宣伝失礼しました。本編に移ります。
Google広告の運用において、広告パフォーマンスの最大化は常に追求すべき命題です。数多くの広告表示オプション(現:アセット)が存在する中で、広告テキストの情報を無料で、かつ効果的に拡張できる「構造化スニペット」は、獲得型広告の成果を左右する重要な機能の一つです。しかしながら、「名前が専門的に聞こえる」「設定が複雑そう」といった理由から、その強力なポテンシャルを十分に活用しきれていない広告運用者の方も少なくないのではないでしょうか。この記事では、構造化スニペットの基本的な概念から、その戦略的な活用法、厳格なポリシーの詳細、そして具体的な設定手順に至るまで、あらゆる側面を網羅的に、そして深く掘り下げて解説していきます。まだ構造化スニペットを導入されていない方、あるいは既に利用しているものの今ひとつ効果を実感できていない方は、本記事を参考に、自社の広告アカウントのパフォーマンスを一段階上へと引き上げるための具体的なアクションプランを描いてみてください。

Google広告の「構造化スニペット」とは? 仕組みと目的を解き明かす
まず、構造化スニペットの基本的な定義と、その役割について正確に理解することから始めましょう。構造化スニペットは、Google広告が提供するアセット(旧:広告表示オプション)の一種であり、広告の主要な構成要素である「見出し」と「説明文」に加えて、特定の商品やサービス群の「範囲」や「種類」を補足情報として提示するための機能です。具体的には、「ヘッダー」と呼ばれる predefined なカテゴリ(例:「サービス」「ブランド」など)と、それに対応する複数の「値(リスト)」の組み合わせで表示されます。この機能は、Yahoo!広告における「カテゴリ補足オプション」と機能的に類似していますが、本稿ではGoogle広告の構造化スニペットに焦点を当てて詳述します。構造化スニペットを深く理解するために、以下の各項目について、順を追って詳細に解説していきます。
- 構造化スニペットは「ヘッダー」と「値(リスト)」で構成される
- 広告とオーガニック検索、2つの「スニペット」の決定的違い
- 13種類の各ヘッダーの戦略的活用法と具体例
- 構造化スニペットの表示ロジック:2つの重要な条件
- 混同しやすいアセット「コールアウト表示オプション」との明確な違い
構造化スニペットは「ヘッダー」と「値(リスト)」で構成される
構造化スニペットの最も基本的な構造は、「ヘッダー」と、それに関連付けられた複数の「値(リスト)」から成り立っています。このシンプルな構造が、ユーザーに対して情報を整理し、分かりやすく伝える上で極めて効果的に機能します。広告主は、Googleによって予め定義された13種類の「ヘッダー」の中から、自社の商材や広告の文脈に最も合致するものを選択します。そして、その選択したヘッダーのテーマに沿った具体的な情報を「値」として複数設定します。Googleの公式な推奨では、1つのヘッダーに対して最低でも3つ以上の値を設定することが求められていますが、効果を最大化するためには4つ以上の設定が望ましいとされています。
【ヘッダーの種類】 おすすめのホテル/コース/サービス/スタイル/タイプ/ブランド/モデル/学位プログラム/周辺地域/設備/到着地/番組/保険の保障 |
例えば、デジタルマーケティング支援を提供する企業が広告を出稿するケースを考えてみましょう。この企業が構造化スニペットとして以下の設定を行ったとします。
ヘッダー:サービス
値:広告運用代行, SEOコンサルティング, MEO対策, LPO改善, SNSマーケティング
この広告を目にしたユーザーは、広告見出しや説明文から得られる情報に加えて、「この会社が具体的にどのようなサービスラインナップを持っているのか」を瞬時に、かつ網羅的に把握することができます。広告をクリックする前に、提供されているサービスの全体像を理解できるため、ユーザーは自身のニーズと広告主の提供価値が合致しているかをより正確に判断できます。結果として、コンバージョンに至る可能性の低い無駄なクリックを抑制し、広告費用の効率化、すなわちCPA(顧客獲得単価)の改善に直結するのです。
広告とオーガニック検索、2つの「スニペット」の決定的違い
「スニペット」という言葉は、Webマーケティングの領域で広く使われていますが、実は「広告」の文脈と「オーガニック検索(SEO)」の文脈では、その意味するところが大きく異なります。この違いを理解することは、デジタルマーケティング戦略全体を俯瞰する上で非常に重要です。Google広告の構造化スニペットは、前述の通り、広告主が意図的に広告管理画面から設定する「広告表示オプション(アセット)」です。その目的は、広告の情報を補足し、クリック率(CTR)やコンバージョン率(CVR)を高めることにあります。広告主がコントロールできる、いわば「攻め」の施策です。一方、オーガニック検索結果に表示されるスニペットは、大きく「リッチリザルト(旧リッチスニペット)」と「強調スニペット」に分類されます。これらは広告とは直接関係なく、Webサイト運営者がSEOの一環として、あるいはGoogleがユーザーの利便性のために自動的に生成するものです。
- リッチリザルト:これは、Webサイト運営者がページ内に「構造化データ(スキーママークアップ)」と呼ばれる特殊なコードを実装することで、検索結果に付加情報を表示させる機能です。例えば、商品ページであれば価格や在庫状況、レビューの星評価などが表示されます。これにより、検索結果画面での視認性が高まり、クリック率の向上が期待できます。広告の構造化スニペットが「ヘッダーと値」という定型的なテキスト情報であるのに対し、リッチリザルトは評価(星)や画像など、より視覚的な要素を含むことが多いのが特徴です。
- 強調スニペット:これは、ユーザーが質問形式のキーワード(例:「構造化スニペットとは」)で検索した際に、その回答となる部分をGoogleがWebページから自動的に抽出し、検索結果の最上部に目立つ形で表示する仕組みです。「ポジションゼロ」とも呼ばれ、非常に高い視認性を誇ります。これはWebサイト運営者が直接コントロールできるものではなく、Googleのアルゴリズムが内容を評価して自動で生成します。
要するに、広告の構造化スニペットは「広告主が広告効果を高めるために設定するテキスト情報」であり、オーガニック検索のスニペットは「検索エンジンがユーザーの理解を助けるために、Webサイトの情報をもとに表示する付加情報」であると明確に区別して理解しておく必要があります。
各ヘッダーの特徴と戦略的活用例
構造化スニペットの効果を最大限に引き出す鍵は、13種類あるヘッダーを自社のビジネスモデルや広告戦略に応じて適切に選択し、ユーザーの検索意図に合致した魅力的な値を設定することにあります。「どのヘッダーを選び、具体的にどのような値を記述すれば良いのか」という疑問は、多くの広告運用者が抱くものでしょう。ここでは、それぞれのヘッダーが持つ特性を解説し、具体的な活用シナリオと、遵守すべきポリシーに基づいた「許可される例」と「不承認となる例」を詳細に提示します。
ヘッダー名 | 特徴と戦略的活用法 | 利用例(〇:許可 / ×:不承認) |
おすすめのホテル | ホテルや旅館の予約サイト、旅行代理店などが活用すべきヘッダーです。ユーザーが特定の地域で宿泊施設を探している際に、取り扱いのある具体的なホテル名を提示することで、選択肢の豊富さや希望のホテルが見つかる可能性をアピールできます。リストには必ず、広告主が実際に予約サービスを提供している施設名のみを記載する必要があります。 | 〇 アパホテル〈池袋駅北口〉, 新宿ワシントンホテル, ザ・リッツ・カールトン東京 × アパホテル池袋駅北口 今だけ10%OFF, 新規カード会員様限定割引, 豪華なホテル |
コース | 大学、専門学校、資格スクール、オンライン講座などの教育機関に最適なヘッダーです。提供している具体的なコース名や講座名を列挙することで、ユーザーは自身の学びたい分野が存在するかを即座に確認できます。抽象的なカテゴリ名ではなく、実際に提供されている正式なコース名を記載することが重要です。 | 〇 Webデザインコース, データサイエンス講座, 公務員試験対策講座, 英会話マンツーマンレッスン × 人気のコース, 初心者向け, 就職に強い, 割引キャンペーン中 |
サービス | 非常に汎用性が高く、多くのBtoBおよびBtoCサービス業で活用できるヘッダーです。提供している有形の「商品」ではなく、無形の「サービス」の具体的な品目をリストアップします。あくまで有料で提供しているサービスが対象であり、無料の付帯サービスや、サービスの特徴を説明する文言は許可されません。 | 〇 不用品回収, 宅配クリーニング, タイヤ交換, ハウスクリーニング, Webサイト制作 × 見積無料, 口コミ投稿でプレゼント, 24時間サポート, 迅速対応 |
スタイル | 特定の商品カテゴリ内における、より細かいバリエーションを示すのに適しています。例えばアパレル商材であれば「Tシャツ」というカテゴリの中の「デザインのスタイル」を指します。ユーザーが具体的なデザインの好みを念頭に検索している場合に効果的です。 | (商材:Tシャツ) 〇 Vネック, Uネック, ヘンリーネック, ボーダー柄, 無地 × 着心地抜群, 100%コットン, 限定デザイン, 人気のTシャツ |
タイプ | 「スタイル」と似ていますが、こちらは商品カテゴリそのものの大きな分類やバリエーションを示す際に使用します。例えば「靴」という大枠の商材に対して、その種類をリストアップするイメージです。カテゴリ全体を俯瞰させる役割を持ちます。 | (商材:靴) 〇 スニーカー, ビジネスシューズ, ブーツ, サンダル, ローファー × ブラック, 26.5cm, 本革, 歩きやすい, 最新モデル |
ブランド | 複数のブランドを取り扱うセレクトショップやECサイト、百貨店などで非常に効果的なヘッダーです。ユーザーが特定のブランド名で検索した場合や、好みのブランドを探している際に、取り扱いブランドを明示することで強く訴求できます。実際に取り扱いのあるブランド名のみが許可されます。 | 〇 Nike, adidas, New Balance, PUMA, CONVERSE × 50ブランド以上取り扱い, 当サイト限定モデル, 人気ブランド集結 |
モデル | 主に自動車や電子機器など、製品に明確なモデル名が存在する場合に活用します。具体的なモデル名を列挙することで、特定の車種や製品を探しているユーザーに直接的にアプローチできます。メーカー名や年式、仕様などの詳細な説明は含めることはできません。 | (商材:自動車) 〇 プリウス, カローラクロス, N-BOX, ムーヴキャンバス × トヨタ, 2024年モデル, ハイブリッド, 衝突安全ブレーキ搭載 |
学位プログラム | 「コース」ヘッダーと似ていますが、こちらは大学や大学院などが提供する、正式な「学位」が取得できるプログラムに特化しています。オンラインで提供される学位プログラムも対象です。 | 〇 心理学, 経済学, 文学, 法学, 経営学修士(MBA) × 4年制, 修士課程, オンラインで取得可能, キャリアアップ |
周辺地域 | 不動産業や地域密着型の店舗ビジネス(レストラン、美容院など)で有効です。事業所の所在地周辺の、より細かい地区名や区域名をリストアップすることで、ローカル検索ユーザーに対して強い関連性を示せます。ただし、建物名や国名、都道府県名、市町村名といった広範な地名は不承認の対象となります。 | (所在地:東京都中央区) 〇 銀座, 日本橋, 月島, 築地, 八重洲 × 東京都, 中央区, 東京駅, 銀座三越, 日本 |
設備 | ホテル、ジム、コワーキングスペース、カフェなど、施設が提供する物理的な設備や機能をアピールする際に使用します。ユーザーが施設を選ぶ際の判断基準となる具体的な設備をリスト化することで、利便性を訴求できます。抽象的な表現や感想は許可されません。 | 〇 無料Wi-Fi, 電源完備, プール, ジム, レストラン, 駐車場 × 快適な空調でリラックスできる空間, 最高のロケーション, 清潔な店内 |
到着地 | 旅行代理店、航空会社、バス会社など、移動サービスを提供するビジネスに最適です。サービス提供範囲内の具体的な都市名、国名、あるいは有名な観光地やランドマーク名をリストアップします。これにより、ユーザーは希望の目的地への便があるかを一目で確認できます。 | 〇 東京, 大阪, 沖縄, ハワイ, パリ, 金閣寺, 自由の女神 × 東京観光, 世界一周旅行, 格安航空券, 週末旅行 |
番組 | 映画館、劇場、テレビ局、動画配信サービスなどが、上映・上演・配信している具体的な作品名を提示する際に使用します。放送時間やチケット情報などの付随的な情報は記載できません。 | 〇 劇場版『名探偵コナン』, 劇団四季『アナと雪の女王』, 水曜日のダウンタウン × チケットは事前販売のみ, 放送は毎週日曜日21時から, 全米が泣いた |
保険の保障 | 保険会社や保険代理店専用のヘッダーです。取り扱っている保険商品の具体的な保障内容や保険の種類をリストアップすることで、ユーザーが求める保障を提供していることを示せます。 | 〇 損害賠償責任保険, 定期生命保険, がん保険, 自動車保険 × あらゆる補償のお見積りします, 保険の見直し相談, 安心のサポート体制 |
上記は各ヘッダーの基本的な使用例です。自社のビジネスに照らし合わせ、最もユーザーに響くであろう情報を戦略的に選択することが肝要です。もし設定した値が審査で不承認となった場合は、上記の利用例やGoogleの公式ポリシーを再確認し、より客観的で事実に即した記述に修正しましょう。
参考:構造化スニペットの要件
構造化スニペットが表示される2つの条件
多くの広告主が設定に力を入れる構造化スニペットですが、設定さえすれば常時表示されるというわけではありません。Google広告のシステムは、ユーザーにとって最も有益で、かつ広告主のパフォーマンスが最大化されると判断した瞬間に、最適なアセットを選択して表示します。構造化スニペットが実際に表示されるためには、主に次の2つの重要な条件が満たされている必要があります。
- 広告ランクが一定のしきい値以上であること
- 広告の掲載順位が検索結果ページの上部であること
広告ランクは、広告が検索結果のどの位置に、どのアセットと共に表示されるかを決定するための中心的な指標です。このスコアは、「入札単価 × 品質スコア + アセット(広告表示オプション)の見込み効果」という計算式で算出されます。品質スコアは、広告のクリック率、広告文とキーワードの関連性、そしてランディングページの品質などから総合的に評価されます。広告ランクが低い場合、Googleのアルゴリズムは「この広告に構造化スニペットを追加表示しても、クリック率の向上やコンバージョンへの貢献は期待できない」と判断し、表示を見送ることがあります。つまり、構造化スニペットという強力な武器を携えるためには、まず広告自体の品質と競争力を高めることが大前提となるのです。
広告の掲載順位もまた、表示の可否を左右する重要な要素です。一般的に、検索結果ページの上部(通常は1位から4位程度)に表示される広告は、より多くのスペースが与えられ、多様なアセットが表示されやすくなります。ページ下部や2ページ目以降に表示される広告では、表示されるスペースが限られるため、構造化スニペットのような追加情報が表示される機会は減少します。したがって、構造化スニペットを安定的に表示させるためには、適切な入札戦略と高い品質スコアによって、常に検索結果の上位を狙う努力が不可欠です。広告ランクは広告が表示されるたび(オークションごと)に再計算され、常に変動します。広告パフォーマンスを定期的にモニタリングし、品質スコアの改善に継続的に取り組むことが、結果的に構造化スニペットの表示機会を増やすことに繋がります。
広告ランクの改善に関するより詳細な情報については、こちらの記事もご参照ください。

よく間違われる「コールアウト表示オプション」との違い
構造化スニペットを学ぶ上で、多くの運用者が混同しやすいのが「コールアウト表示オプション(現:コールアウトアセット)」です。どちらも広告文の下に短いテキストを追加する機能であり、表示される位置も近いため、「違いが分かりにくい」「どちらを使えば良いか迷う」という声は少なくありません。しかし、この2つのアセットは、その目的と伝えるべき情報の内容が根本的に異なります。この違いを明確に理解し、戦略的に使い分けることが、広告メッセージの訴求力を最大化する上で極めて重要です。
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【構造化スニペットの例】
これは、前述の通り「ヘッダー」というカテゴリに沿って、具体的な「値」を事実として羅列する機能です。「サービス」というヘッダーに対して「Webサイト制作」や「広告運用代行」といった具体的なサービス名を列挙するのが正しい使い方です。構造化スニペットは、あくまでも客観的な事実情報をユーザーに提示し、商材の全体像を理解してもらうためのものです。そのため、「迅速対応」や「顧客満足度98%」といった宣伝文句や、サービスのメリットを記載すると、ポリシー違反として不承認となります。
【コールアウトの例】
一方、コールアウトは、ヘッダーのようなカテゴリ分けはなく、広告主がアピールしたい「強み」や「特徴」を短いフレーズで自由に設定できます。これはユーザーがその商品やサービスを選ぶことで得られるベネフィット(便益)を端的に伝えるための機能です。「送料無料」「即日発送」「業界最安値に挑戦」「無料相談受付中」といった、ユーザーの購入意欲を直接的に刺激するような文言がこれに該当します。構造化スニペットよりも自由度が高く、広告の訴求力を補強する役割を担います。
結論として、この2つのアセットは次のように使い分けるのが理想的です。
- 構造化スニペット:自社が「何を持っているか(What)」という品揃えやサービス範囲を網羅的に伝え、ユーザーに選択肢を提示したい場合。
- コールアウト:自社が「なぜ優れているか(Why)」という独自の強みや付加価値をアピールし、ユーザーの背中を押したい場合。
この2つを併用することで、広告は「豊富な品揃え(構造化スニペット)」と「優れたサービス(コールアウト)」の両方を同時に訴求できるようになり、より説得力のあるメッセージをユーザーに届けることが可能になります。
構造化スニペットがもたらす4つの具体的メリット
構造化スニペットを適切に設定・活用することは、広告運用者に多くの恩恵をもたらします。ここでは、そのメリットを4つの主要な側面に分解し、それぞれがどのように広告パフォーマンスの向上、特に獲得型広告における最終的な成果(コンバージョン)に貢献するのかを具体的に解説します。
- 広告の情報量を飛躍的に高め、メッセージを補強できる
- 広告の表示占有率を拡大し、視認性を向上させる
- 費用対効果(ROI)の劇的な向上に貢献する
- 高度なスケジュール設定で、最適なタイミングで訴求できる
メリット①:広告の情報量を飛躍的に高め、メッセージを補強できる
構造化スニペット最大のメリットは、何と言っても無料で広告の情報量を大幅に増やせる点にあります。リスティング広告の基本フォーマットである「見出し」と「説明文」には、それぞれ厳しい文字数制限が課せられています。この限られたスペースの中で、商品やサービスの魅力をすべて伝え切るのは至難の業です。特に、多岐にわたる商品ラインナップやサービスメニューを持つビジネスの場合、その全体像を広告文だけで示すことはほぼ不可能です。
ここで構造化スニペットが真価を発揮します。例えば、ある化粧品ECサイトが「タイプ」ヘッダーを使用して「化粧水, 美容液, 乳液, クリーム, 日焼け止め」と設定したとします。ユーザーは広告をクリックする前に、このサイトが基礎化粧品のフルラインナップを取り揃えていることを瞬時に理解できます。これにより、「美容液を探している」といった具体的なニーズを持つユーザーに対して強い関連性を示すことができるのです。広告文では最も訴求したい主力商品にフォーカスしつつ、構造化スニペットでその他の取り扱い製品群を補足するという戦略的な情報設計が可能になり、広告メッセージ全体に深みと説得力をもたらします。
メリット②:広告の表示占有率を拡大し、視認性を向上させる
構造化スニペットが表示されると、広告テキストの下に追加で1〜2行の情報が付加されます。これは、検索結果ページという限られた不動産の中で、自社の広告が占める物理的な面積(スクリーン占有率)が拡大することを意味します。デジタル広告の世界では、この「視認性(ビジビリティ)」がクリック率(CTR)を左右する極めて重要な要素です。競合他社の広告がひしめき合う中で、わずかでも表示面積が大きい広告は、本能的にユーザーの注意を引きつけやすくなります。内容はもとより、その「存在感」だけで、競合よりも一歩リードできるのです。特に、スマートフォンなどの小さな画面では、この表示面積の差が与えるインパクトはさらに大きくなります。構造化スニペットを設定することは、いわば広告に「厚み」を持たせる行為であり、ユーザーの目に留まる機会を増やし、結果としてクリックへと誘導する確率を高める、シンプルかつ強力な戦術と言えるでしょう。
メリット③:費用対効果(ROI)の劇的な向上に貢献する
獲得型広告における最終目標は、投下した広告費用に対してどれだけ多くのリターン(売上や利益)を生み出せたか、すなわち費用対効果(ROI)の最大化にあります。構造化スニペットは、このROI向上に二つの側面から大きく貢献します。第一に、コンバージョン率(CVR)の向上です。前述の通り、構造化スニペットは広告をクリックする前の段階で、ユーザーに商品やサービスの具体的な情報を豊富に提供します。これにより、ユーザーは自身のニーズと広告内容が合致しているかをより正確に判断できます。その結果、広告をクリックするユーザーは、既に商品やサービスに対してある程度の理解と関心を持った「質の高い」見込み客である可能性が高まります。このようなユーザーはランディングページに到達した後のエンゲージメントも高く、最終的にコンバージョンに至る確率、すなわちCVRが向上する傾向にあります。第二に、無駄なクリックの削減によるCPA(顧客獲得単価)の改善です。構造化スニペットの情報を見て、「自分の探しているものではない」と判断したユーザーは、そもそも広告をクリックしません。これは一見機会損失のように思えるかもしれませんが、実際にはコンバージョンに繋がらない無駄なクリックとその費用を未然に防いでいることになります。結果として、広告費用はより見込みの高いユーザーに集中投下されることになり、1コンバージョンあたりの獲得単価(CPA)が下がり、ROI全体の向上に直結するのです。構造化スニペットは、広告主とユーザー双方にとって有益な「情報の事前開示」機能であり、広告運用の効率化に不可欠なツールです。
メリット④:高度なスケジュール設定で、最適なタイミングで訴求できる
構造化スニペットは、単に情報を追加するだけでなく、その情報を「いつ」表示させるかをきめ細かくコントロールできるという、高度な機能も備えています。アセットの表示スケジュールは、特定の期間、曜日、さらには時間帯まで指定することが可能です。この機能を戦略的に活用することで、ユーザーの行動パターンやビジネスの特性に合わせた、より効果的な訴求が実現します。例えば、以下のような活用が考えられます。
- 飲食店の広告:「設備」ヘッダーを利用し、ランチタイム(例:平日11時~14時)には「個室, テラス席, 電源あり」といったビジネスランチ向けの設備をアピールし、ディナータイム(例:18時~22時)には「飲み放題, 夜景が見える, 記念日プレート」といった宴会やデート向けの設備に切り替えて表示する。
- BtoBサービスの広告:ターゲットとなるビジネスパーソンが活動しているであろう、平日の日中(例:月曜~金曜の9時~18時)に限定して「サービス」ヘッダーを表示し、業務時間外には表示を停止することで、無駄なインプレッションを避ける。
- セールの告知:期間限定のセールを実施する場合、その期間(例:7月1日から7月10日まで)だけ、「スタイル」ヘッダーでセール対象のカテゴリ(例:夏物Tシャツ, サンダル, ショートパンツ)を表示し、ユーザーの購買意欲を喚起する。
このように、構造化スニペットの表示を時間や状況に応じて最適化することで、常に最も関連性の高いメッセージをユーザーに届けることができます。この柔軟性は、広告の成果を最大化するための強力な武器となります。
構造化スニペットの入稿規定と遵守すべき重要ポリシー
構造化スニペットは非常に強力な機能ですが、その力を正しく発揮させるためには、Googleが定める厳格な入稿規定とポリシーを正確に理解し、遵守する必要があります。これらのルールから逸脱した場合、アセットが不承認となるだけでなく、場合によってはアカウント全体の評価に影響を及ぼす可能性もゼロではありません。ここでは、基本的な入稿規定と、特に関連性の高いポリシーについて詳しく解説します。
文字数と表示形式の基本ルール
まず、構造化スニペットを設定する上での最も基本的なルールである、文字数や設定数に関する規定を把握しましょう。
設定内容 | 規定詳細 |
ヘッダー | Googleが用意した13種類の中から、広告内容に最も適したものを選択する必要があります。独自にヘッダーを作成することはできません。 |
値(リスト)の文字数 | 各値は、半角で25文字以内、全角で12文字以内に収める必要があります。この文字数制限は厳格であり、1文字でも超過するとエラーとなります。 |
最低必要設定数 | 1つのヘッダーに対して、最低でも3個の値を設定する必要があります。ただし、Googleはパフォーマンス最適化の観点から4個以上の設定を推奨しています。1つのヘッダーには最大で10個までの値を設定可能です。 |
最大表示数 | デバイスによって表示されるヘッダーの数が異なります。パソコンでは最大2個のヘッダーが同時に表示される可能性がありますが、モバイルやタブレットでは通常1個のヘッダーのみが表示されます。表示される値の数も、画面サイズや各値の文字数によって動的に変動します。 |
基本的な禁止要件 | 以下の行為は明確に禁止されています。
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特に重要なのは、設定した値が選択したヘッダーの定義に厳密に合致している必要があるという点です。「サービス」ヘッダーに商品の特徴を書いたり、「ブランド」ヘッダーに取り扱いブランドの数を書いたりすると、ほぼ確実に不承認となります。入稿規定とヘッダーの定義を正確に理解することが、スムーズな広告運用の第一歩です。
構造化スニペットと特に関連性の高い2つのポリシー
上記の基本的な入稿規定に加えて、すべてのGoogle広告に適用されるポリシーの中でも、特に構造化スニペットと関連が深いものが2つあります。
1. 重複表現に関するポリシー
これは、広告ユニット内で同じような語句やフレーズを不必要に繰り返すことを禁じるポリシーです。構造化スニペットにおいては、例えば広告の説明文で「豊富な品揃え」と記載しているにもかかわらず、構造化スニペットの値で「Tシャツ, シャツ, パンツ, アウター, シューズ, バッグ, アクセサリー, 帽子」などと、品揃えの豊富さを具体的に示すことは、有益な情報提供と見なされ、ポリシー違反にはあたりません。しかし、コールアウトで「送料無料」と設定し、構造化スニペットの値でも「送料無料」と入力するような、全く同じ情報の重複は許可されません。アセット間で役割分担を明確にし、それぞれ異なる角度から情報を提供するよう心がける必要があります。詳しくは「重複表現に関するポリシー」をご確認ください。
2. 商標に関するポリシー
構造化スニペットの「ブランド」や「モデル」ヘッダーでは、他社の商標を使用する機会が多くなります。Google広告では、商標権を尊重しており、商標権所有者から正式な申し立てがあった場合、その商標を含む広告やアセットの掲載が停止されることがあります。特に、広告主がその商標の正規販売代理店でない場合や、商標を誤解を招くような方法で使用している場合は注意が必要です。自社が取り扱うブランドやモデル名を記載する際は、その権利関係を明確に認識し、ユーザーに誤解を与えない誠実な表示を徹底しましょう。万が一のトラブルを避けるためにも、広告を出稿する前に「商標に関するポリシー」に目を通しておくことを強く推奨します。
【ヘッダー別】見落としがちな禁止事項チェックリスト
ここでは、各ヘッダーを設定する際に特に注意すべき禁止事項を、Googleの公式ポリシーに基づいた具体的な例と共にリストアップします。設定後の手戻りを防ぐため、入稿前の最終チェックリストとしてご活用ください。
ヘッダーごとの禁止事項:「設備」
「設備」ヘッダーでは、建物や施設が物理的に提供する設備や機能以外の内容を記載することは許可されていません。抽象的な表現や主観的な感想は避け、具体的な名詞で表現する必要があります。
- 禁止事項:建物や場所の「設備および機能」ではない内容の記載。
出典:構造化スニペットの要件
ヘッダーごとの禁止事項:「ブランド」
「ブランド」ヘッダーでは、広告主が実際に販売または取り扱いをしているブランド名のみを記載できます。ブランドの数やプロモーション的な文言は不承認の対象となります。
- 禁止事項:広告主が実際に取り扱っていないブランド名の記載。
- 禁止事項:取り扱っているブランドの数や、ブランドに関するアピールポイントの記載。
出典:構造化スニペットの要件
ヘッダーごとの禁止事項:「コース」
「コース」ヘッダーには、教育機関が提供する具体的なコースの正式名称のみを記載できます。コースのカテゴリや宣伝文句は許可されません。
- 禁止事項:教育機関が提供する具体的なコース名ではない内容の記載。
- 禁止事項:宣伝文句の記載。
出典:構造化スニペットの要件
ヘッダーごとの禁止事項:「学位プログラム」
「学位プログラム」ヘッダーでは、取得できる学位に繋がる具体的な学問分野を記載します。コースの期間や一般的な説明は不承認となります。
- 禁止事項:コースの期間や詳細な説明。
- 禁止事項:教育機関が実際に提供する教科コースではない内容の記載。
出典:構造化スニペットの要件
ヘッダーごとの禁止事項:「到着地」
「到着地」ヘッダーには、具体的な地名(都市、国、観光スポットなど)を記載します。移動や旅行といった行為そのものを表す言葉は許可されません。
- 禁止事項:都市、行政区分、国、大陸、各所旧跡、歴史遺産、文化遺産、観光スポットの名前ではない内容の記載。
出典:構造化スニペットの要件
ヘッダーごとの禁止事項:「おすすめのホテル」
「おすすめのホテル」ヘッダーには、広告主が予約サービスを提供している具体的なホテル名や旅館名のみを記載できます。価格や割引情報を含めることはできません。
- 禁止事項:広告主が予約サービスを提供していないホテルや旅館の名前、またはホテル名ではない内容の記載。
出典:構造化スニペットの要件
ヘッダーごとの禁止事項:「保険の保障」
「保険の保障」ヘッダーには、具体的な保険商品の種類や保障内容を記載します。一般的な勧誘文句や見積もりを促す表現は不承認となります。
- 禁止事項:保険の具体的な保障の種類ではない内容の記載。
出典:構造化スニペットの要件
ヘッダーごとの禁止事項:「モデル」
「モデル」ヘッダーには、製品の具体的なモデル名(例:自動車の車種名)のみを記載できます。メーカー名、年式、仕様、価格、状態といった付随的な情報は一切許可されません。
- 禁止事項:具体的なモデル名やモデルの車種ではない内容の記載。
- 禁止事項:自動車メーカー、販売店、ディーラーの名前の記載。
- 禁止事項:年式、仕様、価格、状態などの詳細な説明。
出典:構造化スニペットの要件
ヘッダーごとの禁止事項:「周辺地域」
「周辺地域」ヘッダーでは、都市内のより小さな地区や区域の名前を記載します。市や国、建物名といった広すぎる、あるいは細かすぎる地名は不承認の対象です。
- 禁止事項:都市内の地区、区域の名前ではない内容の記載。
- 禁止事項:都市名、国名、建物名の記載。
出典:構造化スニペットの要件
ヘッダーごとの禁止事項:「サービス カタログ」
※元記事では「カタログ」と記載されていますが、現在のGoogle広告のヘッダー名は「サービス カタログ」です。
「サービス カタログ」ヘッダーには、提供している具体的なサービス名を記載します。サービスの特徴や提供方法に関する説明は許可されません。
- 禁止事項:具体的なサービス名ではない内容の記載。
- 禁止事項:サービスの特徴や提供方法に関する説明。
出典:構造化スニペットの要件
ヘッダーごとの禁止事項:「番組」
「番組」ヘッダーには、実際の公演やテレビ番組の正式名称を記載します。それに関する詳細情報や説明は一切含めることができません。
- 禁止事項:実際の公演やテレビ番組の名前ではない内容の記載。
- 禁止事項:番組に関する詳細、時間、内容などの説明。
出典:構造化スニペットの要件
ヘッダーごとの禁止事項:「スタイル」
「スタイル」ヘッダーには、特定の製品カテゴリ内における、具体的なバリエーションを記載します。製品カテゴリ自体をリストアップすることは「タイプ」ヘッダーの役割であり、「スタイル」では不適切とされます。
- 禁止事項:特定の製品カテゴリのバリエーションではない内容の記載。
出典:構造化スニペットの要件
ヘッダーごとの禁止事項:「タイプ」
「タイプ」ヘッダーには、製品カテゴリそのもののバリエーションを記載します。色のバリエーションや素材といった、より細かい「スタイル」に属する情報を記載すると不承認となります。
- 禁止事項:製品カテゴリのバリエーションではない内容の記載。
出典:構造化スニペットの要件
構造化スニペットを設定する上での2大注意点
商材やサービスの詳細を効果的にアピールできる構造化スニペットですが、その運用にあたっては、事前に理解しておくべき重要な注意点が2つ存在します。これらの注意点を軽視すると、「せっかく設定したのに効果が出ない」「意図せず広告審査に落ちてしまった」といった想定外の事態に陥りかねません。構造化スニペットを真に活用するためには、以下の2点を常に念頭に置いておく必要があります。
- 表示は保証されておらず、Googleの裁量に委ねられる
- 他のアセットと比較して審査が厳格である
①表示は保証されておらず、Googleの裁量に委ねられる
広告主が構造化スニペットを設定したとしても、それが常に広告と共に表示されるわけではありません。「どの広告に、いつ、どの構造化スニペットを(あるいは他のアセットを)表示するか」という最終的な決定権は、常にGoogleの広告配信アルゴリズムにあります。アルゴリズムは、オークションの都度、ユーザーの検索語句、デバイス、所在地、時間帯、そして広告ランクなど、無数のシグナルを考慮し、「ユーザーの検索体験を向上させ、かつ広告のパフォーマンスを最大化する」と予測される組み合わせを動的に選択します。例えば、ユーザーが「〇〇(特定のブランド名) スニーカー 品番XXX」のように、購入したい商品が明確に決まっている検索を行った場合、そのユーザーは価格や在庫情報を求めている可能性が高いため、価格アセットや販売者評価アセットが優先され、構造化スニペットは表示されないかもしれません。一方で、「メンズ スニーカー おすすめ」のような、より探索的な検索に対しては、「ブランド」や「スタイル」の構造化スニペットを表示して選択肢を提示することが、ユーザーにとって有益だと判断される可能性が高まります。また、広告ランクが低いことが単純な表示回数の低迷に繋がっているケースも多々あります。もし構造化スニペットの表示回数(インプレッション)が極端に少ないと感じた場合は、設定内容を見直すだけでなく、広告ランクの根幹をなす品質スコアの改善や入札単価の調整といった、より本質的な対策に着手することも検討すべきです。
②他のアセットと比較して審査が厳格である
構造化スニペットは、コールアウト表示オプションやサイトリンク表示オプションといった他のテキストベースのアセットと比較して、その審査基準が詳細かつ厳格に定められています。これは、構造化スニペットが「ヘッダー」という定義された枠組みの中で、客観的な事実をリスト形式で提示するという明確な役割を持っているためです。この役割から逸脱した、少しでも宣伝色が強い表現や、定義に合致しない値は、機械的かつ厳しく不承認と判断される傾向にあります。先述した「入稿規定」「各ヘッダーの要件定義」「関連ポリシー」のいずれか一つでも遵守できていない場合、アセットは承認されず、修正の手間が発生します。特に初心者が陥りやすいのが、コールアウトと混同し、サービスの強みやメリットを値として入力してしまうケースです。審査落ちを未然に防ぎ、スムーズな広告運用を実現するためには、以下の基本要件を徹底することが不可欠です。
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これらのルールを鉄則として守り、常に客観的で事実に即した情報提供を心がけましょう。
【画像で解説】構造化スニペットの具体的な設定手順
ここでは、実際にGoogle広告の管理画面で構造化スニペットを設定する手順を、スクリーンショットを交えながら分かりやすく解説します。設定自体は数ステップで完了するため、操作に不安がある方もご安心ください。
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広告管理画面にログインします。
まずは、お使いのGoogle広告アカウントにログインしてください。 -
画面左側のメニューから「広告とアセット」を展開し、「アセット」をクリックします。
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青い「+」ボタンをクリックします。
アセット一覧画面の上部にある、青い円形のプラスボタンをクリックして、新しいアセットの追加を開始します。
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表示されるリストから「構造化スニペット」を選択します。
追加可能なアセットの種類が一覧で表示されますので、その中から「構造化スニペット」を探してクリックしてください。
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必要な情報を入力し、「保存」をクリックして完了です。
最後に、設定画面で以下の各項目を入力・選択します。
① 追加先: この構造化スニペットを適用する階層を「アカウント」「キャンペーン」「広告グループ」から選択します。全社共通の情報はアカウント単位、特定の商品カテゴリはキャンペーン単位、さらに細かいターゲティングには広告グループ単位、といった戦略的な使い分けが可能です。
② アセットの作成: 「新規作成」を選択します。過去に作成したアセットを再利用する場合は「既存のアセットを使用」を選択することもできます。 ③ ヘッダーの言語: 表示する言語を選択します。通常は「日本語」で問題ありません。 ④ ヘッダーのタイプ: 13種類のヘッダーリストから、広告内容に最も適したものを1つ選択します。 ⑤ 値(リスト): 選択したヘッダーに対応する具体的な情報を入力します。「値を追加」をクリックすることで、入力欄を増やすことができます。最低3つ、推奨4つ以上を入力しましょう。 |
すべての入力が完了したら、画面下部の「保存」ボタンをクリックします。これで設定は完了です。設定されたアセットはGoogleによる審査を経て、承認され次第、広告と共に配信されるようになります。
構造化スニペットを戦略的に活用するための3つのポイント
構造化スニペットを設定するだけでは、そのポテンシャルを半分しか引き出せません。重要なのは、それをいかに「戦略的に」活用し、広告パフォーマンスの向上に繋げるかです。ここでは、運用効果を最大化するための3つの実践的なポイントを解説します。
- ビジネスに関連するヘッダーは可能な限り多く設定する
- 最も重要な値(リスト)は先頭に配置する
- 値はできる限り短く、具体的な単語を使用する
なるべく多くのヘッダーに設置する
Google広告のアルゴリズムは、広告主が設定した複数のアセットの中から、特定のオークションにおいて最もパフォーマンスが高まると予測されるものを自動的に選択して表示します。これは、広告主に選択の「選択肢」を多く提供しておくことが、アルゴリズムによる最適化の機会を増やすことに直結することを意味します。したがって、自社のビジネスに関連性のあるヘッダーは、1つに絞るのではなく、考えうる限り複数設定しておくことが推奨されます。例えば、ある総合リフォーム会社の場合、以下のように複数のヘッダーを設定することが考えられます。
- ヘッダー「サービス」:内装リフォーム, 外壁塗装, 水回りリフォーム, 増改築, 耐震補強
- ヘッダー「タイプ」:戸建て, マンション, 店舗, オフィス
- ヘッダー「周辺地域」:(本社所在地の周辺市区町村名)
このように複数のヘッダーと値を設定しておくことで、ユーザーの検索語句や状況に応じて、アルゴリズムが「サービス」ヘッダーを表示したり、「タイプ」ヘッダーを表示したりと、最適な組み合わせをテストし、表示してくれるようになります。設定の手間を惜しまず、提供できる情報の引き出しをできるだけ多く用意しておくことが、機械学習の効果を最大限に享受するための鍵となります。
重要な値は最初に入れる
1つのヘッダーに対して最大10個の値を設定できますが、それらすべてが常に表示されるわけではありません。特に画面の小さいモバイルデバイスでは、表示される値の数は2〜3個程度に制限されることがよくあります。値は設定した順番に表示される傾向があるため、最もユーザーに伝えたい、あるいは最もコンバージョンに繋がりやすいと考える重要な値は、必ずリストの「先頭」から順番に入力するようにしましょう。例えば、ある英会話スクールが「コース」ヘッダーを設定する場合、以下のように優先順位を考慮して値を配置します。
- 良い例:ビジネス英会話, TOEIC対策, 日常英会話, 旅行英会話, 子供向け英会話
- 悪い例:子供向け英会話, 旅行英会話, 日常英会話, TOEIC対策, ビジネス英会話
もしこのスクールの収益の柱が「ビジネス英会話」と「TOEIC対策」であるならば、これらを必ず先頭に配置すべきです。Google広告のヘルプでも「ヘッダーごとに少なくとも4つの値を含めるようにしましょう」と推奨されていますが、その中でも特に訴求力の高い情報を前半に固めることで、限られた表示スペースの中でも効果的にメッセージを伝えることができます。
短い単語を使用する
値の文字数制限は半角25文字(全角12文字)ですが、この上限ギリギリまで使って長いフレーズを設定するのは得策ではありません。その理由は2つあります。第一に、情報量の最大化です。例えば、「Webサイトの企画とデザイン制作」という11文字の値を1つ設定するよりも、「Webデザイン」「企画・構成」「UI/UX設計」といった短い単語を3つ設定する方が、より多くの具体的な情報をユーザーに伝えることができます。第二に、視認性の向上です。短い単語の羅列は、長い文章よりも瞬間的に内容を把握しやすく、ユーザーの認知的な負担を軽減します。特に、高速でスクロールされるモバイル画面上では、簡潔で分かりやすい単語の方が目に留まりやすく、記憶に残りやすいのです。構造
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