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宣伝失礼しました。本編に移ります。

LINE広告におけるカルーセル広告は、複数の画像や情報を一つの広告枠で効果的に訴求できるフォーマットとして、2020年2月の導入以来、多くの企業で獲得成果向上のための重要な選択肢となっています。このフォーマットは、単一の静止画広告では伝えきれない商品やサービスの多面的な魅力をユーザーに提示し、コンバージョンへと繋げる強力なポテンシャルを秘めています。

しかし、その一方で「設定方法が複雑そう」「どのようなクリエイティブが効果的なのかわからない」「他のSNSのカルーセル広告と何が違うのか」といった疑問や課題を抱えている広告運用担当者の方も少なくないでしょう。本記事では、そのような疑問を解消し、LINEカルーセル広告を最大限に活用していただくため、基本的な概要から詳細な入稿規定、具体的な設定手順、費用対効果を高めるための応用戦略、さらにはパフォーマンス分析と改善手法に至るまで、網羅的かつ実践的な情報を提供します。これからカルーセル広告の導入を検討している方、あるいは既に使用しているものの更なる成果向上を目指している方は、ぜひ本ガイドをご参考にしてください。

また、LINE広告全体の戦略について知見を深めたい方は、以下の記事に総括的にまとめてありますので、併せてご活用ください。

【2025年完全版】LINE広告の費用対効果を最大化する運用戦略|獲得特化の教科書
2023-04-20 00:59
LINEは、今や日本のコミュニケーションインフラとして、私たちの生活に深く根付いています。月間アクティブユーザー数は9,600万人(2023年9月末時点)を超え、その圧倒的な利用者...

LINE広告におけるカルーセル広告の戦略的定義

LINEカルーセル広告の概要を示すイラスト

LINE広告のカルーセル広告とは、単一の広告枠内で、ユーザーが左右にスワイプ(PCの場合は矢印をクリック)することで、2枚から最大10枚までのカード(画像とテキストのセット)を閲覧できるインタラクティブな広告フォーマットです。このフォーマットの本質的な価値は、単に多くの情報を見せられることではありません。獲得型広告の観点から見ると、「1つのインプレッションに対して、最大10通りのクリエイティブ訴求と、それぞれに紐づくコンバージョン機会を提供できる」点にあります。つまり、ユーザー一人ひとりの異なる興味やニーズに対して、複数の角度からアプローチし、最適な解決策(商品やサービス)を提示することで、クリック率(CTR)とコンバージョン率(CVR)の向上を同時に狙える、極めて効率的な広告手法であると言えます。

例えば、ECサイトであれば、ランキング上位の商品を複数提示したり、一つの商品に対してカラーバリエーションや利用シーンを複数見せたりすることで、ユーザーの潜在的な興味を引き出し、サイト訪問への動機付けを強化します。また、不動産業界であれば、物件の外観、リビング、キッチン、周辺環境といった複数の画像を順に見せることで、ユーザーに内見に近い体験を提供し、問い合わせという具体的なアクションへと導くことが可能です。このように、複数の静止画を組み合わせることで、ユーザーの理解度を深め、コンバージョンへの心理的障壁を低減させることが、このフォーマットの戦略的役割となります。

1枚の画像だけでは商品の魅力を伝えきれない、あるいは複数の主力商品を同時に訴求したい、といった課題を抱える際に、LINEカルーセル広告は非常に有効な解決策となり得ます。

LINE広告 カルーセル広告のフォーマットと詳細な入稿規定

LINEカルーセル広告を効果的に運用するためには、そのフォーマットと入稿規定を正確に理解することが不可欠です。規定を遵守することは、広告審査をスムーズに通過させるだけでなく、各配信面でクリエイティブの魅力を最大限に引き出すためにも重要となります。カルーセル広告は、タイムライン(現LINE VOOM)、LINE NEWS、LINEポイントクラブなど、LINEの主要な配信面に対応しており、ユーザーの日常的な情報接触の場に自然な形で広告を届けることができます。また、ユーザーの閲覧履歴などに基づいて最適な商品を動的に表示する「LINE Dynamic Ads」においても、このカルーセルフォーマットが中核的な役割を担っています。

LINEカルーセル広告の配信面イメージ

画像引用元:2021年7-12月期 媒体資料

以下に、カルーセル広告の入稿規定について、各項目を詳細に解説します。単なる仕様の羅列ではなく、それぞれの規定が持つ意味や、成果を出すためのポイントも併せて説明します。

LINEカルーセル広告の入稿規定をまとめたイラスト

参考:入稿規定

カード枚数: 2枚~10枚
最低2枚から、最大で10枚のカードを設定できます。枚数が多ければ多くの情報を伝えられますが、必ずしも10枚である必要はありません。重要なのは、伝えたいメッセージやストーリーを完結させるために最適な枚数を見極めることです。例えば、3~5枚程度でユーザーの興味を引き、テンポよくLPへ誘導する構成も非常に効果的です。ユーザーは必ずしも全てのカードを閲覧するわけではないため、特に重要なメッセージは最初の1~3枚に配置することが鉄則です。

画像仕様: 1080×1080ピクセルの正方形(JPG/PNG形式、10MB以内)
LINEカルーセルの画像は、1:1の正方形のみに対応しています。これは、各配信面で安定した表示品質を保つための仕様です。他のSNS広告で多用される縦長(4:5など)や横長(1.91:1)の画像は使用できないため、クリエイティブを流用する際は正方形へのトリミングや再デザインが必要です。画像のファイル形式はJPGまたはPNG、容量は10MB以内と定められています。特に複数の高画質画像を扱う際は、容量オーバーにならないよう注意が必要です。画質を保ちつつ容量を圧縮するツールなどを活用すると良いでしょう。

タイトル: 各カードに20文字以内
各カードの下部に表示される見出しです。この20文字という短いテキストで、ユーザーの指を止め、次のカードへのスワイプやクリックを促す必要があります。単なる画像の説明ではなく、ユーザーのメリットや興味を引くキーワードを簡潔に盛り込むことが求められます。例えば、「新色登場!」といった事実だけでなく、「3秒で潤う高保湿ミスト」のように具体的な効果や数値を提示したり、「今だけの限定価格」といった緊急性を煽る言葉を入れたりするコピーライティング技術が効果的です。各カードのタイトルに一貫したストーリー性を持たせることで、ユーザーの読み進める意欲を高めることもできます。

ディスクリプション: 各カードに40文字以内
タイトルの下に表示される、より詳細な説明文です。通常の静止画広告(75文字)と比較して約半分と非常に短いことが特徴です。そのため、冗長な説明は避け、要点を絞った訴求が不可欠です。タイトルで興味を引き、ディスクリプションでその根拠や詳細を補足する、といった役割分担を意識すると良いでしょう。例えば、タイトルで「満足度98%の秘密」と問いかけ、ディスクリプションで「〇〇成分を高濃度配合。利用者の声はこちら」と繋げるなど、テキスト全体で一つのメッセージを構築する視点が重要です。

ボタン(CTA): 各カードに設定可能
ユーザーに具体的なアクションを促すコール・トゥ・アクション(CTA)ボタンです。「詳しくはこちら」「購入する」「予約する」「友だち追加」「お問い合わせ」など、複数の選択肢から広告の目的に最も合致したものを選択します。このボタンの文言一つでクリック率やコンバージョン率は大きく変動します。例えば、情報提供が主体の記事LPへ誘導する場合は「詳しくはこちら」が適していますが、商品購入ページへ直接誘導する場合は「購入する」や「オンラインストアで見る」の方がユーザーの意図と一致しやすくなります。各カードで異なるCTAを設定することも可能ですが、ユーザーを混乱させないよう、基本的には一貫したCTAを使用することが推奨されます。

ランディングページ: 各カードに個別のURLを設定可能
これがカルーセル広告の強力な機能の一つです。各カードにそれぞれ異なるリンク先URLを設定できます。例えば、複数の商品を掲載している場合、カードAをクリックすれば商品Aのページへ、カードBをクリックすれば商品Bのページへ直接遷移させることができます。これにより、ユーザーは興味を持った商品に最短距離で到達できるため、離脱率を低減させ、CVRの向上に大きく貢献します。この機能を最大限に活用するためには、後述するUTMパラメータを用いた効果測定が不可欠です。どのカード(どの商品)が最も成果に繋がっているのかを分析し、クリエイティブの最適化を図りましょう。

LINE広告 カルーセル広告のメリット:獲得成果を最大化する3つの理由

LINEカルーセル広告のメリットを解説するイラスト

LINEカルーセル広告が多くの広告主から選ばれるのには、明確な理由があります。ここでは、獲得型広告としての成果を最大化するという観点から、そのメリットを3つの側面に分解して詳しく解説します。

メリット1:複数の商品や訴求軸を提示し、機会損失を最小化できる

LINE広告 カルーセル広告では、一つの商品を多角的に見せるアプローチと、一度に複数商品を提示するアプローチの両方が可能です。これは、多様なユーザーニーズに応え、広告接触時点での機会損失を最小化する上で極めて有効です。
単一商品の多角的訴求:例えば、高機能な美容液を訴求する場合を考えます。静止画広告では「保湿力」という一つの特徴しか伝えられないかもしれません。しかし、カルーセル広告なら、1枚目で「驚きの保湿力」、2枚目で「配合されている独自成分」、3枚目で「利用者のビフォーアフター」、4枚目で「テクスチャーの紹介」、5枚目で「お得な初回購入オファー」といったように、複数の訴求軸を順序立てて提示できます。これにより、保湿力を求めるユーザー、成分を重視するユーザー、価格を気にするユーザーなど、異なる関心を持つ層それぞれに響くポイントを提供でき、コンバージョンへと繋がる確率を高めます。
複数商品のカタログ的訴求:アパレルECサイトがセールを行う場合、代表的なセール品を複数並べて表示できます。ユーザーはスワイプするだけで様々な商品を閲覧でき、その中に好みのアイテムがあれば、直接その商品ページに遷移できます。これは、ユーザーに「宝探し」のような体験を提供し、サイトへの回遊を促す効果があります。また、この手法はクリエイティブのABテストとしても機能します。どの商品カードのクリック率が高いかを分析することで、ユーザーの嗜好や現在のトレンドを把握し、今後の広告戦略に活かすことができます。

メリット2:顧客の口コミや社会的証明を活用し、信頼性を高められる

LINE広告 カルーセル広告では、企業や商品に寄せられた実際の顧客の声をクリエイティブとして表示させることが可能です。これは、マーケティングにおける「社会的証明(Social Proof)」の原理を活用する強力な手法です。ユーザーは、企業からの一方的な宣伝文句よりも、第三者である他の利用者の客観的な評価を信頼する傾向があります。
信頼性の構築:例えば、1枚目に商品のメインビジュアルを提示し、2枚目以降に「使い始めて肌の調子が良くなった(30代女性)」「操作が簡単で助かります(50代男性)」といった具体的な口コミと、利用者の年代や属性を画像として掲載します。これにより、ユーザーはLPに遷移して口コミを探す手間が省け、広告クリエイティブ内で商品概要から第三者評価までを完結して確認できます。この情報収集の手軽さが、商品の信頼性を飛躍的に高め、LPへの遷移率やその後のCVR向上に直結します。
口コミの選定と見せ方:効果的な口コミ訴求のためには、どのような声を選ぶかが重要です。漠然とした「良かったです」という感想よりも、「〇〇の悩みが解決した」「他社製品と比べて〇〇が優れている」といった、具体的でベネフィットが伝わる口コミを選びましょう。また、テキストだけでなく、星評価(★★★★★)のアイコンなどを視覚的に加えることで、より直感的に高評価であることを伝えられます。

メリット3:コンバージョンへの説得プロセスをストーリーとして構築できる

最大10枚の画像を連続して見せられるカルーセル広告は、ユーザーをコンバージョンへと導くための「説得の物語」を構築するのに最適なフォーマットです。静止画が「点」の訴求であるのに対し、カルーセルは「線」の訴求を可能にします。
ストーリー構成のフレームワーク活用:例えば、マーケティングで多用される「PAS(Problem-Agitate-Solution)」のフレームワークをカルーセルで表現できます。

  • 1~2枚目 (Problem/問題提起): 「こんなお悩みありませんか?」と、ターゲットが抱える具体的な悩みを提示し、共感を誘う。
  • 3~4枚目 (Agitate/問題の煽り): 「その悩みを放置すると、さらに深刻な事態に…」と、問題の重要性や緊急性を伝え、ユーザーに自分事として捉えさせる。
  • 5~8枚目 (Solution/解決策の提示): 「その悩み、〇〇が解決します!」と、自社の商品やサービスを解決策として提示。具体的な機能や他社との違い、導入メリットなどを分かりやすく解説する。
  • 9~10枚目 (Action/行動喚起): 解決策によって得られる理想の未来を提示し、「今すぐ試す」「詳しくはこちら」といったCTAで具体的なアクションを促す。

このように、順序立てて情報を提示することで、ユーザーは自然な流れで商品の必要性を理解し、納得感を持って次の行動に移ることができます。この心理的な納得感が、最終的な獲得成果に大きく影響します。

LINE広告 カルーセル広告のデメリットと具体的な対策

LINEカルーセル広告のデメリットを解説するイラスト

カルーセル広告は強力なフォーマットですが、運用する上で注意すべきデメリットも存在します。しかし、これらのデメリットは事前に対策を講じることで、その影響を最小限に抑えることが可能です。ここでは、3つの主要なデメリットと、それぞれに対する具体的な解決策を提示します。

デメリット1:入稿後に画像の掲載順を変更することができない

LINE広告のカルーセル広告では、一度広告を入稿すると、設定したカード(画像とテキストのセット)の順番を後から変更することはできません。これは、広告のパフォーマンスを最適化する上で大きな制約となり得ます。例えば、3枚目に配置した画像が最も高いクリック率を生む可能性があったとしても、その順番を1枚目に動かすためには、広告を一度停止し、新しい広告として再作成・再入稿する必要があります。
対策と回避策:

  1. 事前のクリエイティブテストの徹底: カルーセル広告を入稿する前に、候補となる複数の画像をそれぞれ個別の静止画広告(画像フォーマット)として配信し、CTRやCVRを比較検証します。その結果、最もパフォーマンスの高かった画像をカルーセル広告の1枚目に配置し、次にパフォーマンスの高かったものを2枚目、3枚目と続けることで、成功確率の高い順番を最初から構築することができます。
  2. ストーリー構成の原則に従う: 前述のストーリーテリングの観点から、論理的な順序をあらかじめ設計しておくことが重要です。ユーザーの思考フロー(問題認識→興味関心→解決策の理解→行動)に沿った構成にすることで、特定の画像の人気度に依存しない、安定したパフォーマンスを期待できます。最も重要な訴求、つまりユーザーが最初に知るべき情報を1枚目に置く、という原則を徹底しましょう。
  3. 小規模なABテストの実施: 予算が許すのであれば、同じクリエイティブ素材を使い、順番だけを入れ替えた2~3パターンのカルーセル広告を同時に配信し、どの広告グループのパフォーマンスが最も良いかをテストする方法も有効です。

デメリット2:ディスクリプションの文字数が40文字と非常に短い

カルーセル広告のディスクリプション(説明文)は各カード40文字以内と、通常の画像フォーマット(75文字以内)の約半分しかありません。この厳しい文字数制限の中で、ユーザーに商品の魅力を伝え、アクションを促すメッセージを作成するには工夫が求められます。
対策と回避策:

  1. 画像とテキストの役割分担を明確にする: テキストで全てを説明しようとせず、画像で伝えられる情報は極力画像に集約させましょう。例えば、商品の価格や割引率などは、画像内にテキストとしてデザインすることで、ディスクリプションの文字数を消費せずに済みます。テキストは、画像だけでは伝わらないベネフィットや、行動を促すための補足的な役割に徹します。
  2. 効果的なコピーライティング技術の活用:
    • 数字の活用: 「満足度98%」「たった3分で完了」など、具体的な数字を入れることで、信頼性と具体性が増し、短い文字数でも強いインパクトを与えられます。
    • ベネフィットの提示: 商品の「特徴(Feature)」ではなく、それによってユーザーが得られる「利益(Benefit)」を記述します。「高機能なCPU搭載」ではなく、「サクサク動くストレスフリーな操作感」と表現する方が、ユーザーの心に響きます。
    • 記号の活用: 【】(隅付き括弧)や!、?などを効果的に使い、視覚的なアクセントを加えてテキストを目立たせることも有効です。ただし、過度な使用は広告の品質を損なうため注意が必要です。
  3. タイトルとの連携を意識する: タイトル(20文字)とディスクリプション(40文字)を合わせて一つのメッセージとして設計します。例えば、タイトルで「〇〇でお悩みの方へ」と問いかけ、ディスクリプションで「プロが開発した専用ツールで解決!」と繋げることで、計60文字の広告文として機能させることができます。

デメリット3:管理画面でカードごとの詳細なレポートを抽出できない

LINE広告の標準的なレポート機能では、カルーセル広告全体の表示回数やクリック数、CV数は確認できますが、「10枚のカードのうち、どのカードが何回クリックされたのか」といった、カード単位での詳細なパフォーマンスデータを分析することはできません。これは、どのクリエイティブが成果に貢献しているのかを正確に把握し、次の改善策に繋げる上で大きな課題となります。
対策と回避策:UTMパラメータによる効果測定の実践
この課題を解決する最も効果的な方法が、「UTMパラメータ」の活用です。UTMパラメータとは、URLの末尾に特定の情報を付与する文字列のことで、これを使うことでGoogle Analyticsなどのアクセス解析ツール上で、どこからの流入なのかを詳細に識別できます。
具体的な設定手順:

  1. パラメータの設計: 各カードに、どのカードからのクリックかを識別できるようなパラメータを設計します。例えば、以下のようなルールを設けます。
    • カード1のURL: `https://example.com/product?utm_source=line&utm_medium=cpc&utm_campaign=sale2025&utm_content=carousel_card1`
    • カード2のURL: `https://example.com/product?utm_source=line&utm_medium=cpc&utm_campaign=sale2025&utm_content=carousel_card2`
    • ...
    • カード10のURL: `https://example.com/product?utm_source=line&utm_medium=cpc&utm_campaign=sale2025&utm_content=carousel_card10`

    この例では、`utm_content`というパラメータを使って「carousel_card1」「carousel_card2」…と、カードごとに異なる値を設定しています。

  2. パラメータ付きURLの生成: Googleが提供する「Campaign URL Builder」などのツールを使えば、簡単かつ正確にパラメータ付きのURLを生成できます。
  3. URLの設定: 生成したURLを、LINE広告の入稿画面で各カードの「ランディングページ」URLにそれぞれ設定します。
  4. Google Analyticsでの分析: 広告配信後、Google Analyticsの「集客」レポート内で、「キャンペーン」や「参照元/メディア」を確認し、セカンダリディメンションとして「広告のコンテンツ」を選択します。すると、`carousel_card1`、`carousel_card2`といった値ごとに、セッション数やコンバージョン数、直帰率などのデータが表示され、どのカードが最も成果に貢献したかを定量的に分析できます。

この手法を用いることで、LINE広告管理画面の制約を乗り越え、データに基づいたクリエイティブの最適化サイクル(PDCA)を回すことが可能になります。

LINE広告 カルーセル広告の具体的な設定方法と成果を高めるポイント

LINEカルーセル広告の設定方法を解説するイラスト

ここからは、実際にLINE広告の管理画面でカルーセル広告を設定する手順を、画像を交えながら解説します。単なる操作方法だけでなく、各設定項目が持つ意味と、獲得成果を最大化するためのポイントについても触れていきます。

まず、LINE広告マネージャーにログインし、広告を設定したいキャンペーン、および広告グループを選択します。

LINE広告マネージャーの広告タブ画面

対象の広告グループ内で、「広告」タブを選択し、「広告を作成」ボタンをクリックします。これにより、新しい広告の作成画面に遷移します。

広告フォーマットの選択画面

「広告フォーマット」のセクションで、赤枠で示されている「カルーセル」を選択します。ここを選択することが、カルーセル広告作成の第一歩です。静止画や動画とは異なる専用の設定画面が表示されます。

次に、カルーセル広告の中身となる各カードの詳細を設定していきます。ここが最も重要なプロセスです。

カルーセル広告の詳細設定画面(カード追加部分)

画面左側の「+」ボタンをクリックすることで、新しいカードを追加できます。最低2枚、最大10枚まで追加可能です。各カードに対して、以下の項目を一つずつ丁寧に設定していきます。

カードの画像、タイトル、ディスクリプション設定画面

① 画像
「画像を選択」をクリックし、PCに保存されている広告用画像をアップロードします。ここで選択する画像は、前述の規定通り「1080×1080ピクセル」の正方形である必要があります。画像のクオリティは広告の第一印象を決定づけるため、クリアで視認性が高く、ユーザーの目を引くデザインを心がけましょう。テキスト要素を画像内に含める場合は、可読性に十分配慮し、LINEの審査ガイドラインに抵触しないか(誇大表現など)を確認してください。

② タイトル
広告の見出しとなる20文字以内のテキストです。成果を高めるポイントは、具体的で、ベネフィットが明確であることです。「高性能な製品」ではなく「売上200%UPの実績」のように、具体的な数字を入れると信頼性が増します。また、「あなたも体験しませんか?」といった問いかけの形にすることで、ユーザーの関与を促す効果も期待できます。

③ ディスクリプション
広告の概要を説明する40文字以内のテキストです。タイトルで喚起した興味をさらに深め、クリックへと後押しする役割を持ちます。タイトルで伝えきれなかった補足情報や、ユーザーがクリックする理由を明確に提示しましょう。例えば、タイトルが「初回限定50%OFF」であれば、ディスクリプションで「送料無料・満足できなければ全額返金保証付き」といった追加のオファーを提示することで、クリックへのハードルを下げることができます。

ボタンとURLの設定画面

④ ボタン(CTA)
プルダウンメニューから、ユーザーに促したい行動に最も近いものを選択します。選択肢には「詳しくはこちら」「購入する」「サイトを見る」「予約する」「申し込む」「友だち追加」「お問い合わせ」などがあります。ここの選択はキャンペーンの目的(KPI)と直結します。例えば、KPIが「商品の購入」であれば「購入する」が最適ですが、高価格帯の商品で即時購入が難しい場合は、まず「詳しくはこちら」で製品理解を深めてもらうのが有効な場合があります。ABテストを行い、どのCTAが最も高い成果に繋がるかを検証することも重要です。

⑤ ランディングページ
広告をクリックしたユーザーが遷移する先のWebページのURLを入力します。最も重要なポイントは、各カードのクリエイティブとランディングページの内容に一貫性を持たせることです。例えば、カードAで「赤いスニーカー」を紹介しているのに、リンク先がサイトのトップページではユーザーはがっかりして離脱してしまいます。必ず「赤いスニーカー」の商品詳細ページに直接リンクさせましょう。また、前述の通り、UTMパラメータを付与したURLを設定することで、カードごとの正確な効果測定が可能になります。

⑥ リンク先URL(任意)
通常は上記の「ランディングページ」URLと同じで問題ありません。特定のトラッキング要件がある場合などに使用します。

⑦ インプレッショントラッキングURL(任意)
サードパーティ製の広告効果測定ツールを利用している場合に、そのツールから提供されたインプレッション計測用のURLを設定します。これにより、LINE広告の管理画面だけでなく、外部ツール上でも広告の表示回数を正確に把握できます。

広告作成完了ボタン

必要な枚数のカード(この例では2枚)に対して、上記の設定をすべて入力し終えたら、画面右下の「広告を作成」をクリックします。これで広告が作成され、LINEによる審査プロセスに移行します。審査が承認され次第、広告の配信が開始されます。

LINE広告 カルーセル広告を有効活用している業種別事例

LINEカルーセル広告の活用事例を解説するイラスト

LINEカルーセル広告は、そのフォーマットの特性から、様々な業種でコンバージョン獲得のために有効活用されています。ここでは、具体的な業種を挙げ、それぞれどのように活用されているのか、その成功ロジックと共に解説します。

事例1:漫画アプリ

カルーセル広告のストーリーテリング機能を最大限に活用できる代表的な事例が漫画アプリです。ユーザーにアプリをダウンロードしてもらうためには、「その漫画が面白い」「続きが読みたい」と思わせることが最も重要です。
活用方法:最大10枚のカードを使い、漫画の冒頭部分を1ページずつ掲載します。ユーザーは広告上でスワイプするだけで、漫画を読み進めることができます。そして、最も盛り上がるシーンや、謎が深まる場面で「続きはアプリで!」という最後のカードを表示させます。これにより、ユーザーの興味関心は最高潮に達し、「今すぐ続きを読む」という強い動機を持ってアプリのダウンロードページへ遷移します。静止画広告で表紙だけを見せるよりも、はるかに高いインストール率を期待できる手法です。

事例2:アパレル・ECサイト

アパレルや総合ECサイトでは、膨大な商品の中からユーザーの好みに合ったものを見つけてもらうことがコンバージョンへの鍵となります。カルーセル広告は、これを効率的に実現する「ミニカタログ」として機能します。
活用方法:

  • コーディネート提案:1枚目でトップス、2枚目でボトムス、3枚目でアウター、4枚目でバッグといったように、一つのコーディネートを構成する各アイテムを順に紹介します。これにより、ユーザーは着用イメージを具体的に掴むことができ、セットでの購入意欲も高まります。
  • カラー・デザイン展開:一つの人気商品に対して、色違いやデザイン違いを各カードで紹介します。ユーザーは自分の好みに合ったバリエーションを簡単に見つけることができ、各カードから直接その商品ページにリンクさせることで、購入までの手間を最小限に抑えます。
  • セール商品の紹介:セールの目玉商品を複数ピックアップし、割引率と共に掲載します。ユーザーはスワイプするだけでお得な商品を次々と発見でき、サイトへの送客数を大幅に増やすことが可能です。

事例3:不動産・住宅

不動産のような高関与商材では、ユーザーは購入や契約の前に、できるだけ多くの情報を収集し、慎重に比較検討します。カルーセル広告は、物件の魅力を多角的に伝え、ユーザーの検討を促進するのに非常に有効です。
活用方法:1枚目に物件の最も魅力的な外観写真を配置し、2枚目以降でリビング、キッチン、バスルーム、寝室、庭、そして周辺の公園や駅といった形で、バーチャル内見のような体験を提供します。各カードのディスクリプションで「南向きで日当たり良好なリビング」「最新の食洗機付きシステムキッチン」といった補足情報を加えることで、物件の価値をより具体的に伝えます。最終カードで「内見予約はこちら」「資料請求はこちら」といったCTAを設置することで、具体的な見込み客獲得に繋げます。

事例4:人材・求人

求職者は、給与や勤務地といった条件面だけでなく、職場の雰囲気や働く人々の様子といった定性的な情報も重視します。カルーセル広告は、これらの魅力を効果的に伝えるのに役立ちます。
活用方法:1枚目で募集職種のキャッチーなコピーを提示し、2枚目以降で、実際のオフィス環境、一緒に働くことになるチームメンバーの笑顔の写真、社員インタビュー(「仕事のやりがい」「入社の決め手」など)、福利厚生の紹介などを順に掲載します。これにより、求職者はその企業で働く自分の姿を具体的にイメージしやすくなり、応募への動機付けが強化されます。各カードから職種ごとの詳細な募集要項ページへ直接リンクさせることも有効です。

事例5:BtoBサービス

BtoB領域においても、カルーセル広告は有効です。特に、導入事例の紹介に適しています。
活用方法:「〇〇業界のA社様が抱えていた課題」→「当社のサービス〇〇を導入」→「導入後の具体的な成果(コスト30%削減、業務効率50%向上など)」→「お客様の声(担当者のコメント)」→「まずは無料で資料請求」といったストーリーをカルーセルで展開します。これにより、検討段階にある企業担当者は、自社と同じような課題を抱える企業の成功事例を見ることで、サービスの導入効果を具体的に理解し、問い合わせや資料請求といったアクションを起こしやすくなります。

応用戦略1:競合プラットフォーム(Meta・X)との戦略的比較と使い分け

LINEカルーセル広告の運用効果を最大化するためには、他の主要SNSプラットフォームのカルーセル広告との違いを理解し、自社の目的やターゲットに応じて戦略的に使い分ける視点が不可欠です。ここでは、特に競合となるMeta(Instagram/Facebook)とX(旧Twitter)のカルーセル広告と比較し、それぞれの強みと弱み、そして最適な活用シーンを分析します。

機能・仕様の比較表

機能/特徴 LINE広告 Meta広告 (Instagram/Facebook) X広告 (旧Twitter)
カード枚数 2~10枚 2~10枚 2~6枚
動画対応 非対応 (静止画のみ) 対応 (画像との混在も可) 対応 (画像との混在も可)
カード順序 固定 (入稿順) 自動最適化 (パフォーマンス順に自動で並べ替え可能) 固定 (入稿順)
主な配信面 LINE NEWS, VOOM, ウォレットなど生活密着型サービス フィード, ストーリーズ, リールなどエンタメ・ソーシャルグラフ中心 タイムライン、検索結果などリアルタイムの情報収集・会話の場

戦略的使い分けのポイント

LINE広告が最適なケース:
LINEの最大の強みは、日本の幅広い年齢層が日常的に利用する「生活インフラ」としての側面です。LINE NEWSをチェックしたり、ポイントを貯めたりといった、ユーザーの生活に密着したシーンで広告を配信できます。また、カードの順序が固定されている点は、一見デメリットに思えますが、前述のストーリーテリングのように、広告主が意図した通りの順序でユーザーにメッセージを伝えたい場合には、むしろメリットとなります。コントロールされた物語で、製品やサービスの理解を順序立てて深めてほしい、高関与商材の訴求に向いています。
適した目的:不動産の内見ストーリー、BtoBサービスの導入事例紹介、化粧品のステップ別使用方法の解説など、論理的な順序が重要なキャンペーン。

Meta広告(Instagram/Facebook)が最適なケース:
Metaの強みは、クリエイティブの柔軟性と強力な広告配信アルゴリズムにあります。カルーセル内で動画と画像を混在させることができ、よりリッチで動きのある表現が可能です。さらに、パフォーマンスの良いカードを自動的に先頭に表示する「自動最適化」機能は、広告効果を最大化する上で非常に強力です。個々のカードのパフォーマンスを競わせ、最もユーザーに響くクリエイティブを効率的に見つけ出したい場合に最適です。また、精度の高いターゲティング能力も魅力です。
適した目的:アパレルECサイトでの多様な商品のカタログ的訴求、アプリの機能紹介(動画を活用)、ABテストを高速で回したいキャンペーン。

X広告(旧Twitter)が最適なケース:
Xの強みは、そのリアルタイム性と拡散力にあります。世の中のトレンドや時事的な話題、特定のイベントに絡めた「今、この瞬間」を捉えたコミュニケーションを得意とします。カルーセル広告も、最大6枚とカード数は少ないものの、この文脈の中で活用することで大きな効果を発揮します。例えば、スポーツの試合中に、関連グッズをカルーセルで紹介したり、テレビで話題になった直後に、関連情報をまとめて提示したりといった、瞬発力のあるキャンペーンに適しています。
適した目的:イベント連動型のプロモーション、速報性が求められる情報の告知、トレンドに合わせた商品のリマインド広告。

このように、各プラットフォームの特性を理解し、キャンペーンの目的やターゲットユーザーの行動に合わせて最適な媒体を選択、あるいは組み合わせて活用することが、獲得成果を最大化するための鍵となります。

応用戦略2:LINE Dynamic Ads(LDA)によるコンバージョン獲得の自動化

LINEカルーセル広告のポテンシャルを最大限に引き出し、コンバージョン獲得を飛躍的に効率化・自動化する仕組みが「LINE Dynamic Ads(以下、LDA)」です。LDAは、ウェブサイトを訪れたユーザーの行動履歴に基づき、そのユーザーに最適な商品やサービスをカルーセル形式の広告で動的に表示する、リターゲティング広告の一種です。

LDAの仕組み:
例えば、あるユーザーがあなたのECサイトで「青いスニーカー」と「黒いブーツ」を閲覧したものの、購入せずにサイトを離れたとします。その後、そのユーザーがLINE NEWSを閲覧していると、LDAが「あなたが閲覧した商品はこちら」という形で、先ほどの「青いスニーカー」と「黒いブーツ」、さらにそれらに関連する「おすすめの靴」をカルーセル広告で自動的に表示します。これにより、ユーザーの興味関心が薄れないうちに再アプローチし、購入を強力に後押しすることができます。

LDAの導入に必要な2つの要素:
この高度な広告配信を実現するためには、以下の2つを準備する必要があります。

  1. 商品フィード(データフィード):
    これは、自社で取り扱っている全商品の情報をまとめたデータリスト(CSV形式など)のことです。「商品ID」「商品名」「商品説明」「価格」「商品画像のURL」「在庫状況」「リンク先URL」といった項目を、LINEが定める仕様に沿って作成します。LDAは、この商品フィードを読み込み、ユーザーごとに表示するカルーセルカードを自動生成します。フィードの情報の正確性と鮮度が、広告のパフォーマンスに直結します。
  2. LINE Tag(ラインタグ):
    これは、ユーザーのサイト内行動を計測するためのコードです。このタグを自社サイトの全ページに設置します。特に重要なのが、「商品詳細ページの閲覧」「カートへの追加」「商品の購入」といった、ユーザーの重要なアクションを計測する「イベントコード」の設定です。例えば、ユーザーが商品ID「SNK-001」のページを閲覧すると、LINE Tagがその情報をLINEのサーバーに送信します。これにより、LDAは「このユーザーはSNK-001に興味がある」と認識し、リターゲティング広告の対象とします。

LDAのメリットと活用シーン:
LDAの最大のメリットは、広告クリエイティブの制作と配信を大幅に自動化できる点です。数百、数千の商品を扱う大規模なECサイトや不動産ポータルサイトなど、手動で個別の広告を作成するのが困難な場合に絶大な効果を発揮します。また、ユーザー一人ひとりの興味に完全にパーソナライズされた広告を配信するため、非常に高いCTRとCVRを期待できます。手動で設定する通常のカルーセル広告とLDAを組み合わせることで、新規顧客へのアプローチと、既存の見込み客への再アプローチを両輪で回し、広告効果の全体最適化を図ることが可能です。

LINE広告 カルーセル広告まとめ

LINEカルーセル広告のまとめを示すイラスト

本記事では、LINE広告におけるカルーセル広告について、その基本的な概要から、獲得成果を最大化するための具体的なメリット、注意すべきデメリットと対策、詳細な設定手順、そして他プラットフォーム比較やLINE Dynamic Ads連携といった応用戦略に至るまで、網羅的に解説いたしました。

カルーセル広告は、複数の画像を用いてユーザーに多角的な情報を提示できる非常に強力なフォーマットです。その一方で、入稿規定の遵守、クリエイティブの順序や構成の戦略的な設計、そしてUTMパラメータを用いた正確な効果測定といった、運用側の工夫が成果を大きく左右することも事実です。特に、カードごとのパフォーマンスを分析し、データに基づいて改善サイクルを回し続けることが、このフォーマットを成功に導く上で不可欠です。

LINE広告は、日本の多くのユーザーにリーチできる強力なプラットフォームです。本記事でご紹介した知識やノウハウを最大限に活用し、カルーセル広告という武器を使いこなすことで、貴社のビジネスにおけるコンバージョン獲得や売上向上に大きく貢献できるものと確信しております。

LINE広告の出稿にあたっての費用や、より広範な注意点などについては、こちらの記事に掲載されていますので、併せてご参考にしてください。

https://digima-labo.com/2875/

以下の記事では、様々な広告媒体におけるカルーセル広告全般について解説しています。カルーセル広告というフォーマット自体への知見をさらに深めたいという方は、ぜひお読みください。

カルーセル広告とは?各媒体ごとの入稿規定や設定方法、効果的な活用方法を一気に解説!



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