SNSや動画配信サイトでコンテンツを見ているときに表示される広告。
おもしろい発見がある一方で「どうしてこの広告が流れてきたの?」「この内容は興味ないし見たくない」など、広告に対して疑問や不満をもったことはありませんか?
企業の情報漏洩が話題になったりプライバシー問題が増えてきたりと、インターネットにおけるプライバシーへの話題が増えている昨今、ユーザーも個人情報の保護に興味が高まっています。
そこでGoogleでは、プライバシーポリシーにおいてさまざまな取り組みをしてきていますが、最近では「ユーザーが自分で表示される広告を調整できるマイアドセンター」の機能を追加。
この記事ではマイアドセンターとはなにか、使い方から注意点までを解説していきます。
また、Google広告に関してさらに知見を深めたい!という方は、以下の記事に総括的にまとめてありますので、ぜひ読んでみてください。
また、ディスプレイ広告に関してに関してさらに知見を深めたい!という方は、以下の記事に総括的にまとめてありますので、ぜひ読んでみてください。
Google広告の「マイアドセンター」とは?
Google広告のMy Ad Center(マイアドセンター)とは、Google検索やYoutubeに表示される広告を、ユーザー自身が調整できる機能です。
おおまかには次のようなことが可能。
- 広告の表示頻度や種類を調整
- 広告について「役立った」「報告する」「ブロック」するなど評価できる
- 広告主の信頼性を確認できる
- 出会い系やギャンブルなどデリケートな内容の広告表示を制限できる
- 自分の気にあるトピックや企業の広告が表示されるように設定できる
このように、広告は「勝手に表示されるもの」と思われがちですが、マイアドセンターを利用すれば、ある程度自分の好みに合わせた調整が可能になるのです。
ただし表示される広告の「種類」は調整できますが、「数」まではコントロールできないので覚えておきましょう。
マイアドセンターが導入された背景
マイアドセンターが導入された理由の大きな原因は「ユーザーが広告に関して感じている不安」です。
広告はユーザー情報に基づいて、表示する種類や頻度が変わってくるものが多数です。そのためユーザーは「企業が個人の情報を活用することに不安」という人も多く、実際にオンライン広告の意識調査によると約8割の人は「心配である」と、答えているようです。
しかしパーソナライズされた情報やサービスを便利と感じているのも事実であり、その一方で自分のプライバシーを守りたい、というのが両方を叶えた状態がマイアドセンターの導入なのです。
マイアドセンターの導入によって、企業の信頼性を確認できたり、自身で広告表示の種類や頻度を調整したりすることで、自分のプライバシーを守りつつ最適な情報を得られるようになりました。
アイドマセンターへの開き方
マイアドセンターの開き方は以下の2つがあります。
- 表示された広告からアクセスする方法
- Googleアカウントの管理設定からアクセスする方法
表示された広告の「︙」または情報アイコンをクリックすると、マイアドセンターが開きます。
Googleアカウントの管理設定からアクセスする場合は、以下の手順でクリックすることで、マイアドセンターを開けます。
Googlechromeのプロフィールアイコンを選択
「Googleアカウントを管理」をクリック
「データとプライバシー」を選択
画面をスクロールして「パーソナライズド広告」の「マイアドセンター」をクリック
またパソコン、タブレットどちらでも上記の方法でアクセスが可能です。
既存の「広告の設定」との違い
既存の広告設定でも、パーソナライズド広告の停止など似たような設定が可能でした。それではマイアドセンターと既存の広告の設定では何が違うのでしょうか。
2つの大きな違いは「ユーザー自身が気になるトピックを選択して表示頻度を調整できる」かどうかです。
既存の設定ではより詳細な設定はできませんでしたが、マイアドセンターを利用すれば自分が知りたい情報に合わせて、トピックや企業を指定して広告を表示させられます。
反対に目的を達成すれば設定した表示頻度を下げて、新たに欲しい情報に合わせて広告の表示頻度を上げるなどの調整ができるのです。
マイアドセンターを利用するメリット
マイアドセンターの活用は、ユーザーと企業どちらにもメリットがあります。
まずユーザー側のメリットは、自分の見たい広告、もしくは見たくない広告をGoogleに伝えることで、広告の表示を最適化が可能。
またユーザーは見たくない広告の表示頻度を調整できるので、「ウザイ」「邪魔」といったネガティブイメージを持たれる機会の減少が期待できます。
広告主側はユーザーがマイアドセンターを利用して、自分の好みや情報を正確に設定することで、精度の高いターゲティングができる可能性があります。
マイアドセンターに関する広告主側の注意点
ユーザーにとってはメリットのあるマイアドセンターですが、広告主側は次の点に注意しなくてはいけません。
- 広告の正当性が求められる
- ターゲティングの精度や配信範囲に影響がでる
広告の正当性が求められる
広告は「勝手に表示されるもの」から「ユーザーも広告表示に関与できる」時代になってきました。
そのため広告内容によってユーザーに誤解を招いたり、不快な思いをさせたりしないように、これまで以上にクリエイティブの内容に正当性が求められるようになるでしょう。
今後ユーザーは、自分の興味関心が高いもののみを多く表示するようになってきます。
ゆえに広告管理者は、インパクトを与えつつユーザーの心に刺さるようなメッセージ性のある広告を発信していかないと、なかなかユーザーには響きにくいかもしれません。
広告を配信したいペルソナをしっかりと設定して、他社と差別化できる正当性の高い広告作成を心がけていきましょう。
ターゲティングの精度や配信範囲に影響がでる
ユーザーにとっては多数のメリットがあるマイアドセンターですが、広告管理者側はターゲティングの精度や広告配信の範囲に影響がでる可能性があります。
Googleアカウントの登録情報に基づいて広告が配信されている場合、ユーザーがマイアドセンターを利用して正しい情報登録をしたり、興味がある広告の表示頻度を高めたりすることで、対象の広告のターゲティング精度は高まります。
一方で今まで表示されていた広告が、ユーザーの設定により表示頻度を低くされた場合、少なからず今まで通りの表示回数と同等という訳にはいかないでしょう。
そのため広告管理者は、ユーザーのマイアドセンターの利用によってどのような影響が出るのかを分析して、改善が求められるようになってきます。
マイアドセンターでできる4つの設定
マイアドセンターは次の4つの設定が可能です。
- 広告のカスタマイズ
- プライバシーの管理
- 広告の詳細の確認
- パーソナライズド広告のON/OFF
それぞれについて、詳しくみていきましょう。
広告のカスタマイズ
マイアドセンターでは「トピック」「企業やサービス」「デリケートなトピック」ごとにタグが分かれており、それぞれの表示頻度が調整できます。
出典:マイアドセンター
- トピック:ゲーム、寝具、キッチン、フェイスケアなど
- 企業やサービス:日産、楽天グループ、パナソニックなどの企業名
- デリケートなトピック:ギャンブル、ダイエット、出会い系など
「トピック」ならびに「企業やサービス」のタグで表示頻度を調整したいときは、赤い枠内の「+/ー」を選択して調整が可能。
出典:マイアドセンター
ただし「ー」で表示頻度は減らせますが、完全に非表示にすることはできません。
利用方法としては、たとえば新しい自動車を検討しているときはトピックの「自動車」や気になる企業の広告表示頻度を増やして、目的が達成されたら減らす、といった使い方ができます。
また左上の「フィルタ条件」や「並び替え」で、表示内容をデフォルトから変更も可能。
出典:マイアドセンター
フィルタ条件 | フィルタの内容 |
最近 | 最近変更を加えたもの |
注目 | 注目されているもの |
広告を増やす(+) | 広告の表示頻度を増やしたもの |
広告を減らす(ー) | 広告の表示頻度を減らしたもの |
次に「デリケートなトピック」は、2023年11月段階で次の5つを表示するか選択ができるようになっています。
- アルコール
- ギャンブル
- ダイエット
- 出会い系
- 妊娠、育児
出典:マイアドセンター
赤い枠内の「ON/OFF」を切り替えることで、極力表示されないように設定が可能。ただし、制限したトピックに関してGoogle検索などで検索した場合、制限したトピックを含む広告が表示されるケースもあります。
OFFにして制限したからといって、必ずしも表示されないという訳ではない点に注意が必要です。
参考:マイアドセンター
プライバシーの管理(ユーザー属性の変更)
プライバシーの管理では、広告表示の参考になっているユーザー情報やカテゴリーを変更できます。
通常はGoogleアカウントのユーザー情報が表示されていますが、設定していない場合はGoogleが推定した情報が表示。
出典:マイアドセンター
本当は男性なのに、Googleの推定情報が女性になっている場合、女性向け商品やサービスの広告ばかりが表示されるケースがあります。
そういったときは、情報を正しく修正することで自分にあった広告の表示がされやすくなるのです。
またGoogle検索やYoutubeなどの行動履歴を、広告表示の参考にしてもよいかどうかの設定もできます。
出典:マイアドセンター
「ON」にすることで、たとえばYoutubeではよく見る動画に関連する広告が、動画内の広告として表示頻度が高くなるのです。
広告の詳細を確認
「広告の詳細」とは、Google検索やYoutubeで実際に表示されている広告を、表示されているときに詳細を確認できる機能です。
表示された情報アイコンをクリックすると、マイアドセンターに移動します。
上記の画面では、次の項目を設定・確認が可能です。
- 広告の評価
- 広告のブロック
- 広告に関する問題を報告
- 類似広告の表示調整
- 広告主の詳細
- 広告の表示に利用されたユーザー情報
「広告のブロック」や「広告に関する問題を報告」は、不適切な広告や目に余る広告を表示させないようにしたり、Google広告のポリシー違反であることを申告できます。
また「広告主の詳細」は、実際に表示されている広告の情報を詳しく確認可能です。
信頼できる広告かどうかの判断基準である「広告主適格性確認プログラム」に対応した企業のみが「Googleによる身元確認済み」と表示。
一方で対応していない企業は「広告主の身元が未確認」と書かれています。
「広告の表示に利用されたユーザー情報」は、パーソナライズド広告をONにしていた場合、あなたの行動履歴やユーザー情報のどの部分に基づいて表示されたのかを知ることができます。
たとえば「Google情報の年齢」と表示されている場合、Googleアカウントに登録されている年齢情報に基づいて広告が配信されていることになるのです。
なんでこんな広告が自分の画面に表示されたの!?と気になるときに、調べてみてはいかがでしょう。
パーソナライズド広告自体をオン/オフ切り替える
マイアドセンターでは、パーソナライズド広告を一括で「ON/OFF」で切り替えられます。
出典:マイアドセンター
パーソナライズド広告をOFFにすると、Googleアカウントの情報や行動履歴に基づいた広告の表示がされなくなるので、自分と関連性の低い広告が表示される場合があります。
なおパーソナライズド広告のON/OFFでは、広告表示に利用される情報に次のような違いがあるので覚えておきましょう。
パーソナライズド広告ON |
|
パーソナライズド広告OFF |
|
他社と差別化されたクリエイティブが大切
マイアドセンターの利用によって、ユーザーは広告の表示を自分好みに絞り込めるようになりました。
自分の興味関心をGoogleに伝えることで、パーソナライズド化された広告体験ができるので、Google検索やYoutubeを快適に利用できるでしょう。
また表示された広告主が信頼のおける企業なのか、自分のどの情報を利用して表示された広告なのかがわかれば、安心できますよね。
ただし広告主側は、ユーザーによって表示される広告が絞り込まれる分、他社と差別化してユーザーの心に響くクリエイティブの作成が重要になってきます。
そのためマイアドセンターによってどのような影響がでているのか、動向をチェックして改善策を考えていく必要があります。
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