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宣伝失礼しました。本編に移ります。

本記事をご覧になっている皆様は、「Instagramショップ専用タブ内の広告」について情報を集め、自社の売上を最大化する手法を模索されていることと存じます。かつてInstagramにはアプリ内に「ショップ」専用のタブが存在し、そこでの広告配信はEコマース事業者にとって重要な販売戦略の一つでした。しかし、ここでまず、極めて重要な事実をお伝えしなければなりません。Instagramの戦略変更に伴い、この記事のテーマであった「ショップ専用タブ」および、そこに特化した広告枠は、2023年2月をもって廃止されました。この事実を知ると、「では、もうInstagramで商品を売るための広告は出せないのか?」と不安に思われるかもしれません。ですが、ご安心ください。これは後退ではなく、むしろInstagramがより強力な販売プラットフォームへと進化を遂げた証左なのです。現在では、特定のタブに依存するのではなく、ユーザーが日常的に利用するフィード、ストーリーズ、そして発見タブといったあらゆる場所で、よりシームレスかつ直接的に商品を販売できる「商品タグ付き広告(ショッピング広告)」が主流となっています。この新しい広告手法は、ユーザーの購買体験を妨げることなく、自然な形で商品の魅力を伝え、直接ECサイトでの購入へと導くことができる、非常に強力な獲得型広告です。本記事では、この「ショップタブ廃止」という大きな変化の背景を解説し、現在のInstagram広告戦略の主役である「商品タグ付き広告」について、その概要から、出稿に必須となる複雑な事前準備、広告マネージャでの具体的な設定手順、さらには獲得効率を最大化するための実践的なノウハウまで、皆様が他に情報を探す必要がなくなるレベルで、網羅的かつ詳細に解説を進めてまいります。この記事を最後までお読みいただければ、Instagram広告を活用して自社の商品を販売し、売上を最大化するための最新かつ具体的なアクションプランを全てご理解いただけることでしょう。

【結論】Instagramショップタブは廃止|変革の背景と現在のInstagram販売戦略

まず、本題に入る前に、過去の機能と現在の状況を正確に整理することが、最新の戦略を理解する上での最短ルートとなります。ここでは、かつて存在した「Instagramショップ」と「ショップ専用タブ」について振り返り、なぜその機能が廃止されたのか、そして現在のInstagramがどのような販売戦略を描いているのかを深掘りしてまいります。

過去のInstagramショップとは

過去のInstagramショップ機能の画面

過去に提供されていた「Instagramショップ」とは、Facebook社(現Meta社)が提供する、企業がデジタル上の店舗を無料で作成できる機能でした。具体的には、Facebookページと連携したコマースマネージャというツールを使い、商品のカタログ情報を登録することで、Instagramのプロフィール上に「ショップを見る」というボタンを設置し、自社の商品ラインナップを一覧で表示させることができました。これにより、ユーザーは外部のECサイトに遷移することなく、Instagramアプリ内で商品の詳細情報を閲覧することが可能でした。この機能の主な目的は、ブランドの世界観を表現しつつ、ユーザーに商品を発見してもらう機会を提供することにありました。ショップ内では商品を「コレクション」という単位でグルーpingし、テーマごとに見せ方を工夫することも可能で、いわばInstagram内における自社ブランド専用のショーケースのような役割を担っていたのです。この時点では、あくまで商品の発見と情報閲覧が主であり、購入のためには最終的に外部のECサイトへ遷移する必要がありました。

過去のInstagramショップ専用タブとは

過去のInstagramショップ専用タブの画面

そして2020年11月、この「Instagramショップ」の利便性をさらに高める目的で、アプリのメイン画面下部、ナビゲーションバーの中央という一等地に「ショップ専用タブ」(ショッピングバッグのアイコン)が設置されました。このタブをタップすると、フォローしているブランドや、ユーザーの興味関心に基づいてパーソナライズされた様々なブランドの商品がタイル状に表示され、ユーザーは能動的に新しい商品を探しに出かけることができました。まさに、Instagram内にオープンした巨大なショッピングモールのような空間であり、企業にとっては自社の商品を知らない潜在顧客にリーチするための絶好の機会でした。そして、本記事の当初のテーマであった「Instagramショップ専用タブ内広告」とは、このタイル状の商品一覧の中に、広告として自社の商品を配信する仕組みのことを指していました。ユーザーはショッピング目的でこのタブを訪れるため、広告に対する受容性が高く、非常に高いコンバージョンが期待できる広告枠として注目されていました。

なぜショップタブは廃止されたのか?Meta社の戦略転換

これほどまでに重要視されていたショップタブが、なぜ2023年に廃止されたのでしょうか。その背景には、Meta社のEコマース戦略の大きな方向転換があります。Meta社は当初、商品の発見から決済まで全てをInstagramやFacebookのアプリ内で完結させる「アプリ内チェックアウト機能」を推進し、究極のEコマースプラットフォームとなることを目指していました。ショップタブは、その構想の中核を担う存在でした。しかし、この戦略にはいくつかの課題がありました。まず、多くの事業者は自社のECサイトで顧客データを一元管理し、リピート施策などに活用したいと考えており、プラットフォーム内に顧客情報が留まることを敬遠する傾向がありました。また、ユーザー側も、購入のたびに新しいプラットフォームにクレジットカード情報を登録することへの抵抗感がありました。こうした状況を踏まえ、Meta社は「プラットフォーム内で全てを完結させる」という方針から、「最高の“商品発見・送客”エンジンになる」という方針へと舵を切ったのです。つまり、Instagramの役割を「商品を売る場所」から「商品と出会い、好きになり、最終的に事業者のECサイトへ購入意欲の高い顧客を送り届ける場所」へと再定義したのです。この戦略転換において、ユーザーを特定の「ショップ」という区画に囲い込むよりも、日常的に閲覧するフィードやリールといったコンテンツの流れの中で自然に商品と出会ってもらう方が、より効果的であると判断されました。その結果、ショップタブはその役割を終え、廃止されるに至ったのです。

現在の主流:獲得型広告の主役「商品タグ付き広告」とは

ショップタブ廃止後の現在、Instagramにおける獲得型広告の主役となっているのが「商品タグ付き広告(ショッピング広告)」です。これは、一見すると通常のフィード投稿やリール動画と何ら変わらない見た目ですが、画像や動画の中に「商品タグ」が埋め込まれています。ユーザーが画面をタップすると、そのタグから商品名と価格がポップアップ表示され、さらにタップすると商品の詳細ページへ、そして最終的には自社のECサイトの購入ページへと、わずか数タップでシームレスに遷移させることができます。この広告の最大の強みは、その「非広告性」にあります。ユーザーは友人の投稿を見るのと同じ感覚でコンテンツに触れ、興味を持ったものだけを自らの意思で深掘りしていくため、広告特有の押し付けがましさがありません。そのため、非常に高いクリック率とコンバージョン率を期待できます。また、フィード、ストーリーズ、リール、発見タブといったInstagramのあらゆる主要な配信面に掲載できるため、様々な利用シーンのユーザーに対して、それぞれのフォーマットに最適化された形で商品をアピールすることが可能です。まさに、現在のInstagram販売戦略を体現する、最も重要な獲得型広告手法であると言えるでしょう。

商品タグ付き広告(ショッピング広告)出稿のための必須準備と利用条件

この強力な「商品タグ付き広告」を配信するためには、いくつかの必須条件をクリアし、厳格な事前準備を完了させる必要があります。この準備プロセスは複雑であり、一つでも欠けていると広告を出稿することすらできません。ここでは、その全ステップを一つひとつ、躓きやすいポイントの解説も交えながら徹底的に解説します。この章をマスターすることが、成功への第一歩です。

大前提:Instagramショッピング機能の有効化

まず、広告以前の段階として、自社のアカウントで「Instagramショッピング機能」を利用できる状態にする必要があります。これは、Meta社による審査を通過し、自社の商品を販売する資格を得るプロセスです。

1. Metaのコマースポリシーへの準拠

最も基本的な条件として、販売しようとする商品がMeta社の定めるコマースポリシーに違反していないことが挙げられます。ポリシーでは、販売が禁止されている商品(例:武器、弾薬、爆発物、成人向け商品、アルコール、タバコ製品、動物など)や、販売に制限がある商品(例:イベントチケット、ギフトカードなど)が詳細に定められています。広告出稿を計画する前に、自社の商品がこれらのポリシーに完全に準拠していることを必ず確認してください。たとえ一つでも違反する商品がカタログに含まれていると、アカウント全体のショッピング機能が停止されるリスクがあります。特に、健康食品やサプリメント、化粧品などは、効能を謳う表現が医薬品医療機器等法(旧薬事法)や景品表示法に抵触する可能性があるため、商品説明文には細心の注意が必要です。

2. プロアカウント(ビジネス/クリエイター)への移行

Instagramショッピング機能および広告機能は、個人用アカウントでは利用できません。必ず「プロアカウント」に切り替える必要があります。プロアカウントには「ビジネス」と「クリエイター」の2種類がありますが、商品を販売する企業の場合は「ビジネスアカウント」を選択することが一般的です。プロアカウントに移行することで、広告出稿機能のほか、アカウントのパフォーマンスを分析するための「インサイト」機能や、プロフィールに連絡先ボタンを設置する機能などが利用可能になります。設定はInstagramアプリの「設定とプライバシー」→「アカウントの種類とツール」→「プロアカウントに切り替える」から、画面の指示に従うことで数分で完了します。

3. Facebookページとの連携:なぜ必要か?具体的な連携手順

Instagramのビジネスアカウントは、必ずFacebookのビジネスページと連携させる必要があります。これは、Instagramの広告やショッピング機能が、Facebookのプラットフォーム(特に後述するビジネスマネージャやコマースマネージャ)を通じて管理されるためです。連携が完了していないと、商品カタログの作成や広告の出稿ができません。連携は、Instagramのプロフィール編集画面から「ページ」を選択し、リンクさせたいFacebookページを選ぶだけで完了します。まだFacebookページがない場合は、先に作成しておく必要があります。この連携は、両プラットフォーム間での情報共有を円滑にし、より精度の高い広告配信を実現するための根幹となる設定です。

4. 自社ECサイト(ドメイン)の認証

販売する商品を掲載している自社のECサイトのドメイン(例:example.com)を、Facebookビジネスマネージャ上で所有権認証する必要があります。これは、広告主がそのウェブサイトの正当な所有者であることをMeta社に証明するためのプロセスであり、なりすましや詐欺的な広告を防ぐ目的があります。認証方法には、DNS認証、HTMLファイルアップロード、メタタグ認証の3種類がありますが、技術的な知識が少ない場合は、指定されたメタタグをウェブサイトのHTMLの``セクションに追加する方法が比較的簡単です。このドメイン認証を完了させないと、後述するコンバージョンイベントの設定など、広告の成果を計測する上で不可欠な機能が利用できないため、必ず実施してください。

最重要:商品カタログの作成と設定を徹底解説

Instagramショッピングの核となるのが「商品カタログ」です。これは、販売したい商品の情報をまとめたデータファイルであり、広告や商品タグの参照元となります。このカタログの品質が、広告のパフォーマンスを直接的に左右すると言っても過言ではありません。

コマースマネージャとは何か?その役割とアクセス方法

商品カタログの作成・管理は、全て「コマースマネージャ」というツールで行います。これはFacebookビジネスマネージャ内にある、Eコマース活動を統合的に管理するための無料ツールです。在庫管理、注文処理(アプリ内チェックアウトを利用する場合)、そしてカタログ管理など、販売に関するあらゆる設定をここで行います。Facebookビジネスマネージャにログインし、メニューから「コマースマネージャ」を選択することでアクセスできます。

カタログ作成の3つの方法とメリット・デメリット

コマースマネージャで商品情報を登録するには、主に3つの方法があります。
1. 手動で追加:商品を1点ずつ、フォームに情報を入力していく方法です。商品数が非常に少ない(10点未満など)場合には手軽ですが、商品数が多くなると現実的ではありません。情報の更新も手動で行う必要があり、手間がかかり、ミスも発生しやすいため、本格的な運用には不向きです。
2. データフィードを利用する:商品情報を所定のフォーマット(CSV, TSV, XMLなど)で作成したファイル(データフィード)を、コマースマネージャにアップロードする方法です。一度フォーマットを作成すれば、多数の商品を一括で登録・更新できます。多くのECプラットフォーム(Shopify, BASEなど)は、このデータフィードを自動で生成・出力する機能を持っています。定期的にフィードを自動更新する設定も可能なため、在庫情報や価格の変更を常に最新の状態に保つことができます。最も推奨される方法です。
3. パートナープラットフォームを利用する:ShopifyやBigCommerceといった、Meta社と提携しているEコマースプラットフォームを利用している場合、簡単な連携設定を行うだけで、商品カタログを自動的に同期させることができます。データフィードの作成やアップロードといった手間が一切不要で、最も簡単かつ確実な方法です。自社が利用しているプラットフォームが対応しているか確認してみましょう。

データフィード作成時の必須項目と推奨項目

データフィードを利用する場合、各商品について正確な情報を提供する必要があります。特に以下の項目は必須であり、一つでも欠けているとエラーとなります。
必須項目:
・id(商品固有のID)
・title(商品名)
・description(商品説明文)
・availability(在庫状況:in stock / out of stock)
・condition(状態:new / used / refurbished)
・price(価格と通貨)
・link(商品のECサイト上のURL)
・image_link(商品画像のURL)
・brand(ブランド名)

推奨項目:
さらに、広告のパフォーマンスを高めるために、以下の推奨項目も可能な限り設定することが望まれます。
・google_product_category(Google商品カテゴリ)
・product_type(独自の商品カテゴリ)
・gtin(国際取引商品番号:JANコードなど)
・mpn(製品番号)
これらの情報を充実させることで、Meta社のシステムが商品をより正確に理解し、関連性の高いユーザーへのターゲティング精度が向上します。

カタログ診断で発生するエラーと具体的な解決策

カタログをアップロードすると、コマースマネージャの「診断」ツールが内容をチェックし、問題点を報告してくれます。よくあるエラーとしては、「画像のURLが無効またはアクセスできない」「価格情報が欠落している」「商品説明が短すぎる」などがあります。エラーが出た場合は、その詳細を確認し、元のデータフィードを修正して再度アップロードする必要があります。特に画像の品質は重要で、背景が白で商品が明確に写っている高解像度の画像が推奨されます。エラーを放置すると、該当商品が広告で利用できなくなるため、定期的に診断画面をチェックし、問題を解消する習慣をつけましょう。

コンバージョン計測の生命線:MetaピクセルとコンバージョンAPIの設定

獲得型広告において、広告経由での「購入」という成果(コンバージョン)を正確に計測できなければ、その広告が成功しているのか失敗しているのか判断できません。その計測の役割を担うのが「Metaピクセル」と「コンバージョンAPI」です。

Metaピクセルとは何か?なぜ獲得型広告に必須なのか?

Metaピクセルとは、自社のECサイトに設置する短いコードのことです。このコードを設置することで、ユーザーが広告をクリックしてサイトを訪れた後の行動(どのページを見たか、カートに何を入れたか、購入したかなど)を追跡し、Meta社のサーバーに送信することができます。これにより、「どの広告が何件の購入に繋がったのか」を広告マネージャ上で正確に把握できるようになります。このデータがなければ、広告費用の最適化や、効果の高い広告クリエイティブの特定は不可能です。獲得型広告を配信する上で、ピクセルの設置は絶対的な必須事項です。

標準イベントとカスタムイベント:購入計測のための設定

Metaピクセルでは、ユーザーの特定の行動を「イベント」として計測します。Meta社があらかじめ定義している重要な行動が「標準イベント」です。獲得型広告では、最低でも以下の標準イベントをECサイトの該当ページに設置する必要があります。
・`ViewContent`:商品詳細ページの閲覧
・`AddToCart`:商品をカートに追加
・`InitiateCheckout`:購入手続きの開始
・`Purchase`:購入完了
これらのイベントを正しく設定することで、ユーザーが購入に至るまでの各ステップを詳細に分析し、例えば「カートには入れるが購入しない」といった離脱ポイントを特定し、改善策を講じることが可能になります。

iOS14.5+アップデートへの対応:合算イベント測定とは

AppleがiOS14.5以降で導入したプライバシー保護強化(ATT)により、ユーザーがトラッキングを許可しない場合、ピクセルによるウェブサイト上の行動追跡が制限されるようになりました。これに対応するため、Meta社は「合算イベント測定(Aggregated Event Measurement)」というプロトコルを導入しました。これは、認証済みのドメインに対して、ユーザーから得られるコンバージョンイベントの数を最大8つまでに制限し、その優先順位を広告主が設定するものです。購入(Purchase)イベントを最優先に設定するなど、自社のビジネスにとって最も重要なイベントを上位に設定する必要があります。この設定を行わないと、iOSユーザーからのコンバージョンを正しく計測できない可能性があります。

コンバージョンAPI(CAPI)の重要性

コンバージョンAPI(CAPI)は、ウェブブラウザ(ピクセル)を介さず、自社のサーバーから直接Meta社のサーバーへ顧客のアクションデータを送信する仕組みです。これにより、ブラウザのCookie制限や広告ブロッカー、前述のiOSアップデートなどの影響を受けにくくなり、ピクセルだけでは失われてしまう可能性のあるコンバージョンデータを補完することができます。より正確で信頼性の高いデータ計測を実現するために、現在ではMetaピクセルとコンバージョンAPIを併用することが強く推奨されています。Shopifyなどの主要なECプラットフォームでは、簡単な設定でCAPIを有効にできる場合が多いです。

【完全版】商品タグ付き広告(ショッピング広告)の設定手順を全ステップ解説

複雑な事前準備が完了すれば、いよいよ広告マネージャでの出稿設定です。ここでは、広告の成果を最大化するための最適な設定方法を、キャンペーンの作成から広告クリエイティブの設定まで、全ステップにわたり、画面のイメージと共に具体的に解説していきます。

1. キャンペーンの作成:目的設定が成果を左右する

広告キャンペーンの目的選択画面

広告設定の最初のステップは、キャンペーンの作成です。ここで最も重要なのが「キャンペーンの目的」の選択です。この選択によって、広告配信の最適化アルゴリズムが決定されるため、間違った目的を選ぶと期待した成果は得られません。

「売上(旧コンバージョン)」目的の選択が鉄則である理由

獲得型広告、つまり商品を販売して売上を上げることを最終目的とする場合、選択すべきキャンペーンの目的は「売上」一択です。以前は「コンバージョン」という名称でしたが、アップデートにより「売上」という、より分かりやすい名称に変更されました。この目的を選択すると、Metaの広告配信システムは、過去にECサイトで商品を購入したことのあるユーザーや、それに類似した行動をとるユーザーを優先的に探し出し、広告を配信しようとします。つまり、数いるInstagramユーザーの中から、最も「買ってくれそうな人」をAIが自動的に見つけ出してくれるのです。これが、「売上」目的を選択することが鉄則である理由です。

「トラフィック」や「エンゲージメント」ではなぜダメなのか?

初心者の方が陥りがちな間違いとして、「トラフィック」や「エンゲージメント」を目的として選択してしまうケースがあります。「トラフィック」を選択すると、システムは「とにかく広告をクリックしてECサイトにアクセスしてくれそうな人」を探します。彼らはクリックはしますが、購入意欲は低いかもしれません。「エンゲージメント」を選択すれば、「いいね!」やコメントをしてくれそうな人を探しますが、彼らが商品を買ってくれるとは限りません。獲得型広告においては、サイトへの訪問者数や「いいね!」の数ではなく、「購入件数」と「売上金額」こそが最重要指標(KPI)です。目的を「売上」に設定することで初めて、システムが我々のビジネスゴールと一致した動きをしてくれるのです。

キャンペーン予算の最適化(CBO)は使うべきか?

キャンペーン設定画面には、「Advantageのキャンペーン予算(旧キャンペーン予算の最適化、CBO)」というオプションがあります。これをオンにすると、キャンペーン単位で設定した予算を、複数の広告セット(後述するターゲット層のグループ)の中で、最もパフォーマンスの良い広告セットに自動的に配分してくれます。例えば、広告セットA(若年層向け)と広告セットB(中年層向け)がある場合、Bの方が購入に繋がりやすいと判断されれば、予算の多くがBに自動で割り振られます。手動で予算配分を管理する手間が省け、効率的な配信が期待できるため、基本的にはオンにすることが推奨されます。ただし、特定のオーディエンスに必ず一定額の予算を投下したいテストなど、意図的に予算配分を固定したい場合はオフにします。

2. 広告セットの設定:利益を最大化するターゲティングと配置

キャンペーンの次は、広告セットの階層で「誰に」「どこで」広告を見せるかを設定します。ここの設定精度が、広告費用対効果(ROAS)に直結します。

オーディエンス設定の極意:誰に届けるか

広告セットのオーディエンス設定画面

Meta広告の真骨頂は、その高精度なターゲティング機能にあります。主に3種類のオーディエンスを使いこなすことが成功の鍵です。

コアオーディエンス:これは、年齢、性別、地域、言語といった基本的なデモグラフィック情報や、ユーザーの興味・関心(例:「ファッション」「スキンケア」「キャンプ」など)、行動(例:「最近、海外旅行をした」「オンラインショッピングを頻繁に利用する」など)に基づいてターゲットを設定する方法です。まだ自社の顧客データが少ない段階で、商品に興味を持ちそうな潜在顧客にアプローチする際に利用します。例えば、オーガニックコスメを販売する場合、「25歳~45歳の女性」「地域:東京」「興味・関心:オーガニック製品、自然派化粧品、ウェルネス」といった設定が考えられます。詳細ターゲット設定では、複数の興味関心を「AND条件(すべてに一致)」や「OR条件(いずれかに一致)」で組み合わせることも可能です。

カスタムオーディエンス:これは、既に自社と何らかの接点を持ったユーザーのリストを作成し、そのリストに対して広告を配信する「リターゲティング」のための機能です。獲得型広告において最も重要なオーディエンスと言えます。Metaピクセルのデータを基に、「過去30日間にECサイトを訪問した人」「商品をカートに追加したが購入しなかった人(カート放棄者)」「過去180日間に商品を購入した人(リピート促進用)」といったリストを自動で作成できます。特にカート放棄者へのリターゲティングは、購入意欲が非常に高いユーザーへの最後の一押しとなるため、極めて高い費用対効果を期待できます。

類似オーディエンス(Lookalike):これは、作成したカスタムオーディエンス(例えば「優良顧客リスト」)を元に、そのリストに含まれる人々と行動や興味関心が似ている、新しいユーザーのグループをMeta社のAIが自動的に探し出してくれる機能です。ソースとなるオーディエンスの質が高ければ高いほど、精度の高い新規顧客リストが生成されます。例えば、「過去に購入した顧客」の類似オーディエンスを作成すれば、まだ自社を知らないものの、商品を購入してくれる可能性が高い潜在顧客へ効率的にアプローチできます。まさに、最強の新規顧客獲得機能です。

配置設定:「Advantage+ 配置」を推奨する理由

広告セットの配置設定画面

次に、広告をどこに表示させるか(配置)を設定します。以前は「自動配置」と呼ばれていた「Advantage+ 配置」を選択すると、Meta社のシステムが、Instagramのフィード、ストーリーズ、リール、発見タブなど、利用可能な全ての配置の中で、最もコンバージョンを獲得できる可能性が高い場所をリアルタイムで判断し、自動的に広告を配信してくれます。ユーザーごと、タイミングごとに最適な配置は異なるため、手動で特定の配置に限定する(例えば「フィードのみ」など)よりも、システムに任せた方が結果的に全体のパフォーマンスが高くなるケースがほとんどです。特に理由がない限りは、「Advantage+ 配置」を選択することを強く推奨します。これにより、かつての「Instagramショップ」タブのように特定の場所に限定されず、あらゆる機会を捉えて広告が配信されることになります。

3. 広告の作成:クリックと購入を生むクリエイティブ設定

最後のステップが、実際にユーザーの目に触れる広告クリエイティブの作成です。どんなに優れたターゲティングを行っても、クリエイティブに魅力がなければクリックも購入も生まれません。

広告の作成画面

フォーマットの選択:シングル画像、動画、カルーセルの使い分け

商品タグ付き広告では、主に3つのフォーマットが利用できます。
・シングル画像:1枚の静止画で訴求する最もシンプルな形式です。商品の写真そのものに強い魅力がある場合や、ブランドの世界観を1枚で表現したい場合に有効です。
・動画:商品の使用シーンや、機能性を動きで伝えたい場合に最適です。例えば、アパレルであればモデルが実際に着用して動いている様子、調理器具であれば実際に料理している様子を見せることで、ユーザーは商品の利用イメージを具体的に掴むことができます。
・カルーセル:複数の画像や動画を横にスワイプして見せることができる形式です。複数の商品を一度に紹介したり、一つの商品の特徴を様々な角度から見せたり、あるいはストーリー仕立てで商品の魅力を伝えたりと、非常に汎用性が高いフォーマットです。ECサイトとの相性が非常に良いとされています。

商品タグの付け方:具体的な手順

広告クリエイティブに、事前準備で作成したカタログの商品情報を紐づけるのが「商品タグ付け」のプロセスです。広告の作成画面で、フォーマット(画像や動画)を設定した後、「カタログ」の項目から該当する商品カタログを選択します。クリエイティブのプレビュー画面上で、商品をタグ付けしたい場所をクリックし、カタログから該当する商品を検索して選択します。すると、その場所に商品タグが設定され、ユーザーがタップした際に商品情報が表示されるようになります。カルーセル広告の場合は、各カードごとに異なる商品をタグ付けすることも可能です。

プライマリーテキスト(広告文)の作成術

プライマリーテキストは、クリエイティブの上部(フィードの場合)に表示される主要な広告文です。ここでユーザーの興味を引き、クリックを促す必要があります。単なる商品説明に留まらず、ユーザーの課題に共感し、その商品がどのように解決策となるのかを提示するストーリーが有効です。また、「期間限定20%OFF」「今なら送料無料」といった具体的なオファー(特典)を冒頭に記載することで、クリック率を大幅に高めることができます。箇条書きを使って商品のメリットを分かりやすく伝えたり、絵文字を効果的に使って視認性を高めたりする工夫も重要です。

Advantage+ カタログ広告(旧ダイナミック広告)の活用

「Advantage+ カタログ広告」は、獲得型広告における非常に強力な機能です。これを設定すると、ECサイトでユーザーが閲覧した商品や、カートに追加した商品を、そのユーザーに対して自動的に広告として配信してくれます。例えば、あるユーザーがサイトで赤いスニーカーを閲覧したものの購入しなかった場合、後でそのユーザーがInstagramを開くと、まさにその赤いスニーカーの広告が表示される、という仕組みです。ユーザー一人ひとりの興味関心に合わせて完全にパーソナライズされた広告が自動生成されるため、極めて高いリターゲティング効果を発揮します。この機能を利用するには、広告作成画面で「カタログ」をオンにし、商品セットを選択するだけで設定できます。

獲得効率を最大化する商品タグ付き広告の実践的コツと注意点

設定方法を理解しただけでは、競合との差別化は図れません。ここでは、広告の獲得効率(CPA: 顧客獲得単価)を改善し、費用対効果(ROAS)を最大化するための、より実践的なコツと、陥りがちな失敗を防ぐための注意点を解説します。

コツ1:ショッピング体験との関連性を極限まで高める

ユーザーがフィードやストーリーズを閲覧している際の心理状態は、「何か面白い情報はないか」という受動的なものです。その文脈の中に広告を配信する上で最も重要なのは、その場の体験を邪魔せず、むしろ豊かにするような「関連性」です。広告文やクリエイティブが、設定したターゲットオーディエンスの興味関心や課題感と、どれだけ深く結びついているかが問われます。例えば、キャンプ好きをターゲットにするなら、「高機能なテントです」と単に紹介するのではなく、「次の週末、満点の星空の下で最高の体験を。設営わずか5分のワンタッチテント」といったように、ユーザーが求める体験や感情に寄り添ったメッセージングを心がけることで、広告は「邪魔なもの」から「有益な情報」へと変わります。

コツ2:クリエイティブは正方形(1:1)を基本としつつ、各配置に最適化する

Instagramのフィードは、伝統的に正方形(1:1)のフォーマットが最も画面占有率が高く、見栄えが良いとされています。そのため、広告クリエイティブを作成する際の基本は正方形と考えて差し支えありません。しかし、「Advantage+ 配置」で配信する場合、広告は縦長のストーリーズ(9:16)やリール(9:16)にも表示されます。正方形の画像のままでも配信はされますが、上下に余白ができてしまい、没入感を損なう可能性があります。広告マネージャのクリエイティブ設定画面には、配置ごとにクリエイティブをカスタマイズする機能があります。可能であれば、フィード用には1:1、ストーリーズやリール用には9:16のクリエイティブをそれぞれ用意することで、全ての配置で最高のパフォーマンスを追求することができます。

コツ3:動画とカルーセルを積極的に活用し、商品の使用感を伝える

静止画だけでは伝えきれない商品の魅力を、動画やカルーセルは補ってくれます。アパレルなら素材の質感や揺れ感、コスメならテクスチャーや肌へのなじみ具合、ガジェットなら実際の操作感やギミックなど、商品の「使用感」を伝えることで、ユーザーは購入後の自分をより具体的にイメージでき、購買意欲が高まります。特に、最初の数秒でユーザーの心を掴むことが重要な動画広告では、静的なシーンから始めるのではなく、動きのあるシーンから始める「冒頭インパクト」を意識することが成功の秘訣です。カルーセルでは、1枚目で興味を引き、2枚目以降で機能の詳細やカラーバリエーション、利用者の声などを紹介するといった、ストーリー性のある構成が効果的です。

コツ4:UGCライクなクリエイティブで広告感を払拭する

UGC(User Generated Content)とは、一般のユーザーによって作成されたコンテンツのことです。いわゆる「インスタ映え」するような、プロが作り込んだ広告然としたクリエイティブよりも、まるで友人がスマートフォンで撮影して投稿したかのような、自然でリアルな雰囲気のクリエイティブの方が、ユーザーの警戒心を解き、共感を得やすい傾向があります。実際に商品を購入した顧客の投稿を許諾を得て広告に活用したり、インフルエンサーに依頼してリアルな使用感を紹介してもらったりするなど、第三者の視点を取り入れた「UGCライク」なクリエイティブは、広告感を払拭し、信頼性を高める上で非常に有効な手法です。

コツ5:オファーを明確に提示し、購入の最終的な後押しをする

獲得型広告の目的は、最終的に購入してもらうことです。クリエイティブや広告文で商品の魅力を伝え、ユーザーの興味を最大限に高めた上で、最後のひと押しとなるのが「オファー」です。「24時間限定セール」「初回購入者限定クーポン」「2点以上で送料無料」といった、今すぐ行動すべき理由を明確に提示することで、ユーザーの「後で考えよう」という迷いを断ち切り、その場でのコンバージョンへと強力に誘導することができます。オファーは、画像内や動画内、そして広告文の冒頭など、ユーザーの目に最も留まりやすい場所に分かりやすく記載することが重要です。

まとめ:Instagramは最強の獲得型広告プラットフォームへ

本記事では、Instagramの「ショップ専用タブ」が廃止されたという事実から説き起こし、現在のInstagramにおける獲得型広告の主役である「商品タグ付き広告」について、その戦略的な重要性から、出稿に不可欠な事前準備、具体的な設定手順、そして成果を最大化するための実践的なノウハウまで、包括的に解説いたしました。振り返りますと、ショップタブの廃止は、InstagramがEコマースプラットフォームとして後退したことを意味するのではなく、むしろその逆です。特定の場所にユーザーを囲い込む戦略から、ユーザーがいる全ての場所を販売機会に変える、よりオープンでシームレスな戦略へと進化した結果なのです。この進化したプラットフォームを最大限に活用するための鍵が、「商品タグ付き広告」に他なりません。正確なターゲティング機能によって「買ってくれそうな人」を的確に見つけ出し、自然なクリエイティブで商品の魅力を伝え、わずか数タップで自社のECサイトへと誘導する。この一連の流れは、商品を販売したい全ての事業者にとって、極めて強力な武器となります。この記事で解説した、Instagramショッピング機能の有効化、品質の高い商品カタログの作成、正確なコンバージョンを計測するためのピクセル設定といった地道な準備こそが、広告の成否を分ける土台となります。そして、その土台の上で、ユーザー心理を深く理解したターゲティングと、魅力的なクリエイティブ、そして行動を促す明確なオファーを組み合わせることで、Instagramは皆様のビジネスにとって、かつてないほどの売上をもたらす、最強の獲得型広告プラットフォームとなり得るでしょう。まずは本記事を参考に、自社の商品カタログを準備することから始めてみてはいかがでしょうか。

 



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