現在、インターネットでは多くの広告・広告媒体が出回っています。

競合他社がひしめき合うなか「ブルーオーシャンで新たな一手を打ちたい」と考える広告主は少なくありません。なかなか景気が上がらない現状で、広告主が「リスクを最小限に抑えたい」と考えるのは当然の流れでしょう。

Googleでは過去に「P-max」や「VAC(動画アクションキャンペーン)」などの新しい手法がいくつもリリースされており、競合の少ない時に「新しい配信手法」に挑戦した広告主は数多くいます。

取り扱う商品・サービスと合致して成功したものや、想定していた成果が出ず頓挫した配信手法など、試行錯誤しながら運用してきたことでしょう。

今回は、現在β版としてリリースされているGoogle広告の新しいプロダクト「デマンドジェネレーションキャンペーン」について、現時点で判明している情報をわかりやすく解説していきます。

メリットやデメリット、おすすめできる業界・業種などを「広告代理店」からの視点でわかりやすくまとめました。

「P-max」や「VAC(動画アクションキャンペーン)」が気になる方に向けて、それぞれのキャンペーンについても、わかりやすく解説しています。

本記事を参考に、新プロダクト導入の可否や、自社マーケティングの成長について検討してみてください。

 

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youtubeチャンネルはじめました

デマンドジェネレーションキャンペーンとは?

デマンドジェネレーションキャンペーンとは、2023年の8月にGoogleからβ版としてリリースされている新しい広告プロダクトで、ファインド広告の後継・アップグレードになります。

デマンドジェネレーションキャンペーンは「GoogleのAI」を活用して、ショート動画を含むYouTubeやDiscover・Gmailなど「ひとつのキャンペーンでGoogleの各アプリに配信可能な広告プロダクト」です。

オーディエンスの種類が追加されているので、従来以上の幅広いターゲット層にアプローチをかけられるキャンペーンになっています。そのため、顧客の新規開拓や自社ブランドの認知度アップを期待できるものとなるでしょう。

ファインド広告からのアップグレード内容

ファインド広告とは、ユーザーの動画視聴履歴・検索履歴・サイトの閲覧履歴などの情報から「ユーザーの興味関心・関連性」の高い広告を配信できるものです。

従来からある「ファインド広告」では、DiscoverやYouTube Home Feed・Gmailなどの広告枠のみに配信できました。

ファインド広告の後継としてリリースされた「デマンドジェネレーションキャンペーン」では、最近人気が急上昇しているYouTubeショートやYouTubeインストリームにも広告を配信することができます。

以下の表でわかりやすくまとめてみたので、参考にしてください。

デマンドジェネレーションキャンペーン
項目 ファインド広告 新規に追加された項目
リーチ ・YouTube Home

・検索結果

・Gmail

・Discover

・YouTubeショート

・YouTubeインストリーム

動画クリエイティブ ・画像

・商品フィード

・動画

・プレビュー機能のアップデート

・ABテスト機能

入札の最適化指数 ・コンバージョン数

・目標コンバージョン単価

・クリック数
レポート・計測 ・通常レポート

・アセットレポート

・コンバージョン経路レポート

・ユニークリーチ

・コンバージョンリフト

・データドリブンアトリビューション

・ブランドリフト

・サーチリフト

オーディエンス ・Googleオーディエンス

・最適化されたターゲティング

・類似セグメント

・デバイスターゲティング

以下で、それぞれの項目について軽く解説をしていきます。

拡大されたリーチ

広告を配信可能な面に「YouTubeショート」「YouTubeインストリーム」が追加されたことで、従来よりも多くの見込み顧客やユーザーへのアプローチが可能です。

近年では、興味関心のある商品について調べる時に「YouTube」がよく利用されており、特に気軽に視聴できる「ショート動画」への関心が高まっています。

デマンドジェネレーションキャンペーンは、そんな現在のニーズやトレンドに合致したキャンペーンとなる可能性は高いです。

動画クリエイティブの追加

デマンドジェネレーションキャンペーンでは、静止画像に加えて「動画のクリエイティブ」も入稿が可能になりました。動画の向きは「横向き」「縦向き」「正方形(スクエア)」「縦長」が使えます。

新たな広告作成画面では、「シングル画像」「カルーセル広告」「動画」の3種類から選択し、広告を作成できるようになりました。

それに加えて、広告の入稿画面でのフローが変更になり、プレビューを確認しながら配信作業を進めることが可能になっています。

そのため、広告作成時には気付かなかった「表示に関する想定外の事故やミス」を配信前に発見することができるので、炎上リスクの低減にもなるでしょう。

柔軟な入札の最適化

デマンドジェネレーションキャンペーンでは、新たに「クリック数の最大化」を選択できるようになりました。

従来のファインド広告では、最適化対象が「コンバージョン数の最大化」と「コンバージョン値の最大化」のみなので、より柔軟な最適化が可能になったといえます。

サイトへのアクセス数・アクションを促進したい場合などには、新しく追加された「クリック数の最大化」を選択して配信してもいいでしょう。

レポート

ファインド広告で提供されていたアセットレポート・ユニークリーチ・データドリブンアトリビューションなどに加えて、ブランドリフトとサーチリフトが新しく追加されました。

【ブランドリフト】
ブランドリフトとは、ブランディング広告の効果を調べる指標のひとつです。

広告を出稿したあとに「アンケート」で調査データを集め、広告に接触したグループとそうでないグループを比較して、企業やブランド認知度や好感度、自社商品やサービスに対する購買意欲の向上を期待できるかどうかを測定します。

クリック数やコンバージョン数などの「オンライン効果指標」では、ブランディング広告の効果測定は困難でしたが、ブランドリフトでは「クリック数」では不明だった「企業やブランド認知度」などの効果が確認できるかもしれません。

【サーチリフト】
サーチリフトとは、ブランディング広告の影響で対象キーワードの自然検索数がどのくらい上昇しているのかを調査する指標です。

配信している広告がどの程度ブランド名・商品名の検索に関連・影響しているかを測定し、広告にアプローチしたユーザーの「検索行動の変化」を知るためのものになります。

オーディエンス

デマンドジェネレーションキャンペーンでは、「類似セグメント」という新しいオーディエンス作成機能を利用できるようになりました。

自社が保有している顧客データとGoogleが把握しているオーディエンスのシグナルを照合して「購入履歴」「web上でのアクティビティ」「YouTubeの利用状況」などを基に類似セグメントを作成してターゲティングすることが可能です。

類似度は「2.5%」「5%」「10%」の3種類から選択できます。

【デバイスターゲティング】
デバイスターゲティングは、パソコン・スマートフォン・タブレットなどの「デバイス」ごとに入札価格調整率を設定し、特定デバイスの入札価格の調整・配信をおこなう「デバイスの絞り込み」を可能にしたターゲティングです。

キャンペーン・広告グループの両方に設定できるので、ひとつのキャンペーンの中で「複数のプロモーション内容」に合わせた入札価格の調整ができます。

P-maxキャンペーン

P-maxキャンペーンは、Google広告が2021年11月から提供を開始した広告メニューで、多くの広告主が利用してきました。

P-maxは「performance max」(パフォーマンスの最大化)の略称で、ひとつのキャンペーンでGoogle広告の全広告枠に広告を配信できるメニューです。

P-maxでは、以下のチャンネルに広告を配信できます。

  • Google広告
  • Googleショッピング
  • Googleディスプレイ
  • YouTube
  • Discover
  • Gmail
  • Googleマップ

従来の広告メニューでは、配信面やオーディエンスのセグメントに合わせてキャンペーン・広告グループを分けて作成していましたが、P-maxではキャンペーンはひとつで済むので、広告グループは必要ありません。

P-maxの特徴

P-maxは、機械学習を前提としたものです。

  • 検索広告を実施済みで、リーチやコンバージョンデータが蓄積されている
  • オンラインでの売上・見込み顧客の獲得などといった「明確なコンバージョン目標がある

などの条件がある場合は、より高い効果を得られます。

広告運用が機械学習によって自動的に最適化されるので、広告主や運用者にとって労力の削減にもなり、コンバージョンを効率よく獲得できるのは大きなメリットです。

一方で、「詳細な設定が困難である」ことや、AIによる配信のため「配信結果の理由が不明」などのデメリットも存在します。

また、ある一定期間の学習が必要なので「短期間の配信」には不向きです。そのほか、無関心層へのアプローチもP-maxには苦手分野といえるでしょう。

VAC(動画アクションキャンペーン)

VACとは、YouTubeで配信できるGoogle広告の一種で、動画広告を利用してユーザーにコンバージョンを促進させることを目的としたキャンペーンです。

潜在層のなかでも、特にコンバージョンに至りやすい人へのアプローチが可能で、動画を視聴後にネットで検索してコンバージョンする…といった間接寄与に影響する効果があります。

「多少CPAが高額になっても売上をアップさせたい」と考えている広告主におすすめできる配信メニューで、現状CPAとコンバージョンが検索広告で安定しているなら試してみてもいいかもしれません。

VAC(動画アクションキャンペーン)の特徴

YouTube広告には、広告配信の目的に応じた数多くの配信方法があります。

なかでも、VACはコンバージョン促進に高い効果があり、対象となるユーザーに向けて動画広告の配信が可能です。

機械学習を利用して「コンバージョンの可能性が高い」ユーザーに対して広告を配信したり、自社ブランドの認知度アップに活用したりできます。

その反面、機械学習の最適化を図るうえで「予算を大きめに増額する」必要があるため、想定していた以上に予算がかかる可能性は否定できません。

また、アカウント全体のCPAが高くなりやすいのもデメリットといえます。

検索広告でコンバージョン獲得を最大限におこない、多少のCPA増額は覚悟のうえで「認知度アップ」をプランとして検討するのが賢明な利用法かもしれません。

デマンドジェネレーションキャンペーンのメリット

ここからは、デマンドジェネレーションキャンペーンのメリットについて、解説していきましょう。

2023年8月にβ版としてリリースされた広告プロダクトのため、ほかの広告手法よりも「ブルーオーシャン」であることや、「ひとつのキャンペーンでGoogleの各アプリに配信可能な広告プロダクト」であること以外には以下のメリットがあげられます。

  • 新規顧客の獲得に繋がる可能性が高い
  • 認知度アップを期待できる
  • 視覚的効果を活かした広告の配信が可能になる
  • 機械学習によりアセットが最適な条件に設定される
  • 先行者利益として恩恵を受けやすい
  • InstagramやTikTokなどのタッチポイントを増やせる可能性がある

これらのメリットについて、以下で詳しく解説していきます。

新規顧客の獲得に繋がる可能性が高い

2023年9月の時点では、デマンドジェネレーションキャンペーンのみ「類似セグメント」を利用可能です。

類似セグメントとは、既存のユーザーの情報と特徴が類似しているユーザーのグループのことで、類似セグメントを活用すれば、既存のユーザーやwebサイト訪問者・アプリユーザーと似ている新規ユーザーにアプローチができます。

そこから新規顧客を獲得することも可能なので、「今より多くのユーザーと接触したい」「新規顧客の開拓を効率的におこないたい」と考えている方におすすめのキャンペーンです。

認知度アップを期待できる

ファインドキャンペーンからデマンドジェネレーションキャンペーンにアップグレードしたことで、クリック数の最大化という入札戦略が追加されました。

従来のファインドキャンペーンでは、コンバージョン獲得に重きを置いた「コンバージョン数の最大化」と「目標コンバージョン単価」という2つの入札戦略がありましたが、デマンドジェネレーションキャンペーンで「クリック数の最大化」が追加されたことで、流入目的の配信も可能となっています。

もちろん、従来からの「コンバージョン獲得」も含まれているので、コンバージョン増加を維持しながら、認知度アップやブランディング目的での広告配信も可能です。

視覚的効果を活かした広告の配信が可能になる

ファインドキャンペーンでは、画像と商品フィードのみの配信でしたが、デマンドジェネレーションキャンペーンでは動画の配信も可能になり、視覚的訴求を期待した広告配信ができるようになりました。

それに加えて、YouTubeショートやYouTubeインストリーム広告などの手段も利用可能になったため、近年視聴者数が増加しているショート動画にも広告を配信可能です。

それにより、広告へのアクセス数も視聴者数に比例して増加するため、認知度アップやコンバージョン獲得によい効果が期待できるかもしれません。

機械学習によりアセットが最適な条件に設定される

ユーザーがいろいろなデバイスを用いてコンテンツやフィードを視聴しているなかで、迷わず目的の商品を発見できるようにするため、デマンドジェネレーションキャンペーンでは機械学習を参考にアセットが構成・配置されます。

それに加えて、オーディエンスの「パフォーマンスの最適化」されたターゲティングを有効にすることで、機械学習を有効活用することも可能です。

先行者利益として恩恵を受けやすい

先述の通り、新規のプロダクトでは「先行者」が恩恵を受けやすく、比較的有利な条件で勝負をかけられます。

理由として、競合の少ないマーケット(ブルーオーシャン)のほうが「勝てる可能性」が高く、売上の利益も高くなるからです。

過去にも「P-max」がリリースされた時、競合他社がいなかったからこそ従来のものより「コンバージョン数の増加」といった恩恵を受けられ、成果がアップしたという経験は少なからずあったでしょう。

デマンドジェネレーションキャンペーンも例外ではありません。

リリースされた初期の段階では、競合他社が少なく先行者利益を受けやすいので、アップグレードして利用するなら早めのほうがいいでしょう。

InstagramやTikTokなどのタッチポイントを増やせる可能性がある

デマンドジェネレーションキャンペーンを配信することで、InstagramやTikTokといったSNS系の広告媒体へ範囲を広げられる可能性があります。

現在は尺の短い「ショート動画」の需要が高まっており、TikTokを始めInstagramやYouTubeでもショート動画を掲載して配信できるようになり、世の中では「タイムパフォーマンス」が重視されているのが以下のグラフでも明白です。

画像引用:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000193.000021986.html
デマンドジェネレーションキャンペーンとSNS広告媒体とのセット運用をすることで、以下のようなことが可能になるかもしれません。

  • 複数の広告クリエイティブを制作して配信する
  • ショート動画を出稿可能なTikTokやInstagramに最適なクリエイティブで出稿できる
  • CTVRが高いクリエイティブを出しているので、CPMを抑えたままで認知やコンバージョン獲得ができる

…といった広告運用ができる可能性があります。

Googleという媒体だけでなく、SNS広告媒体を利用することで、ユーザーとの接点(タッチポイント)を効率的に増やせるようになるでしょう。

デマンドジェネレーションキャンペーンのデメリットや注意点

新しいプロダクトは、それを実行する上でのメリットがあるからこそリリースされるものですが、当然デメリットも存在します。

それは今回の「デマンドジェネレーションキャンペーン」も例外ではありません。

現在リリースされているのはβ版なので、今は様子見している方や関連記事を読み漁っている段階の人は少なくないと思います。

ここからは、現時点のβ版で判明しているデメリットや注意点を詳しく解説していきましょう。

成果や実績のないアカウントでは最適化がうまくいかない

デマンドジェネレーションキャンペーンは、アカウントに蓄積されたコンバージョンデータを基にして機械学習をおこない、その結果「最適なユーザー」を割り出してアプローチすることでコンバージョンを獲得する機能です。

こういった「機械学習」をベースにした仕組みの場合、基になる情報やデータがないと「最適化」が上手く働きません。

先に紹介したファインド広告やP-maxも、アカウントに蓄えられた情報・データを参考にして機械学習され、最適なユーザーへの広告出稿・アプローチ・コンバージョン刈り取り…へと進んでいくプロダクトです。

潤沢な予算が最初からある場合は、初期構築時に学習させることも可能かもしれませんが、そうでない場合は「実績のないアカウントでは、成果に繋げるのは困難」であるといえます。

まずは、P-maxや検索キャンペーンなどの配信プロダクトを利用して、コンバージョンデータを蓄積・学習させることに専念しましょう。配信が安定したのを確認してからデマンドジェネレーションキャンペーンを導入しても遅くはありません。

カルーセル広告はフィード面に配信できない

カルーセル広告とは、GoogleやInstagramで利用できる「複数の静止画像や動画をスライドショーのように表示できる」広告形式のことです。

2023年9月の段階では、Googleマーチャントセンターの「商品フィード」をカルーセル広告で利用することができない状態となっています。

クリエイティブの制作環境が必要である

デマンドジェネレーションキャンペーンは、画像や動画のような「クリエイティブ」がないと配信できない可能性が考えられます。

そのため、広告クリエイティブを制作できる環境や制作するための予算、もしくは制作できる外注先などを前もって準備しておくことが重要です。

Googleを始め、各SNS広告媒体も「まずクリエイティブありき」の広告プロダクトを展開しているので、土台となる画像や動画は広告出稿に欠かせません。

デマンドジェネレーションキャンペーンが本格的にリリースされる前に、制作環境を整えておきましょう。

また、動画がYouTubeショートに配信される時、動画クリエイティブ次第で高評価・低評価・コメントなどのボタンと重複してしまう恐れがあるため、セーフティエリア(画面情報がはみ出さない範囲)には注意してください。

広告費用がかかる

P-maxも推奨予算が挙げられていたので、今回のデマンドジェネレーションキャンペーンも費用がかかる可能性は高いです。

配信するなら、現行の広告媒体・キャンペーンからアロケーションして配信…ではなく、「別枠」として予算を準備しておいたほうがいいでしょう。

しかし、少額な予算でもP-maxやファインド広告・VAC(動画アクションキャンペーン)で成果付与となることもあるため、「お試し配信」として検討してみてもいいかもしれません。

現在β版としてリリースされているので、正式リリース時にどう仕様変更されるかわかりませんが、広告費用に余裕があるなら「配信テスト」と割り切って試してみてもいいでしょう。

デマンドジェネレーションキャンペーンを活用できるおすすめの業界は?

デマンドジェネレーションキャンペーンを利用して広告を配信する上で、おすすめの業界は、「企業・商品ブランド共に認知度が高く、一般コンシューマー向け(toC)の業界」がよいでしょう。

理由として、ファインド広告やVACなどのクリエイティブを使った配信で、早いうちからコンバージョン獲得・成果達成に至っている広告主は「配信前から認知度が高い」という共通点があるからです。

広告のクリエイティブにも左右されますが、既にブランドとして確立しており、広く認知されているのであれば「成果や実績のないアカウント」という問題点をクリアしているため、CVRも高くなる傾向にあります。

toB商材の場合は、「スマートフォン」で配信されるものにはあまり合致しないケースが多く、CVRは下がる傾向にあるため「あまり向いていない」とも言えるでしょう。

デマンドジェネレーションキャンペーンがリリースされる前に準備しておきたいこと

デマンドジェネレーションキャンペーンが正式リリースされる前に準備しておきたいことや、やっておくべきことがあります。

特に「競合他社の少ない市場でトップの座を得たい」「ブルーオーシャンで戦いたい」と考えるなら、以下の条件はクリアしておいたほうがいいでしょう。

  • 現行のキャンペーンで成果をあげておく
  • 勝てるクリエイティブパターンを把握しておく
  • 定期的にクリエイティブ制作ができる環境づくり

以下で詳しく解説していきますので、正式リリースされる前に可能な限り「問題点」をつぶしておきましょう。

現行のキャンペーンで成果を上げておく

デマンドジェネレーションキャンペーンは、機械学習を基にしているため「実績」がないと上手く最適化がおこなわれません。

したがって、デマンドジェネレーションキャンペーンを利用する前に「検索広告」や「P-max」「VAC」など、既に配信しているもので成果を上げておいてください。

いくら競合他社の少ないタイミングを狙って新プロダクトを利用しても、既存の「配信済みのプロダクト」で成果が出ていない場合は、想定しているほど成果は出ません。

仮に成果が出ても、長続きしない可能性があり、長い目で見るとコストのほうが高くなる…ということも考えられます。

また、目新しいものに気持ちが偏ってしまい、現行のキャンペーンがおろそかになってしまっては本末転倒です。

デマンドジェネレーションキャンペーンの「下積み」のためにも、現行のキャンペーンで成果を上げておきましょう。

勝てるクリエイティブパターンを把握しておく

デマンドジェネレーションキャンペーンで成果を出すためには、画像や動画などの「クリエイティブ」が重要な要素となります。

ユーザーに刺さる広告クリエイティブを得るには、常に最新のトレンドを知っておく必要があり、それを自社広告のクリエイティブに上手く活用するためには「応用力」が必要です。

トレンドから得た強みを活かし、「バズるクリエイティブ」や「勝てるパターン」の画像や動画を把握しておくことは、デマンドジェネレーションキャンペーンを利用する前の準備としてぜひやっておきたい内容になります。

最新のトレンドを知るなら、Googleのファインド広告やVACなどがおすすめです。InstagramやYouTubeなら、画像や動画の鮮度が高いので「この動画はなぜバズっているのか?」などの検証には最適の材料です。

「勝てるパターン」のクリエイティブを把握しておけば、競合他社が後から参入してきても恐れることはないでしょう。

定期的にクリエイティブ制作ができる環境づくり

広告クリエイティブは「一回作れば放置してもオッケー」ではありません。

広告クリエイティブを定期的に制作・更新して稼働し続けることは、デマンドジェネレーションキャンペーンに限らず「どんな広告媒体」でも重要なことです。

クリエイティブの制作は時間や費用がかかってしまい、広告主としては「なるべく費用をかけたくない」と考える気持ちは理解できますが、同じ広告ばかり配信しているとユーザーから飽きられてしまい、最悪の場合は「離脱」に繋がります。

それを防ぐためにも、定期的にクリエイティブ制作ができる環境は確保しておきましょう。

なるべくコストをかけたくなければ、「勝てるパターン」のクリエイティブを把握しておき、短時間かつ少ない労力で制作できるような「仕組みづくり」を検討しておいてもいいかもしれません。

アップデートのスケジュール

デマンドジェネレーションキャンペーンのアップデートのスケジュールを解説します。

2023年8月からβ版の新生フォームから利用の申請をおこない、登録すればデマンドジェネレーションキャンペーンを作成することができるようになりました。

2023年10月からは、全ての広告主がデマンドジェネレーションキャンペーンを利用できるようになり、Googleアカウントチームに連絡すれば、配信中のファインド広告をデマンドジェネレーションキャンペーンにアップグレードできるようになっています。

Googleの担当者との連絡手段を持っていない場合は、2023年12月までの間に自動的にデマンドジェネレーションキャンペーンにアップグレードされるようです。

2024年1月から3月にかけて、全てのファインド広告はデマンドジェネレーションキャンペーンにアップグレードされる予定となっています。

デマンドジェネレーションキャンペーンの利用申請方法

デマンドジェネレーションキャンペーンを利用するには、以下のフォームから申請をおこないます。

参照:Sign up for the Demand Gen Beta

フォームに必要事項を入力して、申請が通ればデマンドジェネレーションキャンペーンの新規作成が可能です。

ファインド広告がある場合は、自動的にデマンドジェネレーションキャンペーンにアップグレードします。オン状態のキャンペーンを中断する必要はありません。

デマンドジェネレーションキャンペーンの作成手順

デマンドジェネレーションキャンペーンを作成する手順を図解入りで解説していきます。

Google広告の管理画面のメニューにある「キャンペーン」をクリックして、プルダウンメニューからキャンペーンを選択します。

プラスボタンをクリックし「新しいキャンペーンを作成」を選択します。

下書き中のものがあれば、「キャンペーンの下書きを再開」を選択してください。

以下の「キャンペーンの目標を選択」から、目標としているものを選択します。

現在「デマンドジェネレーションキャンペーン」を選択できるのは、【商品やブランドの比較検討】と【目標を指定せずにキャンペーンを作成する】の2種類です。

今回は、右下の「目標を指定せずにキャンペーンを作成する」を選択しています。

キャンペーンタイプから【デマンドジェネレーションキャンペーン】を選択して、続行します。

状況に応じて、目標を追加してください。

キャンペーンの目標を「コンバージョン」「クリック数」「コンバージョン値」から選択してください。

今回は「コンバージョン」を選択しています。

予算と日程の項目で、金額を入力します。

適した金額が不明な場合は、およその金額を入力することで、

【キャンペーンのパフォーマンスを最大化するには、以前のデマンド ジェネレーション キャンペーンのパフォーマンスに基づいて、予算を「¥*****」に設定することをおすすめします】

…と表示が出るので、その提示された金額を入力してもいいでしょう。

地域と言語、デバイス・広告スケジュールを設定します。

図では「土曜日から日曜日」の0:00〜0:00に設定していますが、配信スケジュールに合わせて変更してください。

広告グループでは、「広告グループ名」を入力できます。

広告1では、上の図で示した必須の項目を入力していきます。

「組み合わせとプレースメントを確認」をクリックすると、各媒体での表示を確認することが可能です。


【スマートフォン】で確認できるのは以下のものになります。

  • YouTube動画再生
  • YouTubeインフィード
  • Discover
  • Gmail(閉じた状態)
  • Gmail(開いた状態)

右上のアイコンから、スマートフォンとパソコンを切り替えられるので、確認してみてください。

プレビュー画面を閉じる時は、左上の×印をクリックします。

確認ページに移動して、作成したキャンペーンの内容を確認し、問題なければ【キャンペーンを公開】しましょう。

まとめ

Google広告の新しいプロダクトである「デマンドジェネレーションキャンペーン」は、ファインド広告に代わる期待のキャンペーンです。

この新規顧客の獲得や認知度アップに繋がる「ブルーオーシャン」のプロダクトは、これから競合他社よりも一歩先に進んでいくために必要不可欠なものとなるでしょう。

現在リリースされているものは「あくまでβ版」のため、来年の本格リリースの頃には大規模な仕様変更や改定があるかもしれません。そのため、今回の記事で得た知識の一部もしくは大半が無駄になる可能性は否定できません。

しかし、現状のアカウントで実績と成果を出しておくことは「間違い」ではないため、目新しいプロダクトばかりに気を取られず、目の前の成果と実績を積んでおくことが大切です。

来年の正式リリースに向けて、現在できることを精一杯やっておきましょう。



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