Facebook広告を効率よく配信するためのツールとして「Facebookピクセル」というものがあることを知らない人は少なくありません。
Facebookピクセルは「トラッキングコード」の一種で、サイトに訪問してきたユーザーのアクションを計測したり、商品の購入・お問い合わせなどの「コンバージョン」をカウントしたりする時に利用するものです。
Facebookピクセルの設置には多少なりのコーディングスキルが必要なため、正しい設置方法を知らない人や、何ができるのかを理解していない人は多いでしょう。
今回の記事では「Facebookピクセル」の機能やメリット・デメリット、コードの生成から設置までの手順を図解入りで解説していきます。
Facebookピクセルの設置に興味がある人や、Facebook広告の配信を効率化したい人は参考にしてください。
Facebookピクセルとは
Facebookピクセル(Metaピクセル)とは、商品の購入や「お問い合わせ」などの「サイトや自社アカウント内でユーザーが起こしたアクション」を計測(カウント)するために、サイトのヘッダ内に埋め込むJavaScriptのコード(プログラムデータ)のことです。
Facebookピクセルは、「ベースコード」「イベントコード」「パラメーター」の3つで構成されており、これらを「実行したい計測内容」の組み合わせでwebサイトのヘッダ内に記述することで、ユーザーのアクションを計測することができるようになります。
Facebookピクセルを設置することで、サイト内でのアクションの他「イベントデータを自動入札の最適化に利用」したり、自社サイトに訪問した「ユーザーのリスト作成」に活用したりすることが可能です。
昔ながらのサイトでいう「アクセスカウンター」のようなものだとイメージすれば、わかりやすいかもしれません。
Facebookピクセルの構成要素
Facebookピクセルは、webサイトのヘッダ内に埋め込むJavaScript言語で記述されたプログラムデータで、次の3つの要素で構成されています。
- ベースコード
- イベントコード
- パラメーター
以下でそれぞれの構成要素について、詳しく解説していきましょう。
ベースコード
ベースコードはwebサイトでユーザーが取った行動・足跡の追跡、イベントの計測をおこなうために必要な機能を実行するための「基礎」となるコードです。
1つのアカウントに対して「1つのみ」が作成可能で、サイト内のすべてのページで共通のコードを設置するのが決まりとなっています。1アカウントにつき「1種類のベースコード」しか使えないため、複数のベースコードは使えません。
ベースコードはあくまで基礎となるコードなため、後述するイベントコードやパラメーターを組み合わせることが必要です。
スマートフォンに例えると、ベースコードは「Android」、パソコンなら「Windows」や「macOS」のような基本ソフトウェアに該当します。
標準イベントコード
標準イベントは、ページビューや商品の検索・閲覧・購入などのありふれたアクションに対応するイベントです。使われることが多いイベントが用意されており、ベースコードに追記するだけで使えるようになります。
標準イベント以外のアクションを計測したい場合は、「カスタムイベント」を使ってオリジナルのイベント名をつけることも可能です。
標準イベントコードは、webサイトの任意のページに「そのページにふさわしい」ものを付けることができるので、1アカウントで複数のイベントコードを併用することもできます。
スマートフォンやパソコンに例えると、イベントコードは「アプリ」に該当し、さまざまな機能を発揮させることが可能です。
パラメーター
パラメーターは、イベントに関する情報を取得するために必要なものになります。
イベントとパラメーターには、「必須」のものと「任意」のものがあり、必須の項目は必ず設定するようにしましょう。
パソコンのアプリやソフトでいう「パッチ」や「プラグイン」に近いものだと考えて差し支えありません。
Facebookピクセルの機能・何ができるのか
Facebookピクセルをwebサイトに記述することで、普通にサイトを運営しているだけではできなかったことができるようになります。
具体的には、以下のようなことが可能です。
- コンバージョンの計測
- リマーケティング設定
- カスタムオーディエンスの作成
- 類似オーディエンスの作成
- コンバージョン獲得に繋がりやすいユーザーへ自動で広告を配信できる
以下で詳しく解説していきます。
コンバージョンの計測
Facebookピクセルを設置することで、コンバージョン計測が可能になり、コンバージョン一件当たりの獲得単価(CPA)を把握できるようになります。
現状のCPAを把握・理解しておくことで、目標CPAに対してどのくらい差が付いているのか、どの指標を調整すればよくなるのかを「見える化」できるようになるでしょう。
得られたデータからPDCAを回し、改善・効率化・成果アップに繋げることも可能です。
しかし、Facebookピクセルも万能ではありません。
Facebookピクセルは、リスティング広告の計測機能と比較して数値にズレがでる可能性が高いため、あくまで「目安程度」と考えておいたほうがいいでしょう。
リマーケティング設定
サイトにFacebookピクセルを設置して得られたデータは、Facebook上に蓄積・保存され、広告配信の対象になったり、過去に訪問したユーザーに対して再度アプローチしたりする時に使われます。
具体的には、Facebookピクセルを利用することで、以下のようなデータがFacebookに保存されます。
- 訪問した時期・時間
- 訪問されたページ
- ページ内での画面スクロール量
ユーザーが自社サイトに訪問した時の「詳細なデータ」を保存しておけば、コンバージョンの見込みが高いユーザーを対象にした広告配信が可能になるでしょう。
カスタムオーディエンスの作成
カスタムオーディエンスとは、Facebookの広告配信で設定できる「ターゲット設定」の一種です。
電話番号やメールアドレス・ユーザーIDなどの「既に取得している顧客の情報」を、Facebookのデータと照合することで、Facebook上に存在するユーザーを対象に広告を配信できます。
もちろん、過去に自社サイトで購入したことのあるユーザーも、広告配信の対象に設定可能。広告配信によるアプローチで、「見込み顧客」や「リピーター」を作ることもできるようになるでしょう。
類似オーディエンスの作成
類似オーディエンスとは、既にある見込み顧客と似たような属性や傾向を持っており、自社の商品やサービスに対して「強い関心がある」可能性の高いユーザーにリーチをかける機能です。
仕組みとしては、コンバージョンに至ったユーザーの年齢や性別・興味関心などのデータから、そのユーザーと属性や条件が似ているユーザーを機械学習が自動的に判別して広告を配信するというものになります。
類似オーディエンスは「コンバージョン済みのユーザーと近い属性を持つユーザー」であると同時に「まだリーチできていないユーザー」なので、広告を配信することでコンバージョン数のアップが期待できるかもしれません。
コンバージョン獲得に繋がりやすいユーザーへ自動で広告を配信できる
Facebookピクセルでユーザーの情報を溜めていくことで、Facebook広告の機能である「最適化」を効果的に利用できるようになります。
Facebookピクセルで得られたデータから、最適化を効果的に利用できるようになれば、コンバージョンに繋がる可能性の高いユーザーに絞って広告を配信できるようになるため、広告配信の効果を最大限に高めることが可能です。
この「コンバージョンに繋がる可能性の高いユーザー」を、高い精度で判別できるようになるには、Facebookピクセルの情報が重要になります。
コンバージョンの計測結果を基に広告効果を検証できる
コンバージョンを計測すれば、CPA(顧客獲得単価)を把握することができるようになるでしょう。
それらのデータから広告効果を検証し、PDCAサイクルを回しながら広告クリエイティブやターゲティングを改善・改良を加えていくのが効果的です。
広告配信は、クリエイティブを作成して出稿・配信したら終わり…ではありません。また、リピーターからのコンバージョン獲得だけで満足していては、いつか競合に追い抜かれてしまうでしょう。
Facebookピクセルを利用することで、計測データからPDCAサイクルを回し、広告効果を検証できるようになるので、ぜひ活用してください。
Facebookピクセルのメリットとデメリット
Facebookピクセルを利用する際に、メリットとデメリットを知っておくことは重要です。
得られるメリットが、自社にとってプラスになることなのか、発生するデメリットは自社で許容できるものなのかを十分検討してから利用しましょう。
安易に「他社でも効果が出ているから…」では、運用担当者にとって負担になるだけで終わる可能性は否定できません。
以下で詳しく解説するので、Facebookピクセルを利用するか否かを検討してみてください。
メリット|広告ターゲットの絞り込みが可能になる
Facebook広告は、他のSNS媒体の広告と比較して精度の高いターゲティングが可能です。Facebookピクセルを利用することで、さまざまなユーザーの「行動別のターゲティング」ができるようになります。
例として、次のようなユーザーもターゲティングの対象です。
- ショッピングカートに商品を入れたが、購入に至らなかったユーザー
- 自社サイトの商品を多数閲覧したが、見るだけで購入しなかったユーザー
- 無料の登録だけしているユーザー
このようなユーザーに対して、商品購入を促すための広告配信ができるようになります。
詳細マッチングで、さらにターゲティング精度を高められる
詳細マッチングを利用することで、さらにターゲティング精度を高めることが可能です。
Facebook広告の機能のひとつである「詳細マッチング」を有効にしておけば、ユーザーがFacebookにログインしていなくてもFacebookが自動的にユーザーの情報を収集できるので、その情報を基にユーザーをマッチングさせることができます。
詳細マッチングを利用して得られるメリットは、以下の3つです。
- より精密で精度の高いリターゲティング
- 得られた多くのデータから、コンバージョン率の高い広告配信ができる
- 広告配信を効率化し、コンバージョン単価を削減できる
メリット|広告配信によるコンバージョン率アップが期待できる
自社サイトにFacebookピクセルを設置することで、Facebook上で「追跡型(リマーケティング)広告」を配信できるため、コンバージョン率アップが期待できます。
リマーケティング広告は、過去に一度でも自社アカウントの広告をクリックした経験があるユーザーを対象に広告を配信できる広告フォーマットです。
「一度でもクリックしたことがある」ということは、少なからずその商品に興味があると判断できるので、そういったユーザーを対象に広告を配信することで、コンバージョン率を高めることができます。
リマーケティング広告とは?
リマーケティング広告とは、自社のwebサイトに訪れたユーザーをCookieに保存された情報から「ユーザーがとったアクションに応じた」内容の広告を自動的に選択して表示する「追従型広告」のことです。
簡単に言うと、過去に「スポーツシューズ」の商品をクリックして閲覧した場合は、その情報から「スポーツシューズ」に関する広告を、ユーザーが視聴しているデバイスに表示されるようにする…という広告フォーマットになります。
- 見込み顧客への再アプローチ
- コンバージョン率を高められる
- 顧客獲得単価を下げられる
- 広告の製作が容易になる
- 効率的な広告展開・運用ができる
…といったメリットがあります。
Cookieについて詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。
メリット|広告の費用対効果を最大化できる
Facebookピクセルを利用することで、Facebookの機械学習の精度を高めることが可能です。
Facebookピクセルを利用すれば、さまざまなユーザー情報を収集できるので、その情報を基に広告配信の最適化をしたり、コンバージョン率が高いと考えられるターゲットを対象に広告を配信したりできます。
その他、広告配信によって得られたデータの集計や分析が容易になるので、費用対効果もアップしていくでしょう。
デメリット|HTMLやJavaScriptなどのコーディング知識がないと利用が困難
Facebookピクセルは、簡単な設定ならコーディングの知識がなくても扱うことはできます。
しかし、詳細な設定などはHTMLやJavaScriptの知識が必須です。サイトのヘッダ内にコードを埋め込む際に「貼り付ける場所を間違えた」場合などは、ある程度の知識がないと対応・対処が困難になるでしょう。
その他、何らかの不具合によりコンバージョンデータの計測ミスがあったり、ターゲティング設定がうまくいかなかったりした時は、コーディング知識がないと対処は不可能です。
自社サイトでFacebookピクセルを利用するなら、運用担当者にはHTMLやJavaScriptなどの知識や学習が必要になります。
デメリット|1ページあたりのイベントコードは1つだけにする
サイト1ページ当たりに設定する「イベントコード」は、原則1つだけです。
2つ以上のイベントコードを設定すると、カウントが重複したり、Facebook広告配信の最適化に悪影響が出たりします。
ターゲティングや広告配信の最適化を急ぐために、複数のイベントコードを設定しようと思う気持ちは理解できますが、それで不具合が発生してしまうと担当者が「不具合の対応」に追われることになるため、避けたほうが無難です。
基本的には「サイト1ページ当たり、1つのイベントコード」だと考えておきましょう。
配信されるリマーケティング広告がユーザーに不快感を与える可能性がある
リマーケティング広告の性質上、過去の閲覧履歴から広告が表示されるため、「しつこく押し売りされようとしている」という感じが強く、ユーザーに不快感を与える可能性があることは否定できません。
他にも、広告をブロックされる・認知拡大には不向きなどのマイナスな点もあります。
フリークエンシーキャップ(1ユーザー当たりの広告表示回数の上限値)の設定次第で、与える不快感を最小限にすることは可能ですが、商品や企業に対するイメージダウンは完全に無くすことはできないという点は理解しておいてください。
Googleタグマネージャーを利用して設置する方法・手順
ここからは、Facebookピクセルの作成方法から設置までの手順を図解入りで説明していきます。
設置までは4つのステップがあるので、順番に進めていきましょう。
- Facebookピクセルを作成する
- ベースコードの発行と設置
- イベントコードの発行と設置
- パラメーターの設置
1.Facebookピクセルを作成する
まずは、実際にFacebookピクセルを作成する手順を紹介していきます。
まずは、ホーム画面左側の「ビジネスマネージャ」をクリックして、ビジネスマネージャの画面に切り替えます。
イベントマネージャをクリックしてください。
次に、左側にある「緑色のプラス記号」にマウスカーソルを合わせた時に表示される「データソースをリンク」をクリックします。
データソースをリンクをクリックすると、下の図のような画面が表示されるので、そこからwebサイトやアプリなどの「データ送信先」を選択できます。
今回は、webサイトへの訪問数やコンバージョン数を計測するのが目的なので、「ウェブ」を選択してください。
「ウェブ」を選択して、「リンクする」をクリックすると、「新しいデータセットを作成」のポップアップが表示されます。
「名前」のところに任意の名称を入力して、作成をクリックします。名称は、わかりやすいものを付けるのがいいでしょう。
作成をクリックすると、下図の「ウェブサイトを追加」のポップアップが表示されます。
「ウェブサイトのURLを入力」のところに、自社サイトのURLを入力しましょう。
自社サイトを持っていない場合は、その下の「ウェブサイトがない」にチェックを入れます。
「確認」をクリックすると、イベントマネージャの「データソース」に「名前を付けたFacebookピクセル」が作成されます。
2.ベースコードの発行と設置
第2のステップでは、第1のステップで作成したFacebookピクセルでベースコードを作成します。
前回と同様に「イベントマネージャ」で作業を進めてください。
ベースコード作成の際は、「ベースコードを発行したいFacebookピクセル」を選択しましょう。
任意のピクセルを選択して、上の図の赤丸にある「Metaピクセルを設定」をクリックします。
クリックすると、下の図のようなポップアップが表示されて「コードを手動でインストール」または「パートナーを確認」のどちらかを選択することができます。
今回は、自社サイトに設定するので、「コードを手動でインストール」を選択してください。
ちなみに、自社のwebサイトがwordPressやShopifyと連携している場合は、「パートナーを確認」を選択すると、連携が容易になります。
「イベントマネージャのオンボーディング」で「コードをコピー」をクリックして、自社webサイトのヘッダ内に設置しましょう。
サイトの管理者とベースコードを共有して、直接webサイトのヘッダ内に埋め込みます。
Googleタグマネージャを使用する場合は、自身でタグマネージャから設置してください。
コードをコピーすると「自動詳細マッチングをオンにする」かどうかを切り替えるスイッチが出てくるので、特別な理由やこだわりがなければオンにしておきましょう。
ちなみに「自動詳細マッチング」とは、メールアドレスや地域などの「ユーザーから提供された情報」をFacebookの最適化に利用できるようになる機能です。
3.イベントコードの発行と設置
第3のステップでは、ベースコード設置直後に「イベントコード」の設置をおこないます。
Facebookでは、よく使われる「標準イベントコード」が用意されており、「購入を計測したいイベントコード」や「リード獲得のイベントコード」などがあります。
もちろん、複数のイベントを計測するために「複数のイベントコード」を設置することも可能です。
イベントコードをカスタマイズして、オリジナルのカスタムイベントのコードを作成することもできます。
カスタマイズには、コーディングに関する知識が必要になりますが、チャレンジしてみても面白いかもしれません。
以下は標準イベントコードの一覧になります。
イベント名 | イベントの説明 |
---|---|
AddPaymentInfo | ユーザーが【請求情報保存】ボタンをクリックした。 |
AddToCart | ユーザーが【カートに追加】ボタンをクリックした。 |
AddToWishList | ユーザーが【ウイッシュリストに追加」ボタンをクリックした。 |
CompleteRegistration | 登録フォームの入力を完了し、送信した。 |
Contact | ユーザーが製品に関する質問を送信した。 |
CustomizeProduct | ユーザーが製品の色を選択した。 |
Donate | ユーザーが人道協会への寄付をカートに追加した。 |
FindLocation | ユーザーが地元の店舗で、特定の製品を探す場合。 |
InitiateCheckout | ユーザーがチェックアウトボタンをクリックした。 |
Lead | ユーザーが料金をクリックした。 |
Purchase | ユーザーが購入・チェックアウトのフローを終えて、確認ページに移動した。 |
Suchedule | ユーザーが訪問予約の日時を選択した。 |
Search | ユーザーが製品を検索した。 |
StartTrial | ユーザーが「無料トライアル」の利用を選択した。 |
SubmitApplication | ユーザーが「提供する製品やサービス」に申し込みをした。 |
Subscribe | 提供している製品やサービスのサブスクリプションに、ユーザーが申し込みをした。 |
ViewContent | ユーザーが対象のコンテンツページにアクセスした。 |
3.パラメーターの設置
パラメーターは、一部のイベントコード以外では使用しなくても計測が可能で、設定は任意となっています。
しかし、「購入(Purchase)」のイベントコードでは、「価格(value)」または「通貨(currency)」のパラメーターを設定しないと計測ができません。
以下は使用できるパラメーターと値、計測できるものの一覧です。
パラメーター | 値のタイプ | 計測可能なもの |
---|---|---|
content_category | 文字列 | 商品カテゴリ |
content_ids | 整数または文字列 | 商品ID |
content_name | 文字列 | 商品名 |
content_type | 文字列 | 商品IDまたは商品グループ |
contents | オブジェクトの配列 | 商品数や商品ID |
currency | 文字列 | 通貨 |
num_items | 整数 | チェックアウトボタンが押された時の商品数 |
predicted_ltv | 整数やFloat | 商品やサービスの予測LTV |
search_string | 文字列 | ユーザーが検索の時に入力した文字 |
status | ブーリアン | サブスクリプションなどで登録完了した時のステータス |
value | 整数またはFloat | 商品やサービスの価格 |
パラメーターを設定したほうが、より詳細な情報を計測できるようになるため、可能であればパラメーターを設定するようにしましょう。
一度作ったFacebookピクセルは削除できない?
一度作成したFacebookピクセルは、削除することができません。
Facebookピクセルをいくつか作成すると、上の図のように複数のピクセルが表示されますが、現時点ではピクセルの削除はできないようです。
そのため「Facebookピクセルによる計測」をストップするには、サイトのヘッダからFacebookピクセルのコードを削除する以外に方法はありません。
画像参照元:ウェブサイトからMetaピクセルコードを削除する Metaビジネスヘルプセンター
前提条件として、上の図の左側にあるコードについて十分な知識がある場合のみ、以下で説明する方法を用いてピクセルコードを削除してください。
- 自社のウェブサイトをエディタなどを利用して開き、コードを表示します。
- サイトのヘッダセクション(ヘッダの部分)の下部にある「ピクセルベースコード」を全て削除します。ピクセルベースコードは、上の図でいう②の部分です。
- 自社サイトの全てのページにFacebookピクセルコードがある場合は、全ページで同じように削除する必要があります。
この時、誤ってヘッダ終了タグを削除してしまわないように注意してください。
注意点として、「パートナー統合」や「タグマネージャ」を使用して、サイトにインストールした場合は、上記の方法は使えません。
Facebookピクセルの動作確認
自社サイトのヘッダにFacebookピクセルを設置したら、正常に機能しているかどうかの確認をおこないます。
タグやパラメーターの入力ミス・設置する位置の間違いがあった場合は、広告配信後の計測ができなかったり、そもそも機能しなかったりする可能性があるので、必ず動作確認をおこなうようにしましょう。
正常に動作しないと、Facebookの機械学習にも悪影響が出てしまいます。
主なFacebookピクセルの動作確認方法は、以下の3種類です。
- Googleタグマネージャで確認
- Meta Pixel Helperで確認
- イベントマネージャで確認
これらの確認方法について、詳しく解説していきます。
Googleタグマネージャーを利用した確認方法
Googleタグマネージャを使ってFacebookピクセルを設置したなら、そのままGoogleタグマネージャで確認ができます。
Googleタグマネージャの画面右上にある「プレビュー」をクリックして、Facebookピクセルを設置したサイトのURLを入力しましょう。サイトのURLを入力し、「Connect」をクリックすれば、設置されているタグを一覧で確認可能です。
問題なく動作していれば、表示されたタグ一覧の「Tags Fired」の欄にピクセルタグが表示されています。正常に動作していない場合は、「Tags Not Fired」にピクセルが表示されてしまいます。
Meta Pixel Helperを利用した確認方法
「Meta Pixel Helper」はGoogle Chromeの拡張機能の一つで、Chromeにインストールして使用します。
使い方は簡単で、Facebookピクセルを設置したサイトをGoogle Chromeで開き、拡張機能から「Meta Pixel Helper」を選択すればいいだけです。
選択した後は、設置したIDと同じピクセルが画面左側に表示されていれば、設置したFacebookピクセルは問題なく動作しているということになります。
イベントマネージャを利用した確認方法
Facebookのイベントマネージャから、設置したピクセルを確認することも可能です。
イベントマネージャの「データソース」から、「テストイベント」をクリックして、設置したイベントコードが正常に動作しているかをテストできます。
上の図の「ブラウザーイベントのテスト」にある【ウェブサイトのURLを入力】の欄に、イベントコードを設置した自社サイトのURLを入力して読み込みさせることで、正常に動作したのかをチェックできます。
Facebookピクセルを利用するためのポイント
Facebookピクセルは、プログラミングに慣れていないと使うのに抵抗がありますが、うまく活用することで多大な効果をもたらしてくれます。
最後に、Facebookピクセルをうまく活用するためのポイントを以下で解説していくので、ぜひ参考にしてください。
HTMLなどのコードが多少でも読める必要がある
Facebookピクセルを自社サイトに設置する時、多少なりともサイトを構成しているHTMLや、そのヘッダに書き込まれているデータを変更する必要があります。
コーディングの知識がないままサイトのデータを変更してしまうと、サイトが正常に表示されなくなってしまう可能性があるため、Facebookピクセルを設置するなら「コーディングの知識やスキル」を持った人が担当すべきです。
そういった人がいない場合は、少し時間を取ってHTMLの学習をするのも、方法のひとつでしょう。
ピクセルコードの重複・挿入位置の間違いに注意する
Facebookピクセルを手動で設置する場合は、ピクセルコードの重複や挿入位置の間違いには注意してください。
Facebookピクセルを構成するコードはJavaScriptで記述されており、そこから必要な情報をFacebookピクセル本体に送っています。そのため、コードが重複していると「処理が複数回」おこなわれてしまい、正確な計測ができません。
挿入位置を間違えた場合は、まず正常に動作しなくなるので注意してください。
イベントコードの種類、および設置場所を確認しておく
Facebookピクセルのイベントコードには、数多くの種類があります。
イベントコードの中には、必須のパラメーターを組み込まないと動作しないものもあるので、イベントコードの種類とパラメーターの組み合わせは必ずチェックしておきましょう。
パラメーターが足りなかったり、組み込むべきパラメーターを間違えていたりすると、Facebookピクセルはうまく動作しません。
必ずイベントコードとパラメーターの組み合わせをチェックし、Facebookピクセルを設置した後の動作確認も忘れずにおこなうようにしましょう。
まとめ
Facebookピクセルは、Facebook広告の配信やターゲティングなどの効果を最大限にするための便利な計測ツールです。
ユーザーの行動の分析から、広告配信時のターゲティング設定、リマーケティング広告の配信など、Facebook広告で成果を出していく上で無くてはならないもので、得られたデータからPDCAを回し、改善・改良に持っていくことができます。
Facebookピクセルの設置やカスタマイズには多少のコーディングスキルが必要ですが、システムエンジニアに要求されるような高いスキルは必要ありません。学ぶことに抵抗がない人なら、短期間で身に付けることができるでしょう。
既にFacebookピクセルを活用している現場でも、改めて見直すことで「気付かなかった問題点や改善点」に気付くこともあるので、興味のある方は今一度見直してみてください。
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