lycbiz.com/jp/manual/line-ads/ad_007/
オーディエンスセグメント配信において設定可能なセグメントの種類は表のとおりですが、詳細な内容はかなり多いため、抜粋して記載しました。
たとえば地域を限定する場合は、大きな範囲であれば都道府県から選択でき、狭める場合は半径1kmまで細かく可能です。
年齢や性別に関しても子供の有無や5歳間隔の設定をはじめ、さまざまなターゲティング設定ができます。
ただし、あまりにもターゲティング項目を絞りすぎると、広告の閲覧に至るユーザーが限られてしまい、広告効果を得づらくなってしまうので注意が必要です。
広範囲で設定してから効果分析をおこない、徐々にターゲティング範囲を狭めていくといいでしょう。
オーディエンス配信
LINE広告のオーディエンス配信とは、自社が所有しているユーザーデータをもとに広告配信をおこなうターゲティング方法です。
オーディエンス配信の活用例を挙げると、たとえばこれまでに自社商品を購入したユーザーの端末識別IDから、再度広告表示させてリターゲティングが可能です。
オーディエンス配信では購入を促せるほか、自社商材に関する問い合わせや資料の申し込みなどにつながる広告を配信できます。
以下の表に、オーディエンスの一覧をまとめましたので、参考にしてください。
参考:LINEヤフー for business「オーディエンスを使って配信する」
https://www.lycbiz.com/jp/manual/line-ads/tracking_006/
以下の記事「リターゲティングとは? 仕組みやメリット・広告運用のポイントまで網羅して解説」では、リターゲティングについて解説しています。
代表的なWebマーケティング手法のひとつであるリターゲティングについて詳しく知りたい方は、ぜひご覧ください。
類似配信
LINE広告の類似配信とは、コンバージョンした経歴のあるユーザーや自社の顧客データをもとに、類似したユーザーに対して広告配信をおこなう機能です。
自社の顧客と家族構成や、購買志向などが類似しているユーザーに対して広告配信をすれば、コンバージョンに至る確率が高まるでしょう。
類似配信において選択できるオーディエンスサイズは、LINEユーザー約9500万人のうち1~15%となっており、自動配信も選べます。
引用:LINEキャンパス「知っておくべき基礎知識」
https://campus.line.biz/line-ads/courses/da-knowledge/lessons/da-2-1-4
※2023年1月現在のLINE MAUは9,500万人
オーディエンスサイズが1%に近づき、小さければ小さいほど広告効果が期待できますが、リーチできる人数も狭まります。
一方オーディエンスサイズが15%に近づき、大きいほど類似ユーザーへの配信は困難ですが、多くのユーザーへリーチできます。
またオーディエンスサイズを自動で設定する場合は、パフォーマンスが安定しやすいので広告配信の初期段階が導入しやすいでしょう。
LINE広告の運用を通して、どの程度のオーディエンスサイズが広告配信効果が高まるのか、適切なパーセンテージを見つけてください。
また、類似配信において利用できるオーディエンスは以下7つです。
・ウェブトラフィックオーディエンス
・LINE公式アカウントの友だちオーディエンス
・IDFA/AAIDアップロード
・モバイルアプリオーディエンス
・動画視聴オーディエンス
・電話番号アップロード
・メールアドレスアップロード
類似オーディエンス作成後は、すぐに類似配信を利用できず、24時間程度待たなければならないケースがあるのであらかじめ余裕をもちましょう。
以下の記事「コンバージョン(CV)とは?用語の意味や利用方法まで詳しくご紹介!」では、コンバージョンについて解説しています。
Webサイト運営で頻出する単語「コンバージョン」について、知っているようで実はあまりよくわからないという方は、ぜひご覧ください。
以下の記事「【初心者必見】広告業界用語や略語を徹底解説!広告代理店で使用されているワードを厳選」では、広告業界用語について解説しています。
広告運用において、わかりにくい専門用語を4つのカテゴリに分けてまとめていますので、ぜひご覧ください。
LINE広告の自動ターゲティングを設定する手順
LINE広告の自動ターゲティングは、以下の4ステップで設定できるので非常に簡単です。
まずはこちらからLINE広告を始めるために、LINEビジネスIDを取得していきましょう。
「LINE広告をはじめる」をクリックしてください。
「メールアドレスで登録」をクリックしましょう。
メールアドレスを入力して、「登録用のリンクを送信」をクリックしてください。
入力したメールアドレスにLINE広告からメールが届きます。
リンクが添付されているので、パスワードを入力してログインしましょう。
ログインすると、以下のような広告アカウントの作成画面に遷移します。
まずは請求情報を入力してください。
続いて広告主情報を入れます。
次に商材情報を入力します。
IDがなければ「LINE公式アカウントを作成」を選択して取得します。
「カテゴリを選択」をクリックすると、以下のようにさまざまなカテゴリがあるので、商材にあったものを選択しましょう。
最後に基本情報を入力したら、「作成する」をクリックしましょう。
クレジットカードの入力画面に移るので、すべて埋めてください。
「次へ」をクリックすると、確認画面が表示されます。
「登録する」をクリックしてください。
「次へ」をクリックすると、広告マネージャー画面が表示されます。
ここまででLINE広告アカウントの作成は、完了です。
広告アカウントの審査があるので、10日ほど待ちましょう。
審査に通ったら、広告キャンペーンを作成しましょう。
基本情報や掲載期間などを設定して、「保存して広告グループ作成へ」をクリックしましょう。
以下のように、広告グループ作成画面に切り替わります。
このとき広告グループ画面の「ターゲット設定」において、「手動ターゲティング」と「自動ターゲティング」が選べるようになっています。
「自動ターゲティング」にチェックを入れましょう。
このほか以下、それぞれの項目を入力していきます。
基本情報を入力します。
広告グループ名はわかりやすい名前にしましょう。
ターゲット設定では「自動ターゲティング」にチェックが入っていることを確認して、国や地域などを選びます。
配信先や入札方法・予算などを入力したら、「保存して広告作成へ」をクリックしましょう。
「広告を作成」画面が表示されます。
まず広告名やフォーマットを決定してください。
広告名はわかりやすい名前にしておくといいでしょう。
フォーマットは、画像のほか、動画やカルーセルなど5つのタイプから選べます。
静止画を選ぶ場合は、視認性を高める構成にすると広告効果が期待できます。
動画の場合は、1フレーム目において広告内容がわかるような設定にして、ユーザーにメッセージが伝わるようにしましょう。
続いて、広告画面の設定をしていきます。
プレビューを確認しながら、画像やタイトルなどを設定して下さい。
コンバージョンボタンはクリックすると、以下のようにさまざまなタイプが選べます。
広告にあったタイプを選んでください。
下へ進み、必要に応じてリンク先URLまで入力を終えたら、「広告を保存」をクリックして終了です。
広告を保存すると審査が開始されます。
問題なく審査に通れば広告が配信されます。
基本的にLINE広告の自動ターゲティング設定は難しい作業は必要ないので、誰でも時間をかけずに設定できるでしょう。
LINE広告の自動ターゲティングをおこなう注意点
最後にLINE広告において、自動ターゲティングを実施する際に注意する点を3つ解説します。
・すぐに効果を得られるとは限らない
・機械学習がリセットされるケースがある
・ターゲティング範囲を広く定める
順番に見ていきましょう。
すぐに効果を得られるとは限らない
LINE広告において自動ターゲティングを設定しても、機械学習に最大48時間かかるため、すぐに広告効果を得られるとは限りません。
ターゲット設定画面において「オーディエンスを探索」と表示されている間は機械学習が実施されており、終了すると「オーディエンスの探索が完了しました」と切り替わります。
このとき任意でのターゲティングができるので、広告効果を高めるオーディエンス生成のために幅広く設定するといいでしょう。
AIが自社広告をクリックするユーザーについて学習するまでの期間は、関連のない範囲においても広告表示される可能性があるので理解しておいてください。
ターゲティング設定を実施しない場合は、機械学習が完了するまでの48時間は性別・年齢・地域をターゲティングするブロード配信となります。
もし48時間の間にクリックイベントに関する機械学習ができなかった場合は、以下から情報収集をおこないます。
・広告グループ
・キャンペーン
・広告アカウント
上記のほかにも、階層を遡ったり似ている広告情報を参考にしたりして、機械学習が実施されます。
このように自動ターゲティングには機械学習に時間が必要なため、実施しても効果がすぐに現れるとは限らないので知っておきましょう。
機械学習がリセットされるケースがある
LINE広告の自動ターゲティングは、設定を頻繁に変えたりインプレッションがまったく発生しない期間が続いたりすると、機械学習がリセットされる場合があるので注意が必要です。
自動ターゲティングを設定した後も、手動ターゲティングへの変更は可能です。
しかし頻繁に切り替えを実施すると、機械学習が適切におこなわれずに自動ターゲティングの精度の低下を招きかねません。
成果が思うように出なければ不安になり、自動ターゲティングと手動ターゲティングを切り替えたくなるかもしれませんが、頻繁な設定変更は避けた方がいいでしょう。
また180日間インプレッションが発生しない場合は、機械学習がリセットされます。
一時的に広告の配信停止をする場合は、機械学習のリスタートによって以前と同等の広告効果が得られなくなる可能性があるので注意が必要です。
LINE広告の自動ターゲティングは、機械学習がリセットされるリスクがあることを知っておきましょう。
ターゲティング範囲を広く定める
LINE広告の自動ターゲティングではターゲティング範囲を狭めすぎてしまうと、広告表示の機会損失につながる可能性があるため、機械学習が完了するまでは広く定めましょう。
以下4つの設定が、LINE広告の自動ターゲティングでは可能です。
・地域
・性別
・年齢
・OS
上記4つの項目においてはターゲティングする地域を半径1kmにしたり、年齢を限定したり、細かく設定して広告運用ができます。
しかしターゲティング範囲を狭めすぎてしまえば機械学習が効率的に進まず、本来であれば獲得していたはずの見込み顧客を逃してしまう可能性があります。
LINE広告において自動ターゲティングをおこなうときは、機械学習を終えるまでターゲティング範囲を細かく設定せずに、広く定めておきましょう。
まとめ
本記事ではLINE広告の自動ターゲティングについて、概要や手動ターゲティングとの違い・設定するうえでの注意点を解説しました。
LINE広告の自動ターゲティングは、オーディエンスセグメント配信の一部にのみ使用できる機能です。
課金方式は自動入札のCPC課金のみなので、設定すると自動的に以前の入札方式から変更される点を事前に認識しておいてください。
LINE広告の自動ターゲティングを取り入れると広告運用の効率化につながり、AIによるターゲティングの最適化によってクリック率の向上を見込めます。
ただし機械学習によってターゲティングが実施されるので、本記事で紹介した注意点を事前に把握したうえで自動ターゲティングをおこないましょう。
LINEは日本国内において多くのユーザーがいるだけでなく、ほとんどがアクティブユーザーです。
「今よりターゲティング範囲を広げて、広告の表示回数増加を狙いたい」
「新たな顧客獲得のために動きたいけど、どうやってターゲティングしたらいい?」
このようにお考えの方は、LINE広告の自動ターゲティングの導入を検討してみてください。
LINE広告への配信によって幅広い世代にアプローチが可能なので、ぜひ自動ターゲティングを活用して広告運用の効率化につなげ、コンバージョンを獲得しましょう。
当社では、広告代理店、インハウス支援を行っております。もしこの記事を読んで
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