宣伝失礼しました。本編に移ります。
Web広告の成果が頭打ちになっていませんか。「複数の商品を効果的に見せたいが、バナー広告では限界がある」「主力サービスの魅力を、一枚の静止画では伝えきれない」運用型広告に真剣に取り組む多くのご担当者様が、こうした壁に直面しています。特に、ユーザーの購買行動が複雑化し、より多くの情報を求めるようになった現代において、従来の広告フォーマットだけでは、獲得競争で優位に立つことは困難になりつつあります。この課題に対する最も強力な解決策の一つが、本記事で徹底的に解説する「Google広告 カルーセル広告」です。
カルーセル広告は、単に複数の画像を見せる広告フォーマットではありません。それは、ユーザーの指先一つで展開される「小さなWebサイト」であり、商品の魅力を多角的に伝え、マイクロストーリーを紡ぎ、最終的にコンバージョンという名の「獲得」へと力強く導くための戦略的ツールです。しかし、そのポテンシャルを最大限に引き出すためには、表面的な設定方法をなぞるだけでは不十分です。その本質を理解し、戦略的にクリエイティブを設計し、精緻にターゲティングを行う必要があります。
本記事では、運用型広告のスペシャリストとして、Google広告におけるカルーセル広告の基礎理論から、実際の管理画面に即した詳細な設定手順、そして獲得数を最大化させるためのプロフェッショナルが実践する10の鉄則まで、余すところなく解説いたします。巷に溢れる一般的な解説記事とは一線を画し、あくまで「獲得」という一点にこだわり、明日からの広告運用に革命をもたらすための、具体的かつ実践的な知見を提供することをお約束します。この記事を最後までお読みいただければ、あなたはカルーセル広告を自在に操り、競合を置き去りにする獲得マシーンをその手にすることができるでしょう。
Google広告におけるカルーセル広告とは?獲得を加速させるその本質
まず、基本の理解から始めましょう。Google広告におけるカルーセル広告とは、ユーザーが左右にスワイプすることで、複数の画像や動画(これらを「カード」と呼びます)を閲覧できるインタラクティブな広告フォーマットです。一枚の広告枠の中で、複数の商品、異なる特徴、あるいは一連のストーリーを順番に見せることが可能です。FacebookやInstagram広告ではお馴染みのフォーマットですが、Google広告では主に「デマンド ジェネレーション キャンペーン」を通じて、YouTube、Gmail、Discoverといった、ユーザーの関心が高まっている瞬間にリーチできる面に配信されます。
ここで重要なのは、カルーセル広告を単なる「複数枚の画像を表示できる広告」と捉えないことです。獲得型広告としての本質は、ユーザーとの「対話的な情報提供」にあります。静的なバナー広告が一方的な情報の提示であるのに対し、カルーセル広告はユーザーが「もっと知りたい」という意思を持ってスワイプするという能動的なアクションを必要とします。この一連の動作の中に、コンバージョンに至るまでの心理的なステップが凝縮されているのです。ユーザーは自らの意思で情報を深掘りし、製品やサービスへの理解度と納得度を高めていきます。この「納得の醸成プロセス」こそが、最終的なクリック、そしてその先の購入や問い合わせといった「獲得」の確度を飛躍的に高める原動力となるのです。
さらに、Google広告の文脈で言えば、このフォーマットはDiscoverフィードやYouTubeのホームフィードなど、ユーザーが情報探索モードにある、いわば「前のめり」な状態で接触するケースが多いのが特徴です。つまり、購買意欲が比較的高いユーザーに対して、多角的かつ豊富な情報量を一度に提供できるため、他の広告フォーマットと比較して、より効率的に「獲得」へと繋げるポテンシャルを秘めていると言えるでしょう。
なぜ今、Googleカルーセル広告なのか?獲得における3つの決定的メリット
数ある広告フォーマットの中で、なぜ今、獲得を目指す上でGoogleのカルーセル広告が有力な選択肢となるのでしょうか。その理由は、現代のユーザー行動と広告環境に完全に合致した、3つの決定的なメリットに集約されます。
メリット1:高い商品訴求力とクロスセル機会の創出による顧客単価(LTV)向上
獲得型広告における究極の目標の一つは、CPA(顧客獲得単価)を抑えつつ、LTV(顧客生涯価値)を最大化することです。カルーセル広告は、この目標達成に大きく貢献します。例えば、アパレルECサイトであれば、1枚目のカードで注目のワンピースを提示し、2枚目でそのワンピースに合うジャケット、3枚目でバッグ、4枚目でシューズ…といった形で、コーディネート一式を提案できます。これは単なる商品紹介に留まらず、ユーザー自身が気づいていなかった潜在的なニーズを掘り起こし、「ついで買い」、すなわちクロスセルを強力に促進します。結果として、一度の獲得における顧客単価が向上し、CPAが同じであっても事業への貢献度は格段に高まります。各カードに異なるランディングページURLを設定できるため、ユーザーは興味を持った商品を直接カートに追加でき、コンバージョンへの動線が非常にスムーズである点も、このメリットを強力に後押しします。
メリット2:マイクロストーリー設計によるコンバージョン率(CVR)の劇的改善
人は単なるスペックの羅列ではなく、ストーリーに心を動かされ、行動を起こします。カルーセル広告は、この「ストーリーテリング」を広告フォーマットに持ち込むことを可能にします。例えば、高機能な調理器具を販売する場合、1枚目で「料理の手間」というユーザーの課題を提示し、2枚目でその調理器具が登場、3枚目で「驚くほど簡単な調理シーン」を見せ、4枚目で「完成した美味しそうな料理と家族の笑顔」、そして最後のカードで「今すぐ購入」というCTAを提示する。このように、課題の共感から解決策の提示、そして理想の未来を見せるという一連のマイクロストーリーを数秒の間に展開することで、ユーザーの購買意欲を段階的に、しかし確実に引き上げることができます。これは、単一の画像や短い動画では実現が難しい、非常に高度な説得の技術です。結果として、ランディングページに到達した時点でのユーザーのモチベーションが非常に高いため、コンバージョン率の劇的な改善が期待できるのです。
メリット3:インタラクティブ性による広告関与度の向上と獲得単価(CPA)の抑制
広告が表示され続ける現代において、ユーザーは無意識のうちに広告を「無視する」スキルを身につけています。いわゆる「バナーブラインドネス」と呼ばれる現象です。しかし、カルーセル広告は、そのインタラクティブな性質によって、この壁を突破します。ユーザーは「この続きには何があるのだろう?」という好奇心から、自らの意思でスワイプします。この「自発的な広告への関与」は、広告メッセージへの心理的な抵抗を和らげ、より深く情報をインプットさせる効果があります。高い広告関与度は、クリック率(CTR)の向上に直結します。そして、ご存知の通り、Google広告の品質スコアにおいてCTRは極めて重要な要素です。高いCTRは品質スコアを改善し、結果としてクリック単価(CPC)を抑制します。CPCが下がれば、それは直接的にCPA(顧客獲得単価)の抑制に繋がり、広告費用対効果(ROAS)の向上に貢献するのです。つまり、カルーセル広告はユーザー体験を高めるだけでなく、広告アカウント全体の効率化にも寄与する、非常にスマートなフォーマットと言えます。
見過ごせない注意点と「獲得」を逃さないための2つの戦略的対策
これほど強力なメリットを持つカルーセル広告ですが、その効果を最大限に引き出すためには、いくつかの注意点を理解し、事前に対策を講じる必要があります。ここでは、特に重要な2つの課題と、それを乗り越えるための具体的な戦略を解説します。
課題1:クリエイティブ制作の工数とコスト
単一のバナー広告と比較して、複数のカード(画像や動画)を用意する必要があるため、制作にかかる工数やコストが増加することは避けられません。特に、質の高いクリエイティブを複数パターン用意しようとすると、デザイナーや映像クリエイターのリソースを相応に確保する必要があります。この課題を前に、導入をためらってしまうケースも少なくありません。
【戦略的対策】
この課題を乗り越える鍵は「効率化」と「選択と集中」です。まず、全てのカードを毎回ゼロから作成する必要はありません。自社のブランドイメージに合った、効果の高い「基本テンプレート」をいくつか作成しましょう。例えば、「商品画像+価格+ロゴ」のシンプルなテンプレート、「利用者の声+顔写真」のテンプレートなどです。新しいキャンペーンを開始する際は、このテンプレートの要素を差し替えるだけで、迅速にクリエイティブを量産できます。さらに、ABテストを行う際も、全てのカードを入れ替えるのではなく、最も重要な「1枚目のカード」だけを数パターン試す、あるいは「最後のCTAカード」の色や文言だけを変えるなど、インパクトの大きい要素に絞ってテストを行うことで、最小限の工数で最大の効果を得るための知見を蓄積することが可能です。
課題2:全カードが閲覧されないリスクとメッセージの分断
カルーセル広告はスワイプされることを前提としていますが、当然ながら、全てのユーザーが最後のカードまで見てくれるとは限りません。特に、最初の1枚目で興味を惹きつけられなければ、その時点で広告は見捨てられてしまいます。また、ストーリーを重視するあまり、各カードのメッセージが次のカードに依存しすぎると、途中で離脱したユーザーには何も伝わらないという本末転倒な事態に陥る危険性があります。
【戦略的対策】
このリスクに対する答えは明快です。「各カードが独立した広告として成立し、かつ全体として一つのメッセージを成す」という高度な構成を目指すことです。まず、鉄則として「1枚目のカードで全てを語る」意識を持ちましょう。誰に、何を、どうする広告なのかが、スワイプせずとも一瞬で理解できる必要があります。その上で、2枚目以降は補足情報や別の切り口、関連商品を提示する構成にします。そして、スワイプを促すために、画像内に「右にスワイプ→」といった矢印やアイコンを視覚的に配置したり、「他のカラーも見る」「続きの機能」といったテキストを入れたりする工夫が極めて有効です。これにより、ユーザーは自然と次のカードへと誘導され、メッセージの分断リスクを最小限に抑えながら、より深い情報伝達を実現できるのです。
【完全図解】Google広告カルーセル広告の設定手順|獲得への最短ルート
理論と戦略を理解したところで、いよいよ実践です。ここでは、Google広告の管理画面を用いて、カルーセル広告を設定する手順を、あたかも隣で操作しているかのように詳細に解説します。つまずきやすいポイントや、獲得効率を高めるプロの設定も併せてご紹介しますので、ぜひご自身の管理画面と見比べながら読み進めてください。
STEP 1: 「デマンド ジェネレーション キャンペーン」を開始する
まず、Google広告の管理画面にログインし、左側のメニューから「+新しいキャンペーンを作成」をクリックします。キャンペーンの目標を選択する画面が表示されますが、ここでは「販売促進」「見込み顧客の獲得」「ウェブサイトのトラフィック」など、獲得に直結する目標を選択します。その後、キャンペーンタイプとして「デマンド ジェネレーション」を選び、「続行」をクリックします。
STEP 2: 広告グループの各種設定を行う
キャンペーン名を設定した後、広告グループの設定画面に移ります。ここでは、オーディエンス(どのようなユーザーに広告を配信するか)や地域、言語などを設定します。獲得を最大化するためには、このオーディエンス設定が極めて重要です。「商品を購入したユーザー」に類似したユーザーを狙う類似オーディエンスや、カートに商品を入れたまま離脱したユーザーを追跡するリマーケティングリストなどを活用し、購買意欲の高い層に的を絞りましょう。
STEP 3: 広告作成画面で「カルーセル画像広告」を選択
広告グループの設定が完了すると、いよいよ広告作成のステップです。広告フォーマットの選択肢の中から、「カルーセル画像広告」を明確に選択します。ここで「単一画像広告」や「動画広告」を選ばないように注意してください。
STEP 4: 広告全体(広告レベル)のアセットを設定する
カルーセル広告は、広告全体に共通する要素と、各カード個別の要素の二階層で設定を行います。まず、広告全体に共通する「広告レベル」のアセットを入力します。
- 最終ページ URL: カルーセル全体としての主要なリンク先を指定します。通常はトップページや特集ページになりますが、後述するカードレベルで個別のURLを設定するため、ここはあくまでデフォルトのリンク先という位置づけです。
- 見出し: 広告全体を代表するキャッチコピーを入力します(最大40文字)。
- 説明文: 広告全体を補足する説明文です(最大90文字)。
- 行動を促すフレーズ(CTA): 「購入はこちら」「詳しく見る」など、ユーザーに取ってほしい行動をプルダウンから選択します。
- 会社名・ロゴ: ブランドの信頼性を示すために必ず設定しましょう。
STEP 5: カード個別(カードレベル)のアセットを設定する【最重要】
ここがカルーセル広告の心臓部です。最低2枚、最大10枚のカードを個別に設定していきます。「+カード」をクリックして、各カードの情報を入力します。
- 画像: 各カードに表示する画像を選択します。Googleが推奨するアスペクト比(1.91:1の横長、または1:1の正方形)に準拠した、高画質な画像を用意してください。
- 見出し: 各カードに対応した見出しを入力します(最大40文字)。商品名やサービスの特長など、画像と連動した具体的なコピーが効果的です。
- 最終ページ URL(推奨): これが獲得効率を左右する重要な設定です。各カードに関連する個別の商品ページや詳細ページのURLを設定します。これにより、ユーザーは興味を持ったカードから直接目的のページに飛ぶことができ、コンバージョンまでのステップを大幅に短縮できます。
- 行動を促すフレーズ(任意): 広告レベルのCTAとは別に、カードごとに異なるCTAを設定することも可能です。
全てのカードの設定が完了したら、プレビューで表示を確認し、「広告を保存」をクリックして完了です。設定項目は多いですが、一つ一つが獲得への重要な布石となります。丁寧に入力していきましょう。
獲得数を最大化する10の鉄則|プロが実践するクリエイティブ&運用術
設定が完了しただけでは、まだスタートラインに立ったに過ぎません。競合に打ち勝ち、圧倒的な獲得数を生み出すためには、さらに一歩踏み込んだクリエイティブと運用の技術が求められます。ここでは、私が数々の案件で成果を実証してきた「10の鉄則」を特別に公開します。
【クリエイティブ編】
鉄則1: 「1枚目の衝撃」でスクロールを止め、スワイプを喚起せよ
ユーザーはフィードを高速でスクロールしています。その指を止めるのが1枚目のカードの使命です。インパクトのあるビジュアル、強い問いかけ、意外性のあるコピーなど、あらゆる手段を講じて「おや?」と思わせる必要があります。ここでユーザーの注意を引けなければ、2枚目以降がどれだけ素晴らしくても存在しないのと同じです。
鉄則2: 全カードで一貫した世界観(トンマナ)を維持せよ
各カードがバラバラのデザインやテイストでは、ユーザーは混乱し、ブランドイメージも毀損されます。使用するフォント、色使い、写真のトーンなどを統一し、カルーセル全体で一貫した世界観を演出してください。これにより、プロフェッショナルで信頼できる印象を与え、ユーザーは安心して情報を追いかけることができます。
鉄則3: 各画像内に「次へ」を促す視覚的サインを配置せよ
ユーザーがスワイプできることに気づかない、という機会損失は絶対に避けなければなりません。画像の右端に「→」や「>」といったアイコンを配置する、あるいは画像の一部が意図的に次のカードにまたがっているように見せるなど、「この先にも情報がある」ことを直感的に伝える視覚的なサインを必ず入れましょう。
鉄則4: 最強の構成「問題提起→解決策→ベネフィット→CTA」を意識せよ
効果的なストーリーには型があります。1枚目でユーザーが抱える「問題」を提示し、2枚目で自社の商品・サービスという「解決策」を示し、3枚目以降でそれによって得られる具体的な「ベネフィット(理想の未来)」を多角的に見せ、最後のカードで「行動喚起(CTA)」するという流れは、極めて強力な黄金律です。
鉄則5: 動画と静止画を組み合わせ、リッチな体験を提供せよ
Googleのカルーセル広告は、画像だけでなく動画もカードとして設定できます。商品の使用感を伝える短い動画や、顧客のインタビュー動画などを静止画の間に挟むことで、広告体験はよりリッチでダイナミックになります。ユーザーの関与度をさらに高め、より強い印象を残すための高度なテクニックです。
【ターゲティング&運用編】
鉄則6: 商品購入者やカート放棄者にリマーケティングで再アプローチせよ
新規顧客の獲得も重要ですが、最も獲得確度の高いオーディエンスは、すでにあなたのビジネスに何らかの形で接触したユーザーです。特に「過去に商品を購入した顧客」に対して関連商品をカルーセルで提案する、「商品をカートに入れたが購入に至らなかった顧客」にその商品と代替案を提示するなど、リマーケティングリストを活用したカルーセル広告は驚異的な費用対効果を発揮します。
鉄則7: 各カードのパフォーマンスを分析し、勝ちパターンを発見せよ
Google広告のレポート機能を使えば、どのカードが最もクリックされているか、どのカードからコンバージョンが発生しているかを分析できます。パフォーマンスの低いカードを削除・改善し、高いカードの要素(デザイン、コピーなど)を他のカードにも展開していくことで、広告全体の効果を継続的に最適化していくことが可能です。このPDCAサイクルを回し続けることが、長期的な成功の鍵です。
鉄則8: CTA(行動喚起)はカードごとに最適化せよ
「すべて購入はこちら」では、芸がありません。例えば、機能を紹介するカードでは「詳しく見る」、導入事例を紹介するカードでは「資料請求」、そして最後のカードで「今すぐ購入」と、各カードの内容に合わせてCTAを最適化することで、ユーザーの心理的なハードルを下げ、次のアクションへとスムーズに誘導することができます。
鉄則9: ランディングページ(LP)との一貫性を担保し、離脱を防げ
ユーザーが特定のカードをクリックしたとき、その遷移先のLPに全く異なる情報が書かれていたら、ユーザーは騙されたと感じ、即座に離脱してしまいます。クリックしたカードの画像やコピーと、遷移先のLPのファーストビューの内容を完全に一致させる「メッセージマッチ」を徹底してください。これにより、ユーザーは安心してLPを読み進め、コンバージョン率は大きく向上します。
鉄則10: 自動入札戦略を賢く活用し、獲得単価(CPA)を最適化せよ
デマンド ジェネレーション キャンペーンでは、「コンバージョン数の最大化」や「目標コンバージョン単価」といったGoogleの高度な自動入札戦略を活用できます。特にカルーセル広告のように多くのシグナル(どのカードがクリックされたか等)を持つフォーマットは、機械学習との相性が非常に良いです。手動での細かな調整に時間を費やすよりも、適切な目標CPAを設定し、機械学習に最適化を任せることで、より効率的に、かつ大規模に獲得を拡大することが可能になります。
【業種別】Googleカルーセル広告 獲得成功事例と応用アイデア
理論や鉄則だけでは、自社のビジネスにどう活かせば良いかイメージが湧きにくいかもしれません。そこで、具体的な業種別に、カルーセル広告がいかにして「獲得」に貢献したかの成功事例と、そこから派生する応用アイデアをご紹介します。
事例1:ECサイト(ファッション)
課題:新商品のワンピースの販売促進と、顧客単価の向上が急務だった。
施策:1枚目でモデルがワンピースを着用した魅力的なカットを提示。2枚目以降で、そのワンピースに合わせたジャケット、バッグ、シューズをそれぞれ別のモデルが着用したカットで展開。各カードには、それぞれの商品の詳細ページへのリンクを設定した。
結果:ワンピース単体のCVRが向上しただけでなく、カルーセル経由のユーザーの平均顧客単価が、他の広告経由と比較して1.8倍に向上。クロスセルの効果が明確に数字として現れた。
応用アイデア:「カラーバリエーション」「サイズ別着用イメージ」「利用シーン別(オフィス、休日など)コーディネート」といった切り口でも応用可能。
事例2:不動産
課題:Webサイトからの内覧予約数が伸び悩んでいた。
施策:一つの物件に対して、1枚目:最も魅力的な外観、2枚目:開放的なリビング、3枚目:高機能なキッチン、4枚目:窓からの眺望、5枚目:周辺のおしゃれなカフェ、といった形で、物件の魅力を多角的に伝えるストーリーを構成。最後のカードで「内覧予約はこちら」というCTAを設置。
結果:広告をクリックしたユーザーの、内覧予約ページの閲覧時間が1.5倍に増加。LP上での離脱率が低下し、内覧予約のCVRが30%改善した。
応用アイデア:「リノベーション前後のBefore/After」「家族構成別(単身、カップル、ファミリー)の住み方提案」といったストーリー構成も有効。
事例3:人材・教育サービス
課題:複数のコースや講座があるが、それぞれの魅力が伝わりきらず、申し込みに繋がっていなかった。
施策:1枚目で「あなたのキャリアを次のステージへ」という問いかけ。2枚目以降で「データサイエンティスト養成コース」「Webマーケティング実践コース」「UI/UXデザインコース」など、人気のコースを個別に紹介。各カードでは、コース内容の要約と卒業生の年収アップ事例などを簡潔に提示した。
結果:ユーザーは自身の興味に合ったコースのカードをクリックするため、ミスマッチが減少。LP遷移後の直帰率が大幅に改善し、コース全体の申し込み数が前月比で150%を達成した。
応用アイデア:「講師陣の紹介」「卒業生の活躍インタビュー」「学べるスキルの一覧」など、信頼性や権威性を訴求するコンテンツも効果的。
事例4:BtoB(SaaS)
課題:サービスの多機能性をアピールしたいが、複雑に見えてしまい、デモ予約に至らないケースが多かった。
施策:サービスの導入プロセスをステップ・バイ・ステップで解説するカルーセルを作成。1枚目:「課題の入力」、2枚目:「AIによる分析」、3枚目:「改善案のレポート出力」、4枚目:「導入後の成果」といった流れで、機能のベネフィットを疑似体験させる構成にした。
結果:サービスへの理解度が向上した状態でLPに遷移するため、デモ予約フォームの入力完了率が向上。獲得CPAを維持したまま、質の高いリード(見込み顧客)の獲得数が2倍になった。
応用アイデア:「顧客の導入事例(ロゴと課題・成果)」「機能ごとの詳細解説」「料金プランの比較」など、検討段階に合わせた情報提供が可能。
Googleカルーセル広告の費用対効果(ROI)を高める思考法
カルーセル広告を運用する上で、最終的に問われるのは費用対効果、すなわちROI(Return on Investment)です。投下した広告費用に対して、どれだけのリターン(売上や利益)を生み出せたのかを正しく評価し、改善し続ける必要があります。
まず、費用を決定する主な要因は、設定したオーディエンスの競合性やクリエイティブの品質スコアに影響される「クリック単価(CPC)」と、広告の「クリック率(CTR)」です。本記事で解説した鉄則を実践し、CTRの高い魅力的なクリエイティブを作成できれば、CPCは抑制され、結果としてCPAも低下していきます。
しかし、ここで思考を止めてはいけません。獲得を最大化するプロフェッショナルは、CPAだけでなく、その先にあるLTV(顧客生涯価値)までを視野に入れてROIを評価します。例えば、カルーセル広告はクロスセルを誘発しやすいため、CPAが他の広告フォーマットと全く同じだったとしても、獲得した顧客一人当たりの平均購入単価が高ければ、LTVは向上し、事業全体への貢献度はより大きいと判断できます。したがって、カルーセル広告の真の価値を測るためには、「カルーセル経由の顧客のLTV」を計測し、他の広告チャネルと比較する視点が不可欠です。
ROIを最大化するための予算配分としては、まず獲得確度の高いリマーケティングオーディエンスに重点的に予算を投下し、確実に成果を積み上げます。そこで得られた「勝ちクリエイティブ」や「勝ちパターン」のデータを基に、類似オーディエンスやインタレストターゲティングなど、より広い層へと展開していくのが王道です。常にデータに基づき、最もROIの高いセグメントに予算を集中投下し続けることが、費用対効果を高めるための最も確実な思考法です。
まとめ|今すぐGoogleカルーセル広告で競合を突き放し、獲得を加速させるために
本記事では、Google広告におけるカルーセル広告を「獲得型広告」という視点から徹底的に解剖し、その本質から具体的な設定方法、そして成果を最大化するためのプロの技術までを網羅的に解説いたしました。もはや、カルーセル広告が単なる表現手法の一つではなく、獲得戦略の根幹を担う強力な武器であることがお分かりいただけたかと存じます。
最後に、この記事で学んだことを凝縮し、あなたが今すぐ取るべきアクションを提示します。
- 本質の再認識:カルーセル広告は「対話的な情報提供」であり、「納得の醸成プロセス」であると心得る。
- メリットの最大化:「クロスセル」「マイクロストーリー」「インタラクティブ性」の3つの力を意識してクリエイティブを企画する。
- 設定の再確認:各カードに個別の最終ページURLを設定し、コンバージョンへの最短距離を設計する。
- 10の鉄則の実践:特に「1枚目の衝撃」「リマーケティング活用」「LPとのメッセージマッチ」は今日からでも実践する。
- ROIの追求:CPAだけでなく、LTVの視点を持ち、データに基づいた予算配分を行う。
情報過多の時代において、ユーザーの心を掴み、行動を促すことは容易ではありません。しかし、戦略的に設計されたカルーセル広告は、その分厚い壁を打ち破るだけのパワーを秘めています。さあ、今すぐあなたのGoogle広告アカウントにログインし、最初のカルーセル広告を作成してみてください。まずは、最も伝えたい商品の魅力を3つのカードに込めることから始めてみましょう。本記事で得た知識は、あなたのビジネスを次のステージへと押し上げる、確かな推進力となるはずです。
当社では、AI超特化型・自立進化広告運用マシン「NovaSphere」を提供しています。もしこの記事を読んで
・理屈はわかったけど自社でやるとなると不安
・自社のアカウントや商品でオーダーメイドでやっておいてほしい
・記事に書いてない問題点が発生している
・記事を読んでもよくわからなかった
など思った方は、ぜひ下記のページをご覧ください。手っ取り早く解消しましょう
▼AI超特化型・自立進化広告運用マシンNovaSphere▼
