Google広告にはいくつかのターゲティング手法があり、目的に合わせて使い分けたり組み合わせたりすることが可能です。
その中でも、ユーザーに焦点を当てて広告を配信できる機能が「オーディエンスターゲティング」。
ユーザー属性や行動履歴などを基に無駄のない広告を配信できるので、費用対効果が高いと言われています。
この記事では、Google広告の「オーディエンスターゲティング」について、特徴から設定方法までを解説していきます。
また、Google広告に関してさらに知見を深めたい!という方は、以下の記事に総括的にまとめてありますので、ぜひ読んでみてください。
また、ディスプレイ広告に関してに関してさらに知見を深めたい!という方は、以下の記事に総括的にまとめてありますので、ぜひ読んでみてください。
Google広告の「オーディエンスターゲティング」とは?
まずはGoogle広告のオーディエンスターゲティングについて、見ていきましょう
興味関心が高いユーザーにアプローチ可能
オーディエンスターゲティングとは、ユーザーの興味関心や属性に基づいて広告を配信できるターゲティング手法です。
例えば広告主のサイトを訪れたことがあるユーザーや、関連商品について検索している人に対して広告配信ができるので「この商品みたことがある!」「こんなやつ探してたんだよね」など、商品の認知度向上から自社の顧客になりそうな見込みユーザーにまで、幅広くアプローチができます。
またユーザーにとっても、自分の興味ある広告が表示されるので「広告がウザイ」「興味ないのに表示しないでほしい」などの煩わしい思いをが少なくなるのです。
そして広告内容が最適なユーザーに配信することによって、コンバージョンの効率化や広告費を抑えられるといったメリットがあるのも、オーディエンスターゲティングの特徴の1つになります。
なおGoogle広告では主にディスプレイ広告や検索広告、動画広告の配信時に設定が可能。組み合わせて活用することで、より高い効果が期待できます。
ターゲティングとモニタリングの違い
オーディエンスターゲティングを活用して効果を高めるには、よく混同されがちが「モニタリング」との違いを知っておく必要があります。
オーディエンスターゲティング |
|
モニタリング |
|
たとえば30代男性に「転職サイト おすすめ」といったキーワードの広告を配信した場合。オーディエンスターゲティングでは、30代男性にターゲットを絞って転職サイトに関する広告を配信します。
一方でモニタリングは「30代男性」とターゲットを絞ることができず、配信対象を特定せずに「転職サイトのおすすめ」に関する広告を配信して、どのような結果がでるのか、パフォーマンスを測定するといった違いがあるのです。
Google広告のオーディエンスターゲティングの種類と設定方法
Google広告では、現在以下の7種類のオーディエンスターゲティングの設定が可能です。
ターゲティング手法 | 設定可能項目 |
ユーザー属性 |
などおおまかなユーザー属性を設定可能 |
詳しいユーザー属性 | 「ユーザー属性」よりもさらに詳細なデータを設定可能 |
アフィニティセグメント | ユーザーの「興味関心」であるアフィニティを設定することで、ユーザーがGoogleでの検索や閲覧履歴に基づいた広告が表示されるようにできる |
購買意向の強いユーザー層 | 特定の商品やサービスについて意欲的に検索しているユーザーをターゲットに広告を配信できる |
カスタムセグメント | 人気のキーワードやURL、アプリを設定できるターゲティング手法 |
データセグメント(リマーケティング) | 自社のサイトや動画、アプリを訪れたことがあるユーザーや、顧客リストのユーザーをターゲットに広告を配信するので、すでに自社の商品やサービスに興味関心が高いユーザーへのアプローチが可能 |
類似ユーザー | データセグメントで作成されたオーディエンスリストのユーザーと、行動や閲覧履歴が類似しているユーザーをターゲットに広告を配信できる機能 |
それぞれの特徴と設定方法を詳しくみていきましょう。
ユーザー属性
ユーザー属性では次の項目が指定可能です。
- 性別
- 年齢
- 子供の有無
- 世帯年収
上記の要素を考慮して広告を配信したいときに、効果的な手法となっています。
たとえば「女性向けの商品」「30代をターゲットにした商品」など、おおまかなユーザー属性を設定したいときに活用してみましょう。
【設定方法】
-
管理画面>オーディエンスをクリック
-
「ユーザー属性を編集」をクリック
-
ポップアップ画面でユーザー属性を設定したいキャンペーンならびに広告グループを選択
-
ユーザー属性の欄でそれぞれの項目を設定
-
「保存」をクリック
詳しいユーザー属性
「詳しいユーザー属性」では「ユーザー属性」よりもさらに詳細なデータを設定できます。
- 子供の有無:有りの場合、年齢の設定
- 配偶者の有無:独身、交際中、既婚
- 教育:最終学歴(高校卒、学士号、大学院生)、現役の大学生など
- 住宅所有状況:住宅所有、賃貸
- 就業状況:業種、社員数など
たとえば子供向けの教材や交際中のユーザーに向けた同棲におすすめの物件など、詳細なターゲットを絞り込みたいときに活用すると、高い効果が期待できるでしょう。
【設定方法】
-
管理画面>オーディエンスをクリック
-
「オーディエンスセグメントの編集」をクリック
-
「ターゲティング」にチェックをして「閲覧>ユーザー属性」をクリック
-
詳細設定したい箇所をクリックしてそれぞれ設定
-
「保存」をクリックして完了
アフィニティセグメント
アフィニティとはユーザーの「興味関心」のことを指し、設定することでユーザーのGoogleでの検索や閲覧履歴に基づいた広告が、表示されるようにできます。
具体的には次のカテゴリーが設定可能。
- スポーツ、フィットネス
- テクノロジー
- ニュース、政治
- フード、ダイニング
- メディア、エンターテインメント
- ライフスタイル、興味
- 乗り物、交通機関
- 家庭、園芸
- 旅行
- 美容、健康
- 買い物好き
- 銀行、金融
上記のセグメントはさらに細分化されているので、特定のカテゴリーに対して興味関心があるユーザーをピンポイントで指定して広告を配信したいときに効果的とされています。
【設定方法】
-
管理画面>オーディエンスをクリック
-
「オーディエンスセグメントの編集」をクリック
-
「ターゲティング」にチェックをして「閲覧>ユーザーの興味や関心、習慣」をクリック
-
設定したいところにチェック
-
「保存」をクリックして完了
購買意向の強いユーザー層
「購買意向の強いユーザー層」を指定すると、特定の商品やサービスについて意欲的に検索しているユーザーをターゲットに広告を配信できます。
この手法を設定すると、たとえば「マスカラ」を探しているユーザーが自社の商品を知らなくて、「マスカラ」をよく検索しているユーザーをターゲットに広告を配信するので、購買意向の高いユーザーに商品を知ってもらうチャンスにも繋がるのです。
そのため購買意向の強いユーザーの中でも、「特定の商品やサービスの購入や申し込みを検討しているユーザー」に対して広告を配信する手法となっています。
購買意向の強いユーザー層のセグメントでは、次の中から選択が可能。
- アパレル、アクセサリー
- アート、工芸品
- イベントのチケット
- ギフト、行事
- コンピューター、周辺機器
- スポーツ、フィットネス
- ソフトウェア
- デートサービス
- ビジネスサービス
- ビジネス、産業向けの関連商品
- メディア、エンターテイメント
- 不動産
- 季節的な買い物
- 家庭、園芸
- 家電
- 就業状況
- 用事、子供向け製品
- 教育
- 旅行
- 楽器、音楽の関連商品
- 滋養、パーソナルケア
- 自転車、乗り物
- 通信
- 金融サービス
- 食べ物
【設定方法】
-
管理画面>オーディエンスをクリック
-
「オーディエンスセグメントの編集」をクリック
-
「ターゲティング」にチェックをして「閲覧>ユーザーが積極的に調べている情報や立てている計画」をクリック
-
設定したいところにチェック
-
「保存」をクリックして完了
カスタムセグメント
カスタムセグメントは、人気のキーワードやURL、アプリを設定できるターゲティング手法です。
「アフィニティセグメント」「購買意向の強いユーザー層」で、自社の商品やサービスに有効的な設定が見つからなかったときは、「カスタムセグメント」で自社にあったキーワードなどを設定することで、最適なユーザーに広告を届けることができます。
カスタムセグメントでは、次の内容から選択が可能。
- 特定のトピックへの興味関心や購買意欲を持つユーザー
- 特定のキーワードを検索したユーザー
- 特定の種類のウェブサイトを閲覧しているユーザー
- 特定の種類のアプリを使用しているユーザー
カスタムセグメントは、オーディエンスマネージャーで作成したのち、特定のキャンペーンや広告グループに適用させて設定。
【設定方法】
-
「ツールと設定>オーディエンスマネージャー」
-
「カスタムセグメント」の+マークをクリック
-
作成画面で「セグメント名」「興味/関心」などの項目を入力
-
「保存」をクリック
-
管理画面>オーディエンスをクリック
-
「オーディエンスセグメントの編集」をクリック
-
「ターゲティング」にチェックをして「閲覧>選択した統合オーディエンスセグメント」をクリックして、作成したカスタムセグメントを設定
データセグメント(リマーケティング)
データセグメントは、リマーケティングによって広告を配信をできる機能です。
リマーケティングでは自社のサイトや動画、アプリを訪れたことがあるユーザーや、顧客リストのユーザーをターゲットに広告を配信するので、すでに自社の商品やサービスに興味関心が高いユーザーへのアプローチが可能になります。
データセグメントは、カスタムセグメント同様にオーディエンスマネージャーから設定。
【設定方法】
-
-
「ツールと設定>オーディエンスマネージャー」
-
「ツールと設定>オーディエンスマネージャー」
-
左メニューの「データソース」をクリック
-
設定画面で「ウェブサイトのアクセスに関する一般的なデータのみを収集して、お客様のウェブサイトの訪問者に広告を表示します」を選択
-
「保存して次へ」をクリック
-
Google広告タグの導入方法を選択
-
左メニューの「分類して表示」から+マークをクリック
-
「ウェブサイトを訪れたユーザー」をクリック
-
必要項目を入力して「セグメントを作成」で完了
類似ユーザー
「類似ユーザー」では、データセグメントで作成されたオーディエンスリストのユーザーと、行動や閲覧履歴が類似しているユーザーをターゲットに広告を配信できる機能です。
類似オーディエンスリストは、Googleにより自動で生成される仕組みであり、条件はさまざまです。
なお類似オーディエンスリストが作成される要因は、次のようになっています。
- データセグメント(基になるリスト)に100人以上のユーザーが登録されていること
- 登録ユーザーが閲覧したサイトの種類
- リストがほかと共有されておらず、自分のアカウントのみで所有されていること
- ユーザーが元のデータリストに追加されてからの経過時間
類似リストで作成されたユーザーは、自社の商品やサービスに興味をもっている、あるいは顧客リストに追加されているユーザーに行動履歴が似ていることから、広告配信でも高い効果が期待できるとされています。
類似オーディエンスリストは自動生成されるので、オーディエンスセグメントでの設定方法について説明していきましょう。
【設定方法】
-
管理画面>オーディエンスをクリック
-
「オーディエンスセグメントの編集」をクリック
-
「ターゲティング」にチェックをして「閲覧>ユーザーがお客様のビジネスを利用した方法」をクリックして、作成されたカスタムセグメントを設定
-
「保存」をクリックして完了
Google広告オーディエンスターゲティングを利用するメリット
Google広告において、オーディエンスターゲティングを活用するメリットは多数あります。その中でもここでは、特に大きな2つのメリットを解説していきましょう。
- オーディエンスデータを活用できる
- リマーケティングが可能
オーディエンスデータを活用できる
オーディエンスデータとは、Cookieによって収集された個人を特定しないサイト上の「人」の行動データのことを指します。
中には性別や年齢、住んでいる地域やサイトへの訪問回数などの情報が含まれています。
オーディエンスターゲティングでは、このオーディエンスデータを活用して広告配信をするので、ユーザー属性や行動履歴をもとに最適な広告を表示できるのです。
広告内容にまったく興味がないユーザーに表示しても、効果は期待できません。
「とにかく多くの人に見てもらうために、配信する広告数を増やす」といった手段もありますが、広告費用が限られている場合、できるだけ高い効果を期待できるユーザーをターゲットに広告を配信したいと考える人が多いのではないでしょうか。
オーディエンスデータを活用したオーディエンスターゲティングの手法を用いれば「関連するキーワードを検索したことがある人」「自社のサイトを訪問したことがある人」など、最初から広告内容に興味をもってくれそうなユーザーにピンポイントで、広告を届けることができるのです。
さらにコンバージョン率を高められるだけでなく、費用対効果の最大化も望めるといったメリットがあります。
リマーケティングが可能
リマーケティングとは「一度広告を閲覧した事がある人に、再度広告を表示できる手法」です。
ユーザーは広告を見てすぐに購入するとは限りません。広告をみて気になる商品があっても、効能や性能を検索したり、口コミやレビューを調べたりするユーザーが多くなっています。
ゆえに1度興味をもったユーザーに再度広告を表示することで、購入への後押しができるのです。
効果を高めるオーディエンスリストの活用方法
オーディエンスターゲティングを上手く活用するには、次の5つのポイントを押さえておきましょう。
- コンバージョン済みのユーザーの除外リストを追加
- 詳細ページを閲覧したユーザーリストの作成
- 訪問者が少ないときは利用しない
- 顧客理解度を高める
- 検索広告と掛け合わせる
それぞれについて、詳しくみていきます。
コンバージョン済みのユーザーの除外リスト追加
コンバージョンに至ったユーザーに対して何度も同じ広告を表示しても、またコンバージョンに繋がることは期待できないうえに「広告の表示がしつこい」とネガティブなイメージを持たれかねません。
そのため一度コンバージョンに至ったユーザーは除外リストに登録して、何度も広告が配信されるのを防ぎましょう。またコンバージョンの見込みがない顧客への広告配信を停止できるので、広告費用の削減にもつながります。
なお除外リストとは、指定したオーディエンスに広告を配信しないようにリストを作成できる機能。アカウント単位やキャンペーン単位でのリスト作成ができるので、必要に応じて活用してみましょう。
詳細ページを閲覧したユーザーリストの作成
除外リストとは反対に、商品詳細ページを閲覧したユーザーリストの作成もおすすめです。
詳細ページを閲覧したことがあるユーザーは、広告をクリックしただけのユーザーやサイトのトップページをみただけの人よりも、コンバージョンに繋がる可能性が極めて高いです。
そのため詳細ページを閲覧したユーザーに絞って広告を表示すれば、費用対効果の高い広告運用が期待できます。
訪問者が少ないときは利用しない
広告への訪問者が少ないときにオーディエンスターゲティングを活用しても、あまり変化は見られないため、利用はおすすめできません。
まずはターゲットを絞るよりも広告への訪問者が増えるように、広告の改善に取り組んで、閲覧数が伸びるような施策を優先しましょう。
顧客理解度を高める
広告をどんなユーザーに届けたいのか、ペルソナを明確にするのも大切です。自社の広告を配信したい年齢や性別、興味関心をしっかりと絞りこまないと、本当に広告を届けたいユーザーに配信するのが難しくなってしまいます。
ペルソナをしっかりと定めることで、自社商品に興味をもっている見込み顧客に広告を配信でき、結果コンバージョン率向上や高い売上が見込めるようになるのです。
検索広告と掛け合わせる
検索広告とは、先に設定したキーワードを含む検索結果画面に、優先して広告を表示させる手法です。
検索するということはユーザーの興味関心が高いことを示し、その検索結果に広告を表示できるので、効果が高いと言われています。
なお検索広告とオーディエンスターゲティングを掛け合わせることで、次のようなことが可能。
- オーディエンス情報で検索ユーザーを絞り込める
- オーディエンスによって広告の訴求をかえられる
- オーディエンスによって誘導先リンクをかえられる
- 検索するユーザー属性を把握できる
2つを掛け合わせることで広告の最適化ができるだけでなく、特定のキーワードをよく検索するユーザー属性の情報収集にも役立つのです。
オーディエンスターゲティング配信時の注意点
オーディエンスターゲティングの設定方法についてわかったところで、最後に配信時の注意点について2つ解説していきます。
相性が悪い商材がある
ターゲットを詳細に設定できるオーディエンスターゲティングですが、すべての商材に効果があるとは限りません。
たとえば緊急で鍵を開けてほしいときや、水漏れ水道の凍結などは、普段から非常時に備えて対策する人は多くないでしょう。緊急のときに慌てて検索するケースが多いので検索広告が有効的とされています。
このように緊急性の高い商材は、オーディエンスターゲティングでターゲットを絞り込むのが難しく、コンバージョンに繋げるのは難しい場合が多いので、有効的とはいえないでしょう。
設定したセグメント以外にも配信される可能性がある
設定したセグメント以外に広告を配信したくない場合には「最適化されたターゲティング」をオフするのを忘れないようにしましょう。
「最適化されたターゲティング」とは、以前にコンバージョンに至った人が検索した語句などのデータに基づいて、リーチを拡張する機能です。
この機能自体は優秀ですが、最初に設定したセグメント以外にも広告が配信されてしまう可能性があるので、設定をオフにしておく必要があります。
「最適化されたターゲティング」の設定方法は以下のとおり。
-
管理画面>広告グループをクリック
-
広告グループの設定をクリック
-
「最適化されたターゲティングを使用する」にチェックして「保存」
ターゲットを定めて広告を配信しよう
広告の効果を最大化するには、「ユーザーが求める内容×企業が届けたいユーザーに広告を配信」することが必要です。
Google広告ではオーディエンスターゲティングの手法を活用することで、年齢や性別などのユーザー属性、興味関心や行動履歴などを基に広告を配信が可能。
ペルソナをしっかりと明確化してターゲットを定めて広告の配信ができるので、コンバージョンに繋がりやすいだけではなく、費用も押さえることができるというメリットがあるのです。
なかなか広告の成果がでないと感じている人は、この記事を参考にオーディエンスターゲティングを活用してみてはいかがでしょうか。
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