これまでの検索広告では、拡張テキスト広告(ETA)がデフォルトで、限られた広告テキストで訴求パータンをテストせざるを得ませんでした。レスポンシブ検索広告は、拡張テキストよりも多彩なアセットで広告でのテストが可能になります。
また、Google広告、Yahoo!広告どちらも拡張テキスト広告での入稿は廃止され、レスポンシブ検索広告が唯一の広告フォーマットになりました。
アセットごとのCPAが測定できないことや、キーワードごとのアセットの成果を測定できないデメリットもありますが、うまく使いこなせば多彩なバリエーションの広告を同時に検証することも可能です。
今回はそんなレスポンシブ検索広告について解説していきたいと思います。
また、Google広告に関してさらに知見を深めたい!という方は、以下の記事に総括的にまとめてありますので、ぜひ読んでみてください。
また、検索連動型広告に関してさらに知見を深めたい方は、以下の記事をぜひ読んでみてください。
また、リスティング広告に関してさらに知見を深めたい方は、以下の記事に総括的にまとめてありますので、ぜひ読んでみてください。
レスポンシブ検索広告とは
複数パターンの広告見出し・説明文を、機械学習を利用して組み合わせ、ユーザーに関連性の高い訴求を自動で行ってくれる広告パターンのことです。RSA(Responsive Search Ads)とも呼ばれます。(旧拡張テキスト広告はETAと呼ばれています)
試したい組み合わせが多岐に渡り、人力で行うことが現実的でない場合に、重宝しそうなオプションです。
拡張テキスト広告とレスポンシブ検索広告の違い
レスポンシブ検索広告と拡張テキスト広告の違いとして、なんと言っても入稿できる見出し/説明文のアセットの数が挙げられます。
- 見出しを15個、説明文を4個登録できる
- 登録された見出し・説明文の中から、表示されるものが都度自動で組み合わされて配信される
- 広告の有効性を確認できる機能がある
よく勘違いされやすいのですが、表示される文字数や枠が増えたわけではなく、設定した見出しアセットが最大で3つ、説明文アセットが2つ表示される仕組みです。
レスポンシブ検索広告のメリットとデメリット【旧来のテキスト広告との比較】
レスポンシブ検索広告のメリット
デバイスの幅などに合わせて広告文を作成してくれる
デバイスの幅によっては、旧来のテキスト広告では過不足ある場合、自動的に調整して出稿してくれます。それによって、広告露出の機会損失を最小限に抑えることができます。
自動で関連性の高い広告の組み合わせをローテーションしてくれる
組み合わせによってローテーションしたい場合、複数の組み合わせを全て作成する必要なしに、1つの広告文で設定することができます。
レスポンシブ検索広告のデメリット【旧来のテキスト広告との比較】
どの組み合わせで成果が良かったのか、の観測ができない
筆者的に最も残念なポイントで、組み合わせの成果の観測ができません。シンプルにローテーションだけしたい際に活用することがおすすめです。
意味不明な組み合わせ/順番が出されてしまう可能性がある
広告の見出し・説明文の組み合わせによっては、日本語として違和感のある広告文が生成されてしまうケースがあります。
レスポンシブ検索広告のコツ
1. 見出し・説明文は順不同でも意味の通じる組み合わせを設定する
どの組み合わせが成果がよく、順不同で最適化されるので、順序が異なる組み合わせでも意味の通じる広告設定を心がけましょう。
2. 同一広告グループ内に拡張テキスト広告を2つは入れる
レスポンシブ検索広告(RSA)単体のみの入稿ではなく、拡張テキスト広告を同一広告グループ内に最低でも2つ同時に入稿することを、Googleが推奨しています。
*拡張テキスト広告の提供は終了しました。
3. 広告グループ内にレスポンシブ検索広告は1つにとどめる
こちらもGoogleの推奨です。複数のレスポンシブ検索広告を同一広告グループ内に入れてしまうと、最適化遅延の原因になります。
4.ピンの設定は控えめにする
広告見出しと説明文を最大数設定した時に広告見出しを1件固定すると、組み合わせのパターンは大幅に少なくなってしまいます。
レスポンシブ検索広告のメリットを活用するためには、ピンの設定は控えめにするようにしてください。
5.広告作成時は「広告の有効性」を確認する
レスポンシブ検索広告作成画面では、「広告の有効性」という項目が表示され、「優良」「良」「平均的」「低い」「未完了」の5段階で評価されます。
必ずしも「優良」を目指す必要はありませんが、最低限「平均的」以上になっていることを確認しながら作成しましょう。
追記広告の有効性はクリック率しか見ていないので、あくまでもCPAを見ていく
詳しくは下記の動画を参照してください。
6.アセット作成時はユーザーの分析、セグメント分けで顧客ニーズを細分化する
レスポンシブ検索広告の特性である「各属性のユーザーのニーズに一番マッチした広告文を勝手に選んでくれる点」を活かす広告文を考えるためには、自分の商材の顧客となるユーザーのセグメント分けが重要です。
アセット作成する前に下記の3つの手順で追加する広告文等を考えてみてください。
⑴全体像を理解してセグメント分けする
まずユーザーの全体像を把握します。獲得が可能か不可能かにかかわらず、自分の商材の対象となる全ユーザーを考えセグメント分けをします。
⑵ターゲットの決定をする
セグメント分けができたら、その中で今回のレスポンジブ検索広告のターゲットにするセグメント、ターゲットにしないセグメントを分類します。獲得効率が悪そうなセグメントや、獲得してもその後の成果・成約につながらなそうなセグメントをターゲットから外していきます。
※ユーザー母数が少なくなりすぎないように注意してください。
⑶各ターゲットのニーズに応えるテキストを広告文に追加
各ターゲットのニーズ(不安・不満)を想定し、広告文の訴求ポイントを考えます。
そのニーズを満たす、不安を取り除く、不満を解消できるメッセージを考えていきます。
これらを踏まえ今回のレスポンシブ検索広告(RSA)の広告文に必要な訴求ポイントを入れた見出し・説明文を作成し、登録することでレスポンシブ検索広告を最大限に活かすことが可能です。
レスポンシブ検索広告の入稿規定
種類 | アセット数 | 文字数(半角) |
広告見出し | 3~15 | 30文字以内 |
説明分 | 2~4 | 90文字以内 |
表示URL | 0~2 | 15文字以内 |
参考:レスポンシブ検索広告について-Google 広告 ヘルプ
レスポンシブ検索広告で使える記号一覧
記号 | 使用可否 | 備考 |
漢字、ひらがな、カタカナ | ○ | 半角カタカナは不可。 |
英数字 | ○ | ①②、ⅠⅡ、ⅰⅱ などは使用不可。 |
、 。 , . などの句読点、カンマ、ピリオド | ○ | 連続使用など、不適切な使用は不可。 |
! などの感嘆符 | ○ | 見出しには使用不可。広告テキスト1つまで。連続使用など、不適切な使用は不可。 |
? / ? などの疑問符 | ○ | ?? などの連続使用は不可。?! や !? は同じ記号の連続ではないので、意味のある使用に限り承認可 |
” “ ダブルコーテーション ‘ ‘ シングルコーテーション | ○ | 語句や名詞を区切るために使用。※タイトルにおいて、他に語句がなく区切る必要がない場合は不承認とする。テキスト行は区切り使用であれば承認できる。 |
% パーセント & アンド記号 # シャープ、番号記号 / スラッシュ : コロン | ○ | |
( ) 括弧 - ハイフン $ ドル | ○ | |
< >[ ] 【 】「 」[ ]『 』≪ ≫《》 などの括弧 | ○ | 半角は使用不可 。 |
¥ 円マーク | ○ | 半角は使用不可 。 |
・ 中黒(中点) | ○ | 半角は使用不可 。 |
… 省略記号 〜 から ~,~ チルダ | ○ | |
® ™ 商標記号 | ○ | 半角は使用不可。商標記号としての使用のみ。 |
⇒ → ← ↑ ↓ | × | |
±×÷=≠∞ | × | |
@ | × | |
ギリシャ文字、キリル文字 | × |
レスポンシブ検索広告 Google広告での設定方法
まずGoogle広告を開きます
ホーム画面にある赤枠の「広告と広告表示オプション」を選択します。すると下記の画像の画面に移動します。
青の+ボタンをクリックすると「レスポンシブ検索広告 」が表示されますのでこちらもクリックしてください。
次にキャンペーンと広告グループを選択する画面に移動します。今回レスポンシブ検索広告(RSA)を設定するものを選択してください。
詳細画面に移動したらレスポンジブ検索広告の作成のため下記を設定してください。
- 最終ページURL:広告をクリックすると表示されるページのURLを入力してください。
- 表示URL(任意):広告をクリックしたときに表示されるページについて、ユーザーが明確に把握できるようにするためのものです。任意で入力してください。
- 見出し:広告見出しはプレビューのように広告の上部に表示されます。
- 説明文:広告の簡単な説明文を入力してください
「保存して広告表示オプションを作成」をクリックし完了です。
レスポンシブ検索広告 Google広告エディタでの設定方法
Google広告エディタを開いてください。
左側にある「管理」のタブリストで [広告]、[レスポンシブ検索広告] の順にクリックします。
[レスポンシブ検索広告] をクリックすると上部に[レスポンシブ検索広告を追加]が現れます。 そちらをクリックしてください。
すると下記の画像のページに移ります。
新しいレスポンシブ検索広告を表示する広告グループを決めたら①の様にチェックボックスにチェックを入れます。
②の「OK」をクリックするとエディタに追加されます。
追加されたレスポンシブ検索広告をクリックすると「編集パネル」が赤枠のように出現します。
下記の事項を入力してください。
- 広告見出し:広告に表示される見出しを3つ以上任意で入力してください。
- 説明文:見出しの付近に記載されます、簡単な説明を書くのも良いでしょう。
- 最終ページURL:広告をクリックした際に入力したURLのページに移動するようになります。
その他は任意で入力していただくと広告の精度が上がります。
既存のレスポンシブ検索広告(RSA)を編集するには、タブリスト[広告]の[レスポンシブ検索広告]のある 該当する広告を選択し、編集パネルで内容を編集します。
レスポンシブ検索広告 まとめ
検索広告のデフォルトのフォーマットがレスポンシブ検索広告になったことにより、旧来の広告文のA/Bテストの考え方も大きく変える必要があります。
入札調整やローテーションなど自動化の流れは今後も加速することは自明です。
いかに機械に寄り添いながら成果を上げるか、運用者の手腕が問われる部分でもあります。
可視化/具体化できなくもどかしい部分はありますが、ピン留め機能などをうまく駆使して、効果的に使用しましょう。
また、レスポンシブ検索広告のアセットレポートについての解説を下記の記事でしております。
Yahoo!広告でも2021年5月よりレスポンシブ検索広告の機能がリリースされ、デフォルトの入稿フォーマットになりました。
追記: レスポンシブ検索広告で各アセットの効果を測定する方法
JADEさんが、レスポンシブ検索広告のアセット毎のデータを見ることができるレポートの作り方を記事で解説してくれています。
Looker Studio とBig Queryを使用する必要がありますが、それぞれのアセットでの成果測定レポートを作成することが可能になります。
【Google 広告】RSAのアセット毎データをLooker Studioで自動化する方法を見つけたので共有申し上げます
当社では、広告代理店、インハウス支援を行っております。もしこの記事を読んで
・理屈はわかったけど自社でやるとなると不安
・自社のアカウントや商品でオーダーメイドで説明して欲しい
・記事に書いてない問題点が発生している
・記事を読んでもよくわからなかった
など思った方は、ぜひ下記のページをご覧ください
▼広告運用のご相談はこちらから▼
▼インハウス化のご相談はこちらから▼