昨今のSNS広告では、動画を使用した広告は珍しくありません。

高速なインターネット環境の普及により、尺の長い高画質な動画もカクつくことなく視聴できるため、各SNS広告媒体では認知度アップや集客のための工夫を凝らした動画広告が数多く配信されています。

Facebookも例外ではなく、動画広告は静止画の広告と比較して配信できる情報量が多く、広告パフォーマンスの改善に繋がるとFacebook社も分析しており、これからさらに普及していくのは確実です。

しかし、現状では動画クリエイターの数はまだまだ少なく、動画広告の作成に対して抵抗感を抱いている方が多いため、「効果の高い広告クリエイティブが作れる」と頭で理解していても作成をためらっている方は少なくないでしょう。

Facebookでは、そういった方にも手軽に動画広告が作成できる「動画作成キット」を提供しています。この「動画作成キット」を使用することで、手持ちの画像や動画から簡単に動画広告の作成が可能になりました。

今回の記事では、Facebookから提供されている「動画作成キット」について解説していくので、動画広告の作成を検討している方はぜひ最後まで読んでみてください。

 

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Facebookの動画作成キットとは

動画作成キットとは、Facebook広告の管理画面上で数種類のテンプレートを利用して、動画広告を作成するツールのことです。

この「動画作成キット」を使えば、動画広告の作成から書き出し・広告配信設定まで一括して作業ができるので、誰でも簡単に動画広告の作成ができます。

用途に応じたテンプレートがいくつも用意されており、選択したテンプレートに画像とテキストを登録すれば、自動でアニメーション化された広告が作成可能です。

広告サイズは「1080×1080」「1080×1920」の2種類。FacebookだけでなくInstagramフィード・Stories用に最適化されたサイズの広告の作成もできます。

静止画像から作成する「スライドショー広告」なら、わずか数分程度で「手持ちの画像」から動画が作成可能です。

作成した動画広告は即座に配信することも可能。動画のファイルサイズもあまり大きくないので、ネットの通信速度が遅くてもストレスなく視聴できます。

スライドショー広告作成のポイント

スライドショー広告では、画像一枚に対してあまり情報を詰め込み過ぎないようにしましょう。

目安としては、画像一枚あたり「1点のメリット」を紹介する…といった感じです。

表示するテキストの位置も統一しておけば、視聴者が視線を移動させることなくテキストを読めるので、無駄なストレスを与えません。スマートフォンでの視聴を考慮して、サイズが小さすぎるテキストの使用は控えたほうが無難です。

スライドの画像一枚あたりの表示時間については明確な決まりはありませんが、視聴者が難なくテキストを読める程度に時間を長く設定しておけば、内容を理解しやすくなります。

ECサイトなどでは、敢えて「短時間で多くの商品を公開する」という手法を選択することで、自社に興味関心を持ってもらうという効果も期待できるでしょう。

スライドショー広告でできること

スライドショー広告は「手持ちの静止画像」があれば簡単に作成できるので、個人でも気軽に動画広告の作成が可能です。もちろん、BtoBビジネスや通販サイトの商品紹介でも活用できるため、現在でも商材やサービスのジャンルを問わず幅広い業界・業種で利用されています。

商品画像と簡潔なテキストを一緒に掲載し、「商品やサービスの活用シーン」を想像させることができれば、視聴者に興味関心を持ってもらうことが可能です。

ひとつの商品に対して「別の角度から撮影した数枚の画像」を利用したスライドショー広告で商品を紹介すれば、その商品の「知りたかった側面」を視聴者が知ることも可能になり、ユーザーが使用感をイメージできるでしょう。

また、それを応用することで、商品のカラーバリエーションなども紹介することも可能です。

Facebook広告に動画を使用するメリット

Facebookの「動画作成キット」を使用すれば、簡単に動画広告を作成できることがわかりましたが、手間をかけてまで動画広告を作成するからには「何かしらのメリット」がないと行動に移すことは気持ちのうえで難しいと思います。

人間は基本的に「変化」を嫌うので、今までとは違ったことを始めるには「前以上のメリット」や「成果・効果」が必要です。

ここからは、Facebookの「動画広告」を導入した時に得られる5つのメリットを紹介していきますので、動画広告作成の動機になれば幸いです。

メリットを知っておけば、動画広告作成のモチベーションもアップし、効果の高い広告を作成できるようになります。

詳細なターゲット設定ができる

Facebookは基本的に「実名制SNS」なので、それを活かして性別・年齢・住んでいる地域・学歴などを対象に設定できます。

さらに、趣味や興味関心などを含めた多くの設定項目があるので、全世界のFacebookユーザーから「商品やサービスに興味がある」ユーザーに広告を配信することが可能です。

詳細なターゲット設定ができるとはいえ、実際に配信する時は効果を確認しながらターゲットを絞り込んでいきましょう。いきなり絞り込み過ぎるのは禁物です。

広告を配信する目的を選択できる

Facebookの動画広告を作成する時、「認知」「検討」「コンバージョン」の3種類から広告配信目的を選択できます。

例えば、「自社の知名度を上げたい」のが目的なら「認知」を選択しましょう。

Facebookでは「ユーザーが動画広告を見たあと、どんな結果になってほしいのか?」を上記の3種類から選択できるのです。

これを利用すれば、ユーザーの購買段階に合わせて広告を配信できるので、商品やサービスの認知や検討・購入などへのアクションを促す効果があります。

広告主が自由に予算を設定できる

従来の広告では、広告を配信する媒体側で配信に必要な料金を設定できますが、Facebookの動画広告では「広告主」が自由に予算を設定可能です。

そのため、「広告配信にかかる費用をおさえたい」「あらかじめ決めた予算内でやりたい」など、自社の予算に合わせた広告を配信できます。

思いがけず費用が高額になりそうな時でも、設定予算を超えてしまう心配がないのは大きなメリットです。

また、広告キャンペーンごとに「予算最適化」をオンにしておくことで、各広告ごとに予算を設定せずとも、効果的なキャンペーンに対して最適な予算配分がおこなわれます。

上記のメリットをうまく活用すれば、Facebookで初めて動画広告を導入しようと考えている方でも「限られた予算内で効果の高い動画広告」を配信可能です。

タイムライン上で動画広告が自動的に再生される

Facebookの動画広告(フィード広告)は、ユーザーが直接動画をクリックしなくても、タイムライン上で自動的に再生されるようになっています。

Facebookでは、タイムラインを上下にスクロールするだけで配信している動画が再生されるので、ユーザーに広告を視聴してもらえる可能性・広告に対して興味関心を持ってもらえる可能性が高いです。

注意点としては、Facebookの動画広告は無音で再生されるのがデフォルトなので、配信している広告内容を説明するための「テロップ」や「字幕」が必要になります。

魅力的な動画に仕上げても、それが何の広告なのか?この広告の内容は何か?が理解できないと意味がありません。無音でも内容を理解してもらうために「字幕やテロップ」は必要不可欠です。

「シェア機能」による広告の拡散が期待できる

Facebookのタイムライン上で配信される動画広告(フィード広告)には「シェア機能」があります。

これはYouTubeやInstagramにはないFacebook独自の機能で、これをうまく利用すれば多くのユーザーに興味関心を持ってもらうことが可能です。そこからさらに拡散されやすくなるので、より多くの人に動画広告を視聴してもらえるようになるでしょう。

注意すべきは「広告感の強い動画広告」を配信しないようにすることです。

成果を求めるあまり「広告感の強い動画広告」にしてしまうと、タイムラインに動画が流れても無視される可能性が高くなり、逆に嫌悪感を与える結果にもなりかねません。

なるべく「自然な形で動画広告を配信」するようにしてください。

Facebook動画広告に関する注意点とは

広告にかかる予算の設定やタイムライン上での自動再生・シェア機能など、Facebookの動画広告には数多くのメリットがありますが、注意すべき点もいくつかあります。

  • 若い世代の人達にはアプローチしづらい
  • 掲載するテキスト量の「20%超え」に注意する
  • 広告ポリシーに抵触すると配信停止にされる

これらのポイントに注意して動画広告作成をおこなえば、Facebookという広告媒体をうまく活用して成果が出せるようになるでしょう。

以下でこの3点について、詳しく解説していきます。

若い世代の人達にはアプローチしづらい

FacebookはほかのSNSと比較してユーザー層の年齢が高めです。

InstagramやTwitterなどのSNSと比べて10〜20代のユーザーが少なく、若年層向けの商品やサービスに対してのアプローチがあまり期待できません。

そのため、出稿する動画広告で扱う商品やサービスによっては期待するアクションが見込めず、成果が上がらない可能性があります。

どうしても若年層にアプローチをかけたいなら、Facebook以外の広告媒体を利用した動画広告配信を検討してみてください。

掲載するテキスト量の「20%超え」に注意する

以前からFacebookを使った広告配信をしている方ならご存じですが、Facebookには「コンテンツ内のテキスト量が全体の20%を超えない」ようにするというルールが存在していました。

これは、テキスト量が全体の20%をオーバーすると、オーバーした量に応じてリーチ量が制限されたり、広告そのものが許可されず「不認証」になったりする機能です。

Facebookでは2022年6月にこのルールは撤廃されており、リーチ量制限や不認証などのリスクはなくなりましたが、Facebookの公式からは「テキスト量を20%以下におさえると高いパフォーマンスが出やすい」と発表されています。

したがって、動画広告を作成する時は、可能な限りテキスト量をおさえたクリエイティブを作成し、高いパフォーマンスを出せるようにするのが得策です。

広告ポリシーに抵触すると配信停止にされる

Facebookに限らず、多くの広告媒体では広告ポリシーと呼ばれる規定があります。

細かい内容は各広告媒体により違ってきますが、多くの場合はポリシーに違反すると「広告の配信停止」や「アカウントの凍結(ロック)」などのリスクがあるので、配信する広告の内容がポリシーに抵触しないようにしましょう。

Facebookの動画広告で禁止されている「広告コンテンツ」は以下の6点です。

  • 法律に抵触する商品やサービス
  • 差別を助長する行為
  • たばこやたばこ関連の商品
  • 危険物
  • 武器や凶器、弾薬などの爆発物
  • 成人向けコンテンツ

広告を配信する時は、これらの禁止コンテンツを取り扱わないように注意してください。
どうしても禁止コンテンツに抵触するのであれば、他の広告媒体を検討したほうが無難です。

せっかく広告コンテンツを作成しても、ポリシーに抵触して配信停止になってしまうと意味がありません。配信する内容には十分注意してください。

Facebook広告で作成可能な動画広告の種類と規格

Facebookの動画広告には、いろいろな種類と規格があり、それぞれの利点を活かした広告の配信ができます。

選択する動画広告の種類によって動画が掲載・配信される場所が違うため、動画の種類や規格を把握しておくことは重要です。

Facebookで作成可能な動画広告の種類は、次の3種類になります。

  • インストリーム動画広告
  • フィード広告
  • ストーリーズ広告(スマートフォン)

それぞれの特徴や規格などを以下で詳しく解説しているので、最適な動画広告を選択してください。

インストリーム動画広告

Facebookのインストリーム動画広告とは、タイムライン上の動画コンテンツの前後または途中に広告を挿入できる広告です。2021年11月にクリエイターの収益化支援のひとつとしてインストリーム広告が使えるようになりました。

インストリーム広告は、ユーザー自らが興味を持って視聴している時に流れるので、長時間視聴されやすいというメリットがあります。

イメージとしてはYouTubeの動画広告に近く、動画の尺は5秒から10分までです。

ファイルタイプ MP4,MOV,GIF
動画のアスペクト比 16:9~1:1、4:5、9:16、1.91:1
動画設定 H.264圧縮方式、正方画素、固定フレームレート、プログレッシブスキャン、及び128kbps以上のステレオAACオーディオ圧縮
解像度 1080×1080pixel以上
キャプション 任意
音声 任意
動画の尺 5秒から10分
テキスト メインテキストは125文字以内見出しは40文字以内
MAXファイルサイズ 4GB

インストリーム広告には「利用するための資格」が定められており、誰でも自由に配信できるものではありませんが、Facebookに投稿した動画に広告を挿入して、広告配信者が継続的な収入を得られるようになります。

インストリーム動画広告のフォーマットは、「プリロール広告」「ミッドロール広告」「画像広告」の3種類です。

以下にインストリーム動画広告の主なメリット・デメリットを紹介します。

画像よりも伝えられる情報量は多い

インストリーム動画広告は、静止画像広告と比較して「視聴者に伝えることができる情報量」が多いことです。

動画広告は映像だけでなく音声でも情報を伝えることができるため、尺の短い広告動画でも企業の商品やサービスに関する情報を効率よく伝えられます。

コンテンツの作り方次第で、より多くの情報を盛り込めるのがインストリーム広告の強みです。

広告配信者の信頼性が高い

Facebookのインストリーム動画広告は「広告配信者の信頼性」が高いので、広告に対する不信感を最小限にできます。

Facebookのインストリーム動画広告が配信できるのは、パートナー収益化ポリシーなどの一定の条件を満たしている「限られたユーザーのみ」です。知名度が高いクリエイターや広告配信者だけが動画広告を配信できるので、視聴者側からの高い信頼性があります。

このような理由から、Facebookのインストリーム動画広告は「不信感が少なく信頼性が高い」のです。

見る人を惹きつけるクオリティが必要不可欠である

信頼性が高い動画広告とはいえ、広告の基本である「見る人を惹きつけるクオリティ」は必要不可欠です。

動画広告の内容をおろそかにしてしまうと、簡単に動画広告をスルーされてしまうため「広告に興味関心を持ってもらうための最低限のクオリティ」にすることが重要になります。

最初の5秒でスキップ可能な広告の場合、内容がつまらないと簡単に広告を飛ばされてしまうので、「始めの5秒で視聴者を釘付け」にできるかどうかが大きなポイントです。

勝負は「最初の5秒」、これを意識しながら広告クリエイティブを作成しましょう。

動画広告が視聴者に悪い印象を与える可能性がある

たとえ「信頼性の高いインストリーム動画広告」でも、広告である以上は視聴者に悪印象を与えてしまう可能性はゼロではありません。

特にインストリーム動画広告の場合は、動画の視聴を遮って広告配信をおこなうため、一部のユーザーには「広告が邪魔」だと思われることがあるからです。

Facebookのインストリーム動画広告に限ったことではありませんが、ターゲティングをしっかりおこない「興味関心」のあるユーザーのみにアプローチできるように設定することが重要になります。

フィード広告

Facebookのフィード広告とは、Facebook内のニュースフィード(タイムライン)の真ん中に表示される「近況アップデート」などを更新しているページのことで、画像などを利用して製品や各種サービスを宣伝できる広告です。

ビジネス広告と思われないような「友達や知人のSNS投稿と同じ」形式で広告が表示されるので、ターゲットであるユーザーに対して自然な感じでリーチすることができます。

メニューから動きや音声を入れることで、視聴者を釘付けにできるという効果も期待できるので、商品の特徴を紹介したり自社のブランドストーリーを動画で伝えたりすることも可能です。

フィード広告の推奨デザインの詳細を以下の表で紹介します。

ファイルタイプ MP4,MOV,GIF
動画のアスペクト比 4:5
動画設定 H.264圧縮方式、正方画素、固定フレームレート、プログレッシブスキャン、及び128kbps以上のステレオAACオーディオ圧縮
解像度 1080×1080pixel以上
キャプション 任意
音声 任意
動画の尺 1秒から241分
テキスト メインテキストは125文字以内見出しは40文字以内説明は30文字以内
MAXファイルサイズ 4GB

そのほか、Facebookのフィード広告では、一部で「360度動画」を使用することが可能です。

360度動画というのは、広告が表示された時に「デバイスを回転」させたり、表示されている広告を指でドラッグしたりした時に、上下左右や任意の方向に視点移動して「好きな方向から動画を視聴できる」というもので、フィード広告独特の特徴とも言える機能になります。

以下で、フィード広告の主なメリット・デメリットを紹介していきましょう。

目につきやすく広告感が少ない

フィード広告は、Facebookのフィード内に投稿される広告で、タイムラインの中に自然な形で紛れ込んでいます。

そのため、視聴者からは「それが広告である」と認識されにくく、タイムラインを汚さないので、悪い印象を持たれにくいというのが大きなメリットです。

それに加えて、フィード広告はFacebookの高精度なターゲティング機能を利用しているため、自社の商品やサービスを「潜在的顧客層」にアピールしやすいといった強みもあるので、より効果的なアプローチができるでしょう。

クリックされる傾向が高い

フィード広告は、タイムライン上で「自然な形」で配信されているため、それが広告だと感じられにくく、クリックする時の抵抗感が少ないという特徴があります。

普段からインパクトの強い広告を見慣れているユーザーからすれば、フィード広告の閲覧は抵抗感が少なく気軽に閲覧できる広告です。

たとえ「それが広告」だと理解していても、違和感が少なくクリックしやすいのもフィード広告ならではの強みになります。

その結果、他種の広告よりもクリックされやすく、最終的なコンバージョン率が他の広告よりも高くなる可能性があるのもフィード広告のメリットです。

クリエイティブ次第で離脱される可能性がある

フィード広告はタイムライン上で「自然な形」で配信されるので、視聴者に広告だと思わせないという効果がありますが、ユーザーにそれを「広告」だと判断されてしまうと離脱される恐れがあるのは大きなデメリットでしょう。

いくら「自然な形」で配信されるとはいえ、作成する側は「広告感を極力おさえた」クリエイティブにすることを心がけるべきです。

遷移先も、コンバージョンを目的としたランディングページへの遷移ではなく、商品解説やサービスの説明を重視したランディングページへの遷移にすることをおすすめします。

成果を求めるあまり「押し売り」のような広告クリエイティブでは、ユーザーが敬遠してしまうので、注意してください。

選択している課金方式によっては費用が増大する恐れがある

フィード広告は、以前からあるバナー広告と違い「タイムライン上の通常のコンテンツ」としてユーザーや視聴者から認知されやすいので、クリックされやすいのが利点です。

しかし、その「クリックされやすさ」が仇となり、広告費用が増大する恐れがあります。

想定したユーザー以外の視聴者からもクリックされることがあるため、後述する「課金方式」によっては無駄な費用がかさむ可能性はゼロではありません。

特に「クリック単価方式」で広告を出稿している場合は、興味本位のクリックなどでも課金されてしまうため、注意が必要です。

ストーリーズ広告(スマートフォン)

ストーリーズは、最近若年層に人気のある投稿機能で、「自分が選んだ相手にのみ24時間だけ見せることができる」ものです。ストーリーズ広告は、そのストーリーズに表示される広告になります。

ストーリーズ広告は縦型のフルスクリーンの形で動画広告が流れるため、他の広告よりもインパクトが強く、視聴者の記憶に残りやすいので「広告を印象づけたい」場合に利用してみてください。

Facebookのストーリーズ広告には「シングル画像広告」と「シングル動画広告」の2種類のフォーマットがあり、Facebook広告の中で最もシンプルなフォーマットです。

ファイル形式 .jpg/.png
動画のアスペクト比 1.91:1、1:1、4:5、2:3、9:16
画像フォーマット 横長・正方形・縦長・フルスクリーン縦長
解像度 1080×1920pixel
動画の尺 15秒
テキスト 画像の20%
MAXファイルサイズ 30MB

24時間後でも広告は消えない

Facebookのストーリーズは「24時間」でタイムライン上から消えてしまいますが、ストーリーズ広告は24時間経っても広告は消えないので、再出稿の手間がありません。

「認知」「検討」だけでなく、「コンバージョン」も促す効果があると言われるタイプの広告なので、幅広い業種において高い宣伝効果を発揮するでしょう。

ユーザーの目を惹きやすい

「縦型フルスクリーン」という特徴から、インパクトが強く視聴者の目を釘付けにするという効果は、大きなメリットといえます。

通常の広告では、タイムライン上の通常の投稿に混じって「小さく表示」されているものや、ユーザー自らが広告をタップして「初めて拡大表示される」ものが大半です。

しかし、Facebookのストーリーズ広告の場合は、ユーザーの投稿と同じようにフルスクリーンで表示されるので、サービスや商品の画僧・動画を目立つように配信できます。

広告作成に必要な時間を削減できる

Facebookのストーリーズ広告の作成時には、無料のデザインツール「ストーリーズテンプレート」が使用可能です。

このテンプレートを使用すれば、初めてストーリーズ広告を作成する人でも簡単な操作のみで自動作成ができます。あらかじめクリエイティブ素材が用意されているので、最低限の広告クリエイティブ素材を準備しておくだけなのも嬉しいポイントです。

しかし、どんな広告でも作れるというわけではありません。ストーリーズテンプレートを使用できるキャンペーン目的が限られており、それ以外のものでは出稿できないので注意してください。

出稿可能なキャンペーン目的は以下のものです。

  • アプリのインストール
  • ブランド認知度アップ
  • コンバージョン(webサイトのみ)
  • リーチ
  • トラフィック(webサイトのみ)
  • リード獲得

多くの視聴者に広告を見てもらえる

Facebookの「ストーリーズ」は、Facebookを利用しているユーザーに大人気の投稿機能で、利用しているユーザー数は全世界で日当たり5億人とも言われています。

そのため、ストーリーズに広告配信できる「ストーリーズ広告」の需要も高く、多くのユーザーに見てもらえる可能性があるため、企業からの利用も年々増加中です。

多くの視聴者に見てもらえるということは、それだけ自社に対する認知度が高まり、競合他社よりも自社を選んでもらえる可能性が高くなるので、成果も上がりやすくなります。

Facebook動画広告の課金方式

Facebook動画広告の課金方式は主に3種類。それぞれ利点や注意点がありますが、動画広告を配信する目的に合わせた課金方式を選びましょう。

  • インプレッション課金方式
  • クリック課金方式
  • ThruPlay課金方式

以下で簡単に説明していくので、課金方式の選択に役立ててください。

インプレッション課金方式(CPM)

インプレッション課金方式は、「動画広告が画面に表示された回数に応じて課金される」方法で、多くの場合は「動画広告の1000回表示」ごとに課金されます。

課金される料金は、広告が表示されるたびに変動する「オークション形式」です。

設定した広告配信予算の範囲で、動画広告の表示回数(インプレッション)が多いほどインプレッション単価は安くなります。

広告出稿目的が「ブランド認知拡大」の場合は、インプレッション課金方式がおすすめです。

クリック課金方式(CPC)

クリック課金方式は、その名の通り「動画広告がクリックされるたびに課金される」課金方法です。

こちらの課金方式も、先述のインプレッション課金方式と同様に「オークション制」となっているため、1クリックの単価は常に変動します。

クリック課金方式は、ユーザーからの反応(アクション)を知りたい時・webサイトへの流入を促進したい場合などに適した課金方式です。

クリックされるたびに課金される方式のため、見込み顧客以外からのクリックが増えると費用が増大してしまうので、注意してください。

ThruPlay課金方式

他の広告媒体ではあまり聞かない課金方式ですが、ThruPlayは「動画広告が15秒再生されるたびに課金」される方式です。15秒未満の動画広告の場合は「視聴完了」で課金されます。

ThruPlayに設定すると、15秒以上の動画広告なら「最低15秒以上」、15秒未満の動画広告の場合はその動画が終了まで視聴してもらえるので、「最低限15秒の視聴を確保したい」動画広告を配信する時におすすめする課金方式です。

Facebook動画広告を作成する時のポイントは

ここまで「Facebook動画広告の基本」についての詳しい解説をしてきました。

それを踏まえた上で、Facebook動画作成キットを使用して「動画広告」を作成する時のポイントを解説していきます。

主なポイントは次の5つです。

  • 動画広告を見せたいターゲットを明確に設定する
  • 動画再生から3秒でユーザーを惹きつけるものを制作する
  • 動画再生時の字幕は必須
  • 視聴者が飽きない秒数に設定する
  • スマートフォンで視聴されることを前提に動画を作成する

これらのポイントを把握した上で動画を作成するのとしないのでは、結果に雲泥の差が出ることは間違いありません。

以下で各ポイントを詳しく解説していきます。

動画広告を見せたいターゲットを明確に設定する

Facebook動画広告を作成する時は、最初に「誰に広告を見せたいか?」「誰に広告を見てもらいたいか?」を明確にしておくことが大切です。

多くの視聴者に見てもらおうと焦るあまり、ターゲットや目的がぼやけてしまっては、成果を出すことはできません。

自社のターゲットに対して「本当に見てもらいたい・見せたい」メッセージを伝えるには、ターゲットを明確にする必要があります。

Facebook動画広告では、ターゲットを明確に設定することで「ピンポイント」でメッセージを伝えられる広告を配信することが可能なので、そういった機能を有効活用しましょう。

そのためには「可能な限り」詳細な情報をインプットして、ターゲットに対して訴求できるようにしてください。

動画再生から3秒でユーザーを惹きつけるものを制作する

視聴者は「必ず動画を最後まで見る」とは限りません。

目についた動画を視聴していても、興味関心がなければすぐに離脱してしまいます。

なので、動画広告では「冒頭で視聴者にインパクトを与え釘付けにする」ようなクリエイティブにしましょう。

目安は「冒頭3秒」です。

一番肝心な「伝えたいこと」を動画の最初に持ってくれば、たとえ動画を最後まで視聴されなくても「伝えたいこと」は伝えられます。要は「結論ファースト」にすることで、視聴者に時間を取らせず情報を伝えることが可能になるのです。

仮に短時間で離脱されても「冒頭3秒で結論」を見せておけば、おのずと認知度はアップしていきます。

動画再生時の字幕は必須

動画広告に「字幕」をつけておけば、無音で動画視聴しているユーザーにも内容を理解してもらえるので、字幕は必ずつけましょう。

字幕が必要な理由は、動画を視聴している人すべてが音声を聞いているわけではないからです。例えば、電車の中で動画を視聴している時などで「イヤホンを使っていない状況」では、無音で動画を視聴せざるを得ません。

音声のみでの説明・解説では動画広告の内容が聞き取りづらいこともあるでしょう。

そんな時「字幕」をつけておけば、視聴者に情報を伝えやすくなります。同音異語なども字幕があれば理解しやすいです。

ただし、すべての言葉に字幕をつける必要はありません。「20%ルール」のこともあるので、最低限の内容を理解してもらえる程度にしてください。

多過ぎる文字は、視聴者を離脱させてしまう原因にもなるので、注意が必要です。

視聴者が飽きない秒数に設定する

Facebookの動画広告では、最大で240分の動画を配信可能ですが、240分の動画となるとまず最後まで視聴されません。動画広告は映画やドラマではないため、あまりにも尺の長い動画は間違いなく途中でスキップされてしまいます。

これでは、動画広告で「伝えたいこと」が伝えられません。

一般的には「15秒程度」の動画広告がよいとされています。そのため、動画広告に掲載する情報は「本当に伝えたいこと」に厳選して掲載するようにしましょう。

視聴者に対して、できるだけ多くの「役に立つ情報を届けたい」という気持ちはわかりますが、スキップされてしまうようでは意味がありません。

視聴者が飽きない秒数で、掲載する情報を絞って動画広告を作成してください。

スマートフォンで視聴されることを前提に動画を作成する

Facebookを閲覧するデバイスで、最も多いのは「スマートフォン」です。

スマートフォンは一般的なパソコンと違い「縦長である」「画面が小さい」という特徴から、あまりにも小さい文字は使用を控えることをおすすめします。

理由として、通常スマートフォンの画面は「縦長」で、横に長い動画の場合はデバイスの横幅に合わせて縮小表示されてしまうため、小さすぎる文字は読めなくなってしまい視聴者に情報が伝わりません。

その結果、ユーザーにスキップ・離脱される可能性が高くなってしまいます。

説明文は簡潔に、かつ適度なフォントサイズで動画を作成するようにしてください。

動画作成キットを使ったFacebook動画広告の作り方

Facebookの動画作成キットを使った「動画広告の作成方法」を解説していきます。

Meta Business Suiteの画面から「広告マネージャ」をクリックして管理画面を開いてください。

広告マネージャ左上の【+作成】をクリックして、必要な情報を入力していきます。

キャンペーンの目的を選択するよう促されるので、以下の項目の中から選択してください。

購入タイプは「オークション」と「予約」から選択できます。

今回の動画作成では「エンゲージメント」を選択しました。

キャンペーン設定では「おすすめの設定」と「手動設定」のどちらかを選択できます。

広告運用経験が浅く、不慣れな方などは、おすすめの設定を選択してみるといいかもしれません。

「プリセット設定をすべて見る」をクリックすると、現在のプリセットキャンペーンを確認することができます。

【キャンペーン名】では、作成するキャンペーンの名称を入力しましょう。

【A/Bテスト】をオンにしておけば、このキャンペーンを公開した後、A/Bテストの設定でテストの作成を完了できます。

【特別な広告カテゴリ】の項目で「広告を分類」をクリックすると、広告の一部として、信用に関する商品やサービスが宣伝されているかどうかを確認するためのウインドウが表示されるので、「はい」か「いいえ」を選択可能です。

「カテゴリ」では、該当する項目を表示される項目の中から選択します。

【Advantageのキャンペーン予算】をオンにすると、キャンペーン予算などを設定可能です。

入力が完了したら、右下の【次へ】をクリックしましょう。

【コンバージョン】の項目では、エンゲージメントを増やしたい場所を選択します。

広告の予算と掲載期間を設定しましょう。

「終了日を設定する」にチェックを入れると、掲載終了日を設定可能です。

【オーディエンス管理】では、広告を配信できる場所の基準を設定します。

デフォルトでは「米国」になっていますが、日本国内での配信なら、日本を選択しておきましょう。

設定が完了したら、【次へ】をクリックします。

【メディア】で「動画を追加」を選択しましょう。

使用したい動画をアップロードして「次へ」をクリックします。

動画のトリミングでは、動画の尺を調整可能です。

長すぎる動画は視聴者離脱の危険性が高まるため、適度な長さに調整しておきましょう。

配置用のメディアの切り取りを選択します。

アップロードした動画から切り取り編集するか、新しい素材をアップロードするかを選択可能です。

「次へ」をクリックして、広告を最適化しましょう。

必要に応じて、BGMやテキストの改善をおこない、完了をクリックしてください。

詳細プレビューをクリックすると、別画面で作成した動画広告のプレビューが確認できます。

最後に【公開する】をクリックして完了です。

まとめ

Facebookの動画作成キットを使った動画広告の作成は、手元に動画がなくても簡単に動画広告が作れる機能です。

ひと昔前では、動画広告は「特殊なスキルを持ったクリエイター」のみに許された広告でしたが、今では多くの企業がこぞって動画広告を配信しています。

気軽に作れるようになった反面、ユーザーの目に止まる魅力的な広告を作成できるクリエイターはそれほど多くありません。インパクトや共感できるワードは必須で、顧客獲得のために競合他社は今でも広告作成に力を入れているでしょう。

手軽にインパクトの強い動画広告が作れる「動画作成キット」を使っても、常にクオリティの高いものを制作するという基本的な考えを忘れてはいけません。

Facebookの動画広告は、各フォーマットの覚えるべき特徴・規格・条件はいくつかありますが、動画作成キットのおかげで動画広告作成に対するハードルは下がっており、誰でも手が届くところまできています。

本記事が、御社の動画広告作成の一助になれば幸いです。



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