宣伝失礼しました。本編に移ります。
数あるSNSの中でも国内で圧倒的なユーザー数を誇るLINEは、今やBtoCビジネスを展開する多くの企業にとって、獲得型広告の主要なプラットフォームとなっています。各企業が日々工夫を凝らした広告を配信しており、その競争環境は激しさを増す一方です。
LINE広告で配信可能な広告フォーマットは、ユーザーの視線を引きつける「画像」や「動画」、そしてクリックを後押しする「テキスト情報」が一体となり、初めてその効果を発揮します。視覚的なクリエイティブの品質はもちろんのこと、限られたスペースに掲載するテキストの一つ一つが、最終的なコンバージョンを左右する重要な要素であることは論を俟ちません。
そのような熾烈な競争環境の中、2023年にLINE広告へ新たに追加された「ラベル機能」をご存じでしょうか。この機能は、従来のタイトルやディスクリプションに加え、さらに短いテキスト情報を複数追加できるものであり、正しく活用することで広告のクリック率(CTR)やコンバージョン率(CVR)を大きく向上させる可能性を秘めています。
しかし、「ラベル」という言葉から、Google広告などで馴染みのある「キャンペーンや広告を分類・整理するための管理機能」を想像される方も少なくありません。この認識の齟齬が、実はLINE広告の運用効率や分析精度に大きな影響を与えているケースが見受けられます。
本記事では、獲得型広告の成果最大化という観点に特化し、LINE広告のクリエイティブに追加する「ラベル要素」の基本的な仕様から、競合と差をつけるための戦略的な活用術、そして最も重要な「科学的な効果測定・分析方法」まで、他のどの解説記事よりも深く、網羅的に解説していきます。
また、LINE広告の全体像や基礎知識について改めて確認されたい方は、以下の記事「【入門】LINE広告とは?ターゲティングや費用、仕組みなど全て解説」も併せてご参照ください。LINE広告の根幹をなすターゲティング精度や費用対効果の考え方について、詳細に解説しております。

【最重要】LINE広告の「ラベル」が持つ2つの意味と、広告運用者が理解すべき大前提
本編に入る前に、極めて重要な前提知識について解説します。「LINE広告のラベル機能」と一言でいっても、広告運用者が想起する機能は大きく分けて2種類存在します。この違いを最初に理解しておくことが、本記事の内容を正しく活用し、広告アカウントを適切に管理・分析するための第一歩となります。
広告運用者がまず理解すべき「ラベル」の概念の違い
多くの広告プラットフォーム、特にGoogle広告やYahoo!広告を運用した経験のある方にとって、「ラベル」とは、複数のキャンペーンや広告グループ、広告、キーワードに対して横断的に任意の目印を付け、管理や分析、さらには自動化ルールの適用を効率化するための「管理機能」として認識されています。例えば、「2025年夏セール」や「高CVRクリエイティブ」、「テスト中」といったラベルを付与することで、膨大な広告要素の中から特定のグループを瞬時に抽出し、パフォーマンスを比較分析することが可能になります。
この「管理・分析のためのラベル機能」は、アカウントの規模が大きくなるほど、その重要性を増す、いわば広告運用の根幹を支える機能の一つです。そのため、LINE広告にも同様の機能が存在すると考えるのは、広告運用者として自然な思考プロセスと言えるでしょう。
本記事で解説する、クリエイティブを強化する「ラベル要素」
一方で、本記事で中心的に解説するのは、上記とは全く異なる機能です。LINE広告における「ラベル機能」(正式には「ラベル要素」)とは、広告クリエイティブ(画像や動画)の下部に、短いテキストを追加で表示させるための「表示オプション」の一種です。具体的には、「送料無料」「24時間受付中」「30代に人気」といった、ユーザーのクリックを後押しする補足情報を提示するための機能となります。これは、あくまで個々の広告の訴求力を高めるためのクリエイティブ機能であり、アカウント全体を整理・分析するための管理機能ではありません。
【結論】LINE広告に管理・分析のための「ラベル機能」は存在しない
ここが最も重要なポイントです。2025年現在、LINE広告のプラットフォームには、Google広告のような、キャンペーンや広告グループを横断的に分類・管理するための「ラベル機能」は搭載されていません。この事実を知らないまま運用を続けると、「なぜラベルで絞り込みができないのか」「どうやって特定の施策群の効果を測定すればよいのか」といった混乱を招き、非効率な分析やレポーティングに時間を費やすことになりかねません。
この重大な制約があるからこそ、後述する「A/Bテスト機能の活用」や「命名規則の徹底」といった代替策が、LINE広告で成果を出す上で極めて重要になるのです。
補足:コンバージョン計測で用いる「LINE Tag」との明確な違い
さらに、広告運用初心者が混同しやすいものとして「LINE Tag」があります。LINE Tagは、ウェブサイトに設置し、コンバージョン計測やリターゲティングリストの作成を行うための「計測用コードスニペット」です。その役割は、ウェブサイト上でのユーザー行動をLINE広告プラットフォームに送信することにあり、広告クリエイティブにテキストを表示する「ラベル要素」とは、その目的も仕組みも全く異なります。本記事では、このLINE Tagについては触れませんので、明確に区別して読み進めてください。
以上の前提を踏まえ、次章からは、広告の訴求力を直接的に高める「ラベル要素」について、その詳細を徹底的に解説していきます。
LINE広告のクリエイティブ機能「ラベル要素」とは?
前章で明確にした通り、本記事で解説する「ラベル」とは、広告クリエイティブに付加情報を表示する「ラベル要素」を指します。この機能は、2023年8月のプラットフォームアップデートにより、すべての広告アカウントで利用可能となりました。
LINE広告のラベル要素は、広告の主要な配信面の一つである「LINE NEWS」面をはじめとする一部の配信面に適用され、広告のタイトルやディスクリプションといった主要なテキストの下部に、小さなカプセル状のデザインで表示されます。上の画像例で言えば、「送料無料」や「限定モデル」といった短いテキストが表示されている部分が、このラベル要素に該当します。
ユーザーがこのラベル部分をタップ(クリック)した場合も、通常の広告クリエイティブ本体をタップした際と同様に、設定されたランディングページへと遷移します。つまり、ラベルは単なる装飾ではなく、広告のクリック領域を拡大し、ユーザーのアクションを誘発する追加のタッチポイントとして機能するのです。
画像引用:LINE広告アップデート情報 2023年8月 新たにラベル要素を追加!
ラベル要素がもたらす3つの心理的効果
では、なぜこの小さなテキスト要素が広告の成果を向上させるのでしょうか。そこには、ユーザー心理に働きかける3つの効果が考えられます。
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情報の補完と具体性の向上
タイトルやディスクリプションだけでは伝えきれない、あるいは冗長になってしまう補足情報を、簡潔に提示できます。例えば、「満足度98%」というラベルは、サービスの品質を客観的な数値で補強し、「最短即日発送」というラベルは、ユーザーが商品を手にするまでの時間を具体的に示します。これにより、ユーザーは広告から得られる情報を瞬時に、かつ具体的に理解でき、サービス利用後のイメージを描きやすくなります。 -
視認性の向上と差別化
タイムライン上に流れる数多くの広告の中で、カプセル状のラベルは視覚的なアクセントとなります。特に、競合他社がラベル機能を使用していない場合、自社の広告が相対的に目立ち、ユーザーの視線を一瞬でも長く留める効果が期待できます。このわずかな時間の差が、広告メッセージを認識してもらうための重要なきっかけとなるのです。 -
クリックトリガーとしての役割
「期間限定」「初回限定」「返金保証あり」といったラベルは、ユーザーが抱える心理的な障壁(「今でなくても良い」「失敗したくない」)を低減させ、クリックへの最後の一押しとして機能します。ユーザーにとってメリットとなる情報や、行動をためらう理由を払拭する情報を提示することで、「とりあえず詳細を見てみよう」というアクションを強力に後押しします。
当初、この機能は「LINE NEWS」面を中心に提供されていましたが、LINEヤフー社は対応可能な配信面を順次拡大していく方針を示しており、今後その重要性はさらに増していくことが予想されます。
ラベルの詳細な仕様と設定方法、そして実務上の注意点
ラベル要素の設定自体は、極めてシンプルです。しかし、その効果を最大限に引き出すためには、文字数や表示仕様といった制約を正確に理解し、戦略的に活用する必要があります。本章では、設定の具体的な手順から、見落としがちな実務上の注意点までを詳細に解説します。
ラベルの設定手順
ラベルの設定は、LINE広告マネージャー(管理画面)の広告作成フローの中で行います。手順は以下の通りです。
画像引用:LINE広告アップデート情報 2023年8月 新たにラベル要素を追加!
- LINE広告マネージャーにログインし、対象のキャンペーン、広告グループを選択します。
- 広告作成画面に進み、画像や動画、タイトル、ディスクリプションなど、通常のクリエイティブ要素を設定します。
- 画面をスクロールすると、「ラベル(任意)」という項目が表示されます。
- 「ラベルを追加」ボタンをクリックすると、入力欄(ラベル1)が表示されます。
- 表示させたいテキストを入力します。さらに追加したい場合は、再度「ラベルを追加」をクリックし、ラベル2、ラベル3の入力欄を表示させてテキストを入力します。
- 入力した内容は、画面右側のプレビュー機能で、実際の広告に近い形でどのように表示されるかを必ず確認してください。テキストの見え方や全体のバランスをチェックし、意図した通りの訴求になっているかを確認する重要なプロセスです。
設定はこれだけで完了です。非常に簡単ですが、以下の仕様を遵守しなければ、意図通りに表示されなかったり、審査で非承認となったりする可能性があるため、注意深く読み進めてください。
仕様①:追加可能なラベルは1広告あたり最大で3つ
1つの広告クリエイティブに対して設定できるラベルは、最大で3つまでです。もちろん、訴求内容によってはラベルを1つだけ、あるいは2つだけ設定することも問題ありません。無理に3つの枠を埋める必要はなく、最も伝えたいメッセージを厳選して設定することが重要です。3つのラベルを設定する場合、同一の文字列を重複して使用することはできません。例えば、「送料無料」をラベル1とラベル2の両方に設定することは不可能です。必ず、それぞれ異なる訴求内容のテキストを設定してください。
ここで実務上、最も重要なのが「表示順序」です。入力したラベルは、管理画面で設定した「ラベル1」「ラベル2」「ラベル3」の順番で、広告上では左から右へと表示されます。そして、広告を閲覧しているユーザーのデバイス(スマートフォンの機種など)の画面サイズによっては、3つ設定したラベルのうち、1つまたは2つしか表示されない場合があります。画面の横幅が狭いデバイスでは、右側のラベルが省略されてしまうのです。
したがって、「これだけは絶対に伝えたい」という最重要のメッセージは、必ず「ラベル1」に設定する必要があります。表示の優先順位を意識して、メッセージの重要度が高い順にラベルを設定することが、機会損失を防ぐための鉄則です。
仕様②:3つのラベルの合計文字数は17文字まで
設定可能な文字数は、3つのラベルを合算して「合計17文字以内」という厳しい制約があります。これは、ラベル1つあたりの上限が17文字なのではなく、あくまで「3つの合計」である点に注意が必要です。例えば、「ラベル1:8文字」「ラベル2:5文字」「ラベル3:4文字」という組み合わせは合計17文字となり設定可能ですが、「ラベル1:10文字」「ラベル2:5文字」「ラベル3:5文字」という組み合わせは合計20文字となり設定できません。
この制約から、ラベルには長文の文章ではなく、「キーワード」や「短い単語の組み合わせ」といった、簡潔でインパクトのある文字列が適していることがわかります。文字数のカウント方法は、日本語の全角文字、英数字や記号の半角文字を問わず、すべて「1文字」としてカウントされます。例えば、「SALE」は4文字、「セール」は3文字として計算されるため、表現方法によって文字数を調整することも可能です。
仕様③:1つのラベルあたりは最大15文字まで入力可能
合計17文字という制限の中で、1つのラベルに入力できる文字数は最大で15文字までとなっています。これにより、例えばラベルを1つだけ設定する場合、最大15文字の少し長めのメッセージを伝える、といった使い方が可能です(残りの2文字は使用できません)。
例えば、「初回購入の方限定送料無料」といった12文字の情報を、1つのラベルに集約して表示させることができます。複数の短い単語を並べるのではなく、あえて1つのラベルに情報を凝縮することで、メッセージ性を高めるという戦略も考えられます。例えば、ECサイトで「新色ブルーパープル登場」のように、特定の情報を強く印象付けたい場合に有効な手法です。
しかし、前述の通り、画面サイズによっては長いラベルの末尾が「...」と省略されて表示されるリスクも伴います。そのため、1つのラベルに長い文字列を設定する場合は、特にプレビュー機能での表示確認を念入りに行う必要があります。
仕様④:ラベルのテキスト内容も広告審査の対象である
ラベルに入力するテキストも、タイトルやディスクリプション、クリエイティブ画像と同様に、LINE広告の広告掲載ポリシーに基づく審査の対象となります。したがって、ポリシーに違反する語句や表現を使用した場合は、広告全体が非承認となり、配信が停止される可能性があります。
特に注意すべきは、以下のような表現です。
- 最上級表現:「業界No.1」「世界初」など、客観的な調査データに基づく証明がない最上級表現は使用できません。データがある場合でも、出典元を明記する必要がありますが、ラベルの文字数制限を考えると現実的ではありません。
- ユーザーのコンプレックスを煽る表現:「このままでは手遅れに」など、ユーザーに不快感や劣等感を与える過度な表現は禁止されています。
- 投機心を煽る表現:「必ず儲かる」「一攫千金」など、ギャンブル性が高く、射幸心を煽る表現は使用できません。
- 非科学的・迷信的な表現:「運気が上がる」など、効果効能が非科学的な内容は認められません。
ラベルは短いテキストであるがゆえに、ついインパクトを重視して過激な表現を使いがちですが、広告全体の審査に影響することを念頭に置き、ポリシーを遵守した言葉選びを徹底してください。
ラベルの入稿規定まとめ
これまでの仕様と注意点を、一覧で確認できるようまとめます。広告入稿の際のチェックリストとしてご活用ください。
項目 | 規定・注意点 |
入稿方法 | 広告マネージャー(管理画面)、バルクシートによる入稿に対応 |
設定可能数 | 1広告あたり最大3つまで |
合計文字数 | 3つのラベルの合計で17文字以内(半角・全角問わず1文字としてカウント) |
1ラベルあたりの文字数 | 最大15文字まで |
表示順と優先度 | 設定順(ラベル1→2→3)に左から表示。デバイスにより後方が非表示になるため、最重要メッセージは「ラベル1」に設定することが必須。 |
重複の可否 | 同一広告内で、同じ文字列のラベルを複数設定することは不可。 |
審査 | ラベルのテキスト内容も広告掲載ポリシーに基づく審査の対象。 |
【戦略編】コンバージョンを最大化するラベル活用術と訴求テキスト例
ラベルの仕様を理解したところで、次はその限られた17文字をいかにしてコンバージョンに繋げるか、という戦略的な側面に焦点を当てます。単に情報を羅列するのではなく、マーケティングのフレームワークに基づき、ターゲットの心理に響くメッセージを設計することが重要です。
成果を最大化するラベル訴求5つのフレームワーク
ここでは、ユーザーの行動を喚起するための代表的な5つの訴求フレームワークと、それに沿った具体的なラベル文言例を紹介します。自社の商材やキャンペーンの目的に合わせて、これらのフレームワークを組み合わせて活用してください。
1. 緊急性・限定性(Urgency & Scarcity)
目的:「今、行動しなければ損をする」という心理(機会損失の回避)に働きかけ、意思決定を後押しする。
解説:人は、いつでも手に入るものよりも、手に入らなくなる可能性があるものに価値を感じる傾向があります。この心理を利用し、「今すぐ」のアクションを促します。獲得型広告において、最も即効性が高く、強力な手法の一つです。
具体例:
- 本日限定価格(6文字)
- 6/30まで(5文字)
- タイムセール中(6文字)
- 残りあと3点(6文字)
- 初回限定特典(6文字)
- 先着100名様(7文字)
- WEB限定モデル(7文字)
- 在庫限り(4文字)
2. ベネフィット(Benefit)
目的:ユーザーが商品やサービスを利用することで得られる、具体的な利益や問題解決を提示する。
解説:ユーザーは商品の「特徴(Feature)」ではなく、それによってもたらされる「利益(Benefit)」にお金を払います。その商品を使うことで、自分の生活がどう良くなるのか、どんな悩みが解決するのかを、簡潔な言葉で伝えることが重要です。
具体例:
- 送料無料(4文字)
- 最短即日発送(6文字)
- 24時間サポート(7文字)
- 返金保証あり(6文字)
- お試しセット(6文字)
- 見積もり無料(6文字)
- 簡単5分で完了(7文字)
- 工事費無料(5文字)
3. 権威性・社会的証明(Authority & Social Proof)
目的:専門家のお墨付きや、多くの人に選ばれているという事実を示し、信頼性を高め、選択への不安を取り除く。
解説:人は、自分で判断することに不安を感じる際、専門家の意見や他人の選択を参考にします。「みんなが使っているなら安心だ」「専門家が言うなら間違いない」という心理を利用し、信頼を獲得します。
具体例:
- 〇〇医師監修(6文字)
- □□誌掲載(5文字)
- 導入実績No.1(7文字)※要データ
- 満足度98%(6文字)※要データ
- 創業50年の実績(7文字)
- 会員数10万人突破(8文字)
- TVで話題沸騰中(7文字)
- 口コミ評価4.8(7文字)
4. ターゲット訴求(Targeting)
目的:「これは、まさに自分のための広告だ」とユーザーに感じさせ、強い当事者意識を持たせる。
解説:不特定多数に向けたメッセージよりも、特定の属性や悩みを抱える個人に向けたメッセージの方が、心に響きやすくなります。広告のターゲティング設定と連動させ、ターゲットに直接呼びかけることで、広告への関与度を飛躍的に高めます。
具体例:
- 30代女性向け(6文字)
- 東京都在住の方(7文字)
- 乾燥肌の方へ(6文字)
- IT業界経験者(7文字)
- 子育てママ応援(6文字)
- マネージャー職限定(8文字)
- 初心者大歓迎(6文字)
- 猫を飼っている方(7文字)
5. 新規性・話題性(Newness & Topic)
目的:新しい情報やトレンドに敏感なユーザーの好奇心を刺激し、詳細を知りたいという欲求を喚起する。
解説:人は新しいものや未知のものに自然と興味を惹かれます。新商品、新機能、新しいイベントなどの情報を提示することで、広告への注目度を高め、クリックを誘発します。
具体例:
- 2025年夏の新色(8文字)
- 待望の再入荷(6文字)
- 新機能リリース(7文字)
- 〇〇コラボモデル(7文字)
- リニューアル記念(7文字)
- 業界初の新技術(7文字)
- 本日予約開始(6文字)
【業種別】実践シナリオとラベル文言テンプレート
上記のフレームワークを、具体的な業種に当てはめてみましょう。
-
ECサイト(アパレル):
クリエイティブ:夏物ワンピースの画像
ラベル1:本日限定20%OFF(緊急性)
ラベル2:人気モデル着用(権威性)
ラベル3:送料無料(ベネフィット)
合計文字数:17文字 -
不動産(賃貸):
クリエイティブ:駅近マンションの外観
ラベル1:オンライン内見可(ベネフィット)
ラベル2:〇〇駅徒歩3分(ベネフィット)
ラベル3:学生さん歓迎(ターゲット)
合計文字数:17文字 -
人材(ITエンジニア転職):
クリエイティブ:オフィスで働く人の画像
ラベル1:年収800万以上(ベネフィット)
ラベル2:リモートワーク可(ベネフィット)
ラベル3:経験者限定求人(ターゲット)
合計文字数:17文字 -
美容クリニック(脱毛):
クリエイティブ:施術のイメージ画像
ラベル1:初回お試し980円(限定性)
ラベル2:医療脱毛(権威性)
ラベル3:無料カウンセリング(ベネフィット)
合計文字数:17文字
【最重要・独自ノウハウ】ラベルの効果を科学的に測定・分析する方法
ラベル機能を活用する上で、多くの運用者が直面する最大の壁が「効果測定」です。感覚的に「効果がありそうだ」と使い続けるのではなく、データに基づいてその効果を証明し、改善を繰り返していくことこそが、獲得型広告で成果を出し続けるための鍵となります。本章では、他の解説記事ではほとんど触れられていない、ラベル要素の効果を科学的に測定・分析するための具体的な手法を解説します。
なぜ効果測定が不可欠なのか?
LINEヤフー社の公式発表によれば、ラベル要素を追加した広告は、追加しなかった広告と比較してCTR(クリック率)やCVR(コンバージョン率)が向上し、CPA(顧客獲得単価)が抑制される傾向にあるとされています。これは、ラベル機能の有効性を示す心強いデータです。
しかし、この結果はあくまで一般的な傾向であり、自社の商材、ターゲット、そして使用するラベルの文言によって、その効果は大きく変動します。もしかしたら、設定したラベルがターゲットに響かず、全く効果がない、あるいは逆にクリックの質を下げてしまい、CVRを悪化させている可能性すらゼロではありません。そのため、自社のアカウントにおいて「どのラベルが」「どの程度」パフォーマンスに貢献しているのかを正確に把握する必要があるのです。
重大な制約:レポート機能ではラベル単位のパフォーマンスは分析不可能
ここで、冒頭に述べた「LINE広告には管理・分析のためのラベル機能が存在しない」という事実が重くのしかかります。Google広告などでは、付与したラベルごとにパフォーマンスデータを集計できますが、LINE広告のレポート機能には、「ラベル要素」のテキスト内容をディメンション(分析軸)としてパフォーマンスを確認する機能がありません。「送料無料」というラベルと「20%OFF」というラベル、どちらのCVRが高かったのかを、レポート画面から直接比較することはできないのです。これが、多くの運用者が効果測定を諦めてしまう最大の理由です。
しかし、諦める必要はありません。LINE広告のプラットフォームに標準搭載されている機能や、少しの工夫を組み合わせることで、この課題は克服可能です。
解決策①:LINE広告「A/Bテスト」機能による厳密な効果検証
最も正確かつ科学的にラベルの効果を検証する方法が、「A/Bテスト」機能の活用です。これは、特定の要素だけが異なる2つのパターンの広告を、同じ条件下のユーザーに均等に配信し、どちらのパフォーマンスが優れているかを統計的に比較する機能です。
A/Bテストで検証できること
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パターン1:ラベルあり vs ラベルなし
そもそも自社の広告において、ラベルを追加すること自体に効果があるのかを検証します。 -
パターン2:ラベル文言A vs ラベル文言B
「送料無料」と「20%OFF」、どちらがよりコンバージョンに繋がるのかを直接対決させます。 -
パターン3:ラベルの組み合わせA vs 組み合わせB
「訴求軸の異なるラベルの組み合わせ」の効果を比較します。
A/Bテストの具体的な設定手順
- 新規キャンペーン作成:A/Bテストは、既存のキャンペーンでは実施できず、新規キャンペーン作成時にのみ設定可能です。「キャンペーンを作成」画面で、キャンペーンの目的を選択した後、「A/Bテスト」のトグルを「オン」にします。
- テスト内容の選択:「テストしたいものは何ですか?」という問いに対し、「クリエイティブ」を選択します。
- テスト期間と予算の設定:統計的に有意な差が出るまで十分なデータを収集するため、最低でも1週間以上のテスト期間と、十分な予算を設定することを推奨します。
- 広告グループの設定(グループA):まず、テストの基準となる広告グループAを作成します。ターゲティング設定などを行い、広告作成画面に進みます。ここで、比較したいパターンの片方(例:ラベルを設定しない広告)を作成します。
- 広告グループの設定(グループB):次に、「グループBを作成」をクリックします。グループAの設定がコピーされるので、変更したい要素、つまり「ラベル」だけを変更します。(例:グループAと同じクリエイティブに、「送料無料」というラベルを追加する)。
- テスト開始:設定内容を確認し、キャンペーンを開始します。システムが自動的にグループAとグループBの広告をユーザーに均等配信し、データを収集します。
結果の解釈と次のアクション
テスト期間が終了すると、管理画面でどちらのグループがCTR、CVR、CPAなどの主要指標で優れていたかを確認できます。統計的に有意な差をもって優位な結果を出したパターンを「勝者」とし、その後の本配信では勝者のクリエイティブ(ラベル)を採用することで、広告効果の最大化を図ります。このプロセスを繰り返すことで、自社にとっての「勝ちパターン」を見つけ出していくのです。
解決策②:広告の「命名規則」による擬似的な効果分析
複数のテストを同時に実施したい場合や、A/Bテスト機能を使わずに日々の運用の中で簡易的に効果を比較したい場合に有効なのが、広告名の「命名規則(ネーミングルール)」を徹底することです。
命名規則の重要性
LINE広告のレポートは、広告単位でパフォーマンスを確認できます。つまり、広告名に「どのラベルを使っているか」という情報を含めておけば、レポート画面で広告名を検索したり、ダウンロードしたExcelファイルでフィルタリングしたりすることで、ラベルごとのパフォーマンスを擬似的に分析することが可能になります。
具体的な命名規則テンプレート
以下に、分析のしやすさを考慮した命名規則の一例を示します。重要なのは、チーム内でルールを統一し、一貫して運用することです。
テンプレート: `[日付]_[商材名]_[クリエイティブパターン]_[ラベル訴求軸]`
具体例:
- `250724_onepiece_A_label-free-shipping`
- `250724_onepiece_A_label-20off`
- `250724_onepiece_B_label-free-shipping`
- `250724_onepiece_B_label-none`
このように命名しておけば、レポートの広告名で「label-free-shipping」を含むものを抽出し、その合計パフォーマンスを、「label-20off」や「label-none」のグループと比較することができます。これは厳密なA/Bテストではありませんが、施策ごとの効果の傾向を把握し、次のクリエイティブ改善の仮説を立てる上で非常に有効な手法です。
LINE広告ラベル機能に関するよくある質問(FAQ)
最後に、本記事の内容を補足するものとして、LINE広告のラベル機能に関して実務担当者からよく寄せられる質問とその回答をまとめます。
Q1. Google広告のような、キャンペーンを管理するためのラベル機能はありますか?
A1. いいえ、2025年現在、LINE広告にはキャンペーンや広告グループを横断的に分類・管理するためのラベル機能は存在しません。本記事で解説しているのは、広告クリエイティブにテキストを追加する「ラベル要素」です。アカウントの管理・分析のためには、キャンペーン名や広告名に一貫した命名規則を導入することを強く推奨します。
Q2. 「送料無料」というラベルが何回クリックされたか、個別に知ることはできますか?
A2. いいえ、できません。LINE広告のレポート機能では、広告全体のクリック数やコンバージョン数は確認できますが、その広告に含まれる個々のラベル要素ごとのパフォーマンスを分離して計測することは不可能です。特定のラベルの効果を知るためには、本記事で解説した「A/Bテスト」機能の活用が唯一の正確な方法となります。
Q3. ラベルを設定したのに、実際の広告で表示されません。なぜですか?
A3. いくつかの原因が考えられます。まず、配信面がラベル表示に対応していない可能性があります。次に、ユーザーが使用しているデバイスの画面サイズが狭く、設定したラベル(特に2つ目や3つ目)が表示スペースの都合で省略されているケースが考えられます。また、広告審査の過程でラベルのテキストがポリシー違反と判断され、非表示になっている可能性もあります。まずはプレビュー機能で確認し、それでも原因が不明な場合は、配信面と審査状況を確認してください。
Q4. 最も効果的なラベルの組み合わせはありますか?
A4. 残念ながら、すべての商材やターゲットに共通する「万能の組み合わせ」は存在しません。しかし、成功しやすいパターンはあります。例えば、「緊急性・限定性(例:本日限定)」でクリックを促し、「ベネフィット(例:送料無料)」で購入のハードルを下げ、「権威性(例:〇〇受賞)」で信頼性を担保する、といった異なる訴求フレームワークを組み合わせる方法は有効です。最終的には、自社のターゲットに何が響くかをA/Bテストで検証し、独自の勝ちパターンを見つけることが最も重要です。
Q5. ラベルを追加した場合、広告の審査にかかる時間は長くなりますか?
A5. 通常の広告審査と同様、ラベルも審査対象となるため、審査時間は発生します。ラベルを追加したことによって審査時間が大幅に長くなるという公式な発表はありませんが、審査は広告のすべての要素(画像、動画、テキスト、遷移先LP)を総合的に判断するため、ラベルの内容がポリシーに抵触している、あるいは判断が難しい表現である場合は、審査に時間がかかる可能性があります。時間に余裕を持った入稿を心がけることをお勧めします。
まとめ:LINE広告ラベル機能を制する者が、獲得競争を制する
本記事では、2023年8月のアップデートで追加されたLINE広告の「ラベル要素」について、その基本的な仕様から、他の記事では語られていない戦略的な活用術、そして最も重要な科学的な効果測定方法まで、網羅的に解説しました。
多くの運用者が「ラベル数や文字数制限があり使いにくい」と感じたり、あるいは「管理用の機能と混同」したり、「効果測定の方法がわからない」と活用を諦めたりしている中で、本記事で解説した内容を実践することは、競合他社に対して大きなアドバンテージを築くことに直結します。
改めて、本記事の最重要ポイントを振り返ります。
- 前提の理解:LINE広告には、Google広告のような「管理・分析用ラベル」は存在しない。本記事の「ラベル」はクリエイティブを強化する「ラベル要素」である。
- 戦略的活用:限られた17文字の効果を最大化するため、「緊急性」「ベネフィット」「権威性」などの訴求フレームワークを意識的に組み合わせ、ターゲットの心理に働きかける。
- 科学的分析:感覚的な運用を脱し、「A/Bテスト」機能や「命名規則」を用いて、どのラベルが本当にコンバージョンに貢献しているのかをデータに基づいて証明し、改善を続ける。
シンプルな設定でコンバージョンアップやコスト削減に繋がる可能性を秘めたラベル機能は、もはや「使わない手はない」機能です。ユーザーが商品やサービスを選ぶ際に欲しいであろう情報を先回りして提示し、広告をより魅力的にアピールすることで、熾烈な獲得競争の中で一歩抜きん出ることが可能になります。
本記事を片手に、ぜひ貴社のアカウントでもラベル機能のテストを開始し、独自の「勝ちパターン」を構築していただければ幸いです。
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