Webサイトを見ようとする際などにあらわれる「Cookieを有効にしますか」といった表示がされるのを見かける人も多いでしょう。今からすぐにサイトの内容を確認したいのに邪魔をしてくる表示なので、深く考えずに「OK」のボタンを押すこともありますよね。
しかし何でもかんでもCookieを有効にしてしまうと、個人情報が流出するなど大きなトラブルに発展してしまうかもしれません。
そこで今回は、Cookieとはどんなものか?といった基本的な知識や、メリットやデメリットについて詳しくご紹介します。
また、Google広告に関してさらに知見を深めたい!という方は、以下の記事に総括的にまとめてありますので、ぜひ読んでみてください。
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Cookieとは
Cookie(クッキー)という名前だけだと、美味しいお菓子のイメージが先に来るかもしれませんね。耳馴染みのよい単語ですが、Cookieとは実際にどのようなものなのかを説明します。
webサイトを快適に見るための情報
Cookieとは、PCやスマートフォンなどのデバイスに保存される個人情報のことです。今までにどんな種類のwebサイトを訪問したのか、その日時や回数、Webサイトの閲覧回数や、名前などの情報が自動的に記録されます。
またログインIDやパスワードもCookieが記録しているので、再度同じサイトを利用する際に入力する手間を省くことができ、スムーズに利用ができるのです。
FacebookやTwitterなどのSNSを利用している場合など、開くたびに毎回IDとパスワードを入れる必要があると面倒ですよね。Cookieがあるおかげで、すんなりとログインできて中身を確認できているのですよ。
正体はテキストファイル
個人情報がどんどんたまっていく、と聞くと「Cookieを有効にしていたらスマホやPCの容量がすぐに一杯になってしまうのでは…」と不安に感じるかもしれません。
しかしCookieの正体は文字情報の集まりで、メモ帳などのテキストファイルと変わらないサイズのものです。ただし仕様には厳しいルールがあり、Webサイト側がその範囲の中で必要な情報を書き込んで保存しています。
とはいえ文字情報には変わりないので、Cookieが原因で容量を圧迫してしまう心配はしなくてもよいでしょう。
キャッシュとは違うの?
Webサイトを閲覧していくうちに保存されていく情報、と聞くと「それってキャッシュじゃないの?」と思う人もいるでしょう。
キャッシュとは「閲覧したWebサイトのデータ」が記録されるもので、個人情報ではありません。キャッシュは「以前利用したサイトの表示をスムーズにするもの」で、Cookieは「以前利用したサイトの個人情報の入力を不要にするもの」です。
両者の違いを正しく理解し、混同しないように注意しましょう。
バナーが出てきてうっとうしい…
Webサイトに訪問したとたんに、大きく「Cookieを有効にしてください」とバナーが表示されることがあります。
Cookieを有効にしないと内容を見られないサイトもあるので基本的に「OK」にすることも多いですが、Androidの端末で「Chromeブラウザ」を使用している方や、iPhoneなどiOS端末で「Safariブラウザ」を使用している方は、設定を行うことでバナーの表示を消すことができます。
パソコンの場合でも「Chrome」や「Microsoft Edge」「Fire Fox」などのブラウザで設定すれば表示を消すことが可能です。
「どうせOKにするのにいちいち表示されるのが面倒!」という人は、設定を見直してみましょう。
Cookieの種類について
Cookieには種類があります(チョコ味やプレーン味などではないですよ)。どんな種類があるのかくわしく説明しますね。
ファーストパーティ
ファーストパーティのCookieとは、閲覧したWebサイトの運営者が直接発行するCookieのことを指します。
例えばECサイトを利用する際、買い物かごにどんな商品を入れたのかの情報やID・パスワードを入力した情報が、ファーストパーティの情報として保存されます。この情報は原則として、閲覧したサイトの中でしか使われません。
ファーストパーティのCookieはユーザーの行動を精度高く追跡できるというメリットがありますが、Webサイトの運営社がCookieを発行する負荷がかかります。
サードパーティ
サードパーティのCookieとは、閲覧するWebサイトとは別のサイトが発行するCookieのことを指します。
例えばあるWebサイトを閲覧する時に、広告が掲載されていることがありますよね。この広告を掲載する広告代理店などが、ユーザーの追跡を行うために発行します。
「以前に家具を購入しようとWebサイトを閲覧したけれど、その後全く関係ないサイトを閲覧しているときにも家具の広告が表示された」という経験をしたことがある人も多いのではないでしょうか?これがサードパーティCookieの機能というわけです。
Cookieのメリット
すでに何度かご紹介してきましたが、Cookieにはさまざまなメリットがあります。ここでは、Cookieのメリットについて改めて詳しく説明します。
何度もログイン情報を入れる必要がない!
Cookieを利用するとログインに必要なIDやパスワードといった情報が引き継がれるので、同じWebサイトを再度利用する際に入力する手間を省けます。
また万が一IDやパスワードを忘れてしまったという場合でも、Cookieを導入していれば問題なく利用できるのもありがたいですね。
頻繁にIDやパスワードを変更してセキュリティを強化したい時にも、毎回Cookieに情報を保存しておけば入れ間違えのリスクを減らすことができます。
ネットショッピングでカートの中身が消えない!
楽天市場やAmazonなどのECサイトを利用する際に「以前買った商品」や「あなたへのおすすめ商品」などが紹介されることがあります。
紹介されたおかげで商品をリピートできたり、おすすめ商品に興味が湧いて購入に至ったりすることもあるでしょう。
これらもCookieの情報が活用された結果によるもので、ユーザーも新しい発見ができますし、運営者側にも商品を買ってもらえるチャンスが増えるというメリットがあるのです。
企業はマーケティングに役立てられる
Cookieは運営社側にとってもさまざまなメリットがあります。
上述した通り商品の購入機会が増えるのはもちろん、ユーザーが実際にどんなページを見てどんな行動を起こしたのかを追跡することができるので、ユーザーに興味を持ってもらえる広告を表示させるようにできたり、運営サイトの見直しに役立てたりすることが可能です。
またサードパーティのCookieを活用してリターゲティング広告を出稿し、自社の商品に興味を持ってくれそうなユーザーを追跡して広告を表示させて購入機会を増やすこともできます。
Cookieのデメリット
Cookieを利用するとさまざまなメリットがある反面、リスクの大きなデメリットもあります。どんなデメリットがあるのかを詳しく説明します。
個人情報が流出する恐れがある
Cookieは個人情報をデバイスに保存し入力の手間を省くものですが、Cookieのデータが流出し個人情報を第三者に知られてしまうリスクがあります。
PCやスマートフォンを紛失した際に、全くの他人が勝手に使用してWebサイトにログインされてしまう可能性も考えられるでしょう。
Webサイトのセキュリティ対策が十分でないタイミングで個人情報が抜き取られ不正利用されてしまうケースも実際にあるため、特に注意が必要です。
プライバシー侵害の声も
サードパーティのCookieは第三者が勝手に行動履歴などの個人情報を利用するため、近年プライバシーの侵害にあたると指摘されはじめています。
自分の属性や趣味・趣向を勝手にデータ化し、その情報を販売されているとすると気持ち悪いし怖いと感じる人も多いのではないでしょうか?
すでに各国ではCookieの規制が厳格化してきており、Cookieの利用に制限がかかる可能性が高まっています。
リターゲティング広告が過剰になるケースもある
リターゲティング広告は主にサードパーティのCookieデータを利用した、特定のユーザーに最適な広告を配信できる広告出稿方法です。企業側もターゲティングを絞って配信できますし、ユーザー側も興味を引く広告を目にする機会が増えるので、双方にメリットがあります。
しかしユーザーによっては「特定の商品の広告ばかり表示されるので気味が悪い」「いつも同じような商品の広告ばかりでうっとうしい」と感じるケースもあるでしょう。
ユーザーが不快に思うような広告を知らず知らずのうちに出してしまっているのであれば、企業にとってもデメリットとなります。
Cookieの設定方法
Cookieの設定方法は使用するデバイスやブラウザソフトによって異なります。必要に応じてCookieを有効にしたり無効にしたりできるよう、しっかりと覚えておきましょう。
Android端末
Android端末で「Chromeブラウザ」を使用するケースを紹介します。
- Chromeブラウザを開き、右上にあるアイコンから「設定」を選ぶ
- 「サイトの設定」で「Cookie」を選ぶ
- Cookieを有効/無効にする
iPhone
iPhoneなどのiOS端末で「Safari」を使用するケースを紹介します。
- 設定アプリをタップし「Safari」を選ぶ
- 「すべてのCookieをブロック」を有効/無効にする
PC
PCで「Google Chrome」を使用するケースを紹介します。
- Google Chromeを開き、右上にある「設定」を選ぶ
- 「プライバシーとセキュリティ」から「Cookieと他のサイトデータ」を選ぶ
- 細かくCookieの設定が可能なので「すべて受け入れる」〜「すべてのCookieをブロックする」を選ぶ
Cookieの削除方法
Cookieを削除したいときの操作方法を紹介します。セキュリティソフトを導入していない場合など、早急に操作したい際の参考にして下さいね。
Android
設定方法のときと同様、「 Chromeブラウザ」を使用するケースを紹介します。
- Chromeの右上のアイコンから「設定」を選ぶ
- 「プライバシーとセキュリティ」→「閲覧履歴データを消去する」を選ぶ
- 削除したい期間を選ぶ
- 「Cookieとサイトデータ」から削除対象のボックスにチェックを入れて「データを削除」を選ぶ
iPhone
iPhoneなどのiOS端末で「Safari」を利用するケースを紹介します。
- 設定アプリをタップし「Safari」を選ぶ
- 「履歴とWebサイトデータを消去」を選ぶとCookieが削除されます。
Cookieを使用しない場合は、忘れずに「すべてのCookieをブロック」をONにしておきましょう。
PC
PCで「Google Chrome」を使用するケースを紹介します。
- Google Chromeを開き、右上にある「設定」を選ぶ
- 「プライバシーとセキュリティ」から「Cookieと他のサイトデータ」を選ぶ
- 「すべてのサイトデータと権限を表示」を選ぶ
- 削除したいサイトのゴミ箱をクリックするか「データをすべて消去」を選ぶ
Cookieを安全に活用するポイント
ここまでCookieの特徴やリスクについて紹介してきましたが「情報漏洩が怖くて利用できない…」と利用を諦めてしまう人もいるかもしれませんね。ここではCookieを安心して活用するためのポイントについて詳しく説明します。
共用するデバイスでは利用しない・すぐに削除する
Cookieを安全に活用するにあたって一番に気をつけたいポイントは「自分以外の誰かと共有するかもしれないデバイスではCookieを使わない」と心がけることです。もしくは一時的にCookieを使っても、すぐに削除することを頭に置いておきましょう。
インターネットカフェなどのPCに自分のIDやパスワード、クレジットカードの情報などが残ってしまうとすぐに不正利用されてしまうかもしれません。個人情報を入力する前には必ず、Cookieの設定を確認しましょう。
セキュリティソフトを導入する
Cookieを無効にしておけば流出のリスクは抑えられますが、よく使うWebサイトで何度も個人情報を入力するのは面倒と感じる人が大半でしょう。
不正アクセスをブロックするセキュリティソフトを導入しておけば、Cookieを利用していてもサイバー攻撃などから情報流出を防いでくれます。
セキュリティソフトは無料のものや高機能のものなどさまざまな種類があるので、予算の中で自分が求める機能を備えたソフトを選びましょう。
「ITP」を覚えておこう
ITPとは「Intelligent Tracking Prevention」の略で、Apple製品に搭載される「Safari」においてCookieを規制しトラッキングを防止する機能のことです。
ITPはCookieのプライバシー侵害の声の高まりを背景にアップデートを重ね、情報漏洩のリスクを厳しく制限するよう進化しています。iPhoneやiPadなどのiOS機器を使っているユーザーは、Androidユーザーに比べてCookieのリスクから守られている可能性が高いでしょう。
だからといって安心せず、デバイス関係なくCookieの設定を確認しておくと安心ですね。
まとめ
CookieはスマートフォンやPCを利用する上で、快適性や便利さを生んでくれる機能だということがお分かりいただけたでしょうか。
情報漏洩のリスクや知らないうちにリターゲティング広告に利用される不安などデメリットもありますが、適切に設定を見直したりセキュリティ対策をとったりすれば不安なくCookieを「有効」にできるでしょう。
何も考えずにCookieの設定を有効にしたり無効にしたりしている場合は、改めて設定を見直して活用してみて下さいね。
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