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宣伝失礼しました。本編に移ります。

ECサイトや不動産ポータル、求人サイトなど、多数の商品や情報を取り扱うウェブサイトを閲覧した後、まるで自分の心を見透かされたかのように、先ほどまで見ていた商品や、それに関連する商品の広告が別のサイトで表示された経験はございませんか。それは偶然ではありません。その背後には、Google広告が提供する強力な獲得型広告手法である「動的リマーケティング」が機能しています。

動的リマーケティングは、ウェブサイトを訪れたユーザー一人ひとりの行動履歴に基づき、そのユーザーにとって最も関連性が高いと予測される広告を、システムが自動的に生成し配信する仕組みです。この仕組みは、広告主が事前に用意した商品情報をまとめた「データフィード」と、ユーザー行動を追跡する「リマーケティングタグ」が高度に連携することで実現します。

本記事では、特に多品目を取り扱うビジネスにおいて、広告の費用対効果(ROAS)を劇的に改善する可能性を秘めた動的リマーケティングについて、その基礎的な概念から、具体的な設定手順、さらには成果を最大化するための高度な最適化戦略、そして運用担当者が直面しがちな問題とその解決策に至るまで、網羅的かつ実践的な視点から徹底的に解説してまいります。

また、Google広告のディスプレイ広告全般に関する知見をさらに深めたい方は、以下の記事に概要をまとめておりますので、併せてご参照ください。

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動的リマーケティングとは? その本質と標準リマーケティングとの決定的違い

動的リマーケティングとは

動的リマーケティングとは、ウェブサイト内におけるユーザーの過去の行動履歴、例えば「どの商品ページを閲覧したか」「どの商品をカートに追加したか」「どの商品を購入したか」といった具体的なアクションに応じて、一人ひとりのユーザーに最適化された商品やサービスの広告を動的に生成し、配信する広告手法です。DRM(Dynamic Remarketing)やダイナミックリマーケティングとも呼称されます。

自社の商品やサービスに対して既に関心を示してくれた、いわば「見込み顧客」と言えるユーザーに対し、その関心の熱量が高いタイミングで、そのユーザーが最も興味を持つであろう広告を提示し続けることで、再度のサイト訪問を促し、最終的な購買や申し込みといったコンバージョンへと力強く後押しすることが可能になります。

具体例を挙げますと、皆様がAmazonや楽天市場で特定のスニーカーを閲覧した後、ニュースサイトやブログを閲覧している際に、そのスニーカーの広告が表示されたり、あるいはSUUMOで特定のエリアの賃貸物件情報を確認した後に、別のウェブサイトでその物件や類似物件の広告が表示されたりするケースがこれに該当します。これこそが、動的リマーケティングがユーザーの購買意欲を的確に捉え、広告を配信している証左です。

動的リマーケティングの具体例を示すSUUMOの広告

画像参考:SUUMO

このように、動的リマーケティングは画一的な広告配信から脱却し、「個客」のニーズに徹底的に寄り添うことで、広告の関連性を極限まで高め、結果として高い広告効果を実現するのです。

標準リマーケティングとの違い

動的リマーケティングと標準リマーケティングの違いを示す図

動的リマーケティングをより深く理解するためには、従来の「標準リマーケティング」との違いを明確に認識することが不可欠です。

そもそも標準リマーケティングとは、一度自社のウェブサイトを訪れたユーザーという大きな括りに対して、事前に作成した静的なバナー広告(クリエイティブ)を配信する広告手法です。どのようなターゲティングや訴求を行ったとしても、ユーザーの大半は初回の訪問で商品を購入したり、問い合わせを行ったりすることなく離脱してしまいます。標準リマーケティングは、こうした「一度接点を持ったものの、コンバージョンには至らなかったユーザー」に対して、再度自社の広告を見せることでブランドを思い出してもらい、再訪問を促すことを目的としています。

この標準リマーケティングも非常に有効な手法ではありますが、そのアプローチは本質的に「画一的」です。例えば、サイトを訪れた全てのユーザーに対して、同じキャンペーンバナーや同じ主力商品の広告を表示するため、ユーザー一人ひとりの具体的な興味・関心までは反映できません。Aという商品を見たユーザーにも、Bという商品を見たユーザーにも、同じ広告が配信されるのです。

一方、動的リマーケティングは、このアプローチから一歩先に進みます。ユーザーのサイト内行動を詳細に分析し、「ユーザーが閲覧した商品そのもの」や「その商品と関連性の高い商品」「同じ商品を閲覧した他のユーザーが最終的に購入した商品」などを組み合わせて、ユーザーごとに完全にパーソナライズされた広告をリアルタイムで生成します。

要するに、両者の決定的な違いは「広告クリエイティブが静的か動的か」、そして「アプローチが画一的か個別最適化されているか」という点に集約されます。標準リマーケティングが「サイト訪問者」というグループにアプローチするのに対し、動的リマーケティングは「Aという商品に興味を持つ山田さん」という個人にまで踏み込んだ、極めて精度の高いアプローチを実現するのです。この違いが、後述するコンバージョン率や費用対効果の大きな差となって表れてきます。

動的リマーケティングの「仕組み」を徹底解剖

動的リマーケティングが、なぜユーザー一人ひとりに最適化された広告を自動で配信できるのか、その背景にある「仕組み」を理解することは、効果的な運用を行う上で非常に重要です。この高度な仕組みは、主に以下の3つの要素が連携することで成り立っています。

要素1:リマーケティングタグとイベントスニペット - ユーザー行動の追跡装置

動的リマーケティングの根幹をなすのが、ユーザーの行動を詳細に追跡するための「リマーケティングタグ」です。このタグは、ウェブサイトの全てのページに設置する短いコードであり、サイトを訪れたユーザーを識別し、オーディエンスリストに追加する役割を担います。

さらに動的リマーケティングでは、この基本的なタグに加えて「イベントスニペット」と呼ばれる追加のコードを特定のページに設置します。このイベントスニペットが、動的リマーケティングの「動的」たる所以です。イベントスニペットは、ユーザーがどのような行動を取ったかを具体的にGoogle広告へ伝える役割を持ちます。例えば、以下のような情報を収集します。

  • view_item: どの商品詳細ページを閲覧したか(商品IDを送信)
  • add_to_cart: どの商品をショッピングカートに追加したか(商品IDと価格を送信)
  • purchase: どの商品を購入したか(商品IDと購入金額を送信)
  • view_search_results: どのようなキーワードでサイト内検索を行ったか

これらの詳細な行動データがGoogle広告に送信されることで、システムは各ユーザーの興味・関心の対象と、その熱量を正確に把握することができるのです。

要素2:データフィード - 商品情報のカタログ

ユーザーの行動を追跡するタグと対になるのが、「データフィード」です。データフィードとは、自社で取り扱っている全ての商品やサービスに関する情報を、Googleが定めた仕様に沿ってまとめた、いわば「商品情報のマスターデータ」です。通常、スプレッドシートやCSV、XMLといった形式で作成されます。

このフィードには、各商品を一意に識別するための「ID」をはじめ、「商品名」「商品説明」「価格」「在庫状況」「商品画像のURL」「商品ページのURL」といった詳細な情報が、商品ごとに一行ずつ記述されます。

重要なのは、ここで指定する各商品の「ID」が、前述のイベントスニペットでユーザーが閲覧・購入した際に送信される「商品ID」と完全に一致している必要があるという点です。このIDをキー(鍵)として、Googleのシステムは「このユーザーが興味を示した商品は、フィードに登録されているこの商品である」と正確に紐付けを行うのです。

要素3:Googleのレコメンデーションエンジン - 最適な広告を生成する頭脳

上記2つの要素、「タグによって収集されたユーザーの行動データ」と「フィードに登録された詳細な商品情報」が揃うと、Googleの強力な「レコメンデーションエンジン」がその能力を発揮します。

このエンジンは、収集した膨大なデータを瞬時に解析し、以下のような複雑な判断を自動で行います。

  • ユーザーが直前に閲覧した商品を広告として表示する。
  • ユーザーがカートに追加したものの、購入しなかった商品を表示する。
  • ユーザーが閲覧した商品と類似する、別の商品を推薦する。
  • ユーザーが閲覧した商品を購入した他のユーザーが、他にどのような商品に興味を持ったかを分析し、それを基に商品を推薦する。

そして、これらのロジックに基づいて選定された商品情報(画像、価格、商品名など)を、最適な広告テンプレートに自動的に流し込み、ユーザーが閲覧しているウェブサイトやアプリの広告枠に、最も効果的と判断されるレイアウトで広告を配信します。

このように、「タグによる追跡」「フィードによる情報提供」「エンジンによる最適化」という3つの要素が三位一体となって機能することで、動的リマーケティングは、人手では到底不可能なレベルの、きめ細やかで精度の高い広告配信を可能にしているのです。

動的リマーケティング導入による直接的なメリットと注意すべきデメリット

動的リマーケティングは非常に強力な手法ですが、その導入を検討するにあたっては、メリットとデメリットの両面を正確に理解し、自社の状況と照らし合わせて判断することが肝要です。

5つの強力なメリット

動的リマーケティングを導入することで、広告主は主に以下の5つの強力なメリットを享受することができます。

メリット1: 膨大な商品リスト作成からの解放と工数の劇的削減

動的リマーケティングによる工数削減のメリットを示す図
数百、数千、あるいは数万点といった膨大な数の商品を取り扱うECサイトや不動産ポータルにおいて、商品ごと、あるいは細かいカテゴリごとにオーディエンスリストを作成し、それぞれに最適化された広告クリエイティブを用意し、キャンペーンを設定するという作業は、現実的に不可能です。仮に行ったとしても、その運用管理には膨大な人的リソースと時間が必要となります。

動的リマーケティングは、この問題を根本から解決します。一度データフィードを構築し、タグを設定してしまえば、あとはGoogleのシステムがユーザーの行動に合わせて最適な商品を選び出し、広告を自動生成してくれます。これにより、広告担当者は煩雑な手作業から解放され、より戦略的な分析や企画立案といった、本来注力すべき業務に時間を使うことができるようになります。

メリット2: ユーザー行動に基づく広告配信による圧倒的なコンバージョン率

ユーザーの行動履歴に基づいた広告配信の例を示す図
動的リマーケティングの最大のメリットは、その高い成果にあります。標準リマーケティングのように、サイトを訪れたというだけの不特定多数のユーザーに画一的な広告を見せるのではなく、「特定の牛肉ギフトを探しているユーザー」に対して、そのユーザーが実際に閲覧した松阪牛のギフトや、それと同等クラスの神戸牛のギフトといった、極めて関連性の高い広告をピンポイントで表示できます。

松阪牛のギフトという具体的な商品例
画像作成参考元:長太屋

ユーザーからすれば、自分の興味関心と完全に一致した広告が表示されるため、広告に対する心理的な抵抗感が少なく、むしろ有益な情報として受け入れられやすくなります。その結果、広告のクリック率(CTR)は飛躍的に向上し、サイトへの再訪、そして最終的な購入へと結びつく確率、すなわちコンバージョン率(CVR)が大幅に改善される傾向にあります。多くの導入事例で、標準リマーケティングと比較してCVRが2倍以上に、CPA(顧客獲得単価)が半分以下になったという報告がなされています。

メリット3: 関連商品推薦による顧客単価(AOV)の向上

動的リマーケティングの価値は、単にコンバージョンを獲得するだけに留まりません。Googleのレコメンデーションエンジンは、ユーザーが閲覧した商品だけでなく、その商品と親和性の高い関連商品(アップセル・クロスセル商材)を自動で提示する機能も備えています。

例えば、ユーザーが5,000円のビジネスバッグを閲覧した場合、広告にはそのバッグと共に、7,000円の上位モデルや、一緒に使うと便利な2,000円の革製ペンケースなどが表示されることがあります。これにより、ユーザーは当初検討していなかった、より高価な商品や追加の商品に興味を持つきっかけを得ることができます。結果として、顧客一人あたりの平均購入単価(AOV: Average Order Value)が向上し、売上全体の底上げに貢献するのです。これは、画一的な広告では実現が難しい、動的リマーケティングならではの強みと言えるでしょう。

メリット4: レスポンシブ広告による掲載機会の最大化とクリエイティブ工数の削減

広告枠への自動調整機能を示す図
動的リマーケティング広告は、Googleディスプレイネットワーク(GDN)上の多種多様な広告枠に対応するため、「レスポンシブディスプレイ広告」のフォーマットで配信されます。これは、データフィードから取得した商品画像、価格、商品名といった要素と、広告主が別途設定したロゴ、広告見出し、説明文などを、Googleのシステムが広告枠のサイズや形状に合わせて最適なレイアウトに自動で組み替えて表示する仕組みです。

これにより、広告担当者は、無数に存在するバナーサイズごとにクリエイティブを一つひとつ作成する必要がなくなります。基本的な要素を一度登録するだけで、あらゆる広告枠への配信が可能となり、掲載機会の損失を防ぎつつ、クリエイティブ制作にかかる工数を大幅に削減できるのです。

メリット5: 少数のオーディエンスリストでも配信可能な機会損失の防止

リスト件数が少なくても配信できるメリットを示す図
標準リマーケティングでは、Googleディスプレイネットワークで広告を配信するために、オーディエンスリストに最低でも100人以上のアクティブユーザーがいることが条件とされています。そのため、例えばニッチな商品カテゴリのページや、立ち上げたばかりのECサイトなどでは、リストの母数がこの条件に満たず、リマーケティング施策を実施したくてもできない、という機会損失が発生することが少なくありません。

しかし、動的リマーケティングの場合、この配信要件が緩和される傾向にあります。システムが全社的な商品データとユーザー行動データを横断的に活用して広告を生成するため、個別の商品ページのリストサイズが小さくても、キャンペーン全体として配信が可能になるケースが多いのです。これにより、通常であればアプローチできなかった小規模なオーディエンスセグメントに対しても、的確な広告を届けることが可能になります。

3つの現実的なデメリットと、その乗り越え方

多くのメリットを持つ動的リマーケティングですが、導入と運用にはいくつかのハードルが存在します。これらを事前に理解し、対策を講じることが成功の鍵となります。

デメリット1: 技術的な実装(タグ設置)のハードル

エンジニアとの連携が必要になるデメリットを示す図
動的リマーケティングを機能させるためには、前述の「イベントスニペット」をウェブサイトの各ページに正しく設置し、商品IDや価格といった「カスタムパラメータ」を動的に取得できるように設定する必要があります。この作業には、HTML、JavaScript、あるいはGoogleタグマネージャー(GTM)に関する一定の技術的知識が求められます。

マーケティング担当者がこれらの知識を有していない場合、社内のエンジニアや開発部門、あるいは外部の開発会社との連携が不可欠となります。要件を正確に伝え、実装を依頼し、正しく動作するかをテストする、といった一連のプロセスには、相応のコミュニケーションコストと時間が発生することを覚悟しておく必要があります。

【乗り越え方】 Googleタグマネージャー(GTM)を積極的に活用することが、このハードルを下げるための有効な手段です。GTMを使えば、サイトのソースコードを直接編集することなく、管理画面上でタグの設定や管理が可能になります。また、実装を依頼する際には、Googleが提供している公式の実装ガイドや、本記事のような解説記事を参考に、必要なパラメータや設置箇所を明記した具体的な仕様書を用意することで、エンジニアとのコミュニケーションを円滑に進めることができます。

デメリット2: データフィード作成・管理の継続的なコスト

データフィード作成が必要になるデメリットを示す図
動的リマーケティングのもう一つの心臓部であるデータフィードは、一度作成して終わりではありません。商品の在庫状況、価格の変更、新商品の追加、終売商品の削除など、ビジネスの状況に合わせて、フィードの内容を常に最新の状態に保つ必要があります。

価格が変わったのにフィードが古い情報のままだと、広告で見た価格とサイト上の価格が異なり、ユーザーの信頼を損ねてしまいます。在庫切れの商品が広告に表示され続ければ、無駄な広告費が発生し、ユーザーに不満を与えます。このフィードの鮮度を維持するための定期的な更新作業は、特に手動で管理している場合、見過ごせない運用コストとなります。フィードの作成方法については、後段の「動的リマーケティングでのフィードの作成」で詳述しますが、別途Google公式の記事も併せてご確認ください。

【乗り越え方】 データフィードの管理を効率化するためのツールやサービスを活用することが推奨されます。多くのECカートシステムには、Google Merchant Centerと連携し、フィードを自動で生成・更新する機能が標準で備わっています。また、より高度な要件に対応するためのデータフィード管理ツールも多数存在します。これらのソリューションに投資することで、手作業によるミスを減らし、更新の手間を大幅に削減することが可能です。

デメリット3: パーソナライズド広告ポリシー遵守の必要性

動的リマーケティングはユーザーの行動履歴という個人に関連する情報を利用するため、Googleが定める「パーソナライズド広告のポリシー」を厳格に遵守する必要があります。このポリシーでは、アルコール、ギャンブル、成人向けコンテンツといったデリケートなカテゴリの商品や、ユーザーの困難な状況やマイナスな側面に付け込むような広告配信を禁止しています。

例えば、個人の健康状態、経済状況、信条などに関連するような商品のリマーケティングは許可されません。自社の商品がこれらのポリシーに抵触しないか、事前に慎重に確認する必要があります。ポリシーに違反した場合、フィードが不承認となったり、最悪の場合は広告アカウントが停止されたりするリスクがあります。

【乗り越え方】 キャンペーンを開始する前に、必ずGoogle広告の公式ポリシーページに目を通し、自社のビジネスが該当する項目がないかを確認してください。特に、医薬品、金融サービス、求人といった業種は、より厳しい制限が課されることがあるため注意が必要です。不明な点があれば、臆せずにGoogle広告のサポートに問い合わせることも重要です。

動的リマーケティングと相性のいいサイト

動的リマーケティングと相性の良い業種を示す図

動的リマーケティングは、その特性上、特に以下のような特徴を持つウェブサイトや業種で絶大な効果を発揮します。

  • 小売・ECサイト: アパレル、家電、コスメ、食品、雑貨など、取り扱い商品点数が多く、ユーザーの好みが多岐にわたるビジネスモデルは、動的リマーケティングとの親和性が最も高いと言えます。顧客一人ひとりの閲覧履歴や購買履歴に合わせて最適な商品を推薦することで、売上向上に直結します。
  • 不動産サイト: ユーザーが閲覧した賃貸・売買物件や、その物件と同じエリア、同じ間取り、同じ価格帯の類似物件を広告として表示することで、物件探しを継続的にサポートし、問い合わせや内見予約へと繋げます。
  • 人材・求人サイト: ユーザーが検索・閲覧した職種、業種、勤務地などの条件に合致する新しい求人情報をタイムリーに届けることができます。ユーザーのキャリア志向に寄り添ったアプローチが可能です。
  • 旅行・ホテル予約サイト: ユーザーが検討していた旅行先のホテル、航空券、ツアーなどを再度提示したり、同じデスティネーションの別プランを提案したりすることで、予約の最終決定を後押しします。出発日が近づくにつれて割引情報を提示する、といった戦略も有効です。
  • 中古車販売サイト: 閲覧された車種や、同メーカーの別モデル、同価格帯の競合車種などを広告として表示し、高額な商品である自動車の比較検討プロセスをサポートします。

これらの業種に共通するのは、「取り扱い商材の種類が豊富で、ユーザーごとに検討する選択肢が多様である」という点です。ユーザー自身も、多数の選択肢の中から最適なものを見つけ出すために、様々な商品を比較検討します。動的リマーケティングは、この複雑な比較検討のプロセスにおいて、ユーザー一人ひとりにとっての「最適な選択肢」を自動で提示し続けることができるため、特に高い効果を発揮しやすいのです。

動的リマーケティング設定方法

ここからは、実際に動的リマーケティングを導入するための具体的な設定手順について、ステップバイステップで解説していきます。設定プロセスは大きく分けて「タグの設置」「フィードの作成」「キャンペーンの作成」の3つのフェーズで構成されます。

動的リマーケティングでのタグの設置

動的リマーケティングを機能させるための最初のステップは、ユーザーの行動データを収集するためのタグをウェブサイトに正しく設置することです。前述の通り、このタグはサイトの全ページに設置する必要があり、さらにページの種類(トップページ、商品一覧ページ、商品詳細ページ、カートページ、購入完了ページなど)に応じて、異なる役割を持つパラメータを送信するよう設定しなくてはなりません。これらのタグが収集した情報が、広告配信の精度を左右する最も重要な基盤となります。

以下に、Googleタグマネージャー(GTM)を利用して動的リマーケティング用のタグを設定する際の、具体的なコードの例とその解説を示します。

下記のコードは、ウェブサイトのURLや構造に応じて、ページの種類を判別し、必要なパラメータ(ecomm_prodid, ecomm_pagetype, ecomm_totalvalue)を生成してデータレイヤー(dataLayer)に格納するための、JavaScriptのテンプレートです。

<script>
	var root = window.location.pathname;
	var pathVal = window.location.href;
	var pid = '';
	var ptype = '';
	var tot = 0.0;
	
	if (root == "/") {
		ptype = 'home';
	}
	else if(root.match('/products/')){ // URLの中に/products/という文字列があれば、それは商品詳細ページであると判定し、URLから商品コードを取得
		pid = window.location.pathname.split('/products/')[1];
		ptype = 'product'; //ページタイプを商品詳細ページに設定
		tot = jQuery('p.price').text().replace(/[^0-9.]/g,''); //ページ内のDOMから価格を取得
	}
	else if(pathVal.indexOf('/collections')>-1){
		ptype = 'category';
	}
	else if(pathVal.indexOf('/cart')>-1){
		pid = window.location.href.split('/cart')[1];
		ptype = 'cart';
	}
	else if(pathVal.indexOf('/thanks.php')>-1){
		ptype = 'purchase';
	}
	else {
		ptype = 'other';
	}
	
	var google_tag_params = {
		ecomm_prodid: pid,
		ecomm_pagetype: ptype,
		ecomm_totalvalue: parseFloat(tot)
	};
	
	dataLayer.push({
		'google_tag_params': window.google_tag_params,
		'event': 'dynamic_remarketing'
	});
</script>

コードの動作解説

このコードが実行している処理の核心は、「現在ユーザーが閲覧しているページがどの種類のページかをURLなどから判定し、そのページに応じた『商品ID』『ページタイプ』『価格』という3つの重要な値を抽出し、それらをGTM経由でGoogle広告へ送信する準備を整える」という点にあります。

各処理をより詳しく見ていきましょう。

  • まず、`window.location.pathname`や`window.location.href`を用いて、現在表示しているページのURLパスや完全なURLを取得します。
  • 次に、if文を用いてURLの構造を分析し、ページの種類を判定していきます。
    • トップページの場合: URLパスがルート(`/`)であれば、ページタイプを格納する変数`ptype`に`home`を代入します。
    • 商品詳細ページの場合: URLに`/products/`という文字列が含まれていれば、そのページを商品詳細ページとみなし、`ptype`に`product`を代入します。さらに、URLから商品IDを抽出し変数`pid`に格納し、ページのHTML要素(この例では価格が記述されている`

      `)から価格情報を取得し、変数`tot`に格納します。

    • カテゴリページの場合: URLに`/collections`が含まれていれば、`ptype`に`category`を代入します。
    • カートページの場合: URLに`/cart`が含まれていれば、`ptype`に`cart`を代入します。
    • 購入完了ページ(サンクスページ)の場合: URLに`/thanks.php`が含まれていれば、`ptype`に`purchase`を代入します。
    • その他のページの場合: 上記のいずれにも該当しない場合は、`ptype`に`other`を代入します。
  • 商品ページ以外では、商品ID(`pid`)や価格(`tot`)は不要なため、変数は空のままです。
  • 最後に、取得した`pid`、`ptype`、`tot`の値を`google_tag_params`というオブジェクトにまとめ、`dataLayer.push()`という命令を使って、GTMが認識できるデータレイヤーに情報を送信します。この時、`dynamic_remarketing`という名前のカスタムイベントも同時に発生させています。

GTMでの設定

このコードをGTMの「カスタムHTMLタグ」として設定し、全てのページで配信されるようにトリガー(例:All Pages)を設定します。そして、GTM側で`dynamic_remarketing`というカスタムイベントをトリガーとして設定し、そのトリガーによってGoogle広告のリマーケティングタグが発火するように設定します。その際、リマーケティングタグの設定項目で、イベントパラメータとして`google_tag_params`の値を渡すように構成します。

この一連の仕組みによって、ユーザーがサイト内を回遊するたびに、その行動に応じた正確なデータがGoogle広告へと送信され、動的リマーケティングの精度が担保されるのです。この部分は実装の肝となる、極めて重要なプロセスです。

動的リマーケティングでのフィードの作成

タグの設置と並行して進めるべき重要な作業が、商品情報のマスターデータとなる「データフィード」の作成です。フィードは、広告に表示したい商品やサービスに関する詳細情報を、Googleが規定するフォーマットに沿って構造化したデータリストです。このフィードの品質が、広告の品質と成果に直接影響します。

Google Merchant Centerでのフィード作成手順

小売業の場合、フィードはGoogle Merchant Center(GMC)というツールを通じて管理するのが一般的です。以下に、GMCでGoogleスプレッドシートを用いて新規にフィードを作成する手順を解説します。

まず、Google Merchant Centerにログインします。
Google Merchant Centerのナビゲーションメニュー

左側のナビゲーションメニューから「商品」>「フィード」を選択し、「+」ボタンをクリックして新しいメインフィードを作成します。
Merchant Centerで新しいフィードを作成する画面

「販売先の国」で「日本」を選択し、「言語」で「日本語」を選択します。配信先として「動的リマーケティング」にチェックが入っていることを確認し、「続行」をクリックします。
販売先の国と言語を設定する画面

フィード名(例:動的リマーケティング用フィード)を入力し、データの入力方法として「Googleスプレッドシート」を選択して「続行」をクリックします。
データの入力方法としてGoogleスプレッドシートを選択する画面

「新しいGoogleスプレッドシートをテンプレートから作成」を選択します。これにより、動的リマーケティングに必要な項目(属性)があらかじめ入力されたテンプレートが自動で生成されます。
テンプレートから新しいスプレッドシートを作成するオプション

「フィードを作成」をクリックすると、GMC内にフィードが登録され、Googleスプレッドシートへのリンクが生成されます。このスプレッドシートを開き、テンプレートに従って自社の商品情報を一行ずつ入力していきます。ID、商品名、価格、在庫状況、商品画像URL、リンク先URLなどの必須項目を正確に埋めていくことが重要です。入力が完了したら、GMCの管理画面に戻り、「今すぐ取得」をクリックすることで、スプレッドシートの情報がGMCに反映されます。

キャンペーンの作成

タグの設置とフィードの準備が完了したら、いよいよ最後のステップ、Google広告でのキャンペーン作成です。基本的な作成フローは、標準的なディスプレイキャンペーンと同様ですが、動的リマーケティングを有効にするための重要な設定が1点あります。

キャンペーン設定の「その他の設定」>「動的広告」の項目を展開し、「パーソナライズド広告向けのデータフィードを使用する」のチェックボックスを必ずオンにしてください。このチェックを入れると、データソースを選択するプルダウンが表示されますので、先ほど設定したGoogle Merchant Centerのフィード、あるいはGoogle広告に直接アップロードしたデータフィードを選択します。また、ビジネスの業種(例:小売)もここで正確に選択する必要があります。

キャンペーン設定で動的広告のデータフィードを有効にする画面

この設定を行うことで、キャンペーンは静的な広告ではなく、フィードと連携した動的な広告を配信するモードに切り替わります。あとは、ターゲティング設定で、GTMなどから収集したデータに基づいて作成されたオーディエンスリスト(例:「過去30日間に商品を閲覧したユーザー」など)を指定すれば、動的リマーケティングの配信が開始されます。

成果を最大化する、プロフェッショナルのための高度な最適化戦略

動的リマーケティングは、設定を完了して配信を開始するだけでも一定の成果が期待できる強力な手法です。しかし、そのポテンシャルを最大限に引き出し、費用対効果をさらに向上させるためには、一歩進んだ最適化戦略が不可欠となります。ここでは、運用担当者が実践すべき高度な4つの最適化戦略をご紹介します。

戦略1:データフィードの品質を継続的に向上させる

データフィードは動的リマーケティングの「生命線」です。フィードの品質が低ければ、どんなに高度な入札戦略やターゲティングを行っても、その効果は半減してしまいます。以下のチェックリストを参考に、フィードの品質を常に高いレベルで維持することを心がけてください。

  • 必須属性の網羅: ID, title, link, image_link, price, availabilityなど、Googleが指定する必須属性が全て正確に入力されているか。一つでも欠けていると、その商品は広告配信の対象から外れてしまいます。
  • 魅力的な商品名(title): 単なる商品名だけでなく、「【送料無料】」「【20%OFFセール】」「日本製」といった訴求力の高いキーワードを盛り込むことで、クリック率の向上が期待できます。
  • 高品質な商品画像(image_link): 背景が白で、商品がクリアに写っている高解像度の画像を使用します。不鮮明な画像や、文字が過度に含まれる画像はユーザーの興味を削ぎ、広告の品質評価を下げる原因となります。
  • 正確な在庫情報(availability): 在庫切れ(out of stock)の商品が、在庫あり(in stock)としてフィードに残り続けていないか。定期的に在庫情報を更新し、無駄な広告表示を防ぎます。
  • カスタムラベル(custom_label)の活用: 「セール対象」「高利益率商品」「季節商品」といった、独自の分類をカスタムラベルとして付与することで、特定の戦略に基づいた商品群のみを広告配信の対象にする、といった柔軟なキャンペーン運用が可能になります。

これらの項目を定期的に見直し、改善を続けることが、最適化の第一歩です。

戦略2:オーディエンスリストを戦略的にセグメンテーションする

「サイト訪問者」という大きな括りでリマーケティングを行うのではなく、ユーザーのサイト内での行動段階や熱量に応じてオーディエンスリストを細分化(セグメンテーション)し、それぞれに異なるアプローチを行うことで、広告効果を最大化できます。

  • 商品閲覧者(view_item): 商品詳細ページは見たものの、カートには追加しなかった層。最も基本的なターゲットです。
  • カート追加者(add_to_cart): 商品をカートに追加したものの、購入には至らなかった層。購入意欲が非常に高い「あと一歩」のユーザー群であり、最も優先的にアプローチすべきセグメントです。入札単価を強めに設定し、積極的に広告を表示させます。
  • 過去の購入者(purchase): 一度商品を購入してくれた優良顧客。この層に対しては、購入した商品の関連商品(クロスセル)や、より上位のモデル(アップセル)を提案する広告を配信することで、リピート購入を促進します。
  • サイト滞在時間が長いユーザー: 複数のページを回遊し、サイトに長く滞在したユーザーは、関心度が高いと考えられます。Google Analyticsと連携し、滞在時間や閲覧ページ数に基づいたリストを作成するのも有効です。

これらのセグメントごとに広告グループを分け、入札単価や広告メッセージを調整することで、よりきめ細やかで効果的なコミュニケーションが実現します。

戦略3:効果的な「除外設定」で広告費用対効果を高める

広告を「誰に配信するか」と同じくらい、「誰に配信しないか」という除外設定も重要です。無駄な広告表示を減らし、予算を本当に見込みのあるユーザーに集中させることで、費用対効果(ROAS)は大きく改善します。

  • 直近の購入者: 商品を購入したばかりのユーザーに対して、同じ商品の広告を繰り返し表示するのは、広告費の無駄遣いであり、ユーザーに不快感を与える可能性もあります。購入完了者リストを作成し、「過去7日間以内の購入者」などをキャンペーンから除外設定しましょう。
  • コンバージョンに至る可能性の低いユーザー: 例えば、サイトの滞在時間が極端に短いユーザーや、直帰したユーザーは、購入意欲が低いと考えられます。これらのユーザーを除外することで、広告の精度を高めることができます。
  • 特定の価格帯の商品のみを閲覧したユーザー: 低単価の商品ばかりを見ているユーザーに高単価の広告を表示しても、コンバージョンに繋がりにくい場合があります。フィードの価格情報と連携し、「閲覧商品の価格が1,000円未満のユーザー」などを除外する戦略も考えられます。

除外設定は、広告の効率性を高めるための守りの戦略として、積極的に活用すべき機能です。

戦略4:ROAS(広告費用対効果)に基づいた入札戦略の活用

動的リマーケティングでは、コンバージョン時にフィードから商品価格の情報を取得できるため、CPA(顧客獲得単価)だけでなく、ROAS(広告費用対効果)を指標とした最適化が可能です。ROASは「広告経由の売上 ÷ 広告費 × 100 (%)」で計算され、投資した広告費に対してどれだけの売上が得られたかを直接的に示します。

Google広告の自動入札戦略である「目標広告費用対効果(tROAS)」を活用することで、設定したROASの目標値を達成できるように、Googleの機械学習が自動で入札単価を調整してくれます。例えば、ROAS目標を500%に設定すると、システムは1,000円の広告費に対して5,000円の売上が得られるように入札を最適化します。これにより、利益を確保しながら広告運用を行うことが可能になります。

【必見】動的リマーケティング運用における頻出問題とトラブルシューティング

動的リマーケティングは設定が複雑なため、運用中に様々な問題に直面することがあります。ここでは、よくある問題とその原因、そして具体的な解決策について解説します。問題発生時に冷静に対処できるよう、ぜひご一読ください。

ケース1:「データフィードが承認されない、エラーが発生する」

【主な原因】

  • 必須属性の欠落: フィード内に`id`や`title`などの必須項目が抜けている。
  • ポリシー違反: 広告ポリシーに準拠していない商品(成人向けコンテンツなど)が含まれている。
  • 画像の問題: `image_link`で指定したURLの画像が存在しない、または解像度が低すぎる。
  • 価格情報の不備: `price`属性の形式が正しくない(例:「円」などの通貨記号が含まれている)。

【解決策】

  1. Merchant Centerの「診断」を確認: まず、Google Merchant Centerにログインし、「商品」>「診断」タブを確認します。ここには、フィードに関するエラーや警告が商品単位でリストアップされています。
  2. エラー内容の特定: 診断ページで、どの商品に、どのような問題が発生しているのかを具体的に特定します。「商品アイテムに関する問題」をクリックし、詳細なエラーメッセージを確認してください。
  3. フィードの修正と再取得: 特定したエラー内容に基づき、元のデータフィード(スプレッドシートなど)を修正します。修正が完了したら、Merchant Centerのフィード設定画面で「今すぐ取得」を実行し、フィードを再処理させます。

フィードエラーは、放置すると広告配信が停止する致命的な問題です。定期的に診断ページをチェックする習慣をつけましょう。

ケース2:「タグが正しく機能しているか不明・パラメータが取得できない」

【主な原因】

  • タグの未設置: 必要なページにリマーケティングタグやイベントスニペットが設置されていない。
  • JavaScriptエラー: サイト上の他のスクリプトと競合し、タグが正常に動作していない。
  • パラメータの記述ミス: `ecomm_prodid`などのカスタムパラメータの変数名や、値の取得ロジックに誤りがある。

【解決策】

  1. Google Tag Assistantの活用: Chromeの拡張機能である「Google Tag Assistant」は、タグの実装状況を確認するための必須ツールです。対象のウェブページでTag Assistantを有効にすると、設置されているタグの種類、動作状況、エラーの有無などを色分けして表示してくれます。
  2. プレビューモードでのデバッグ: Googleタグマネージャー(GTM)の「プレビュー」モードを使用します。これにより、実際にサイトを操作しながら、どのタイミングで、どのタグが発火し、どのようなデータ(商品IDや価格など)がデータレイヤーに送信されているかをリアルタイムで確認できます。
  3. IDの一致確認: プレビューモードで取得できている商品IDと、データフィードに登録されている商品IDの形式が完全に一致しているかを確認します。大文字と小文字の違いや、不要なスペースの有無なども厳密にチェックが必要です。このIDの不一致は、動的リマーケティングが機能しない最も一般的な原因の一つです。

ケース3:「オーディエンスリストのサイズが増えない」

【主な原因】

  • タグの実装不備: 前述の通り、タグが正しく発火していない、または全ページに設置されていない。
  • トラフィック不足: 対象となるページへのアクセス数がそもそも少ない。
  • オーディエンスソースの未接続: Google広告の「オーディエンスマネージャー」で、Google広告タグがオーディエンスソースとして正しく設定・接続されていない。

【解決策】

  1. タグ実装の再確認: まずはTag AssistantやGTMのプレビューモードを使い、タグが意図通りに機能しているかを再確認します。
  2. オーディエンスソースの確認: Google広告の管理画面で「ツールと設定」>「オーディエンスマネージャー」>「オーディエンスソース」を開きます。「Google広告タグ」のカードに「過去24時間以内にアクティビティを受信しています」と表示されているかを確認してください。ここに問題がある場合は、設定を見直す必要があります。
  3. リスト定義の見直し: あまりに条件を絞り込みすぎたオーディエンスリストを作成していないか確認します。まずは「すべての訪問者」といった広いリストからサイズが増えるかを確認し、徐々にセグメントを絞っていくのが確実です。

ケース4:「広告は表示されるが、成果(CV)に繋がらない」

【主な原因】

  • フィードの品質が低い: 商品画像が魅力的でない、価格に競争力がないなど、広告クリエイティブ自体の魅力が不足している。
  • ランディングページの問題: 広告をクリックした先のウェブページの表示速度が遅い、情報が分かりにくい、購入までの導線が複雑であるなど、サイト側に問題がある。
  • ターゲティングのミスマッチ: 配信しているオーディエンスセグメントと、広告の内容が合っていない。

【解決策】

  1. フィードの全面的な見直し: 「戦略1」で解説したフィード品質向上のチェックリストに基づき、フィードの内容を再度見直します。特に、商品画像と商品名はクリック率に直結するため、A/Bテストなどを行い改善を図ります。
  2. ランディングページの最適化(LPO): 広告をクリックしたユーザーが、ストレスなく目的を達成できるページになっているかを見直します。ページの読み込み速度をGoogle PageSpeed Insightsなどで計測し、改善することも重要です。
  3. オーディエンス分析: Google広告の「オーディエンス分析」機能を活用し、コンバージョンしているユーザー層の属性(年齢、性別、地域など)を確認します。成果の良いセグメントへの配信を強化し、成果の悪いセグメントへの配信を抑制する調整を行います。

動的リマーケティングのまとめ

動的リマーケティング広告は、従来の標準リマーケティング広告と比較して、ユーザー一人ひとりの興味関心に深く寄り添うことで、格段に高い広告効果を実現する獲得型広告の強力な一手です。特に、多品目を取り扱うECサイトや不動産、人材、旅行といった業種においては、導入によるインパクトは計り知れません。

確かに、導入初期にはタグの設置やフィードの作成といった技術的なハードルが存在し、これまで実施に踏み切れなかったご担当者様も多いかもしれません。しかし、本記事で解説した通り、その仕組みと設定手順を一つひとつ理解し、丁寧に進めていけば、決して乗り越えられない壁ではありません。

一度設定を完了させてしまえば、その後の運用はGoogleの優れた機械学習によって大幅に自動化され、広告担当者はより戦略的な業務に集中することが可能になります。ビジネスが成長し、取り扱う商品数やサイトへの訪問者数が増えれば増えるほど、動的リマーケティングの価値はさらに高まっていくことでしょう。

本記事を参考に、ぜひ動的リマーケティング広告の導入・活用を積極的にご検討いただき、貴社の売上拡大と事業成長に繋げていただければ幸いです。

また、今回の記事に関連して、Yahoo!広告における同様の機能「動的ディスプレイ広告」についても解説しておりますので、クロスチャネルでの展開をご検討の際は、ぜひこちらの記事もご参考にしてみてください。

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