Google広告などを運用していると、必ず目にするようになる「ポートフォリオ入札戦略」ですが、知っている方はあまり多くありません。

ポートフォリオ入札戦略という単語だけは見覚えがあっても、実際に使用して戦略を立てたことがないということもあるのではないでしょうか?

本記事では、ポートフォリオ入札戦略の概要や、設定することのメリット・デメリット、設定方法などを詳しくご紹介していきます。

使用するのにおすすめのケースや、使用しない方がいいケースなども解説していきますので、より理解を深めたい方は参考にしてみてくださいね。

 

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ポートフォリオ入札戦略とは?

ポートフォリオ入札戦略とは、配信広告の強みでもあるスマート自動入札を使い、目的に合わせた入札戦略のポートフォリオを作成できる機能を意味します。

複数のキャンペーンをまたいで同じ入札戦略を適用することもでき、さらに機械にアルゴリズムを学習させて任せきりになってしまう自動入札に対し、入札価格の上限・下限を定め、人の手でコントロールをすることが可能になります。

 

ポートフォリオ入札戦略は、配信している広告で定めた達成したい目標に応じ、入札調整を行うことができます。

戦略としてはキャンペーンごとに設定をすることができますが、ポートフォリオ入札戦略を使用することで複数のキャンペーンや広告グループ、キーワードを合わせて自動入札戦略をいっぺんに設定・管理が可能です。

ポートフォリオ入札戦略で管理している入札戦略を「ポートフォリオ」といい、配信実績や自動入札のステータスなども簡単に把握することができます。

ポートフォリオ入札戦略を適用できるキャンペーン一覧

複数のキャンペーンに使用できるポートフォリオ入札戦略ですが、すべてのキャンペーンに利用できるわけではありません。

ポートフォリオ入札戦略に適用できるキャンペーンは、GoogleやYahoo!などの検索、ディスプレイ広告、ECサイトなどのショッピングだけになります。

ポートフォリオ入札戦略を使用できるキャンペーンに、同じ入札戦略を設定することもできるため、利用する方は検討してみることもおすすめです。

ポートフォリオ入札戦略を設定可能な6種類

ポートフォリオ入札戦略は、設定可能な自動入札戦略が6種類あります。

  • 目標広告費用対効果
  • 目標コンバージョン単価
  • クリック数の最大化
  • コンバージョン数の最大化
  • コンバージョン値の最大化
  • 目標インプレッションシェア

それぞれの設定可能な戦略について、詳しくご説明していきます。

目標広告費用対効果

ポートフォリオ入札戦略の自動入札戦略の1つに、「目標広告費用対効果」があります。

目標広告費用対効果とは、コンバージョンそれぞれの価値が異なる場合、売上をベースにして費用対効果を重視して入札をする方法です。

ランディングページによっては、コンバージョンごとの売上や利益が異なってくる場合があり、その際にすべての費用対効果を軸として広告の運用をすることが可能となります。

そんな目標広告費用対効果ですが、あくまでROASに特化している入札方法のため、売上がベースのものとなります。

ROASとは、売上に対する費用対効果を示す指標で、かけた広告費用に対して、どこまで売上が回収できたのかを割合として計算したものです。

そのROASが100%を超えている場合は、売上が広告費を上回っていると認識することができますが、超えていない場合は下回っている可能性があります。

さらに、ROASが仮に毎回100%を超えていたとしても、利益がしっかりと出ているかは別として考えなければならないため、売上と利益は別のものだと認識した上で使用する必要が出てきます。

 

目標広告費用対効果の効果検証する際に見なければいけない指標は、ROASだけではなく「ROI」と「CPA」もあります。

事前に設定したROASが達成しているのかをチェックするだけではなく、ROIという投じた費用によってどれだけ利益を上げられたかをチェックし、CPAといった顧客獲得単価も確認しなければなりません。

CPAを抑えることができれば、その分ROASの改善へと繋がっていきます。

 

目標広告費用対効果は、自社サイトで運営しているコンバージョンの種類が複数あり、それぞれで価値が異なっている場合におすすめです。

商品の販売コンバージョンと問い合わせのコンバージョンが存在している場合、どちらもコンバージョンではありますが、価値は異なります。

この場合、目標ROASを設定し、費用対効果を重点に置いた入札が最適化されるため、複数のコンバージョンを設定している方は利用してみてください。

目標コンバージョン単価

ポートフォリオ入札戦略の種類の1つで、「目標コンバージョン単価」があります。

目標コンバージョン単価とは、あらかじめ設定したCPAを達成することを優先した入札方法で、広告予算内でCPAをコントロールすることができる入札方法のため、しっかりと利益を確保し売上を作ることが可能です。

目標コンバージョン単価は、コンバージョンデータが十分にない場合は最適化がされず、また現在のCPAが5000円程でも目標コンバージョン単価を100円にするなどの極端な設定を行うのは効果が発揮できません。

 

目標コンバージョン単価の効果検証の際に見る指標は、「CPA」と「CV数」、「予算」になります。

設定した通りのCPAを使い、しっかりとCV数が獲得できているかを確認し、CV数が多すぎず少なすぎずを保っているのかを把握することが大切です。

そして、目標コンバージョン単価で運用していく場合、予算が不足していないかのチェックもする必要があります。

予算をここまでと設定してしまうと、獲得できるCV数に上限ができてしまうため、一日の予算を設定するには自社の予算をどこまで利用できるのかを検討してから、目標コンバージョン単価を運用するようにしましょう。

目標コンバージョン単価は、CPAをコントロールし確実に利益を得ながらコンバージョン数を確保したいという方におすすめの方法です。

コンバージョン数に重点をおいた運用方法では、どうしてもCPAが高騰してしまい、利益を確保することができないといった場合があります。

目標コンバージョン単価は、CPAを重視した入札方法のため、無理にコンバージョン数を伸ばす必要がないのが特徴ともいえます。

クリック数の最大化

ポートフォリオ入札戦略の種類の1つに、「クリック数の最大化」があります。

クリック数の最大化とは、自社で設定した広告の予算内で、広告へのクリック数を最大化することを優先とした入札が行われることをいいます。

広告がクリックされると、自社サイトに飛ぶという特徴があり、目標としては自社サイトへのアクセス数を増加させることができます。

自社サイトのアクセス数が増加すると、コンバージョンが発生したり、広告をクリックしたユーザーが自社サイトへアクセスすることで、自社製品の認知度を獲得するなどの効果があります。

しかし、クリック数の最大化は、あくまでもクリック数の増加に特化した自動入札戦略のため、広告をクリックして自社サイトを訪問したユーザーがコンバージョンに繋がってくれるとは限りません。

そこまで広告の内容や、自社製品に興味を持ってもらえないユーザーが流れてしまう可能性もあるため、注意が必要です。

 

クリック数の最大化の効果検証の際に見る指標は、「インプレッション数」と「クリック数」、「クリック率」となり、クリック数を最大化するためにはユーザーに対して広告が配信されている必要があるため、インプレッション数が必ず上がります。

インプレッション数が上がることで、クリック数も増加していくことも特徴です。

クリック数があまり伸びない場合は、まずインプレッション数を確認し、広告がしっかりと表示されているかをチェックしていくことが大切です。

インプレッション数があるにも関わらず、クリック数が伸びていない場合は、クリック数が低下している可能性があるため、クリック率のチェックをすることも忘れずに行います。

クリック数の最大化を利用するには、コンバージョンの収集データが少ない場合の利用がおすすめです。

クリック数の最大化によって、コンバージョンやコンバージョン率だけではなく、クリック単価に関するデータも蓄積することができ、このデータを元にしてコンバージョン単価やクリック単価の目安を知ることができるため、自社サイトの運用を改善することも容易になります。

コンバージョン数の最大化

ポートフォリオ入札戦略の種類の1つに、「コンバージョン数の最大化」があります。

コンバージョン数の最大化は、定められた予算の中でコンバージョン数の獲得のみを最優先に考える入札戦略で、コンバージョン数だけをとにかくアップしたい場合に利用できます。

コンバージョン数を伸ばしたい場合に利用でき、とても便利なものではありますが、コンバージョン数の最大化はコンバージョンを獲得するのに特化した入札方法になるため、コンバージョンが獲得できる時間帯に集中しなければなりません。

そのため、どうしても広告が配信されていない時間帯が生まれてしまう場合がある他、コンバージョン数を優先することでクリック単価が高騰してしまう可能性があるため、注意が必要です。

 

コンバージョン数の最大化の効果検証の際に見る指標は、「コンバージョン数」と「コンバージョン率」、「クリック単価」です。

コンバージョン数の最大化を利用しているにも関わらず、なぜかコンバージョン数が伸びていないということもあり得るため、コンバージョン数は必ずチェックするようにしましょう。

さらに、コンバージョン数が上がることで、クリック単価が想定以上に高騰してしまう場合もあり、クリック単価にも気を配ることが重要です。

コンバージョン率が低いと、CPAが高騰してしまい費用対効果が急激に悪化してしまうこともあるため、クリック単価と共に注意して見ることが大切です。

コンバージョン数の最大化は、広告の予算がなかなか消化できない場合におすすめの方法です。コンバージョン数の最大化で運用すると、一日の予算を最大限に使用してコンバージョン数を上げることができるので、ぜひ利用してみてください。

コンバージョン値の最大化

ポートフォリオ入札戦略の種類の1つに、「コンバージョン値の最大化」があります。

コンバージョン値の最大化とは、コストの消化と売上を最優先にした自動入札戦略のことをいいます。

コンバージョンの価値が複数に渡ってある場合に利用でき、もっとも売上が増加するコンバージョンを最優先して入札が可能になります。

しかし、コンバージョン値の最大化は、コンバージョンデータが十分にない場合は最適化がされない他、コンバージョンを最優先してしまうため、クリック単価が高騰してしまう場合があります。

 

コンバージョン値の最大化の効果を検証する際に見る指標は、「コンバージョン数」と「コンバージョン単価」、「クリック単価」の3つになります。

まず、コンバージョンが獲得できているかを確認し、コンバージョン単価が高騰していないか、クリック率が高騰していないかをチェックすることが大切です。

コンバージョン値の最大化を利用したいと考えている方で、自社サイトで複数の商品を販売している運営者だと特におすすめです。

商品によって価格が違う場合はコンバージョンの価値も違っているため、コンバージョン値の最大化によってあらかじめコンバージョン値を設定し、売上が最大になるように目指していきましょう。

目標インプレッションシェア

ポートフォリオ入札戦略の種類の1つに、「目標インプレッションシェア」があります。

目標インプレッションシェアとは、Googleなどの検索サイトの最上部や任意の位置に広告を配信できるための入札を行うことです。

インプレッションシェアの目標をしっかりと調整することで、自社広告が検索結果の最上部に表示できるようになるため、自社製品の認知向上に使用できます。

競合の広告出稿が多い場合、競合の広告よりも上部へ配信をしたい場合にも利用できるため、他社よりも認知獲得をしたいときにも利用することも可能です。

 

目標インプレッションシェアの「インプレッションシェア」とは、広告が表示可能だった回数に対して実際に表示できる回数の割合のことを言います。

そんな目標インプレッションシェアですが、広告の掲載位置を重点に置いた入札方法となるため、場合によってはCPAが高騰してしまう可能性があるため、どこまでCPAを許容して利用できるかを先立って決めておき、常に監視しておく必要があります。

 

目標インプレッションシェアの効果を検証する際に見る指標は、「掲載する位置」と「コンバージョン単価」になります。

希望している位置に広告が掲載され、しっかりと配信されているかを確認し、思った通りに掲載がされていない場合はインプレッションシェアの設定を調整しておくことが必要です。

目標インプレッションシェアは、コンバージョン単価が高騰してしまう場合があるため、想定していなかったコンバージョン単価になっていないかをチェックしながら運用をしていく必要があります。

目標インプレッションシェアを利用するのであれば、自社製品やサービスの認知向上を目指す方に特におすすめです。

Googleなどの検索サイト最上部や、競合他社よりも目立つ位置に意図的に広告を掲載しておくことで、より多くのユーザーに対して自社製品をアピールできる効果があります。

ポートフォリオ入札戦略のメリット

それぞれに特徴があるポートフォリオ入札戦略には、使用することのメリットもあります。

  • 管理がしやすい
  • クリック単価の上限・下限が設定しやすい
  • 効率よく比較できる
  • 広告グループ単位で目標値を変更できる

詳しく説明していきますので、ぜひ参考にしてみてください。

管理がしやすい

ポートフォリオ入札戦略を設定するメリットは、「管理がしやすい」ことです。

特に、キャンペーンの数が多くなっているアカウントでは、そのキャンペーンごとに入札戦略を設定していると時間や手間がかかってしまい、どうしても管理が面倒になってしまいます。

しかし、ポートフォリオ入札戦略では一括で管理をすることができ、ポートフォリオを変更するだけで適用する範囲のキャンペーンすべてに反映して管理を行うことができます。

ポートフォリオ入札戦略は、キャンペーン全体で目標を達成するために自動で調整を行ってくれるため、機械学習の最適化にも繋がり、データを素早く集めることも可能です。

クリック単価の上限・下限が設定しやすい

ポートフォリオ入札戦略のメリット2つ目は、「クリック単価の上限・下限が設定しやすい」ことです。

自動入札という機能は、集めたデータを元にしてコンバージョンに至る可能性が高いと思われるユーザーの行動や検索結果に対し、入札を強化して広告配信をすることができます。

ですが、入札強化をしすぎてしまうと、クリック単価が1000円を超えてしまったりなどの結果が出てしまい、後にレポートで知って慌ててしまうこともあります。

ポートフォリオ入札戦略では、それらのトラブルに対処ができるよう、クリック単価の上限・下限を定めることができます。

クリック単価の金額を定めておけば、上限金額以上の入札を強化して広告を配信することはありません。

 

ポートフォリオ入札戦略は、1つのキャンペーンに対しても適用できるため、1つだけのキャンペーンで自動入札を導入しようとしている方の中で、クリック単価の高騰を懸念していた方には特におすすめです。

しかし、自動で動いているものに対して制限を設けてしまうことは、どうしても機械学習の妨げとなってしまうため、あまり媒体としては推奨をしていません。

まずは、クリック単価の上限を設定せずに自社サイトの運用を始め、成果がどれくらい上がったかを確認してからクリック単価の調整を行う流れで行うことがおすすめです。

効率よく比較できる

ポートフォリオ入札戦略のメリット3つ目は、「効率よく比較できる」ことです。

ポートフォリオ入札戦略では、複数のキャンペーンを跨いで行えるため、最適化対象の要素がだんだんと増えていきます。

分析しなければならないデータの量も増えていくことで、その分最適化が進みやすくなっています。

ポートフォリオ入札戦略は、単体のキャンペーンに対してだけではなく、全体で目標を定めて達成しようと自動で調整していきます。

獲得数の多い自社商品に自動的に予算を寄せることができたり、複数のキャンペーンを跨いで自動的に予算配分の調整をすることもできるので、そういったことが自身で行うことが苦手な方にはおすすめです。

広告グループ単位で目標値を変更できる

ポートフォリオ入札戦略のメリット4つ目は、「広告グループ単位で目標値を変更できる」ことです。

ポートフォリオ入札戦略はキャンペーンレベルでの適用方法となってしまいますが、実際は広告グループごとに目標値を個別でも設定することができます。

特定の広告グループにだけ配信を強化したり、抑制したりしたい場合に利用できるため、とても便利な機能でもあります。

しかし、上限・下限で設定する入札単価は、キャンペーン単位でのみの適用となってしまうため、注意が必要になります。

ポートフォリオ入札戦略のデメリット

便利なポートフォリオ入札戦略ですが、デメリットも存在しています。

  • データの蓄積が必要になる
  • 季節によって調整が必要
  • 学習期間が必要になる

それぞれご紹介していきますので、活用時の参考にしてみてください。

データの蓄積が必要になる

ポートフォリオ入札戦略のデメリット1つ目は、「データの蓄積が必要になる」ことです。

ポートフォリオ入札戦略のシステム自体が、最適化を行うために判断材料として収集するデータが必要不可欠となります。

しかし、そのデータが十分に収集・蓄積ができていない場合、調整の精度も不安定になってしまいます。

手動で運用していた際には問題なかったのに、自動にしたらデータが足りずコンバージョンが達成できなかったということも考えられるため、データはしっかりと蓄積できるようにしておきましょう。

季節によって調整が必要

ポートフォリオ入札戦略のデメリット2つ目は、「季節によって調整が必要」ということです。

自社の製品やサービスが、セールや季節によって変動するような商品だった場合、どうしてもパフォーマンスが大きく変わっていく期間が発生してしまいます。

その場合、前後のデータも含めた最適化が行われるため、入札戦略のパフォーマンスが安定してくれないというケースも出ます。

その場合、一時的に手動で調整を行い、動向を見て判断をしていかなければならないため注意が必要です。

学習期間が必要になる

ポートフォリオ入札戦略のデメリット3つ目は、「学習期間が必要になる」ことです。

自動入札戦略で最適な入札が行われるようになるまで、ポートフォリオ入札戦略は機械学習を行う期間が必要になってきます。

この機械学習期間中は、自身で設定した目標とは異なる結果が出てしまうことがあり、その期間は2週間程度は見込まなければなりません。

機械学習を利用した入札戦略の場合、最大で2~3週間は必要になってしまうため、その間は結果や流れなども安定してくれないことも多々あります。

どうしてもパフォーマンスが安定しないことで、目標として定めた値を手動で動かしてしまいたくなりますが、機械学習に影響を及んでしまうため我慢することが大切です。

ポートフォリオ入札戦略の設定方法

ポートフォリオ入札戦略には、GoogleやYahoo!でも設定方法が異なります。

それぞれ、どのように設定をするのかを解説していきます。

共有ライブラリで作成する|Google

Googleでの作成方法である「共有ライブラリで作成する」方法をご説明します。

①Google広告アカウントにログインする。
②管理画面の右下にあるツールアイコンをクリックし、「共有ライブラリ」の「入札戦略」を選択する。
③プラスボタンをクリックし、作成する入札戦略のタイプを選択する。
④新しいポートフォリオ入札戦略の名前を記入する。
⑤含めるキャンペーンを選択(ポートフォリオ入札戦略の作成後にキャンペーンを追加することも可能。
⑥入札戦略の設定を入力。
⑦「保存」をクリック。

既存のキャンペーンで作成する|Google

Googleの作成方法である「既存のキャンペーンで作成する」方法をご説明します。

①Google 広告アカウントにログイン。
②「キャンペーン」 をクリック。
含めるキャンペーンを選択。
上部のナビゲーション メニューで [編集] をクリック。
プルダウン メニューから [入札戦略を変更] をクリック。
⑥新しいポートフォリオ戦略を作成するか、既存のポートフォリオ入札戦略を使用するかを選択する。

  • [既存のポートフォリオ入札戦略を使用する] を選択した場合は、表示されるリストから戦略を選択

  • [新しいポートフォリオ入札戦略を作成する] を選択した場合は、新しい戦略の設定を入力し、名前を付ける。

⑦「適用」 をクリック。

引用:Google広告ヘルプ
https://support.google.com/google-ads/answer/6263058?sjid=14052128645454265862-AP

Yahoo!

Yahoo!でのポートフォリオ入札戦略の設定方法をご説明します。

①広告管理ツールの「検索広告」タブをクリック。
②「ツール」タブの矢印(▼)をクリックして、プルダウンメニューから「ポートフォリオ入札管理」をクリック。または、「ツール」タブをクリックし、ツール一覧画面で「ポートフォリオ入札管理」をクリック。
③「ポートフォリオ入札管理」画面で「ポートフォリオ入札設定の作成」ボタンを押す。
④作成する自動入札タイプをクリック。
⑤手順④で選択した自動入札タイプに応じて、必要な項目を入力・設定する。
⑥「作成」ボタンを押す。

引用:Yahoo!広告ヘルプ
https://ads-help.yahoo-net.jp/s/article/H000044793?language=ja

ポートフォリオ入札戦略の入札を確認するには?

ポートフォリオ入札戦略を導入していても、どこで入札を確認すればいいのか、実際にうまく機能しているのかどうかをどこで見ればいいのか、手動の入札に比べてしまうと分かりにくい部分が多くあります。

ポートフォリオ入札戦略の入札を確認するためには、「入札戦略レポート」を確認すると、入札がされているのかを見ることができます。

入札戦略の種類ごとで、関連性の高い指標や重要なデータを見ることができるので、入札戦略のより良いパフォーマンスを把握することも可能です。

入札戦略レポートでは、配信されている広告がクリックされコンバージョンが達成されるまでにかかった平均的な時間と、平均的な所要期間を基づいて、管理画面に今後反映されていくだろうコンバージョン数の見込みを確認することもできます。

 

ポートフォリオ入札戦略では、目標コンバージョン単価を設定しているコンバージョンが計測している期間が経過した際に、設定したコンバージョン単価を達成できるように入札がされます。

そのため、ユーザーが配信されている広告をクリックしてからコンバージョンまでの期間や流れが長い商品を取り扱っている場合、設定している目標コンバージョン単価に対し、CPAが高い状態で推移することが多くあります。

獲得する単価を抑えるために目標コンバージョン単価を下げてしまう、ということをしてしまうこともありますが、それは単価を改善することができても、同時にコンバージョン数も減らしてしまうことに繋がります。

入札設定を変更してしまう前に、今後CPAが減少してしまう見込みがないかを確認し、コンバージョン達成までにかかる時間と、コンバージョン数の見込みを確認することが大切です。

ポートフォリオ入札戦略の注意点

ポートフォリオ入札戦略には、使用する際に注意することがあります。

特に注意しなければならないことについて、説明していきます。

オーナーの設定

ポートフォリオ入札戦略では、「オーナーの設定」をすることができます。

ポートフォリオ入札戦略を作成する際に、オーナーの部分を「クライアントセンター(MCC)」にするか、「該当の広告を配信するアカウント」にするかを選択することが可能です。

クライアントセンター(MCC)にした場合は、MCCの配下の広告配信用アカウントを利用することができます。

しかし、その場合だと設定を間違ってしまい別のアカウントに紐付けてしまったり、自分でも意図していない入札戦略の変更がされてしまうこともあるので注意が必要です。

 

特に広告代理店の場合は、違ったクライアントの間で同じポートフォリオ入札戦略が適用されてしまったというケースもあるため、原則的にはオーナーは該当の広告配信アカウントにすることがおすすめです。

逆に、自社で1つのクライアントとして複数のアカウントを利用し、ポートフォリオ入札戦略を1つだけ利用している場合は、運用的にも工数を管理して手間を削減していきたいという思いがある方も少なくないかと思います。

その場合は、MCCをオーナーに設定することで上手く使い分けができるケースもあるので、見極めつつ利用していくことが重要です。

ポートフォリオ入札戦略を使用するのにおすすめのケース

ポートフォリオ入札戦略を使用するのに、おすすめのケースがあります。

  • 配信地域でキャンペーンが分かれている
  • 複数キャンペーンを扱いつつ会社の利益を最大にしたい

おすすめのケースについて、ご紹介していきます。

配信地域でキャンペーンが分かれている

ポートフォリオ入札戦略を使用するのにおすすめのケース1つ目は、「配信地域でキャンペーンが分かれている」場合です。

GoogleやYahoo!などを利用した検索広告では、広告グループごとのエリア設定ができないため、ケースのそれぞれを出し分けして管理するには、キャンペーンを分けて作成をしなければなりません。

例えば、何かを地域別に分けて販売している仲介事業会社の場合、販売している商品は仲介元の会社から購入してユーザーに販売しているため、地域によって価格が変わったりもします。

 

その場合、地域ごとに金額を打ち出して広告を配信したりするため、価格の違うデータや広告を出して分けなければいけません。

この場合、キャンペーンそれぞれで別の自動入札を設定してしまっていると、1つのキャンペーンで成果があまり良くなかった場合は他のキャンペーンで目標を達成させる・上回らせなければならず、時間や手間がかかります。

そこで、ポートフォリオ入札戦略を利用することで、1つの入札戦略で複数キャンペーンを一括で管理することができ、キャンペーン間のコンバージョンの目標や入札の調整も自動で行ってくれます。

通常キャンペーンごとに予算の設定をしなければならないのですが、Google広告にある共有予算機能を使用することで複数キャンペーンの予算も管理することができます。

共有予算とポートフォリオ入札戦略を同時に使って、複数キャンペーンの予算配分を自動で管理することで管理工数全体の成果の向上を目指すことも可能です。

複数キャンペーンを扱いつつ会社の利益を最大にしたい

ポートフォリオ入札戦略を使用したほうがいいケース2つ目は、「複数キャンペーンを扱いつつ会社の利益を最大にしたい」場合があります。

複数の商品を販売しているECサイトを運営している場合、ショップでは多数の定価の商品を販売して広告を展開していますが、販売する部署がそれぞれ違うため、広告にかける予算が分かれています。

それぞれの部署で目標値は掲げられていますが、会社全体の目標としては費用対効果が定まっている場合、一方の成果が減少したり、何かしらの要因で売れ行きがあまり芳しくなくなると、予算のかけ方を見直さなければなりません。

もちろん、配信する広告以外の手法も増やしていかなければいけないため、どうしても手間や時間がかかってしまいます。

 

 

そんな時にポートフォリオ入札戦略を利用することで、目標費用対効果の自動入札を使って会社全体の目標を達成するように調整することができます。

もともと費用対効果が高い商品があった場合、その商品で多くの獲得が取れるように入札を自動で調整してくれるようにも動いてくれるだけではなく、会社の経営目的も達成してくれるため、会社全体で利益を最大限に獲得したいときはポートフォリオ入札戦略を利用することが重要です。

ポートフォリオ入札戦略を使用しないほうがいいケース

ポートフォリオ入札戦略を使用したほうがいいケースを紹介しましたが、反対に紹介しないほうがいいケースもあります。

  • 配信時間が短い
  • 少額の予算設定
  • 停止期間がある

それぞれ紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてください。

配信時間が短い

ポートフォリオ入札戦略を使用しないほうがいいケース1つ目は、「配信時間が短い」ことです。

期間が短いプロモーションや、配信の期間が限られている場合は、プロモーションとして広告を配信する期間の大半が機械学習に使われてしまいます。

その場合、パフォーマンスを発揮しないまま配信が終わってしまうことがあるため、このケースの場合は手動で入札戦略を運用したほうがいいとされる可能性が高くなります。

ポートフォリオ入札戦略を導入する前に、機械学習に必要となる期間が十分に確保されているかどうかを確認し、導入するかを判断することが大切です。

少額の予算設定

ポートフォリオ入札戦略を使用しないほうがいいケース2つ目は、「少額の予算設定」がされていることです。

月で決められた予算が、数万円などの少額で運用をされている場合、設定している目標であるCPAなどとギャップが生まれてしまいやすく、広告配信が制限されてしまうことで最適化がうまく働かないといったことになりやすいです。

ポートフォリオ入札戦略の中でも、スマート自動入札を使用した入札戦略の場合は、目標の10倍を予算設定とすることがおすすめとされているので、そこを目安にして使用できる予算が十分にあるのかを判断して導入を検討するようにしましょう。

停止期間がある

ポートフォリオ入札戦略を使用しないほうがいいケース3つ目は、「停止期間がある」場合です。

ポートフォリオ入札戦略を使用している中で、パフォーマンスや設定した予算の都合で広告を配信停止する期間を挟んでしまうと、機械学習のデータ鮮度が落ちてしまい、復帰させて再開した直後のパフォーマンス精度が安定してくれない傾向があります。

ポートフォリオ入札戦略を使用する場合は、継続的に広告を配信できるように、予算設定やパフォーマンスがしっかりと機能するかを見て行うことがおすすめです。

 

配信を停止してしまう以外に、コンバージョンのタグを設置ミスしてしまい、コンバージョン計測に不備があった場合も自動入札のパフォーマンスに影響が出てしまいます。

もし、配信停止やコンバージョンタグの設置ミスでコンバージョン計測不備などのトラブルが起こった場合、ポートフォリオ入札戦略のデータ除外を設定すると、配信停止やトラブルがあった期間を除外し、自動入札を正しく最適化することが可能です。

ポートフォリオ入札戦略を使用してパフォーマンスを上げよう

ポートフォリオ入札戦略は、配信されている広告の運用データを元にし、広告運用に対して目標達成が可能になり、それに伴って最適な自動入札を行ってくれる便利な機能でもあります。

入札されている状況を常に監視しながら調整するという必要がなくなるため、配信広告の運用で大幅な効率化を期待することができます。

そして、ポートフォリオ入札戦略にはいくつか種類があるため、自社が配信している広告の目標値に合致するものを選択し、ポートフォリオ入札戦略の導入をすることでパフォーマンスを上げることも可能です。

機械学習の期間が2週間程度あるなど、ポートフォリオ入札戦略を導入するために準備をする期間が必要ではありますが、本記事を参考にしポートフォリオ入札戦略をうまく利用して広告運用に活かしてみてください。



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