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宣伝失礼しました。本編に移ります。
携帯電話の普及に伴い、気軽にインターネットでのやり取りができるようになったため、企業とのコミュニケーションツールとしてSNSが当たり前に使われています。
堅苦しい前置きや面倒な手順を踏まずとも、自分の意図や思想・思考を気軽に伝えられるSNSの登場から、メールは古いものと考えてしまっている人は少なくありません。
しかし、昔ながらのメールはまだ廃れておらず、近年メールを用いたマーケティングが「効果的な営業方法」として重要視されています。
SNSやニュースサイトなどで配信する広告よりも低予算で済み、コンテンツ作成を内製化できる「メールマーケティング」は、獲得した顧客とのコミュニケーション維持のために利用しない手はありません。
本記事では、メールマーケティングを活用したい方に有用な情報を解説していくので、ぜひ最後まで読んでください。
メールマーケティングとは?
メールマーケティングとは、電子メールを利用して顧客や一般のユーザーとコミュニケーションを取るデジタルマーケティングの施策になります。
自社が保有する顧客リストや名刺などから得たアドレスに対してメールを配信し、見込み顧客へのアプローチや、返信内容に応じたアクションを取る「一連の活動」のことです。
メールマーケティングの手法はいくつかあり、状況に応じた手法を用いて顧客とコミュニケーションをおこない、商品購入や契約の継続など「意図する行動」を起こしてもらえるように促します。
メールマーケティングは、1990年代後半に登場した「メール広告」が始まりです。
メール広告が一般的に利用されるようになり、その後マーケティングの一般的な手法として「メールマガジン」が登場、メールを用いた発信力が少しづつ大きくなっていきました。
手軽に情報発信できるSNSの普及から「時代遅れ」とも思われたメールマーケティングですが、2015年にMA(マーケティングオートメーション)ツールの効果測定によって有効性が示されたのです。
今では「基本的なマーケティング手法」として、その地位を確固たるものにしています。
メールマーケティングが重要である理由
近年「コミュニケーションツール」の主流はSNSで、面倒な前置きや手順を踏まず気軽に情報発信できることから、若い人だけでなく大手の企業もSNSを利用した広告展開に注力しています。
しかし、40代以降のマネージャーや管理者の多くは、SNSよりもメールの利用率が高いです。30代以上の会社員世代も、メールの利用が増えている…という調査結果が出ています。
実際の会社でも、社内コミュニケーションはチャットツール、社外での顧客とのやり取りはメール…という会社が多くあり、メールは決して「時代遅れ」の手段ではありません。
メールの利点として、日常的に使っているため「新たなアプリやツール」の使い方を覚える必要がなく、メールを受け取る顧客側にも面倒な手間をかけさせないので「双方に利点があるやり方」として今なお主要なコミュニケーション手段となっています。
ほかにも、メールマーケティング活用の利点があるので、以下で解説していきましょう。
メールマーケティング市場は今なお拡大中
メールマーケティングは、全世界で非常に有効なマーケティング手法として、その地位を確立しています。
メールマーケティングは広告と違い、比較的低予算で多くの顧客に対して施策を実行可能で、費用対効果の高さが特徴です。
人工知能(AI)を活用したメール配信ツールの登場で、メールの作成から分析・評価にかかる時間が大幅にスピードアップしました。
その結果、詳細な顧客セグメントをおこなった複数のターゲティングメールを短時間で作成できるようになり、この効率の高さからメールマーケティング市場が一気に拡大したのです。
SNSがコミュニケーションツールとして普及しても、メールマーケティングは今なお必須のマーケティング手段として、これからも活躍していくでしょう。
顧客とのコミュニケーションを継続できる
顧客との継続的なコミュニケーションは、顧客との接点を持ち続け最適なタイミングでコンテンツを提供できるので、自社商品の検討を打ち切られたり、競合他社に乗り換えられたりすることを防げます。
BtoB企業の場合、購入決定が承諾されるまでに複数の役職や部門を通すため、検討から購入までに長い時間がかかるのが通常です。
購入する商品によっては年単位の期間が必要なものも多いため、この長期間にメールなどでフォローをし続け、検討状況に応じた有益な情報を提供すれば、導入検討を前向きに進めてもらえることもあります。
それに加え、メールを通じて有益な情報提供を続けていれば、見込み顧客からのアクションが得られることも少なくありません。
メールマーケティングをおこなうことで、少ない労力で「顧客に自社の存在を定着させる」ことも可能です。
高い購買意欲を持つ「見込み顧客」の情報を得られる
メールマーケティングを活用することで、購買意欲の高い「見込み顧客」を知ることが可能になります。
営業による電話や外回りでは対象とする顧客の興味度合いが不明のままアプローチを始めることが多く、直近で検討している見込み顧客に遭遇する可能性が低いうえに、逆に悪印象を与えてしまうことも少なくありません。
しかし、メールマーケティングを活用すれば、メールを通して自社サイトにアクセスしてくれたり、問い合わせや資料請求があったりなど何らかのアクションを起こしてくれる可能性が出てきます。
何らかのアクションを自主的に取ってきた見込み顧客は、検討度合いが高く商談が成立しやすいので、メールマーケティングはそういった情報収集にも役立てることが可能です。
メールマーケティングのメリット
メールマーケティングを始めるにあたって、どのようなメリットが発生するのかを知ることは「自社の強み」を洗いだすことにも役立ちます。
メール作成時には「自社コンテンツのアピール」を考え、それをどう表現するか…を考えることが多いでしょう。
その結果、競合他社と比較して「足りなかったもの」や「改善点」を再認識することもできるので、担当者の成長やスキルアップにも繋がります。
そのほか、どのようなメリットがあるのかを以下で解説していきましょう。
ダイレクトメールよりも低コスト
メールマーケティングを活用する最大のメリットは「低コスト」で運営・管理ができることでしょう。
メール配信ツールや効果測定をおこなうためのツールは、メールマーケティングを始めるために必要な初期費用となり、工夫次第で数千円から始めることが可能です。
従来の紙を使ったダイレクトメールの場合は、配送する人数分に応じたハガキや封筒の代金・印刷代・送料などの費用がかかります。そのうえ、ダイレクトメールのサイズによっては送料がさらに高額になることも…。
メールマーケティングの場合は、そういった費用がかからないうえに「掲載するコンテンツの内製化」が可能になるので、人件費もおさえることができます。
簡単に始めることができる
メールマーケティングは特別なアプリなどを必要としないため、簡単に始めることが可能です。
近年の企業で「メールを利用していない」会社はまずありません。そのため、自社が保有しているアドレスリストからメールを送信すれば、簡単にマーケティングができます。
配信するメールには「自社サイトのコンテンツ」や「商品の導入事例」を掲載するようにすれば、特別なスキルや知識がなくとも手軽に運用・管理が可能です。
少ない労力で顧客にアプローチできる
メールマーケティングを利用すれば、自社商品の紹介や宣伝のために営業担当が「外回り」をする必要がありません。
足を使った外回りの営業では不可能な数でも、メールを利用すれば「短時間で数千社にアプローチ」できるので、人的リソースの削減や時間の有効活用に繋がります。
メールなら「距離」も関係ないので、移動にかかる費用の削減も可能です。
そのほか、特定の状況にある見込み顧客だけをピックアップして「状況伺いメール」を配信できるのも、メールマーケティング活用の強みとなります。
効果測定による改善がしやすい
あらかじめ顧客から了承を得てメールを配信しているため、開封率やコンバージョン率が高く成果が出やすいメールマーケティングですが、思ったような結果が出ないことも少なくありません。
そういった時でも、効果検証ツールを利用することで「どこを改善するべきか」を知ることができます。
メール配信後の効果測定をおこなうことで「開封率」や「クリック率」を知り、顧客に応じたニーズ・自社の課題を浮き彫りにできるので、その情報をもとに競合他社よりも魅力的なコンテンツを配信していけるようにしましょう。
メールマーケティングのデメリット
少ない費用で始められ、省力化しやすいメールマーケティングですが、デメリットも存在します。
- コンテンツ制作のための人的リソースが不可欠
- ユーザーの動向を常に把握しておく必要がある
- 運用コストはゼロにはできない
などの問題点が挙げられます。
それぞれの問題について、以下で詳しく解説していきましょう。
コンテンツ制作のための人的リソースが不可欠
メールマーケティングはリードナーチャリングが目的です。そのため、ユーザーや顧客と継続的なコミュニケーションを取る必要があります。
ユーザーや顧客を飽きさせないためにも、有用なコンテンツを作り配信し続ける必要があり、コンテンツ制作のための人的リソースは必要不可欠です。
コンテンツ制作に充分な人的リソースがあれば問題ありませんが、少数経営の会社ではコンテンツ制作が大きな負担になりかねません。
コンテンツ制作が負担になり、ほかの業務がおろそかになってしまう可能性があるため、社内の業務配分や運用の規模には注意が必要です。
リードナーチャリングとは?
リードナーチャリングとは「見込み顧客の育成」のことです。
Web広告や展示会などで収集したリード(見込み客)に対して、メールなどで継続的なコミュニケーションをとり、購買意欲を高め、受注や商談・契約へと繋げるマーケティング活動を指します。
顧客からの商品やサービスに対する「検討度合い」に合わせた適切なアプローチを続け、最終的に売上アップに繋げることが目的です。
ユーザーの動向を常に把握しておく必要がある
メールマーケティングでは、ユーザーにとって魅力的なコンテンツを配信し続ける必要があるため、常にユーザーの趣味・嗜好・トレンドなどの動向を把握しておくことは必須といえます。
特に、メールマーケティングの精度が高くなるほど動向を把握することが難しくなるため、担当者の負担は増大するでしょう。
しかも、メール配信後のリアクションから最適なステップメールの設定やコンテンツの見直しもおこなう必要があるので、日々の業務の片手間でできる代物ではないことを意識しておいてください。
運用コストはゼロにはできない
メールマーケティングは紙のダイレクトメールと違い、比較的低コストで運用できますが、通信費を含め最低限の費用はかかってしまいます。
それに加え、精度の高いメールマーケティングをおこなうためには担当者の配置が必要になるため、人件費の発生は無視できません。
効果的なメールマーケティングをおこなうためのツールの導入や、コンテンツ作成に必要なアプリなどの初期費用や月額費用なども、運用していくうえで必要なコストです。
費用をおさえることばかりに気を取られ「質の低いコンテンツ」を配信してしまうと、ユーザーから「メール配信停止」にされてしまう場合があるため、度が過ぎたコスト削減には注意しましょう。
メールマーケティングでよく使われる手法
メールマーケティングの手法はいくつかあり、自社商品やサービスの性質のほか、取り組んでいる施策に合ったものを選択する必要があります。
どの手法を選ぶにしろ、長期的なメールナーチャリングを進めていくには「機械的なコンテンツ紹介」よりも、「人間らしい繋がりを魅せてくれる」コンテンツ作りが重要です。
ここからは、代表的なメールマーケティングの手法を詳しく紹介していきます。
メールマガジン
メールマガジンは「メルマガ」とも呼ばれ、多くの企業が自社コンテンツやサービスに関する情報を配信するために利用しています。
事前に許可されたメールアドレスを元に、一括して情報を発信できるため「新製品のお知らせ」や「キャンペーンの情報」を多くの見込み顧客に配信することが可能です。
同一コンテンツを一斉配信する性質から、どのユーザーにとっても有益な情報を厳選して配信する必要があり、コンテンツ制作には細心の注意を要します。
メルマガでは「どの段階でもユーザーや顧客が知りたい情報」の配信がおすすめです。
しかし、どうしても画一的なコンテンツになってしまうため、直接のお問い合わせまで繋げるのは難しいでしょう。したがって、集客やコンバージョンではなく「エンゲージメントの強化」を目的と考えるほうが無難です。
メールマーケティングとメールマガジンの違いは?
メールマガジンはメールマーケティングの手法のひとつですが、以降で紹介するメールマーケティングとは目的・ターゲットに違いがあります。
メールマガジンは「購読」そのものが目的であり、メールマーケティングは「その先の大きな目的」に向けた行動を起こしてもらうことに重きを置いているのが大きな違いです。
メールマガジンの目的は「一般消費者を相手に情報を届けること」に対し、メールマーケティングは「売上アップや商品・サービスの紹介・販促」を主な目的としており、企業向けに利用されることが多くなっています。
特にメールマーケティングは「メールナーチャリング」の要素が強く、商談の機会を起こすことを目的とし、顧客の購買意欲や検討の度合いを高めるために利用される手法です。
メール広告
メール広告とは、Eメールで送信される広告の一種で、メールマガジンのヘッダやフッターに掲載されるタイプと、メールそのものが広告になっているパターンの2タイプがあります。
コンテンツの表示形式も、テキストのみの場合とマークアップ言語を利用したHTML形式があり、HTML形式なら画像の添付や文字の装飾が可能です。
ユーザー層に合致した直接的なアプローチが可能で、入稿から配信まで短期間でおこなえます。
注意点としては、「スパムメール」と判断される可能性もあり、受信先のユーザーやメールソフトに弾かれ閲覧されない恐れがあることです。
ほかにも、受信側の環境によってはHTML形式のメールがうまく表示されず、掲載している動画や画像が見られない…といった点にも注意しておきましょう。
ステップメール
ステップメールとは、個々のユーザーのアクションや検討度合いに応じて、作成しておいたメールを設定したスケジュールを基に自動配信するメールのことです。
ステップメールは商品を購入してくれたユーザーへのフォロー・セミナー参加者へのフォローアップでよく利用される手法で、ユーザーの動向に合わせた情報を提供できるので「あなただけの特別なメール」を演出できます。
ほかにも顧客が資料請求をしてくれた時を例に、ステップメールの送付手順を以下に紹介してみましょう。
1通目は「資料請求のお礼メール」を送付、2通目で「自社製品の導入事例紹介メール」、3通目で「競合他社製品との比較メール」、4通目で「カンファレンス開催の連絡メール」を送付…という手順でメールを送付します。
カンファレンスに参加した見込み顧客には、後日「無料トライアル」の案内を送付…。
このように、段階(ステップ)的にメールを送付することで、徐々に顧客との距離を縮めていけるのがこのステップメールの特徴です。
セグメント(ターゲティング)メール
セグメントメールとは、ユーザーや見込み顧客を一定の条件でセグメント分けして、各セグメントで必要とされる情報を配信するメールです。
別名「ターゲティングメール」とも呼ばれ、配信するユーザーや顧客を分別し各セグメントに適格な情報を配信できることから、メールの開封率やクリック率は高い傾向にあります。
セグメント分けの方法としては、顧客の所属企業や会社の経営規模・性別や年齢層などの属性、サイトの閲覧履歴などの条件から分けるのが一般的です。
おすすめの運用方法として、あらかじめ複数のコンテンツを作成しておき、各セグメントに応じて必要なコンテンツのみを配信するという方法が、手間も少なく管理が楽な手法となります。
リターゲティングメール
リターゲティングメールは、自社へ何らかのアクションを起こしてくれた見込み顧客に対し、「その先に続く行動を後押し」するための手法です。
自主的に行動を起こしてくれた見込み顧客をターゲットにメールを配信するため、相手の購買意欲をより強くさせるためのコンテンツを配信します。
ステップメールとよく似ていますが、リターゲティングメールは配信するタイミングや目的とする効果が違うことです。
リターゲティングメールは主に…
- 商品に対して関心はあれど、購入を迷っているユーザーへの後押し
- 解約手続きに関するページを見たユーザーに対して、解約を思いとどまらせる
- 商品サンプル請求後に離脱したユーザーへ、期間限定割引クーポン情報の配信
…などに利用され、「ユーザーの特定の行動」を基に配信するメールになります。
休眠顧客発掘メール
休眠顧客発掘メールとは、中長期的または一定期間お問い合わせなどの動きが見えない休眠顧客や見込み顧客に対して、再度アクションを促すために配信するメールのことです。
以前から配信しているメールに無反応になり「休眠」している状態なので、メールの内容としては「従来とは違ったコンテンツ」を制作することを意識します。
配信されてくるメール内のコンテンツがマンネリ化したり、情報に目新しさや価値観を見いだせなくなると解約や離脱に繋がってしまうため、注意が必要です。
休眠顧客発掘メールから再びアクションがあれば、ステップメールやセグメントメールを状況に応じて配信し、お問い合わせや商談に繋げていきましょう。
メールマーケティングで重視する4つの指標
メールマーケティングを始めた頃は、配信するコンテンツの問題点や改善点を理解することは困難を極めます。
しかし、配信したメールに対して効果測定を続けることで、気付かなかった問題点や改善すべき点が見えてくるものです。
問題点や改善すべき点を洗い出すためには、何かしら「指標」となるポイントや数値を決めておく必要があります。
- 送信成功率または送信エラー率
- 到達したメールの開封率
- メール内リンクのクリック率
- コンバージョン率
- 購読解除率
上記の5つが効果測定でよく使われている指標です。
特に「送信エラー率」が高いと、いくら魅力的なコンテンツを制作しても意味がないので、早急に何かしらの対策を講じるべき…だと理解できます。
ここからは、それぞれの指標について詳しく解説していきましょう。
送信成功率または送信エラー率
送信成功率とは、配信したメールがユーザーや顧客である受信者に届いた割合です。逆に「送信エラー率」とは、何らかの理由によりメールが到達しなかった割合を示します。
送信成功率が低下すると、手間をかけて制作したメルマガも迷惑メールフォルダに入ってしまう可能性が高くなり、最悪の場合は「スパムメールに認定」される可能性も否定できません。
送信成功率を上げるためには、まず「メールアドレスの確認」をしましょう。自社メールに「送信ドメイン認証」の設定をおこなえば、スパムメールに認定される可能性を低減させることができます。
到達したメールの開封率
開封率とは、登録済みのユーザーや顧客のもとに到着したメールが受信先で開封された割合のことです。
メール配信ソフトで一斉配信されたメルマガの開封率は、平均して約16〜17%といわれています。
配信したメールの開封率が低い場合、初歩的な原因として「メールの件名や差出人の不足」やメールの配信時間・不適切な配信頻度などが考えられるので、まずはその辺りを改善してみましょう。
メールが無事に届いても、開封されなければ「メールマーケティング」は始まりません。初歩的なミスがないかどうか確認してみてください。
メール内リンクのクリック率
クリック率とは、ユーザーや顧客が受信したメール内に掲載されているリンクのいずれかをクリックした割合です。
クリック率はCTR(クリックスルーレート)とも呼ばれ、実際にクリックされた数を「開封されたメール数」で割り、その数値を求めることができます。
クリック率が低い原因として、メール内コンテンツの記述や見せ方で見込み顧客を誘導できなかった場合が多いです。
対策としては、メール内本文の構成や記述の改善・修正や効果的な装飾、ユーザーや顧客の興味を引く画像の利用などをおこない、メールからの離脱を防ぐ工夫をしましょう。
コンバージョン率
コンバージョンとは「目的や施策の最終的な成果」のことで、メールマーケティングで達成したい目標に対し、成果を得られたかどうかを確認するための指標です。
目標とする成果は業種やプロジェクト内容により違うため、何をもってコンバージョン達成としているかは変わってきます。
配信メールに記載した「URLからの導線」がユーザーの求めるものと違う場合や、メールを配信した相手が適切ではなかった場合は、コンバージョン率が低くなってしまうので、セグメント分けの見直しをしてみましょう。
購読解除率
購読解除率とは、メールを配信しているユーザーや顧客から「配信メールの解除」をされたかどうかで知ることができます。
購読を解除される原因はさまざまですが、配信するコンテンツ内容の改善や「セグメント分け」の見直しなどで最小限におさえることも可能です。ユーザーや顧客側の事情により、購読解除が回避不可能な場合もあることは留意しておいてください。
よくある原因として、メールの配信頻度が多過ぎることや、ユーザー側に「欲しい情報がない」と判断された時などです。
ユーザーや顧客のペルソナに合わせたセグメント分けや、配信コンテンツのマンネリ化を防ぐなどで対策をしましょう。
メールマーケティングで注意すべきこと
まずは「メール」を読んでもらわないと始まらないのですが、「読んでもらう」ために注意すべきことがあります。
よくある失敗として「メールマーケティングの目標があいまい」であったり、「開封率アップが目的」になってしまったりすることがあり、多くの担当者が「手段と目的をはき違えている」ことが少なくありません。
メールマーケティングを進めていくうえで、こだわるべきなのは以下の要点です。
- メールの件名
- ファーストビュー
- 配信するタイミングや頻度
- 配信リストのセグメント分け
- 要点はメール1通あたり1件に絞る
- 自社メールの送信ドメイン認証
まずは件名や冒頭でユーザーの目を引き、有用な情報であることを伝えます。配信するタイミングや頻度をユーザーや顧客の目線で考え「しつこく」ならないように注意しましょう。
受信先のメールソフトに弾かれないような設定をおこない、1件ずつ「伝えたいこと」を確実に配信していきます。
メールマーケティングを実施するには
ここからは、実際にメールマーケティングを実施していくための手順を紹介していきます。
メールマーケティングは、ユーザーや顧客にメールを配信すれば終わり…というわけではありません。
実際にメールを配信してからの「問題点の発生」は少なからずあります。それらを理解していくことで、自社のメールマーケティングは質の高いものになっていくでしょう。
以下に仮説・検証型プロセスであるP(計画)、D(実行)、C(測定・評価)、A(対策・改善)を踏まえた手順を詳しく解説していきます。
目的を明確にする
施策の途中で主旨がぶれないようにするには、メールを配信する目的を明確にすることが重要になります。
特に明確にすべき点は、KGI(重要目標達成指数)とKPI(重要業績評価指数)です。
企業やプロジェクトにより、達成したい目標は違いますが、先に目標のゴール地点を決めてから、メールマーケティングを進めていくための筋道を考えていきましょう。
メール配信先リストを準備する
メールを配信するユーザーや顧客の数が少ない場合、メールマーケティングの効果がわかりづらいことが多いです。
メールマーケティングで設定した目標を達成するために必要な配信数を決め、配信先情報が少ない場合は保有するメールアドレスを増やすことを考えましょう。
メールアドレスの増やし方として、自社サイトにアクセスして資料や請求書をダウンロードしてくれた顧客のアドレスを利用したり、外回りや来訪などで入手した名刺を利用したりして配信可能なメールアドレスを増やしていくことができます。
配信するコンテンツの作成
メールマーケティングをおこなうにあたり、配信するコンテンツの良し悪しは「目標とする成果」に大きく影響します。
コンテンツを作成する前に、どのようなユーザーや顧客をターゲットにするかを決める「ペルソナ設定」を明確にすることが重要です。
あらかじめ決めておいた目的に対して、相手がどういうアクションを起こすかを見える化した「カスタマージャーニー」を設定して、ユーザーや顧客にとって有益な情報の提供・関心を持たせる内容に仕上げます。
配信したコンテンツで相手の購買意欲をアップし、見込み顧客を育てていけるのが理想です。
最初にメールを送る時に意識すべきこと
コンテンツの配信において、最初に考えるべきことは「不要だと思わせない」内容にすることです。
ユーザーや顧客が抱えている課題を洗い出し、自社の商品やサービスを導入することで解決に繋がるかどうかを検証します。
複数の課題を掛け合わせ、条件に合った「導入事例」でコンテンツを作り、見出しや件名で注意を惹くものを配信するようにしましょう。
メールを配信する
コンテンツが完成したら、実際にユーザーや顧客にメールを配信します。
配信する件数が少ない場合は手動でメール送信することも可能ですが、大量の送信先にメールを配信するなら「メール配信ツール」や「マーケティングオートメーション」などの配信ツールを使用しましょう。
メール配信にかかる作業を自動化できれば、短時間で一斉配信が可能になり、メール配信にかかる労力も削減できます。
しかも、上記のメール配信ツールを使用することで、配信後の開封率・クリック率などのデータを容易に入手し、今後の改善や新規コンテンツ作成に役立てることが可能です。
メール配信後の効果測定
メールを配信した後は、配信結果の検証をおこないます。
最初に設定した目標に対して開封率はいくらか、メールからお問い合わせなどのアクションを起こした件数はいくらかなどをチェックし、KPIとの差を分析することで今後のメールマーケティング運用の糧にすることが可能です。
開封率が低かった場合、原因となる要因は何か?
クリック率が低かった原因は何か?
これらの原因を追及し、第三者視点で検証することで改善策を立てやすくなるため、メール配信後の効果測定は必ずおこなうようにしましょう。
ABテストと改善後の再配信
メール配信後の効果測定から得た情報をもとに、課題となる点を改善できたら、再度配信をおこないましょう。
メール配信時に異なるパターンで作成したコンテンツを配信することで、効果の高い配信を取捨選択することができます。
上記の方法を「ABテスト」といい、パターンの違う複数のものを比較して成果が出ているほうを採用するという手法で、インターネットマーケティングで頻繁に利用されている手法のことです。
再配信した後も、引き続き効果測定・改善を繰り返し、より質の高いコンテンツを配信していけるようにしましょう。
メールマーケティングの効果的な戦略と秘訣
メールマーケティングを運用していくうえで、陥りがちなミスは「万人向けになりがちなコンテンツばかり配信してしまう」ことです。
対策のひとつとして「配信するメールに相手の名前を入れる」だけで、メッセージをパーソナライズ化することができます。
そのほか、メールの配信登録者の嗜好を知り、顧客の行動や購入履歴・ステータス・位置情報などを活用して、可能な限り「相手に合わせたカスタマイズ」をしましょう。
そうすることで、「この会社は私のことをよく見てくれている」と思ってもらえる可能性が高まり、コンバージョン率もおのずとアップしていきます。
メールマーケティングを成功させる秘訣は、「誠実で人間らしさがあるパーソナライズされたコンテンツ」を配信し続けることです。
自社の商品やサービスばかりアピールするプロモーションでも、成果は出せるかもしれません。しかし、そういったコンテンツでは短期的なメリットしか生み出しません。
これから成果を出し続け、成功していけるのは「人間味のある繋がりを築ける企業やブランド」になります。画面越しにいるユーザーや顧客は「人間」です。機械的なやり取りだけで成果が出るような甘い世界ではありません。
相手の立場に寄り添うような対応をすることが、メールマーケティングの効果的な戦略と秘訣になります。
メールマーケティングに特化したツールとは
メールマーケティングをおこなう時、配信先の数が少ない場合は手動で配信しても問題ありませんが、配信数が数百・数千を超えてくると手動では非効率です。
メール配信に特化したツールを使用することで、省力化や時間の短縮・配信漏れの削減などが可能になります。
そのほか、配信ソフトを使用すれば配信後の到達率や開封率・クリック率などの効果測定も可能になり、メール配信の結果をスピーディに集計することが可能です。
以下によく利用されるツールを紹介していきます。
メール配信ツール
メール配信ツールは、登録したメールアドレス宛に一斉にメール配信をおこなえるツールです。
配信日時の設定も可能で、登録したメールの内容で指定の日時に自動的に送信することができます。
ほかにも、配信先リストの管理やHTMLメールの作成・宛名名の差し込み機能などもあり、設定した予定に合わせて「ステップメール」の配信機能が備わったツールもあるので、いろいろ調べてみると面白いかもしれません。
ツールによっては、メール配信後の効果測定ができないものもあるため、自社での使い方に合ったツールを選択するようにしましょう。
MA(マーケティングオートメーション)ツール
マーケティングオートメーションツールとは、顧客開拓におけるマーケティング活動を見える化し自動化するためのツールで、見込み顧客を育成し商談化までのアクションを効率化します。
HTMLメールの作成やステップメールの配信・一定の条件でセグメント分けしたアドレスに異なる内容のメール配信・最新の顧客情報のステータスに合わせたメール配信などが可能です。
MAツールを利用することで、サイト閲覧のログなどと連携可能なため、顧客の動向が可視化しやすくなるので、顧客の興味関心の方向性や度合いを理解しやすくなります。
まとめ
メールマーケティングは少ない労力とコストで始められ、継続的な見込み顧客へのアプローチができるので、外回り営業に代わる効果的な施策だといえます。
コンテンツの作成からメール配信・配信後の効果測定まで、注意すべきことやおこなうべきことが多くありますが、根気よく続けていくことで質の高いメールマーケティングができるようになります。
最初からうまくいくことは少ないかもしれません。
まずは少しづつメールマーケティングについてのノウハウを蓄え、中長期的に活用していくことを念頭に置いて運用していくようにしましょう。
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