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リスティング広告の運用において「トラッキングテンプレート」という設定項目を目にした際、その役割や重要性を十分に理解しないまま、あるいは前任者の設定を引き継いだまま運用されているケースは決して少なくありません。

 

結論から申し上げますと、トラッキングテンプレートは、GoogleやYahoo!といった媒体標準のコンバージョン測定機能だけでは捉えきれない、より精緻な広告効果の測定と分析を実現するために不可欠な機能です。特に、第三者機関が提供する広告効果測定ツール(例:アドエビス、ウェブアンテナなど)を活用し、複数の広告媒体を横断した正確なコンバージョン経路を分析する上で、その真価を発揮します。

 

このテンプレートを正しく活用することで、媒体間の重複コンバージョンを排除し、真の広告費用対効果(ROAS)を把握できます。さらには、どのキャンペーン、どのキーワードが最終的な成果に結びついたのかを詳細に分析し、データに基づいた的確な予算配分や運用最適化へと繋げることが可能になります。

 

本記事では、トラッキングテンプレートの基本的な仕組みや役割はもちろん、具体的な構文の作成方法、実務で頻出するValueTrackパラメータの使い方、そして現代の広告運用に必須の知識である「パラレルトラッキング」に至るまで、図解を交えながら網羅的かつ詳細に解説してまいります。本機能への理解を深め、広告運用の精度と効率を一段階上へと引き上げたいとお考えのご担当者様は、ぜひ最後までご一読ください。

Google広告の完全ガイド|費用から設定、成果を出す戦略までプロが徹底解説
2023-03-31 23:02
現代のWebマーケティングにおけるGoogle広告の重要性 現代のWebマーケティングにおいて、見込み顧客の獲得と事業成長を加速させるために、Google広告の活用はもはや選択肢で...

トラッキングテンプレートとは?【基本の理解】

トラッキングテンプレートとは、一言で表現するならば「広告クリックの経由地を記録するための指示書(URL)」です。Google広告やYahoo!広告といったプラットフォームに標準搭載されている測定ツールを用いるのではなく、より高度な分析を可能にする「外部の広告効果測定ツール」を利用して、配信中の広告がどのように成果に結びついたかを測定・分析する際に設定する、特殊なURLのことを指します。

 

主にリスティング広告で活用される機能であり、広告の入稿プロセス、特にURLオプションの設定画面で指定することになります。この設定は、アカウント全体からキャンペーン、広告グループ、個別の広告やキーワードに至るまで、様々な階層で適用することが可能です。

 

仕組みの核心:リダイレクトによる情報付与

トラッキングテンプレートが機能する仕組みの核心は「リダイレクト」という技術にあります。ユーザーが広告をクリックした際、直接広告主のウェブサイト(ランディングページ)に遷移させるのではなく、一度、トラッキングテンプレートに設定された外部測定ツールのサーバーURLを経由させます。

 

この経由する瞬間に、外部測定ツールはクリックに関する様々な情報(例:どのキャンペーンの、どのキーワードからのクリックか、デバイスは何か、など)を記録し、そのユーザーのブラウザに識別情報(Cookie)を付与します。そして、情報記録の処理が完了した直後、ユーザーを本来の目的地であるランディングページへと瞬時に転送(リダイレクト)するのです。

トラッキングテンプレートの仕組みを図解で説明するイラスト

この一連のプロセスを経ることで、たとえユーザーが広告をクリックした直後にはコンバージョンせず、後日、別の経路(例えばオーガニック検索やSNS経由)でサイトを再訪しコンバージョンした場合でも、最初に付与されたCookie情報を基に「あの時の広告クリックが、最終的な成果の起点であった」と正確に紐付けることが可能になります。これにより、広告の間接的な貢献度を含めた、より深い分析が実現できるため、データドリブンな意思決定を行う多くの企業で積極的に活用されています。

トラッキングテンプレートを設定する本質的な目的

トラッキングテンプレートを設定する本質的な目的は、単に外部ツールを連携させること自体ではありません。その先にある「複数媒体を横断した、正確無比なコンバージョン数値の測定・分析」を実現するために、クリックが発生した瞬間に測定用の外部ツールサーバーへ確実にアクセスさせ、分析の起点となるCookie情報をユーザーのブラウザに付与することにあります。

 

しかし、ここで注意すべきは、単に外部ツールの計測用URLをテンプレートに設定しただけでは、ユーザーを最終的なコンバージョンページへ導くことはできないという点です。計測用URLはあくまで情報記録のための中継地点であり、それ自体がユーザーの目的地ではないからです。

 

したがって、トラッキングテンプレートの真の役割は、以下の2つの機能を両立させることにあります。

  1. 外部測定ツールのサーバーを経由させ、計測に必要なCookieを付与し、クリック情報を記録する。
  2. 情報記録後、広告主が「ユーザーに最終的に到達してもらいたいページ(最終ページURL)」へと、確実かつシームレスにリダイレクトさせる。

 

このリダイレクト設定は極めて重要であり、広告プラットフォームの審査プロセスにおいても厳しくチェックされる項目の一つです。審査では、広告で設定された最終ページURLと、トラッキングテンプレートを経由した後の最終的な到達ページのURLが完全に一致しているかどうかが検証されます。ここに相違がある場合、ユーザーを意図しないページへ誘導する行為とみなされ、広告は不承認となります。このことからも、トラッキングテンプレートが広告配信の根幹に関わる重要な設定であることがお分かりいただけるかと存じます。

なぜ、媒体標準タグではなく外部ツールで計測するのか?

近年、Google広告やYahoo!広告の運用経験が豊富なご担当者の間で、媒体が提供する標準のコンバージョンタグを直接サイトに設置するのではなく、トラッキングテンプレートを介して外部の広告効果測定ツールで一元的に計測・分析する手法が主流となりつつあります。なぜ、あえて一手間かけて外部ツールを利用するのでしょうか。その最大の理由は、媒体をまたいだ際の「コンバージョンの重複計測問題」を回避し、広告投資の全体像を正確に把握するためです。

 

媒体をまたいだ際の「重複計測問題」とは

Google広告やYahoo!広告がそれぞれ発行するコンバージョンタグを利用した場合、各媒体は自身のプラットフォーム経由のクリックがコンバージョンに繋がったかどうかを、それぞれの基準で判断します。これは、ユーザーが利用するブラウザに付与される、媒体固有のCookie情報を基に行われます。

 

例えば、あるユーザーがGoogle広告のクリックのみを経てコンバージョンした場合、この計測方法に問題は生じません。GoogleのCookieのみが付与され、Google広告の管理画面で「コンバージョン1件」として正しく記録されます。

Google広告経由のみのコンバージョン計測を示す図

この場合、最終的な成果は1件として、何の問題もなくカウントされます。

 

しかし、現代のユーザー行動はより複雑です。複数の広告媒体を比較検討し、時間をかけて意思決定を行うのが一般的です。ここで、次のようなシナリオを考えてみましょう。

Google広告とYahoo広告を経由した場合の重複計測問題を示す図

上の図のように、ユーザーがまずGoogle広告をクリックして商品を認知しましたが、その場では購入せずサイトを離脱。数日後、Yahoo!広告で同じ商品を見かけ、クリックしてコンバージョンに至ったとします。この場合、ユーザーのブラウザにはGoogle広告をクリックした際に付与されたCookieと、Yahoo!広告をクリックした際に付与されたCookieの両方が存在することになります。

 

その結果、Google広告のシステムは「自身の広告が貢献した」と判断しコンバージョンを1件カウントし、同様にYahoo!広告のシステムも「自身の広告が貢献した」と判断してコンバージョンを1件カウントしてしまいます。実際には1回の購入(コンバージョン)しか発生していないにもかかわらず、レポート上では合計2件のコンバージョンとして計上されてしまうのです。これが「コンバージョンの重複計測」であり、広告費用対効果(ROAS)を過大評価させ、誤った予算配分の意思決定を導く深刻な問題となります。

 

この深刻な問題を解決する鍵こそが、トラッキングテンプレートを活用した「外部ツールによる一元計測」なのです。

外部ツールによる重複しない正しいコンバージョン計測を示す図

外部測定ツールを導入し、すべての広告媒体(Google、Yahoo!、Facebook、SNS広告など)のトラッキングテンプレートに、そのツール固有の計測用URLを設定します。すると、ユーザーがどの媒体の広告をクリックしても、必ず同じ第三者ツールの中継サーバーを経由することになります。これにより、付与されるCookieは媒体ごとではなく、その測定ツールに統一されます。その結果、たとえユーザーが複数の媒体広告をクリックしてコンバージョンに至ったとしても、ツール側はそれらを一連の接触履歴として正しく認識し、「最終的にコンバージョンに貢献したのはどの広告か(ラストクリック)」あるいは「コンバージョンに至るまでにどの広告がどのように貢献したか(アトリビューション)」を正確に分析し、重複のない「コンバージョン1件」として記録することができるのです。

 

以下で、国内で広く利用されている代表的な外部測定ツールを2つご紹介します。

株式会社イルグルム アドエビス(AD EBiS)

広告効果測定ツール「アドエビス」のロゴとサービス画面

画像参照元:アドエビスー株式会社イルグルム

 

アドエビスは、株式会社イルグルムが提供する国内導入実績No.1の広告効果測定プラットフォームです。API連携などを通じて、リスティング広告はもちろん、ソーシャルメディア広告、アフィリエイト広告など、多岐にわたるマーケティング施策の効果を一元的に可視化することに強みを持ちます。

 

「POLA」や「NOEVIR」「世田谷自然食品」といった著名な企業をはじめ、業種・規模を問わず10,000件を超える豊富な導入実績は、その信頼性と機能性の高さを物語っています。料金体系が初期費用やサポート費用を必要とせず、月々の利用料金とオプション料金のみという点も、導入のハードルを下げ、多くの企業に選ばれる理由の一つとなっています。

 

アドエビスが提供する主な機能は以下の通りです。

  • 全施策横断での効果測定: コンバージョン重複を自動的に排除し、媒体を横断した正しいラストクリックCV、間接効果(アトリビューション)を計測。各施策を「りんごはリンゴ、みかんはミカン」としてではなく、同じ土俵で正確に比較評価します。
  • 高機能なダッシュボードとレポート: 煩雑な広告管理工数を大幅に削減し、迅速なPDCAサイクルを実現するための、直感的でカスタマイズ性の高いレポート機能を提供します。
  • コンバージョンに至らない広告の貢献度可視化: 直接コンバージョンには結びつかなくとも、ユーザーの認知形成や比較検討段階で貢献した広告(アシストコンバージョン)の効果を可視化し、広告予算の最適な再配分を支援します。
  • CRM/SFAデータ連携によるLTV分析: 広告経由のコンバージョンデータと、顧客管理システム(CRM)や営業支援システム(SFA)内の購買情報(リピート購入、LTVなど)を紐づけることで、施策全体の真の収益性(ROAS)を可視化します。

 

複数の広告媒体を組み合わせて運用しており、各施策の真の貢献度を正確に把握し、データに基づいた厳密な予算最適化を行いたい企業にとって、アドエビスは極めて強力な武器となるでしょう。

株式会社ビービット ウェブアンテナ(WebAntenna)

広告効果測定ツール「ウェブアンテナ」のロゴとサービス画面

画像参照元:ウェブアンテナー株式会社ビービット

 

株式会社ビービットが提供する「ウェブアンテナ」は、特にその「分かりやすさ」と「使いやすさ」に定評のある広告効果測定ツールです。各広告媒体の成果を、専門知識がなくとも視覚的に比較・評価できるダッシュボードが特徴で、専任の分析担当者を置くことが難しい中小企業や、多忙なフリーランスのマーケターにとって心強い味方となります。

 

煩雑なレポーティング作業を自動化し、すべての広告施策を同一の指標(例:ラストクリックCV数、アシストCV数、CPAなど)で評価できるため、どの施策に注力すべきかが一目瞭然となります。

 

特に強みとするのが、バナー広告や動画広告といったクリエイティブ別の効果比較機能です。どのデザイン、どのキャッチコピーがユーザーに響いたのかを簡単に比較検証できるため、クリエイティブ改善のPDCAサイクルを高速化したいマーケティング担当者にとって非常に有用です。

 

また、媒体ごとのアトリビューション分析(コンバージョンへの貢献度分析)も管理画面上で容易に確認できるため、ユーザーがコンバージョンに至るまでの複雑な経路を解き明かし、これまで見過ごされがちだった広告の「隠れた貢献」を発見する手助けとなります。

 

導入時の初期設定として、キーワード単位や多数のクリエイティブごとにパラメータを設定する作業には一定の工数が必要となりますが、一度設定を完了すれば、その後の運用効率は劇的に向上します。人的リソースが限られている中で、データに基づいた的確な判断を迅速に行いたいと考える組織にとって、ウェブアンテナは費用対効果の高い投資となるでしょう。

【最重要】パラレルトラッキングとは?仕組みとメリットを完全理解

トラッキングテンプレートを語る上で、現在絶対に避けては通れないのが「パラレルトラッキング」という概念です。これは、Google広告やMicrosoft広告で標準化されているトラッキング方式であり、これを理解せずして現代のリスティング広告運用は成り立ちません。この章では、パラレルトラッキングの仕組みとその絶大なメリットについて、従来方式と比較しながら詳しく解説します。

 

従来のトラッキング(シーケンシャル方式)との決定的な違い

パラレルトラッキング登場以前のトラッキングは、「シーケンシャル(Sequential)トラッキング」あるいは「リニア(Linear)リダイレクト」と呼ばれていました。これは、その名の通り「直列的」な処理方式です。

 

■従来のシーケンシャルトラッキングの流れ
1. ユーザーが広告をクリックする。
2. 最初にトラッキングテンプレートに設定されたURL(第三者ツールの計測サーバー)に「直列的に」リダイレクトされる。
3. 計測サーバーがクリック情報を記録し、Cookieを付与する。
4. 計測サーバーの処理完了後、最終的なランディングページに「再度、直列的に」リダイレクトされる。
5. ユーザーのブラウザにランディングページが表示される。

 

この方式の最大の問題点は、ステップ3の計測サーバーの処理速度が、そのままユーザーのページ表示速度に直結してしまう点にありました。もし計測サーバーの応答が遅延した場合、ユーザーは白い画面を見つめたまま待たされることになり、これが大きな機会損失に繋がっていました。

 

■最新のパラレルトラッキングの流れ
これに対し、パラレルトラッキングは「並列的」な処理を行います。

1. ユーザーが広告をクリックする。
2. ユーザーは「直接」最終的なランディングページへの読み込みを開始する。
3. それと「同時に」「並行して(パラレルに)」、ブラウザのバックグラウンド(裏側)で、トラッキングテンプレートに設定されたURL(計測サーバー)への情報送信処理が実行される。

 

つまり、ユーザーを計測サーバーで待たせることなく、即座にランディングページへ送り届ける一方で、その裏で計測処理を並行して進める、画期的な仕組みなのです。これにより、計測サーバーの応答速度がユーザーの体感速度に影響を与えることはほぼなくなりました。

 

なぜパラレルトラッキングで機会損失が減るのか?

パラレルトラッキングがもたらす最大のメリットは、ランディングページの表示速度を劇的に改善し、それによるユーザーの離脱を防ぐことにあります。

 

Googleの調査によれば、モバイルページの表示に3秒以上かかると、53%のユーザーが離脱するとされています。従来のシーケンシャルトラッキングでは、計測サーバーのわずかな遅延が命取りとなり、ユーザーがページ表示を待ちきれずにブラウザを閉じてしまう「クリック後の離脱」が多発していました。これは、広告費を支払って集客したにもかかわらず、ユーザーに会うことすらできずに機会を損失している状態です。

 

パラレルトラッキングは、この問題を根本から解決します。ユーザーはクリック後すぐにページのコンテンツを見始めることができるため、ストレスが大幅に軽減されます。結果として、サイト離脱率が低下し、コンバージョンに至る可能性のあるユーザーを確実にページ内へとどめることができるのです。これは、コンバージョン率の向上、ひいては広告費用対効果の最大化に直結する、極めて重要な改善と言えます。

 

パラレルトラッキング導入時の必須要件と注意点

現在、Google広告などではパラレルトラッキングがデフォルトで有効になっています。この恩恵を正しく受けるためには、いくつかの技術的な要件を満たす必要があります。

 

  • HTTPSの必須化: トラッキングテンプレートに設定するすべてのURL(リダイレクト先のURLを含む)は、暗号化通信である「HTTPS」に対応している必要があります。HTTPのURLは許可されません。これはセキュリティを確保するための絶対条件です。
  • サーバーサイドリダイレクトの回避: 一部の古い計測ツールでは、リダイレクトの連鎖(例: A→B→C→最終ページ)が発生する設定になっている場合があります。パラレルトラッキングではこのような複雑なリダイレクトは正しく機能しない可能性があるため、広告プラットフォームが追跡できないリダイレクトは避ける必要があります。
  • {lpurl}パラメータの正しい使用: トラッキングテンプレート内では、最終ページURLを表す`{lpurl}`パラメータが正しく使われていることが重要です。これにより、広告プラットフォームが最終的な遷移先を認識し、並列処理を適切に実行できます。

基本的には、現在提供されている主要な広告効果測定ツールはすべてパラレルトラッキングに対応済みですが、自社で独自の計測システムを構築している場合などは、これらの要件を満たしているか、今一度確認することが強く推奨されます。

【詳細解説】リスティング広告のURLオプション全貌

トラッキングテンプレートを深く理解するためには、それが含まれる「URLオプション」という設定項目群全体を把握することが不可欠です。Google広告では、主に3つの項目が用意されており、それぞれが異なる役割を担っています。これらを適切に使い分けることで、より高度で効率的なトラッキングが実現可能となります。

 

トラッキングテンプレート:計測の司令塔

これは本記事で繰り返し解説している通り、広告クリック情報を外部の測定ツールサーバーに送信するための「経由地URL」を設定する項目です。リダイレクトを伴うトラッキングの司令塔であり、クリックに関する動的な情報(どのキーワードか、どのデバイスか等)を付与する「ValueTrackパラメータ」と組み合わせて使用するのが一般的です。第三者ツールを利用した高度な計測や、複雑なリダイレクト処理が必要な場合は、この項目を使用します。

 

最終ページURLのサフィックス:ランディングページへの情報追加役

サフィックス(suffix)とは「接尾辞」を意味する言葉です。その名の通り、「最終ページURLの末尾に、特定のパラメータを自動的に追加する」機能を持っています。ここで設定したパラメータは、ユーザーがランディングページに到達した際のURLの末尾に「?」や「&」で連結されて付与されます。重要なのは、トラッキングテンプレートとは異なり、リダイレクトを一切伴わないという点です。単純に、最終的なURLに情報を付け加えたい場合にのみ使用します。

 

【実践的使い分け】テンプレート vs サフィックス どちらをいつ使うべきか?

この2つの機能は似ているようで役割が全く異なり、実務ではその使い分けが非常に重要になります。以下の表とシナリオを参考に、その違いを明確に理解してください。

項目 トラッキングテンプレート 最終ページURLのサフィックス
主な目的 外部サーバーでのクリック情報記録 最終ページURLへのパラメータ追加
リダイレクト あり(計測サーバーを経由) なし(直接LPに遷移)
ページ表示速度への影響 パラレルトラッキングにより最小化 影響なし
主な利用シーン 第三者効果測定ツールの利用 LP側で必要な固定パラメータの付与

 

シナリオ1:第三者ツール「アドエビス」で計測したい場合
この場合は、アドエビスが発行する計測用URLを経由させる必要があるため、「トラッキングテンプレート」を使用します。サフィックスではこの役割は果たせません。

 

シナリオ2:自社のアクセス解析で「流入元=google_cpc」と記録したい場合
ランディングページ側で`source=google_cpc`のようなパラメータを受け取りたいだけで、外部へのリダイレクトは不要です。この場合は「最終ページURLのサフィックス」に`source=google_cpc`と設定するのが最もシンプルで効率的です。

 

シナリオ3:動的検索広告(DSA)を運用している場合
動的検索広告では、最終ページURLが広告表示のたびに動的に変わります。もしトラッキングテンプレート内で`?`を使ってパラメータを付与しようとすると、動的に生成されたURLに既に`?`が含まれていた場合にURL構造が壊れてしまうリスクがあります。しかし、「最終ページURLのサフィックス」を使えば、広告プラットフォームが`?`か`&`かを自動で判断して適切に連結してくれるため、URL破損のリスクなく安全にパラメータを付与できます。このため、動的検索広告ではサフィックスの利用が強く推奨されます。

 

カスタムパラメータ:分析を劇的に効率化する武器

カスタムパラメータは、広告主が独自に定義できるパラメータです。`{_myparam}=value` のように、アンダースコア `_` で始まる名前を付け、キャンペーン、広告グループ、広告、キーワードといった各階層で任意の値(例: `sale2025`, `brand_keyword`など)を設定できます。

 

例えば、複数のキャンペーンで同じトラッキングテンプレートを使いまわしつつ、キャンペーンごとに異なる識別子を付けたい場合に絶大な効果を発揮します。あるキャンペーンのカスタムパラメータに `{_season}=spring`、別のキャンペーンに `{_season}=summer` と設定しておけば、後から効果測定ツールやアクセス解析ツールで「season」という軸を使って、春と夏のキャンペーン成果を簡単に比較分析できます。これは、レポート作成や分析の工数を劇的に削減する、非常に強力な機能です。

 

Google広告では、アカウント単位以外の階層で最大8個まで設定可能です。戦略的にこのパラメータを設計することで、分析の深度と速度を格段に向上させることができます。

【図解で学ぶ】トラッキングテンプレートの実践的な設定方法と構文

ここからは、トラッキングテンプレートを実際に設定する際の、より具体的な方法と構文の作り方について解説していきます。

 

必須知識:ValueTrackパラメータの役割と主要一覧

ValueTrackパラメータとは、広告がクリックされた際の様々な詳細情報(コンテキスト)を、URLに動的に挿入するための特殊なプレースホルダーです。これにより、「どのキャンペーンの、どの広告が、どのキーワードで、どのデバイスからクリックされたのか」といった情報を、機械的にURLに付与することができます。

このValueTrackを使いこなすことが、トラッキングテンプレート活用の鍵となります。

 

基本構文の組み立て方

今回は、ダミーの計測ツール「cv-measure」を使用し、「広告」単位で設定する場合を例に、構文の組み立て方をステップバイステップで解説します。

 

Step 1: 計測ツールから基本となるURLを発行する
まず、利用する計測ツールから、媒体(Google広告など)ごとの計測用URLを取得します。多くの場合、デバイス(PC/スマホ)によってURLが分かれています。

ダミーの計測ツールから発行されたデバイス別URLの例

Step 2: 最終的に遷移させたいURLを準備する
広告のリンク先となる、最終的なランディングページのURLを確定させます。

最終ページURLの例

Step 3: デバイス分岐の構文を作成する
トラッキングテンプレートでは、PC用とスマホ用でテンプレートを分けることはできません。そのため、ValueTrackの条件パラメータを使い、1つの構文内でデバイスによるURLの出し分けを行います。ここで使用するのが `{ifmobile}` と `{ifnotmobile}` です。

  • `{ifmobile:value}`: クリックがモバイルデバイスから行われた場合に `value` を挿入します。
  • `{ifnotmobile:value}`: クリックがPC、タブレットから行われた場合に `value` を挿入します。

これらを用いて、Step 1 のURLを1つの構文にまとめます。

ValueTrackのifmobile, ifnotmobileを使ったデバイス分岐構文の例

この構文は「もしモバイルならスマホ用URLを、そうでなければPC用URLを挿入せよ」という意味になります。

 

Step 4: リダイレクト先として最終ページURLを設定する
最後に、計測サーバーがユーザーをどこへリダイレクトさせればよいかを指示する必要があります。多くの計測ツールでは、計測用URLの末尾に、遷移先URLを特定のパラメータ(例: `&lpurl=` や `&redirect_url=` など)で指定する仕様になっています。

 

ここで毎回長い最終ページURLを手入力するのは非効率ですし、入力ミスの原因にもなります。そこで登場するのが、必須のValueTrackパラメータ `{lpurl}` です。これは「広告設定で指定した『最終ページURL』そのもの」を動的に挿入してくれる、非常に便利なパラメータです。

lpurlパラメータを使って最終的なトラッキングテンプレートを完成させる構文の例

上の図のように、Step 3で作成した構文の末尾に、計測ツールの仕様に従って`&url={lpurl}`(この例の場合)を追加します。これで完成した構文を広告の「トラッキングテンプレート」欄に入力し、「最終ページURL」欄に `https://digima-labo.com/` を入力すれば、設定は完了です。

 

設定階層と優先順位のルール

トラッキングテンプレートは、以下の階層で設定できます。

  • アカウント
  • キャンペーン
  • 広告グループ
  • 広告
  • キーワード

ここで重要なのは「優先順位」です。ルールは非常にシンプルで、「より下位(具体的)な階層の設定が、上位の設定を上書きする」というものです。例えば、広告グループレベルとキーワードレベルの両方にテンプレートが設定されている場合、そのキーワードが表示される際には「キーワードレベル」のテンプレートが適用されます。このルールを理解しておくことで、アカウント全体で共通のテンプレートを設定しつつ、特定のキャンペーンやキーワードでのみ設定をカスタマイズする、といった効率的な管理が可能になります。

まとめ

本記事で解説してまいりました通り、トラッキングテンプレートの設定は、複数の広告媒体を横断して広告を出稿・配信している広告主様やマーケティングご担当者様にとって、広告の成果を正確に把握し、投資対効果を最大化するために不可欠なプロセスです。

 

トラッキングテンプレートを用いて外部の広告効果測定ツールを適切に活用することで、媒体間のコンバージョン重複計測といった深刻な問題を回避できるだけでなく、これまで見えにくかった各施策の真の貢献度を可視化できます。これにより、データに基づいた的確な予算配分やクリエイティブ改善が可能となり、分析業務の省力化や人的リソースの有効活用にも直結します。特に、リソースが限られる中小企業やフリーランスの方々にとって、その恩恵は計り知れないものとなるでしょう。

 

今回ご紹介したValueTrackパラメータや各種URLオプションは、ほんの一部に過ぎません。これらを戦略的に組み合わせることで、分析の可能性は無限に広がります。まずは本記事を参考に基本をマスターし、自社のマーケティング課題に合わせて応用していくことをお勧めします。

 

現在は単一の広告媒体のみで出稿されている方も、将来的な事業拡大に伴いチャネルを拡大していく可能性は十分に考えられます。その来るべき日に備え、本記事で解説したトラッキングの知識は、必ずや貴社のマーケティング活動を成功に導くための強力な基盤となるはずです。



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