- 広告を配信したのに表示されないことがある
- 広告が配信されない原因を知りたい
- インプレッションシェアって聞いたことがあるけど詳しくはわからない
広告運用をしていて、このような疑問をもったことはありませんか?
広告は出稿したからといって必ず配信されるとは限りません。さまざまな理由により広告配信がストップすることがありますが、理由を知らないと広告が配信されないまま機会損失が生まれてしまいます。
そこで重要なのが「インプレッションシェア」です。
インプレッションシェアとは表示される可能性がある広告が、実際にどのくらい表示されたかを数値で可視化したものです。
この記事では「インプレッションシェア」の定義や仕組み、活用方法と改善策を解説していきますので、参考にしてみてください。
Yahoo! 広告の基礎知識を得たい方は、以下の記事「【入門】Yahoo!広告とは?始め方や出稿種類、費用や特徴など全て解説」にて詳しく解説しています。
また、Google広告に関してに関してさらに知見を深めたい!という方は、以下の記事に総括的にまとめてありますので、ぜひ読んでみてください。
また、ディスプレイ広告に関してに関してさらに知見を深めたい!という方は、以下の記事に総括的にまとめてありますので、ぜひ読んでみてください。
インプレッションシェアとは?
インプレッションシェアとは、表示可能だった広告の合計回数のうち、実際に表示された広告が占める割合を指します。
算出方法は以下のとおり。
インプレッションシェア率=広告が表示された回数÷表示が可能だった広告の合計回数×100 |
たとえばインプレッションシェア表示可能な広告の合計回数が1000回で、そのうち実際に表示された広告が800回だった場合、インプレッションシェアは80%です。現在のキャンペーンでは、機会損失が20%しかなく高い割合で広告の表示に成功しているといえます。
ただしインプレッションシェアに対する改善策を講じることで、あと20%の分だけ広告を表示できる余地があるとも判断可能。
そのため現在の広告の内容でどれだけの成果を挙げられているのか、またどれだけの改善が必要なのかを判断する材料として、インプレッションシェアは広告運用者にとって重要な指標となっています。
数値が高ければ高いほど機会損失が少ない状況を指し、広告に関連する検索やキーワードに対して広く広告が表示されています。反対にインプレッションシェアの数値が低ければ、機会損失が大きく発生しており、潜在的なチャンスを逃している可能性が高く、広告の改善や競合への対策が必要。
ただし常に100%を維持するのは難しいため、80~90%を目安にしてみましょう。
なお「表示が可能だった広告の合計回数(推定値)」は、ターゲット設定や入札単価、品質スコアをもとに算出。自社の広告に関連したキーワードの検索結果ではない点に注意しましょう。
インプレッションシェアの仕組み
インプレッションシェアはその日の広告オークションが対象であり、参加した複数の広告における品質などに基づいて算出されます。
なおインプレッションシェアの対象は、表示された広告のすべてに加えて広告が十分に表示可能と判断されたものです。
たとえば入札参加が2倍であれば広告の表示が可能であったものは対象。ただし10倍の入札単価に予算を引き上げなければ広告の表示が見込めないものは、インプレッションシェアの対象外となっています。
これは出稿した広告が他の広告と競合可能かどうかで推定され、同じキーワードや広告設定のライバルと戦えないと判断された広告はカウントされない仕組みです。
広告別インプレッションシェアと算出方法
ここではよく利用されている3つの広告について、インプレッションシェアの概要と算出方法について確認していきましょう。
- 検索広告
- ディスプレイ広告
- ショッピング広告
それぞれ「表示可能な総数に対しての、実際に表示された広告の回数の割合」という考えかたは同様ですが、どこに表示されたかによって計算方法が異なります。それぞれの特徴や算出方法をみていきましょう。
検索広告
検索広告のインプレッションシェアは、検索ネットワークで表示可能だった広告の総数に対して、実際に広告が表示された回数の割合です。
なお検索広告のインプレッションシェアは「ページ最上部」と「ページ上部」に対してのシェア率も確認可能。
「ページ最上部インプレッションシェア」とは、検索ネットワークにおける検索結果の広告枠の中でも、最上位に表示可能な広告の総数に対して、実際に表示された広告の回数の割合です。
広告の最上位は検索結果1位ということなので、他社の広告よりも優位な位置にいるかどうかを判断する基準にもなります。
算出方法は以下のとおり。
検索広告のページ最上部インプレッションシェア= 検索広告の最上部インプレッション数÷最上部に表示可能な広告のインプレッション数(推定値)×100 |
下記の記事ではさらに詳しく解説しているので、合わせてご覧ください。
一方で「ページ上位インプレッションシェア」とは、検索ネットワークにおける検索結果の広告枠の中でも、上位に表示可能な広告の総数に対して、実際に表示された広告の回数の割合です。
ページ最上部インプレッションシェアとは違い、オーガニック検索で上位の広告枠に表示されていればカウントされます。
検索広告のページ上部インプレッションシェア= 検索広告の上部インプレッション数÷上部に表示可能な広告のインプレッション数(推定値)×100 |
下記の記事ではさらに詳しく解説しているので、合わせてご覧ください。
ディスプレイ広告
ディスプレイ広告のインプレッションシェアは、ディスプレイネットワークにおける広告の表示機会総数に対して、実際に広告が表示された割合を指します。
ディスプレイ広告のインプレッションシェア= ディスプレイ広告が表示可能インプレッション数÷表示可能なディスプレイ広告のインプレッション数(推定値)×100 |
ショッピング広告
ショッピング広告のインプレッションシェアの算出方法は、検索広告と同様です。ただし広告主が同時に複数の広告を掲載する可能性も考慮して算出されています。
ショッピング広告のインプレッションシェア=検索ネットワークにおける広告が表示された回数÷表示が可能だった広告の合計回数×100 |
たとえば1つのアカウントで3つの広告を同時に掲載した場合。
広告A(広告ランク10)
広告B(広告ランク5)
広告C(広告ランク2)
3つの中で最も広告ランクの高いものに、広告の表示される機会が与えられます。そのため最初に掲載された広告Aがインプレッションシェアの対象となり、そのほかの広告のインプレッション数はカウントされない仕組みとなっています。
インプレッションシェアには他にも確認しておくべき指標はあります。合わせて参考にしてみてください。
インプレッションシェアで知っておくべき指標
インプレッションシェアはできる限り100%に近いほうが広告の表示回数が多いということなので、成果に繋がる可能性が高まります。
ゆえに重要なキーワードを設定している広告では、インプレッションシェアを獲得したいと考える人も多いはず。高いインプレッションシェアを得るには、表示されなかった回数(損失)について原因を知ることで、改善策を練ることができます。
ここではインプレッションシェア損失率(予算)と、インプレッションシェア損失率(ランク)について解説していきましょう。
インプレッションシェア損失率(予算)
インプレッションシェア損失率(予算)とは、予算不足が原因で広告が表示されなかった回数の割合です。なおGoogle広告においてはキャンペーン単位でのみ確認が可能となっています。
インプレッションシェア損失率(予算)が0%以上ということは「広告費用が不足したことで広告の表示が強制的にストップした状態」です。
せっかく広告を表示できるチャンスがあったにも関わらず、予算不足で広告が表示されなかった場合、それまでにかかった費用が無駄になってしまいます。そのため「インプレッションシェア損失率(予算)の発生は予算の無駄遣い」ともいえるのです。
基本的に1日の予算の上限を午前で使い切ってしまい、午後は予算上限に達したことで広告の配信がされなかった場合に、損失としてカウントされます。
しかし最近では上限に達しそうな場合、まんべんなく1日かけて予算を使うように自動で調整が入る仕組みとなっているので、いつの段階で予算が上限に達したのかはわかりにくいのが現状です。
そのため予算の上限に達したのかを確認するには「時間帯レポート」ではなく、インプレッションシェア損失率(予算)で損失が出ているかどうかを確認しましょう。
詳しくはこちらの記事もご覧ください。
インプレッションシェア損失(ランク)
インプレッションシェア損失率(ランク)とは、広告ランクが低いのが原因で広告が表示されなかった回数の割合です。
なお広告ランクは「入札単価×品質スコア+広告表示オプション」で計算され、ランクが低い要因は以下のものが考えられます。
- クリエイティブの質が低い
- 設定しているキーワードと広告内容の関連性が低い
広告ランクが低いということは、他社との競合に負けたということになります。そのため入札単価の見直しや品質スコアの改善が必要です。
詳しくはこちらもご覧ください。
インプレッションシェアの活用方法と改善策
インプレッションシェアの指標を確認することで、次の状況が把握可能。
- 予算による損失
- 広告ランクによる損失
どちらも機会損失による不利益になるので、改善策を参考にキャンペーンの見直しをしましょう。
予算による損失の把握
インプレッションシェア損失率(予算)を確認することで、設定している1日の予算が適正かどうかを知ることができます。
損失率が高くなると広告を表示できる可能性があるにも関わらず、予算不足によって広告が表示できなかったと判断できるので、機会損失を防ぐためにも次の対策を実施しましょう。
- 予算の引き上げ
- ターゲットの見直し
- 配信設定を行う
それぞれについて詳しく解説していきます。
キャンペーンの予算引き上げ
予算不足による損失は予算を増やすことで解消されます。
ただし予算を増額しつづけると広告費が膨らんでしまい、決まった予算の中で納めるのが難しくなってしまうケースもあるでしょう。
そのため広告費の予算増額については必ずしも良い結果だけがでるとは限らないので、広告内容など費用対効果の改善もしていく必要があります。
ターゲットの見直し
ターゲットを見直すことで、予算の無駄使いを事前に防げます。
意図しないユーザーに広告が表示されたりクリックされたりすることでも、無駄な広告費が発生してしまい、設定した日予算の上限に達する原因になりかねません。
そうならないためにも、広告内容に興味関心があるユーザーにピンポイントで広告を表示できるように、登録するキーワードやキーワードのマッチタイプの設定を変更しましょう。
またオーディエンスリストの精度を高めることも、クリック率やコンバージョン率の改善に有効的です。
配信設定を行う
リスティング広告では下記の配信設定が可能です。
- デバイスごとの入札の調整
- 時間帯や曜日ごとの配信スケジュールの調整
- 配信先の地域や範囲の設定
Google広告では「モバイル・パソコン・タブレット・テレビ」の4つの項目で入札価格の調整ができます。広告内容のターゲットがよく利用するデバイスに焦点をあてて広告を配信することで、無駄なコスト削減に繋がるでしょう。
また同様に配信する時間や地域を限定することで、費用対効果が良くなり予算による損失の減少も見込めます。
広告ランクによる損失の把握
インプレッションシェア損失率(ランク)が発生した場合は、配信している広告ランクが低いことを具体的な数値で把握できます。
広告ランクは広告の品質や入札単価を上げることで解消。広告ランクが高ければ高いほど上位掲載されやすくなるので、広告ランク向上は広告運用では欠かせないものです。
損失の改善には具体的には、次の3つのポイントを抑えて改善してみましょう。
- 入札単価や自動入札の目標値の引き上げ
- 広告内容の改善
- アカウント構成の見直しを検討
それぞれについて詳しく解説していきます。
入札単価や自動入札の目標値の引き上げ
広告ランクを算出するための要因のひとつが「入札単価や自動入札の目標値」です。
入札単価を引き上げることで広告ランクの改善に繋がるとされており、広告ランクの高いものは上位表示される機会も高まります。
また入札単価の引き上げは同時に予算の引き上げにもなるので、インプレッションシェア損失率(予算)の改善にも繋がります。
ただし予算オーバーにはならないように、広告費に限度がある場合には注意が必要です。
広告内容の改善
ユーザーにとって関連性の高い広告文を追加したり、キーワードと結びつきの強いリンクへの誘導をするなど、広告内容を改善することで広告の露出を増やせる可能性が高まります。
ユーザーの目に留まる機会が増やせれば広告ランク向上にも繋がり、さらにインプレッションシェア損失率(ランク)の改善にもなります。
アカウント構成の見直しを検討
キャンペーン内や広告グループの中に、損失率を改善させたい広告と関連が低い広告が多くある場合には、アカウントの構成自体の見直しが必要です。
たとえば「キーボード」というキーワードの広告グループの中で、広告文が「パソコン周辺機器おすすめ〇〇選」といった内容だった場合。
パソコン周辺機器を探しているユーザーの中には、キーボード以外にもスピーカーやマウスを検索している人もいます。そのため「キーボード」で検索しているユーザーをターゲットに訴求するのは難しいでしょう。
ゆえに広告グループと広告文でミスマッチが生まれてしまい、結果広告ランクの低下を招いてしまいます。
この場合「キーボードおすすめ〇〇選」といった形で、広告グループと広告文の関連性を見直すことで、広告ランク向上が見込めてインプレッションシェア損失率(ランク)の改善にも繋ります。
インプレッションシェアのデータ表示方法
ここでが代表的な「Google広告」と「Yahoo!広告」のインプレッションシェアの確認方法をご紹介します。
Google広告での確認方法
Google広告でのインプレッションシェアのデータ表示方法は以下のとおり。
- Google広告の管理画面にログイン
- 「キャンペーン」アイコンをクリック
- 右側の「表示項目」アイコンを選択
- 「表示項目の変更」をクリック
- 「競合指標」のメニューから確認したい項目にチェック
Google広告では上記の手順で、管理画面上でのインプレッションシェアの詳細を確認できます。
Yahoo!広告での確認方法
Yahoo!広告でのインプレッションシェアの確認方法は以下のとおりです。
- キャンペーン画面から「表示タブ」を選択
- 「表示項目の編集」を選択
- 選択肢の中から確認したい項目にチェック
Yahoo!では、画面上で過去のデータをグラフでみることはできません。過去の推移を確認するには、レポートの出力が必要です。なおレポートの出力方法は次のとおり。
- Yahoo!広告の管理画面で「スポンサードサーチ」を選択
- 「レポート>パフォーマンスレポート」をクリック
- 「+新規レポートを作成」をクリック
- 画面上部の「キャンペーンレポート」と表示したい項目を選択
- 集計期間と表示対象を選択して「作成」ボタンをクリック
上記の手順で作成されたレポートデータをもとに、エクセル等でグラフ化することで過去のデータをわかりやすく可視化できます。
またYahoo!広告のインプレッション損失率については、下記の記事も合わせてご覧ください。
インプレッションシェアを定期的に確認しよう
インプレッションシェアとは、表示可能な広告の総回数のうち実際に表示された回数の割合です。
配信したすべての広告がユーザーに表示されれば高い費用対効果を期待できますが、予算不足や広告ランクが低いことが原因で表示されないケースがあります。そういった時に確認すべき指標が「インプレッションシェア損失率」です。
機会損失の原因を「予算」と「広告ランク」でそれぞれ確認できるので、対策も練りやすくなっています。
また定期的にインプレッションシェアを確かめることで無駄なコストを削減できるので、分析の際には必ず確認するようにしましょう。
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