ぶっちゃけ「知識」が必要なのではなく、今すぐ結果が欲しい!という方へ

人工知能(LLM)を駆使した広告運用マシンをα版につき大幅割引でご提供します*α版につき、定員に達し次第締め切ります。

宣伝失礼しました。本編に移ります。

2020年10月にLINE社から、ウェブサイト上でのユーザー行動を計測できる機能「LINE Tag」がリリースされました。このLINE Tagの登場により、LINE広告やLINE公式アカウントのメッセージ配信をきっかけに、どれだけのユーザーがウェブサイトへアクセスし、商品の購入やサービスの申し込みといった「コンバージョン」に至ったのか、その成果を正確に数値で把握することが可能になりました。獲得型広告において、投下した広告費用に対する効果を可視化し、改善のサイクルを回していく上で、このLINE Tagは今や欠かすことのできない心臓部と言えるでしょう。しかし、一方でApple社のITP(Intelligent Tracking Prevention)に代表されるプライバシー保護の潮流は、従来のCookieを利用した計測を困難にしており、LINE Tagをただ設置するだけでは、その効果を最大限に引き出すことはできません。本記事では、LINE Tagの基本的な役割や設定方法はもちろんのこと、ITP時代における正確な計測を維持するための最新の対策、さらには広告成果を最大化するための具体的な活用シナリオまで、網羅的かつ実践的に解説してまいります。

【2025年完全版】LINE広告の費用対効果を最大化する運用戦略|獲得特化の教科書
2023-04-20 00:59
LINEは、今や日本のコミュニケーションインフラとして、私たちの生活に深く根付いています。月間アクティブユーザー数は9,600万人(2023年9月末時点)を超え、その圧倒的な利用者...

LINE Tag とは?広告成果を最大化する計測の心臓部

「LINE Tag」とは、自社のウェブサイトに訪問したユーザーの行動履歴を計測するために、LINE社が提供するJavaScriptのコード(タグ)を指します。このタグをウェブサイトの指定された箇所に設置することで、LINE広告やLINE公式アカウントを経由してサイトを訪れたユーザーが「どのページを見たか」「商品を購入したか」「問い合わせフォームを送信したか」といった具体的なアクションをデータとして捉えることが可能になります。単に広告がクリックされた回数だけでなく、そのクリックが最終的な事業成果であるコンバージョンにどれだけ結びついたかを計測できるため、広告運用の費用対効果(ROAS)を正確に把握し、データに基づいた改善アクションへと繋げることがLINE Tagの根源的な役割です。LINE社の公式ドキュメントでは以下のように定義されています。

LINE公式アカウントから配信されたメッセージの成果(コンバージョン)を確認できる機能です。計測したいウェブサイトに指定のタグを設置することで、LINE公式アカウントの友だちがとった行動(「購入」や「会員登録」など)を計測することができ、メッセージ配信の最適化をはかることができます。※LINE広告と共通の仕様となります。LINE広告をご利用の場合、共有設定をしていただくことで相互のデータ利用が可能です。

引用元:LINE Tag-LINE for Business

この公式説明の通り、LINE TagはLINE広告とLINE公式アカウントで共通の仕様となっており、データを連携させることで、より多角的で精度の高い広告運用が実現します。例えば、LINE公式アカウントから配信したメッセージ経由で商品ページを閲覧したものの購入には至らなかったユーザーに対し、後日LINE広告で同じ商品のリマインド広告を配信するといった、一貫性のあるアプローチが可能になるのです。これは獲得型広告において、一度接点を持った見込みの高いユーザーを逃さず、コンバージョンへと導くために極めて有効な手法です。

LINE Tagの2大核心機能:正確な効果測定と精緻なターゲティング

LINE Tagを設置することで得られるメリットは多岐にわたりますが、獲得型広告の観点から特に重要なのは「配信効果の精密な計測」と「リターゲティングに必要なオーディエンス作成」という2つの核心的な機能です。これらは広告運用のPDCAサイクルを回し、成果を最大化するための両輪となります。

LINE TagはLINE広告とLINE公式アカウントで利用可能

1. 配信効果の精密な計測(コンバージョン測定)

獲得型広告における最大の目的は、広告費を投下して最終的な成果、すなわちコンバージョン(商品購入、サービス申込、資料請求など)を獲得することです。LINE Tagをコンバージョンが完了するページ(例:購入完了ページ、申込完了ページ)に設置することで、どの広告キャンペーンの、どの広告クリエイティブが、いくらの費用(CPA:Cost Per Action)で1件のコンバージョンを獲得できたのかを正確に計測できます。例えば、AとB、2つの異なる広告クリエイティブを配信した結果、クリック率はAが高かったとしても、実際の購入に繋がっているのはBの方が多い、というケースは頻繁に起こり得ます。LINE Tagによるコンバージョン計測がなければ、クリック率という中間指標だけで判断し、本来成果の低いAのクリエイティブに予算を投下し続けてしまうかもしれません。LINE Tagは、こうした機会損失を防ぎ、本当に成果に繋がる広告に予算を集中させるための、客観的な判断材料を提供します。これにより、広告担当者はCPAやROAS(Return On Advertising Spend:広告費用対効果)といった重要なKPIを常に監視し、入札価格の調整やクリエイティブの改善、ターゲティングの見直しといった具体的なアクションを迅速に行えるようになります。

2. リターゲティングに必要なオーディエンス作成

「リターゲティング」とは、一度自社のウェブサイトを訪れたことのあるユーザーに対して、再度LINE広告を配信する追跡型の広告手法です。一般的に、全く自社を知らないユーザーに比べて、一度サイトを訪れたユーザーは商品やサービスへの関心度が高く、コンバージョンに至る可能性も高いとされています。LINE Tagは、このリターゲティング広告を配信するための「オーディエンス(広告の配信対象リスト)」を作成する上で不可欠な役割を担います。例えば、以下のような条件でオーディエンスを作成し、それぞれに最適化された広告を配信することが可能です。

  • ウェブサイト全体に訪問したユーザー
  • 特定の商品詳細ページを閲覧したユーザー
  • 商品をカートに追加したものの、購入せずに離脱したユーザー(カゴ落ちユーザー)
  • 料金プランのページを閲覧したユーザー
  • 過去30日以内に購入したユーザー(アップセル・クロスセルの対象)

このように、ユーザーのサイト内での行動履歴に基づいてオーディエンスを細分化し、それぞれの興味関心の度合いに応じたメッセージを広告として届けることで、画一的な広告配信に比べて圧倒的に高いコンバージョン率を期待できます。LINE Tagは、こうした精緻なターゲティングを実現するための元データを収集する、まさに「センサー」の役割を果たすのです。

LINE Tagで友だちの行動を分析

【構造理解】LINE Tagを構成する3つのコードの役割と連携

LINE Tagは、単一のコードではなく、目的別に役割が異なる3種類のコードで構成されています。これらのコードを正しく理解し、適切に設置することが、正確なデータ計測の第一歩となります。3つのコードとは「ベースコード」「コンバージョンコード」「カスタムイベントコード」です。それぞれの役割と関係性を正しく把握しましょう。

LINE Tagの3種類のコード

LINE Tagの種類別の役割詳細

これら3つのコードは、それぞれが独立して機能するのではなく、ベースコードを土台として、その上にコンバージョンコードやカスタムイベントコードが連携して動作する仕組みになっています。以下に、それぞれの役割をより詳しく解説します。

LINE Tag の種類 詳細
ベースコード (必須) 役割:ウェブサイト全体のユーザー行動を計測する「土台」となるコード。
ベースコードは、LINE Tagを利用した計測を行うすべてのウェブページの<head>タグ内に設置する必要があります。このコードが設置されていなければ、後述するコンバージョンコードやカスタムイベントコードは一切機能しません。ウェブサイトを訪れたユーザーのページ閲覧情報(どのページをいつ見たか)や、LINEが付与するユーザー識別子などの基本的なデータを収集する役割を担います。まさに、家を建てる際の基礎工事に相当する、最も重要で基本的なコードです。
コンバージョンコード (任意) 役割:最終的な成果(コンバージョン)地点を計測する「ゴール」のコード。
コンバージョンコードは、広告運用の最終目的となるアクションが完了したページ、例えば商品購入後の「サンクスページ」や、問い合わせ完了後の「完了ページ」などに設置します。このコードが実行されると、LINE広告の管理画面上で「コンバージョンが1件発生した」と記録されます。設置する際は、必ずベースコードとセットで、ベースコードの直後に記述することが推奨されています。このコードによって、CPAやROASといった重要な広告成果指標を計測することが可能になります。
カスタムイベントコード (任意) 役割:コンバージョン以外の中間的なユーザー行動を計測する「応用」のコード。
カスタムイベントコードは、コンバージョンには至らないものの、広告成果を測る上で重要となる特定のアクション(イベント)を計測するために使用します。例えば、「商品をカートに追加する」「特定のボタンをクリックする」「動画を再生する」といった行動をトラッキングできます。このコードで計測したデータは、より詳細なリターゲティングオーディエンスを作成するために活用されます。例えば、「商品をカートに追加したが購入しなかったユーザー」だけに特別な割引クーポンを提示する広告を配信するなど、ユーザーの行動段階に合わせたきめ細やかなアプローチを実現します。こちらもベースコードとセットで設置する必要があります。

【最重要課題】ITP時代を乗り越えるLINE Tagの計測維持戦略

LINE Tagの強力な機能を解説してきましたが、現代のウェブ環境において、その能力を100%発揮させるためには避けて通れない大きな課題が存在します。それが、Apple社がSafariブラウザに搭載しているトラッキング防止機能「ITP(Intelligent Tracking Prevention)」です。このITPは、ユーザーのプライバシーを保護する目的で、ウェブサイトを横断したユーザー追跡に利用されるCookieの機能を制限します。これにより、LINE Tagが依存しているCookieベースの計測が阻害され、コンバージョンが正しく計測されない、リターゲティングオーディエンスが正常に蓄積されないといった問題が深刻化しています。これは獲得型広告において、成果の正確な把握と機会損失に直結する致命的な問題です。しかし、LINE社もこの問題に対応するための公式な対策を提供しています。ここでは、ITPの影響を乗り越え、計測精度を維持するための最新戦略を解説します。

ITP(Intelligent Tracking Prevention)がLINE広告計測に与える致命的な影響

ITPは、バージョンアップを重ねるごとにその制限を強化しています。特に広告運用者に影響が大きいのは、LINE Tagが発行するサードパーティCookieの有効期間が大幅に短縮される(場合によっては即時削除される)点です。広告をクリックしてからコンバージョンに至るまでの期間が長い商材(例えば、高価格帯の商品やBtoBサービスなど)では、ユーザーが購入を決意する前にCookieの有効期限が切れてしまい、いざコンバージョンしても広告の成果として計測されない「計測漏れ」が多発します。計測漏れが発生すると、CPAが実態よりも高く算出されたり、ROASが低く見積もられたりするため、広告運用の意思決定を誤らせる原因となります。効果が出ている広告キャンペーンを「効果なし」と判断して停止してしまう、といった事態も起こりかねません。この問題に対処するため、LINE社はCookieだけに依存しない計測方法を提供しています。

LINE社の公式対策①:詳細マッチング(自動/手動)の活用

「詳細マッチング」とは、ウェブサイト側で取得したユーザーのメールアドレスや電話番号といった情報を、ハッシュ化(暗号化)した上でLINEに送信し、LINEが保持するユーザーデータと照合(マッチング)させることでユーザーを特定する仕組みです。Cookieが利用できない場合でも、このマッチングによってユーザーを特定し、コンバージョントラッキングの精度を補完することができます。例えば、ユーザーが会員登録や購入フォームに入力したメールアドレスを利用して、そのユーザーが過去にLINE広告をクリックしていたかを判定します。ユーザーデータはハッシュ化されるため、プライバシーにも配慮された仕組みとなっています。この詳細マッチングには、LINE Tagが自動で情報を取得する「自動詳細マッチング」と、ウェブサイト側で明示的に情報を指定して送信する「手動詳細マッチング」があります。導入することで、ITP環境下でも計測の精度を大幅に向上させることが期待できます。

LINE社の公式対策②:LINE Conversion API (CAPI)の導入

ITP対策として現在最も強力かつ推奨されているのが「LINE Conversion API(CAPI)」の導入です。CAPIは、ユーザーのブラウザを介さず、広告主のサーバーから直接LINEのサーバーへコンバージョンデータを送信する仕組みです。ブラウザ上で動作するLINE Tagとは異なり、サーバー間の通信であるため、ITPのようなブラウザ側のCookie制限の影響を一切受けません。これにより、計測漏れを最小限に抑え、極めて精度の高いコンバージョン計測を実現します。CAPIの導入には、サーバーサイドでの開発が必要となるため、LINE Tagの設置に比べて技術的なハードルは上がりますが、その効果は絶大です。特に、正確なROASの把握が事業の根幹をなすECサイトや、検討期間が長い高額商材を扱うビジネスにおいては、導入が強く推奨されます。なお、CAPIはLINE Tagを完全に置き換えるものではなく、LINE TagとCAPIを併用することがLINE社から推奨されています。両方を導入した場合、同一のコンバージョンが二重で計測されることを防ぐための重複排除の仕組みも提供されているため、安心して利用を開始できます。

【実践編】LINE公式アカウントでのLINE Tag の使い方、設定方法

ここからは、実際にLINE TagをLINE公式アカウントで利用する際の設定手順を具体的に解説していきます。LINE公式アカウントの管理画面(LINE Official Account Manager)から操作を行います。

LINE Tagの利用開始画面

まず、LINE公式アカウントのPC版管理画面にログインし、左側のメニューから「ツール」を選択、その中にある「トラッキング(LINE Tag)」をクリックします。初めて利用する場合は、「LINE Tagの利用を開始する」というボタンが表示されますので、クリックして利用を開始します。この際、「LINE Tag利用ガイドライン」への同意が求められますので、内容を必ず確認してください。利用開始のボタンをクリックすると、LINE Tagの各種コードを発行・管理できる画面へと遷移します。

LINE公式アカウントでのLINE Tagの取得方法

トラッキング画面では、LINE Tagのステータスの確認や、各種コードの取得ができます。画面はいくつかのセクションに分かれており、それぞれの意味を正しく理解することが重要です。

LINE Tagのトラッキング画面

①トラッキング
このスイッチが「オン」になっている間、LINE Tagによる計測が有効になります。デフォルトでは「オン」の状態です。計測を一時的に停止したい場合は「オフ」に切り替えますが、オフにしている間に発生したイベントはコンバージョンの計測対象外となるため注意が必要です。

②LINE Tagの共有
このスイッチを「オン」にすると、このLINE公式アカウントに紐づく全てのLINE広告アカウントとLINE Tagで取得したデータ(オーディエンス情報など)が共有されます。LINE広告と連携してリターゲティングなどを行いたい場合は、必ず「オン」に設定してください。

③ステータス
設置したタグの動作状況を確認できるエリアです。「ベースコード」や設定した「イベントコード」が一覧で表示されます。ステータスの項目が「利用可能」となっていれば、タグが正常に動作していることを示します。タグを設置してから7日間以上動作が確認できない場合は「停止中」と表示されます。「最終受信」では、最後にタグが動作した日時が確認でき、デバッグの際に役立ちます。

④ベースコード
ウェブサイトの全ページに設置が必要な「ベースコード」をコピーするためのエリアです。「コピー」ボタンをクリックすると、クリップボードにコードがコピーされます。

⑤イベントコード
「コンバージョンコード」や「カスタムイベントコード」を取得・設定するためのエリアです。ここから特定のコンバージョンやイベントを定義し、対応するコードを発行します。

LINE公式アカウントでの計測の設定方法

コンバージョンを計測する方法には、主に「コンバージョンコード」を直接設置する方法と、「カスタムコンバージョン」を管理画面上で設定する方法の2種類があります。それぞれの設定方法を解説します。

コンバージョンコードによる計測

最も基本的な計測方法です。まず、コンバージョン地点となるページ(例:商品購入完了ページ)を決定します。次に、上記のトラッキング画面⑤のイベントコードセクションで、コンバージョンの種類(例:Purchase)を選択し、対応する「コンバージョンコード」を取得します。取得したコンバージョンコードを、コンバージョン地点となるページのHTMLソース内に、すでに設置したベースコードの直後に貼り付けます。これで、ユーザーがそのページに到達するたびにコンバージョンが計測されるようになります。

LINE Tagのコンバージョンコード設置例

コードを設置する際は、余計な改行や空白が入らないように注意が必要です。特にコピー&ペーストで設置する際は、コードが変形してしまわないかテキストエディタなどで一度確認することを推奨します。

カスタムコンバージョンによる計測

カスタムコンバージョンは、特定のURLへのアクセスをコンバージョンとして定義する機能です。コンバージョンコードをウェブサイトに直接追加設置することなく、管理画面上の設定だけでコンバージョン計測が可能になるため、HTMLの編集が難しい場合に便利です。例えば、「`/thankyou.html`」というURLのページをコンバージョン地点と定めたい場合、このURLをカスタムコンバージョンとして設定します。これにより、ベースコードが設置されているサイトで、ユーザーがこのURLにアクセスするたびにコンバージョンとして計測されます。複数のURLをOR条件やAND条件で組み合わせることも可能で、柔軟なコンバージョン設定が実現できます。

カスタムコンバージョンの設定画面

設定手順は以下の通りです。

  1. 分析タブから「カスタムコンバージョン」を選択し、「作成」ボタンをクリックします。
  2. ① どのアカウントのタグを利用するかを選択します。
  3. ② コンバージョン名を入力します。(例:「商品A購入完了」など分かりやすい名前)
  4. ③ 説明を入力します。(任意)
  5. ④ 有効期間を設定します。1日から180日の間で、コンバージョンとして計測する期間を設定します。
  6. ⑤ マッチング方法で「URL」を選択します。
  7. ⑥ 対象となるページのURLを入力します。「次と等しい」「次を含む」などの条件を指定でき、最大20個までURLを登録可能です。
  8. ⑦ 設定が完了したら「保存」をクリックします。

保存後、編集できるのは「コンバージョン名」と「説明」のみとなりますので、URLの設定などは慎重に行う必要があります。

【実践編】LINE広告での LINE Tag の使い方、設定方法

次に、LINE広告の管理画面(LINE Ads Manager)におけるLINE Tagの設定方法を解説します。基本的な考え方はLINE公式アカウントの場合と同様ですが、広告運用に特化した設定項目も存在します。LINE Tagは、広告アカウントを作成した後に取得・設置が可能になります。

LINE広告でのLINE Tagの取得方法

LINE広告の管理画面にログインし、左上のメニュー(三本線のアイコン)をクリックし、「レポートと計測」の項目内にある「トラッキング(LINE Tag)」を選択します。すると、LINE Tagの管理画面が表示され、「ベースコード」「コンバージョンコード」「カスタムイベントコード」の3種類のコードを取得できます。それぞれのコードをコピーし、ウェブサイトに設置します。

LINE広告のトラッキングメニュー

LINE広告での計測の設定方法

コードの設置ルールはLINE公式アカウントの場合と共通です。それぞれのコードを適切な場所に設置することが重要です。

ベースコードの設置

ベースコードは、計測対象となる全てのウェブページのHTMLソース内、<head>タグの終了直前に設置します。これにより、サイト全体のページビューやユーザー行動の基礎データを収集します。後述するGoogleタグマネージャーを利用すると、この設置作業を効率化できます。

コンバージョンコードの設置

コンバージョンコードは、購入完了ページや申込完了ページなど、コンバージョン地点となる特定のページに、ベースコードとセットで設置します。LINE社はベースコードの直下への設置を推奨していますが、HTMLの構造上難しい場合でも、ベースコードがコンバージョンコードよりも先に読み込まれる順番になっていれば、計測自体は問題なく行われます。

カスタムイベントコードの設置

カスタムイベントコードも、コンバージョンコードと同様に、計測したい特定の行動が発生するページにベースコードとセットで設置します。「カートに追加」ボタンがクリックされた際にイベントを発火させるなど、より動的な設定も可能です。ベースコード、コンバージョンコード、カスタムイベントコードの3つを同一ページに設置することも可能ですが、その場合でもベースコードの設置は1ページにつき1つのみです。

【推奨】Googleタグマネージャー(GTM)を利用した効率的な設置

ウェブサイトに直接コードを記述する方法は単純ですが、タグの種類が増えたり、修正が必要になったりした場合に、その都度HTMLを編集するのは手間がかかり、ミスも発生しやすくなります。そこで強く推奨されるのが、Googleタグマネージャー(GTM)を利用したタグ管理です。GTMを使えば、HTMLを直接編集することなく、管理画面上から様々なタグの追加や更新、公開・停止のコントロールができます。LINE TagもGTMを用いて効率的に管理することが可能です。

GTMでLINE Tagを設置する手順

  1. ベースコード用のタグを作成:GTMの管理画面で「タグ」メニューから「新規」を選択します。「タグの設定」で「カスタムHTML」を選び、LINE広告管理画面からコピーした「ベースコード」を貼り付けます。
  2. ベースコード用のトリガーを設定:次に「トリガー」を設定します。ベースコードは全ページで読み込む必要があるため、「All Pages(すべてのページ)」を選択します。これで、サイト内のどのページが表示されてもベースコードが実行されるようになります。
  3. コンバージョンコード用のタグを作成:同様に、コンバージョンコード用のタグを「カスタムHTML」で作成します。LINE広告管理画面からコピーした「コンバージョンコード」を貼り付けます。
  4. コンバージョンコード用のトリガーを設定:コンバージョン用のトリガーは、特定のページでのみタグを実行するように設定します。例えば、「トリガーのタイプ」で「ページビュー」を選択し、「一部のページビュー」を選びます。そして、「Page URL」「が次と等しい」「https://example.com/thankyou.html」(購入完了ページのURL)のように、コンバージョン地点のURLを指定します。
  5. 公開:設定が完了したら、GTMの管理画面右上にある「公開」ボタンを押し、変更を本番環境に反映させます。

カスタムイベントコードも同様の手順で、クリックイベントなどをトリガーとして設定することが可能です。GTMを導入することで、マーケティング担当者がエンジニアに依頼することなく、迅速かつ安全にタグの管理を行えるようになり、施策のスピードを大幅に向上させることができます。

【運用必須】設置後の動作確認とデバッグ(問題解決)

LINE Tagを設置した後は、それが正しく動作しているかを必ず確認する必要があります。計測ができていなければ、これまでの設定がすべて無駄になってしまいます。ここでは、主な動作確認方法と、問題が発生した際のデバッグ方法を解説します。

管理画面でのステータス確認

最も簡単な確認方法は、LINE広告またはLINE公式アカウントのトラッキング管理画面を見ることです。設置したタグの「ステータス」が「利用可能」になっていれば、タグは正常に信号を受信しています。設置直後は「準備中」や「受信なし」と表示されることがありますが、自分でサイトにアクセスしてタグを数回発火させた後、時間をおいて確認するとステータスが更新されます。もし長時間「停止中」のままであれば、設置方法に誤りがある可能性が高いです。

Chrome拡張機能「LINE Tag Helper」の活用

より能動的かつ詳細に動作確認を行いたい場合は、LINE社が公式に提供しているGoogle Chromeの拡張機能「LINE Tag Helper」の利用が非常に便利です。この拡張機能をChromeにインストールして有効にした状態で自社のウェブサイトにアクセスすると、LINE Tagが正しく設置され、正常に動作しているかをリアルタイムで確認できます。どのページでどのイベントが発火したか、ベースコードのIDは正しいか、エラーは発生していないか、といった情報をデベロッパーツール上で詳細に確認できるため、問題発生時の原因特定に絶大な効果を発揮します。

LINE Tag利用における注意点とよくある質問(FAQ)

最後に、LINE Tagを利用する上での注意点や、運用担当者からよく寄せられる質問についてまとめます。

短縮URLは計測できない可能性がある

広告のリンク先URLなどに、URL短縮サービスを利用している場合、リダイレクトの過程で計測に必要な情報が失われ、コンバージョンが正常に計測されない、またはオーディエンスデータが正しく蓄積されない可能性があります。特別な理由がない限り、LINE広告の遷移先には正規のURLを設定することを推奨します。

外部システムからの配信やリッチメニューからの計測について

LINE公式アカウントにおけるLINE Tagでのコンバージョン計測は、原則として「メッセージ配信」機能から送られたメッセージ内のリンクを経由した場合に限定されます。そのため、APIを利用した外部のMAツールからの配信や、トーク画面下部に固定表示されるリッチメニュー、LINE VOOM(旧タイムライン)への投稿からのウェブサイト遷移は、直接のコンバージョン計測対象外となる点に注意が必要です。(ただし、これらの経路からのアクセスもリターゲティングオーディエンスには含まれます)。

よくある質問(FAQ)

Q1. LINE Tagの設置に料金はかかりますか?
A1. いいえ、LINE Tagの利用自体は無料です。LINE広告やLINE公式アカウントの利用料金のみで、追加費用はかかりません。

Q2. CAPIとLINE Tagを併用した場合、コンバージョンは二重に計測されませんか?
A2. いいえ、二重計測はされません。LINE TagとCAPIの両方から同じコンバージョンイベントが送信された場合、LINEのシステム側でイベントIDなどを元に重複を排除する仕組みが備わっていますので、安心して併用いただけます。

Q3. タグを設置したのに、管理画面のステータスが「停止中」のままです。
A3. いくつかの原因が考えられます。①ベースコードが正しく全ページに設置されていない、②コードをコピー&ペーストした際に一部が欠けたり変形したりしている、③GTMの設定でトリガーが間違っている、などが主な原因です。「LINE Tag Helper」を利用して、タグが実際にページで読み込まれているかを確認してください。

まとめ:LINE Tagは広告成果を左右する生命線

今回は、獲得型広告の成果を最大化するために不可欠な「LINE Tag」について、その基本的な機能から、ITP時代に対応するための最新の計測戦略、具体的な設定方法、そして実践的な活用シナリオまでを網羅的に解説いたしました。LINE Tagは、もはや単なる効果測定ツールではありません。データに基づいた広告運用を行い、投下した予算から得られるリターンを最大化するための、まさに「生命線」とも言える存在です。特に、Cookieによるトラッキングが困難になった現代において、Conversion APIの活用なども視野に入れ、常に計測環境を最適に保つ努力が、競合他社との差別化に繋がります。まだLINE Tagを未設定の場合、あるいは設置したまま最適化ができていない場合は、本記事を参考に、ぜひ早急な対応をおすすめします。「LINE Tag」を最大限に活用し、PDCAサイクルを高速で回すことで、より効率的で成果の高い広告施策を実現していきましょう。



当社では、AI超特化型・自立進化広告運用マシン「NovaSphere」を提供しています。もしこの記事を読んで
・理屈はわかったけど自社でやるとなると不安
・自社のアカウントや商品でオーダーメイドでやっておいてほしい
・記事に書いてない問題点が発生している
・記事を読んでもよくわからなかった
など思った方は、ぜひ下記のページをご覧ください。手っ取り早く解消しましょう

▼AI超特化型・自立進化広告運用マシンNovaSphere▼

この記事が少しでもためになったらいいねを押してください

Twitterも頑張ってます!よかったらフォローしてください

おすすめの記事