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宣伝失礼しました。本編に移ります。
企業のマーケティング戦略を決定するためには、自社ならびに競合他社、政治や経済など、さまざまな要因について理解しておくことが大切です。
分析のフレームワークは多数ありますが、この記事では外部環境の分析フレームワークのひとつである「PEST分析」について解説していきます。
正しい情報分析は、企業を成功へと導いてくれるので、この機会にしっかりと覚えて活用してみてくださいね。
PEST分析とは?
PEST分析は、「自社ではコントロールできない環境変化」を分析するためのフレームワークであり、4つの領域の動向を分析します。
「自社ではコントロールできない環境変化」とはどんな環境なのでしょうか。
企業を取り巻く環境は、日々変化を続けています。その中でも「自社ではコントロールできない環境変化」をマクロ環境と呼びますが、聞きなれない言葉のため、何?たとえばどんな環境?と思う人もいるでしょう。
マクロ環境とは、世界政治や経済の動向、社会の価値観など、ひとつの企業がどうあがいたってコントロールできない環境のことを指します。
たとえば記憶に新しいことでいえば、米国で史上初のアフリカ系米国人「オバマ元大統領の」や実業家でオバマ元大統領とは考えも行動もまったく違う「ドナルド・トランプ元大統領」など、米国の政治が大きく動くことになった大統領選出。
経済では世界中で猛威をふるったコロナ禍による経済悪化、など何もせずとも年月とともに変化してしまう環境の変化を「マクロ環境」というのです。
PEST分析で分析する領域は次の4つ。
・政治(Politics)
・経済(Economy)
・社会(Society)
・技術(Technology)
企業が収益性をあげるためには、市場や顧客、競合分析をして戦略をたてていくのがセオリーですが、戦略を決定していく前準備として、PEST分析によってより広い視野の調査しておくという風に思ってもらえるとわかりやすいでしょう。
それではなぜ自社でコントロールできない領域まで分析する必要があるのでしょうか。主な目的は次の2つと言われています。
- 市場の将来性や起こり得る変化を予想する
- マーケティング戦略の方向性を決定する
企業の事業活動は、常にさまざまな脅威やチャンスに囲まれています。ゆえに企業は四方八方にあるいくつもの領域についてつねづね目を光らせて、競合に負けないように、そしてより収益性を高めるための戦略をたてて戦っていかなくてはいけません。
そして戦略をたてるためには、内部環境と外部環境の分析が重要となっています。しかし、いくら市場や競合などの外部分析や自社の強み・弱みを入念に分析しても、政治や経済などのマクロ環境を無視してしまっては、効果的な戦略をたてることはできません。
PEST分析で分析できる「政治・経済・社会・技術」の4つの領域は、とくに自社に大きな影響を与える要因であり、しっかりと分析をおこなうことで戦略を決定していくうえでの土台が築けるのです。
PEST分析の4つの要因
PEST分析では次の4つの要因について詳しく分析していきます。
- 政治(Politic)
- 経済(Economy)
- 社会(Society)
- 技術(Technology)
ひとつひとつの要因の範囲が広すぎるため、イメージしにくい人も多いでしょう。しかしPEST分析をしていくうえで、上記の4つの要因についてわかっていないと、正しい分析ができないため、しっかりと理解していきましょう。
政治(Politic)
政治的要因は、市場に影響を及ぼす「ルールそのもの」を指し、法律や行政、政治の動向のことをいいます。
主な例としては…
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政治的要因から分析するポイントは、「自社にとって今後どのような影響があるのか」を見抜くことです。
最近の出来事でいえば、インボイス制度の導入で「税のルール」が変更になりました。免税事業者や業種によっては、大きな影響を受けたのではないでしょうか。
このように、政治的要因の変化は、市場に大きな影響を及ぼすタイミングです。分析によって変化にすぐに対応し、自社が受ける損害を少しでも軽減する方法、有効活用する手段を見逃さないようにしなくてはいけません。
経済(Economy)
経済的要因は、売上や収益に直結する「バリューチェーン」のことをいい、経済成長や為替などが影響します。
バリューチェーンとは、直訳すると「価値連鎖」という意味で、企業における商品の原材料調達から製造、流通、販売、そしてアフターケアまでに至る事業活動を、価値創造のための一連の流れ、として捉える考え方です。
主な例としては…
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経済面から外部環境を分析することで、ビジネスチャンスを見つけたり、経済の動向の変化で受ける損失を最小限に抑える施策の検討が可能に。
新型コロナウイルス蔓延によって、世界の経済は落ち込みました。飲食業では、外食が減ったことで収益が下がりましたが、テイクアウトの強化やUber Eatsの活用で、損失を抑える工夫をした企業が多いでしょう。
また「おうち時間」という言葉ができるほど、自宅での時間を有意義にできることが人気に。たとえばインターネットでの買い物が増えた結果、ECサイトの売上が伸びたり、ペットをお迎えする人が増えたりと、市場にもさまざまな変化がありました。
上記のように経済面の大きな変動は、自社の今後の方向性に大きな影響を与えるので、分析によって早めに把握しておくことが重要なのです。
社会(Society)
社会的要因の分析とは、消費者の動向や価値観の変化といった「生活の需要」に影響を与える項目を指します。
主な例としては…
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経済的要因でも消費行動について考えましたが、社会的要因では、「消費者」のライフスタイルや社会構造そのものに着目して、分析していく必要があります。
たとえば現在は少子高齢化のため、子どもひとりひとりの教育にお金をかける傾向があります。それに伴い、習い事や塾の費用、送り迎えのための車、大学入学資金など、教育費の種類も変化しつつあるといえるでしょう。
一方で高齢者を対象にしたビジネスの市場も拡大傾向に。このように社会が変わっていけば市場も移り変わっていくので、自社の事業の方向性をを決定するうえでも、社会的要因の分析は必要不可欠といえます。
技術(Technology)
技術的要因とは、テクノロジーの飛躍的進歩や特許など、市場の「成功要因」を指し、技術の発達によって、社会の歴史が大きく変わることも十分にありえます。
主な例としては…
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新技術の開発や自動化は、新ビジネスの誕生や、事業の成長や衰退に大きく関わります。
たとえば2000年前半ごろまでは、ガラケーと呼ばれている携帯電話が主流でしたが、2015年頃にはスマホの普及率が50%に。
それに伴い携帯電話会社は大きな影響を受けただけではなく、イヤフォンやケースなどの周辺機器販売の市場が拡大されました。
このように技術の進化は、決して無視できない要因のひとつです。特に日本は世界的にみても技術力が非常に高いといえます。
ゆえに技術的要因の進化をしっかりと知っておくことは、新しいビジネスのチャンスの獲得や、損失を最小限に抑える可能性につながるのです。
【6ステップ】PEST分析の基本的な手順
PEST分析について理解したところで、実際に分析をおこなう基本的な手順を「6ステップ」で見ていきましょう。
正しい手順で分析をおこなわないと、自社に有効的な結果が得られない可能性も。それぞれの手順における注意点やポイントについて解説していくので、参考にしてみてくださいませ。
手順は以下のとおり。
- 情報収集
- 情報を4要素に分類
- 事実と解釈に分ける
- 事実をチャンスと脅威に分類
- 時間軸を定める
- 戦略に落とし込む
ここではファミレスチェーンを例にみていきましょう。
①情報収集
まずは「自社が行っている事業の情報」を収集しましょう。
ただし正確な情報を集めるためにも、主観が強いものや口コミではなく、国が発表している統計や業界団体から発信された情報、専門誌や新聞など「信頼性が高い」情報を収集することが大切です。
たとえばファミレスチェーンについての情報を集めるのであれば、次のようなものが考えられます。
- 新型コロナウイルスの終息傾向によって外食への抵抗感が減少
- インボイス制度の導入
- セルフレジの導入
- アプリでの予約
- 配膳ロボットの導入
- 労働人口の減少
- 外国人観光客の増加
- コンビニやスーパーの異業種の攻勢
- 物価の上昇
- 光熱費の上昇
- テイクアウトの需要
②情報を4要素に分類
情報の収集が完了したら、次にPEST分析の4つの要因(政治・経済・社会・技術)に分類する。
政治 | 市場に影響を及ぼす「ルールそのもの」を指し、法律や行政、政治の動向のこと |
経済 | 売上や収益に直結する「バリューチェーン」のこと |
社会 | 消費者の動向や価値観の変化といった「生活の需要」に影響を与える項目 |
技術 | テクノロジーの飛躍的進歩や特許など、市場の「成功要因」 |
ファミレスチェーン市場に関する情報を、上記の4要素に分類すると、分類例は次のようになります。
政治 | インボイス制度の導入 |
経済 | 新型コロナウイルスの終息傾向によって外食への抵抗感が減少 |
社会 |
労働人口の減少
外国人観光客の増加 コンビニやスーパーの異業種の攻勢 物価や光熱費の上昇 テイクアウトの需要 |
技術 |
セルフレジの導入
アプリでの予約 配膳ロボットの導入 |
③事実と解釈に分ける
②で振り分けた要因を、次の点に注意しながら「事実と解釈」に分類していきます。
事実 |
実際に起きたまたは起きている事柄
データなどから明確にわかること |
解釈 | 起きている事柄に対して、主観で感じていること |
事実と解釈の分類は、どちらに当てはまるのか難しいですが、「データがあるかどうか」をひとつの基準にしてみると良いでしょう。
たとえば上記の要素の中から、一部例として挙げるのであれば…
事実 |
インボイス制度の導入
新型コロナウイルスの終息傾向 |
解釈 | 新型コロナウイルスの終息傾向によって外食への抵抗感が減少 |
「インボイス制度の導入」は、2023年10月から本運用が開始しているので、「事実」となります。また「新型コロナウイルスの終息傾向」も、5類感染症に移行となっているので、「事実」に分類。
しかし「外食への抵抗感が減少」は、起きている状況を個人の主観で判断して、因果関係が定かではないことになります。ゆえにこの要因は「解釈」と分けられるのです。
④事実をチャンスと脅威に分類
③の工程で「事実」に分類した要因と、さらに「脅威(リスク)」と「機会(チャンス)」に分けていきます。
自社にとって有利に働く、または収益につなげるチャンスであれば「機会(チャンス)」に。そして不利に働く要因は「脅威(リスク)」に分類。
たとえば「コンビニやスーパーの異業種の攻勢」は、顧客減少に繋がる恐れがあるので「脅威(リスク)」となります。しかしサービスや質などで差別化することで、新たな層を取り込む「機会(チャンス)」が生まれるかもしれません。
一見「脅威(リスク)」に見える要因も、視野を変えることで「機会(チャンス)」にもなり得るのです。
したがって、「脅威(リスク)」と「機会(チャンス)」に分類するときは、大きなチャンスにつながるアイデアが見つかる可能性もあるので、多面的な視点をもつことが大切になります。
⑤時間軸を定める
すべての要因の分類が終わったら、実際の戦略に落とし込む前に「脅威」と「機会」が、短期的なものなのか、長期的なものなのかを整理する必要があります。
どのくらいの期間自社に影響を及ぼすのかを知っておくことで、どの順番で対処していくのかが明確に。
たとえば「インボイス制度の導入」は、2023年10月から制度の適用を受けるならば、それまでに申請して登録されていなくてはいけません。
一方で「労働人口の減少」は、確かに年々減少していってはいますが、長期計画で対策を講じる必要があります。そのためこの2つの要因は「インボイス制度の導入」が優先になるとわかるでしょう。
時間軸を気にしないで戦略をたてて行動に起こしてしまっては、取り組みを実施している間に、他の要因による損失がでたり、ビジネスチャンスを逃す可能性もあります。
PEST分析を正しく活用するため、そして事業戦略を立てやすくするためにも、時間軸を整理して優先順位を定めておくようにしましょう。
⑥戦略に落とし込む
最後に具体的な施策へ落とし込んでいきます。
施策に落とし込み優先度は「緊急性が高くて短期的に対処が必要なもの」です。そして「脅威(リスク)」に分類したことを避けつつ、機会(チャンス)によって事業の成長を目指せる戦略を立てましょう。
たとえば「テイクアウトの需要」は、テイクアウトに必要な設備や備品の導入、プロモーションの強化やキャンペーンなど、短期的な施策が必要です。
一方で「配膳ロボットの導入」は導入までにかかるコストを考えると、中長期での予算計画が必須。
このように自社が今できることが何かということと向き合いながら、優先順位を決めて施策を検討しましょう。
ただしPEST分析だけで具体的な成果を上げるのは難しいため、「他の分析方法と併用」「分析結果を今後の戦略にどのように活用していくのか」などを念頭において、分析を進めていくのが、戦略を成功させるコツのひとつです。
PEST分析を成功させるためのコツ
PEST分析をせっかく行っても、想定した成功が得られないと意味がありません。
正しく活用するために、ここでは「成功させるコツ」を3つご紹介します。
- 短期間の分析には活用しない
- 内部環境の分析ではないことを覚えておく
- 分析することを目的としない
短期間の分析には活用しない
PEST分析は、「来月実施するマーケティングの戦略を決めたい」といった、短期間の分析には向いていません。
その理由は、分析の対象となる要因「政治・経済・社会・技術」は、短期的に移り変わるものではなく、数年単位といった中長期で変化する事象だからです。
極端な話…「来月バレンタインデーのイベントがあるから、競合他社と差別化をして収益をのばしたい!」と思ってPEST分析をおこなっても、数か月程度ではチョコレート市場に影響を及ぼすような変化が急に現れるとは思えませんよね。
このように短期的な戦略には適していない分析手法なので、あくまでも中長期的なマーケティング戦略を立てる際に有効活用しましょう。
内部環境の分析ではないことを覚えておく
PEST分析は、ビジネスを取り巻く外部の環境を分析するフレームワークなので、自社の強みや弱みなど、競合他社との差別化に必要な内部環境の分析はできません。
またPEST分析の結果は、自社の特徴を考慮した分析結果ではなく、あくまでもマクロ環境を視点の中心として考えていくものになります。
しかし戦略を決定していくためには、「外部環境×内部環境」のプラス面とマイナス面を把握して、戦略に落とし込んでいくのが重要です。
内部環境を分析するには、記事の最後に紹介している「SWOT分析」や「3C分析」が有効的なので、参考にしてみてください。
分析することを目的としない
PEST分析をするには、先に事業目標を定めておく必要があります。
目標もなく分析だけをおこなっても、複雑なデータをさばくのにいっぱいになって、分析作業が目的になってしまい、労力だけがかかってしまった、ということになりかねません。
しかし先に目指すべきものがあれば、常にゴールを意識しながら作業を進められるので、手順を忘れて脱線したり、必要のない情報収集に時間をかけたりということはなくなるでしょう。
したがって、分析を始めるまえに必ず「事業の目的や分析する目的」などを決めて、ゴールを目指して進めていくことが重要です。
PEST分析の弱点
マクロ環境の分析に有効的なPEST分析ですが、いくつかの弱点もあります。ここでは次の4つの内容について解説していきます。
- 要素選びはマーケターの能力によって偏る
- 戦略のストーリーを作ってくれる訳ではない
- 問題の優先順位は指導者が決めなくてはならない
- PEST分析だけでは情報が足りない
要素選びはマーケターの能力によって偏る
PEST分析をおこなううえで、「政治・経済・社会・技術」の領域の中から、自社に影響を与える可能性がある要素を抽出していきます。
しかし要素を抽出するときに、選択肢から選択していくわけではないので、抽出する人物の考えや知っている事柄によって、トピックに偏りが生じる可能性が。
たとえば「自分の業界については詳しいけど、政治や経済については興味がない」「新技術が開発されるたびにワクワクするから、いつも情報をチェックしている」など、興味関心は人それぞれです。
自社に影響を与える要因の抽出なので、情報収集はするとしても、「抜けや漏れ」が生じるケースが多々あります。そのため、分析に用いるトピックを選ぶ際には、ひとりではなく異なる視点や専門知識を持つ、複数のメンバーで内容をチェックしながら、包括的かつ網羅的に抽出していくことが重要です。
またひとつの部署内だけではなく、営業や技術開発部門、経営陣などからのフィードバックを得ることで、多様な視点から要因を挙げることができるでしょう。
戦略のストーリーを作ってくれる訳ではない
PEST分析を始めとする戦略フレームワークは、自社の現状把握やそこから将来の可能性の把握がメインです。
ゆえに分析を行ったからといって、事業戦略が決まるわけではないので、「自社が成功するためには何をすればいいのか」といった戦略をたてるのは、マーケター自身となります。
もちろん外部環境の分は、自社が受ける影響を把握するのには有効的ですが、過度な期待をもって活用するのは禁物です。
PEST分析の結果は、あくまでも「将来の可能性」を把握する手段と認識して、事業戦略を立案するヒントにしていきましょう。
問題の優先順位は指導者が決めなくてはならない
PEST分析で分析する「政治・経済・社会・技術」の4要素の重要性は同等に扱われています。
なぜなら、どの要因がどの程度影響するかは業種や市場によって異なるからです。
たとえば、携帯電話やパソコンなどの分野では「技術の変化」の要素が大きく影響しますが、派遣業界などは「技術」よりも「政治」や「社会」の要素変化に影響されやすいです。
このようにPEST分析の活用者によって要素の優先順位が異なるため、指導者が優先順位の高いものを決定しなくてはいけないのです。
また4つの要素はすべて常に変化するので、優先順位をつけておかないと分析も際限がなくなってしまいます。
万が一決定できる人が居なかった場合、4要素に等分にして尽力してしまうかもしれません。それでは「損失(リスク)」や「機会(チャンス)」を逃してしまうことも。
タイミングを逃さずに見極めるためには、「自社にとって今影響が大きいものや、すぐに対処が必要な事柄」を明確にして、指導者が必ず優先順位をつけるようにしましょう。
PEST分析だけでは情報が足りない
PEST分析は、あくまでもマクロ環境を分析をするためのフレームワークです。
しかし自社に影響を及ぼすのはマクロ環境だけではありません。新規参入や代替品の脅威に対するマーケティング戦略。自社の強みや弱みを把握して、競合他社との差別化できるように、自社の分析も重要。
このように事業戦略を決定していくには、いくつかのフレームワークを組み合わせて分析をしていくのが一般的とされているのです。
次ではPEST分析と組み合わせて活用されている、4つのフレームワークについても解説していくので参考にしてみてください。
PEST分析と組み合わせて使えるフレームワーク
PEST分析は、マクロ環境を分析するのに最適なフレームワークです。
- 3C分析
- 4P分析
- 5F分析
- SWOT分析
PEST分析をおこなううえで、必ず活用するフレームワークなので、この機会に覚えておきましょう。
3C分析
3C分析とは、マーケティング戦略や自社のビジネスプランを立てるうえで必要な、環境分析の基本的なフレームワークです。
環境分析にもさまざまありますが、3C分析の環境とは「Customer(市場・顧客)」「Cmpany(自社)」「Competitor(競合)」の3つを指し、それぞれの頭文字をとって「3C分析」と呼ばれています。
自社の商品やサービスに興味関心をもってくれたり、実際に利用する顧客、市場の動向などを分析する「市場・顧客分析」で市場や顧客のニーズを把握。
市場における競合の動向やマーケティング戦略の分析、自社と競合の利点や欠点の認識に役立つ「競合分析」。
そして自社の強みや弱みを知って、どのようにマーケティングしていくのかを決定づけるのに必要な「自社分析」、それぞれの情報を収集することで、自社の本質や外面的に必要な部分の理解が深まります。
またマーケティングは、競合との差別化に役立つポイントを把握するのにも有効です。マーケティング戦略のひとつである広告は、いまや同じようなデザインが多く、ユーザーも飽きているのが現状です。
そのため競合や他社と同じようなプロモーションをかけても、ユーザーの心に響くのは難しいでしょう。
そのため自社と競合を比較して、差別できるポイントや改善点を発見して、顧客ニーズにより答えられるようなマーケティング戦略を練っていくことが大切なのです。
3C分析についてさらに詳しい内容は、下記の記事をご覧くださいませ。
4P分析
4P分析の「4P」とは、Product(製品)・Price(価格)・Place(流通・場所)・Promotion(プロモーション)の頭文字を取った言葉です。
企業が商品・サービスを市場へ提供する時に、どんな製品を・いくらで・どの場所(経路)を使って・どんな方法で販売するのかを検討するためのフレームワークになります。
例として、一冊の本を販売するとしましょう。その場合は…、
- 資格試験対策本を(どんな製品か?)
- 3500円で販売(いくらで?)
- 都市部の大型書店やインターネット通販(どの場所で?)
- 店頭の一押しコーナー・通販サイトでおすすめ商品として表示(どんな方法で?)
など、販売するための各要素を総合的に分析・検討することで、成果を上げていくためのものです。
「4P分析を利用する目的」を簡潔かつ解かりやすく言うと、Product(製品)・Price(価格)・Place(場所・流通)・Promotion(プロモーション)という4つの要素を総合的に分析し、自社の効果的かつ効率的な販売戦略を立てるためです。
前述した各要素の詳細から分析・検討をおこない、自社のマーケティングや広告の運用に応用し、消費者視点からの「最適な商品を、適正な価格と場所・流通手段で提供する」方法を考えます。
しかし4P分析は、どうしても「企業側(売り手側)視点の分析」になってしまうので、その点を注意して各要素を総合的に分析しましょう。
また正直、手間のかかる分析で「できることなら回避したい」と考える人は少なくないと思います。
マーケティング戦略の改善や立案に欠かせないものだと解かっていても、具体的なメリットやデメリットを知っておいた方が、各要素をより深く理解することができます。
【メリット】
マーケティング戦略の分析において、4P分析をおこなうことで得られるメリットは「漏れや重複を回避した網羅性の高い整理された考え方」ができるようになることです。
どんなに緻密な計画を立案して実行しても、アクシデントや事故などの問題は発生します。そんな時でも、4P分析から得られた思考をおこなうことで、事態の収拾や解決に向けての行動がスムーズになります。
【デメリット】
デメリットとしては、前述した通り「売り手側の視点に偏る」という点です。
そのため、企業が提供する価値の提供手段と経路・価格設定などが「企業側の独りよがり」になりがちで、最悪の場合「消費者の存在や意見・ニーズ」を無視した戦略になってしまいます。
下記の記事では、4P分析の進め方や成功事例をご紹介しています。合わせてご覧ください。
5F分析
5F分析とは外部環境分析のフレームワークのうち、事業環境を分析するための手法です。
アメリカの経営学者マイケル・ポーターが提唱したもので、彼は「業界の競争状態」を把握するには、「競争要因」を知ることが重要と説いています。
そしてその競争要因は次で解説する、
- 既存企業同士の競争
- 新規参入者の脅威
- 代替品や代替サービスの脅威
- 買い手(顧客)の交渉力
- 売り手(サプライヤー)の交渉力
の5つの要因があり、これらが業界の収益性に大きな影響を及ぼすとされているのです。
また5F分析を実施して、収益構造や競争上の優位性を把握できれば、マーケティング戦略を立案するときにも役立ちます。
そして5F分析をおこなう目的は主に次の3つが考えられます。
- 脅威の把握によって自社を見つめなおせる
- 新規参入や撤退の参考になる
- 予算配分の判断に役立つ
なお「5F分析」については、下記の記事でさらに詳しく解説していますので、参考にしてみてください。
SWOT分析
SWOT分析の「SWOT」は、「Strengths(強み)」「Weaknesses(弱み)」「Opportunities(機会)」「Threats(脅威)」の頭文字を取ったもので、会社組織の戦略策定・計画立案に利用される分析手法です。
現在の自社がどのような立ち位置にあるのかを「強み・弱み・機会・脅威」の観点から内的要因・外的要因を明確にし、今後どのように対応していくかを「戦略的な意思決定」をおこなう時に役立ちます。
わかりやすく言うと、「自社の強みを活かしつつ、弱みを克服し、機会を逃さず、脅威に対処する」ための計画を立てる時に必要な分析ツール…ということです。
SWOT分析をおこなう目的は、「現時点での自社の環境を客観的に分析し、事業の方向性を決める」ことです 。
特にソフトウェア業界では、技術トレンドやニーズの変化が激しく、多くの企業が参戦しては撤退を余儀なくされています。
そんな中でも、SWOT分析を有効活用することで「周囲の環境に素早く対応しつつ、機会を逃さず進歩を続ける」ことが可能です。「内部環境と外部環境の違いを理解し、差別化戦略をおこなう」ことも可能です。
さらに、SWOT分析は既存事業や新規事業にも有用な分析手法で、既存事業では改善点や将来起こりうるリスクを具体的に導きだせます。
新規事業なら、競合との差別化・将来的なリスクへの早期発見・事前対策なども可能になるでしょう。
しかし、SWOT分析も万能な分析方法ではないため、SWOT分析のみをおこなうだけで「自社の課題や外部の影響」が理解できたと考えるのは禁物です。あくまで「ある一面を切り取る分析方法のひとつ」と考え、過信してはいけません。
特に外部環境は複雑で抽象的なため、狭い視野ではなくより広いマクロな視点で分析ができる「外部環境分析フレームワーク」の併用が効果的です。
マクロ分析が甘いままでSWOT分析をおこなうと、「自社視点・自己顕示だけのプロダクト開発」「市場のニーズと違った方向性の戦略設計」になってしまう可能性があります。
重要なのは「分析しただけで満足しない」「SWOT分析だけで全てを網羅したつもり」にならないことです。
SWOT分析については、下記の記事でさらに詳しく解説しています。
マクロ環境の変化に迅速に対応しよう
PEST分析とは、マクロ環境である「政治・経済・社会・技術」の4要素を分析するためのフレームワークです。
マーケティング戦略を決定していくためには、自社や競合他社、市場分析だけでは不十分であり、マクロ環境の移り変わりが自社に及ぼす影響についても知っておく必要があります。
マクロ環境の変化は自社の意思ではどうしようもないので、いかにして損失を少なくして、チャンスを掴むかで、企業の未来が代わるといっても過言ではありません。
しかし分析は正しい方法で活用しなければ、自社にとって効果のある情報にはなり得ません。
どんどん変化していく顧客のニーズや環境に対して、迅速に対応していくには、正確な手順で分析をおこない、自社にとって有益な分析につなげていきましょう。
当社では、広告代理店、インハウス支援を行っております。もしこの記事を読んで
・理屈はわかったけど自社でやるとなると不安
・自社のアカウントや商品でオーダーメイドで説明して欲しい
・記事に書いてない問題点が発生している
・記事を読んでもよくわからなかった
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