広告にはGoogle広告やLINE広告などさまざまな種類があります。しかし広告運用者にとって次のような悩みは尽きないもの。

  • 広告配信をしたけど、表示回数が少ない
  • 広告運用コストを下げたい
  • 認知度を短期間であげたい

広告の中でも純広告は上記の悩みに特化しており、事前に広告枠を契約して広告を配信する仕組みでブランディング目的で利用されることが多い広告です。

この記事では、Web広告の中でも「純広告」について種類や料金形態、配信までに注意しておきたいポイントなどを解説していきます。

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純広告とは?

特定の広告枠や媒体を指定して買取り、一定期間配信できる広告の一種。さまざまタイプの広告を掲載できますが、代表的なのはバナー広告やタイアップ広告などのオンライン広告です。

なお、伝統的なメディア(新聞やテレビ)やデジタルメディア(ウェブサイトや検索エンジンなど)など多種多様に掲載が可能。また新聞等の紙媒体では、新聞社が手を加えたものを「編集記事」と呼び、メディアが広告に関与しないものを「純広告」と区別しています。純広告と編集記事を区別するために、純広告は「PR」と呼ぶことも。

掲載するメディアによって特徴は異なりますが、商材やサービスの認知度向上などブランディング、あるいはクリック数を高めるのに使用されることが多い広告です。

純広告と運用型広告の違い

純広告は最初から指定の広告枠や媒体を指定して決まった期間表示するので、固定価格での出稿が可能。一方で運用型広告は広告の成果によって広告の配信期間や広告費を調整できるので、少額から広告を配信できます。

純広告は最初から配信場所や価格が決まった状態でクリエイティブを作成することから、予約型広告とも呼ばれているのです。

純広告とディスプレイ広告の違い

純広告とディスプレイ広告には次のような違いがあります。

純広告 ディスプレイ広告
定義 広告枠を事前に契約して広告を配信 配信面やターゲット、入札単価を調整しながら配信するweb広告
配信面 特定の契約した広告枠 アドネットワーク
掲載期間 契約内容で定められた期間 任意の期間
費用の発生方法 契約内容で定められた固定料金 任意で定めた費用
広告の修正 出稿後は修正不可 修正可能
料金形態 期間保証型
インプレッション保証型
インプレッション課金型
クリック保証型
クリック課金型
配信課金方法
成果報酬型
クリック課金
インプレッション課金
コンバージョン課金
動画視聴課金 など
メリット 運用コストがかからない 顕在層へリーチできる
デメリット 広告費が割高な傾向がある 運用スキルが必要

 

純広告は特定の媒体と契約することで、一定数広告の表示が約束されているのでブランディングに最適な広告ですが、出稿後の広告の修正ができないので内容やターゲットの変更ができません。

一方でディスプレイ広告は、掲載期間や費用を任意で設定できるほか、出稿後も細かな修正が可能です。ゆえに自社の商材やサービスに関心が高いと思われる顕在層へのリーチに最適な広告といえるでしょう。しかし出稿後に運用して広告の最適化が必要なので、ある程度広告の運用スキルが求められます。

純広告の種類

純広告には次のような種類があります。

広告の種類 メリット デメリット
マイページジャック広告 目立つ 価格が高い
テキスト広告 広告が簡単にできる 目立ちにくい
バナー広告 視覚で訴求できる 制作の手間がかかる
動画広告 広告にストーリー性をもたせられる 制作の手間がかかる
記事広告 メディアに自然に馴染んだ広告を配信できる 華やかさに欠ける
メール広告 事前に得た情報に基づいて広告を配信できる 受信媒体によってレイアウトが崩れる

 

それぞれについて詳しくみていきましょう。

マイページジャック広告(リッチ広告)

マイページジャック広告は、サイトやアプリ上部の、最も大きくユーザーの目に留まりやすい場所の広告枠を買い取るので、認知度やブランディングに高い効果を発揮できます。

ページの最も目立つ箇所で商材やサービスを惜しみなくアピールできるので、リッチ広告と呼ばれることも。

ただし広告枠が大きい分、価格は他の種類に比べて高くなっているので、まとまった広告費をかけられる企業におすすめです。

テキスト広告

テキスト広告は、広告枠の中にテキストのみが1〜2行表示される広告です。

テキストのみの広告なのでクリエイティブの作成は簡単で価格も抑えられますが、画像や動画がある広告に比べて目立たないので訴求力にかけるというデメリットがあります。

広告作成に時間がかからないので、安価でとにかく時間をかけたくない、でも広告は配信したいという企業におすすめのタイプです。

バナー広告

バナー広告は、サイトなど上部や下部、サイドなどに表示する画像や動画、テキスト等を組み合わせた広告を指します。

ユーザーが気になる記事やコンテンツを見ているときに、思わずビジュアルに引き寄せられてクリックしてしまった人を、企業が誘導したいラインディングページに連れていくことができるのほか、Webサイトに自然に馴染むように広告を配置が可能。

一般的によく見る種類の広告で、価格帯もそれほど高くなく視覚で訴求できるので、費用対効果が期待できる広告ともいえるでしょう。

動画広告

純広告の動画広告は、テキスト広告やバナー広告よりも伝えられる情報が多いので、動的に商材やサービスを伝えるのに向いている広告です。

また表示される場所によって次のような呼び方もあります。

  • WebサイトやSNSの広告枠:アウトストリーム広告(またはインバナー動画広告)
  • 動画サイトの動画内に表示される広告:インストリーム広告

クリエイティブの作成にはコストがかかるといったデメリットがありますが、「音・テキスト・動画・画像」など、さまざまな要素を組み合わせてストーリー性をもたせた広告を出稿したい人におすすめです。

記事広告(タイアップ広告)

記事広告とは、メディアの記事と同じ形で自然に表示できる広告のことです。

広告は「煩わしい」「邪魔」などネガティブな印象もありますが、記事の中に自然な形で盛りこめるので、ユーザーの邪魔をすることなく商材やサービスを宣伝できます。

ただし、メディアの制約やルールに従う必要があるので、出稿や掲載までに時間がかかるといったデメリットもあります。

メール広告

メール広告とは電子メール形式で送信できる広告で、メルマガやDMなど形式や配信方法は複数。

テキスト広告では数百文字単位で文字を記載して送信できるので、他のテキスト広告よりも多くの情報を記載可能。情報量が多すぎるとユーザーに呼んでもらえないのではないかと思われがちですが、コンテンツに一瞬表示される広告とは違い、メールで送ることでユーザーのデバイスに残りいつでも好きなタイミングでみれます。

ゆえに送ったそのときに読んでもらえなくても、興味関心があれば時間が経ってからでも読んでもらえる可能性があるのです。

純広告の料金形態一覧と相場

純広告には主に7つの料金形態があります。

料金形態 特徴
期間保証方式 広告の表示期間を保証
インプレッション保証方式 インプレッション(表示回数)を一定回数保証
インプレッション課金方式 広告の表示回数に応じて費用が発生
クリック保証方式 一定数以上のクリック数に達するまで広告を掲載
クリック課金方式 広告がクリックされることで広告費が発生
配信課金方式 メール配信数ごとに費用が発生
成果報酬方式 成果に応じて広告代理店に費用を支払う

 

それぞれについて詳しくみていきます。

期間保証方式

期間保証方式は、特定の期間広告を掲載することが約束されている料金形態です。

広告は掲載期間が長いとその分費用も高くなりますが、期間保証方式で契約すると固定価格で特定の期間必ず広告が掲載されるので、広告費用の予算を立てやすくなります。

ただし保証されているのは「掲載期間のみ」であり、広告表示に伴うクリック率や表示回数については保証されていませんのでご注意ください。

なお期間保証方式は、サイト自体のアクセス数が多ければ費用対効果が高くなることが期待できます。一方でアクセス数が少ないサイトでは広告事態の表示が少なくなり、効果が低くなるリスクも。

ゆえに費用対効果をあげたいのであれば、ある程度アクセス数が見込めるサイトに掲載するときに期間保証方式を選択するのが良いでしょう。

インプレッション保証方式

インプレッション保証方式は、インプレッション(広告の表示回数)を一定回数保証する料金形態です。

広告はそもそも表示されないと認知度向上や成果に繋がりません。ゆえに表示回数が約束されているインプレッション保証方式は、ブランドやサービスのブランディングに最適な料金形態です。

ただし広告が表示されたからといって必ずしもクリックしてくれるとは限らないので、ランディングページへの誘導や問い合わせを目的とした広告には不向きといえるでしょう。

インプレッション課金方式

インプレッション課金方式は、広告の表示回数に応じて課金する料金形態です。純広告では広告掲載が終了したあとにまとめて費用を支払う契約もあります。

課金方式なので広告が表示された分だけしか費用がかからないといったメリットがある一方で、広告が予想以上に表示されてしまったときに予算オーバーになってしまう可能性も。

またクリックされなくても広告が表示されると料金が発生してしまうので、成果が保証されるわけではない点にご注意ください。

クリック保証方式

クリック保証方式は、広告のクリック数が一定数以上になるまで広告を配信できる料金形態です。

クリック数向上を目的としている料金形態なので、自社HPや目的のランディングページに誘導したい広告に向いています。

ただし商材やサービス、掲載場所によっては目標達成までに時間を要することもあるので覚えておきましょう。

クリック課金方式

クリック課金方式は、広告をユーザーがクリックすると料金が発生する仕組みです。

広告が表示されてもクリックされなければ料金が発生しないので、無駄な広告費がかかりません。ゆえに広告費は抑えたいけど、ブランディングとクリック数を向上させたいなど、さまざまなシーンに適した料金形態です。

ただし予想以上にコンテンツが人気になり広告費が莫大になったり、広告費が不足したことで予定よりも早い段階で広告掲載が打ち切りになってしまうケースもありえるので覚えておきましょう。

配信課金方式

配信課金方式は、メール配信数ごとに料金が発生する契約形態であり、メール広告では最も多い方式です。

配信課金形態にはさらに2つの種類があります。

  • 一斉配信契約型:メルマガ登録者全員への送信を保証
  • クリック課金型:メール広告内のURLをクリックするごとに料金が発生

なお配信数が多ければ成果に繋がる確立もあがりますがそのぶん費用も高くなります。またメールが開封されなくても料金が発生するので、費用対効果が予想しにくいといったリスクもあるのです。

成果報酬方式

成果報酬方式とは、配信した広告をクリックしたユーザーが、アクセス先のサイトで商品を購入したりサービスの申し込みをした場合に、成果に応じて料金が発生する料金形態です。

他の料金形態と違い、成果報酬方式は発生した費用を広告代理店に支払います。自分で広告を運用する手間が省けたり運用のプロの支援を受けられるといったメリットがあります。

アフィリエイトも成果報酬方式と呼ばれますが、純広告において成果報酬方式とは広告代理店に報酬を支払うといった意味合いになるのでご注意ください。

純広告の種類別の費用相場

純広告における種類別の料金相場は以下になります。

広告の種類 料金相場
マイページジャック広告 想定インプレッション数×1~3円
テキスト広告 想定インプレッション数×0.5×1円
バナー広告 想定インプレッション数×0.5~1円
動画広告 想定再生数×0.5~1円
記事広告 想定PV数×20~200円
メール広告 配信数×5~20円

 

広告費の予算を組む場合に参考にしてみてくださいね。

純広告を掲載するメリットとデメリット

ここからは純広告を掲載するメリットとデメリットについてご紹介していきます。

メリット デメリット
  • 必ず広告を掲載できる
  • 運用コストがかからない
  • 短期間で成果が望める
  • 他の広告に比べて費用が高い
  • 細かなターゲティングができない
  • 出稿後にクリエイティブの修正ができない

 

それぞれについてさらに詳しくみていきましょう。

3つのメリット

純広告を掲載するメリットを知っておくことで、自分の業界や商材、サービスが純広告に適しているのかを知れます。

ここでは主に純広告を掲載する3つのメリットについて、みていきましょう。

必ず広告を掲載できる

純広告を先に広告を出稿する媒体の広告枠を買い取る仕組みです。ゆえに広告費を支払えば、契約期間内やクリック数が達成されないうちは、必ず広告が配信されることが約束されているというメリットがあります。

運用型広告では、入札単価が低すぎて広告が表示されない、希望の広告枠が落札できないなどのリスクがあります。

しかし純広告はメディアの都合で契約打ち切りになるということがないので、確実に広告を配信したい企業に向いた広告といえるでしょう。

運用コストがかからない

純広告では出稿前に広告内容を決めてしまうので、出稿後の分析や運用に手間や時間がかかりません。

運用型広告ではキャンペーンやプラットフォームを選択して、入札価格の決定、出稿後は数値を分析してPDCAサイクルを回して広告の最適化をおこないます。

そのため広告運用の代理店に依頼したり、運用を専門的に行う人材を配置したりとコストがかかるといった悩みもあるでしょう。

しかし純広告では、クリエイティブ作成にかかる手間だけで、出稿後は運用コストがかからないといったメリットがあるのです。

短期間で成果が望める

純広告の枠は、アクセスユーザーが多いYahoo!JAPANなど大手サイトが多くなっています。

認知度向上やブランディングに向いている純広告では、人気サイトおよび大きな面積の枠においてテキストや画像、動画で商材やサービスを宣伝できるので、ユーザーの印象に残りやすくなります。

そのため短期間での成果が望めるほか、企業や商品への信頼度向上も期待できるでしょう。より短期間で成果を挙げたい場合は、条件のよい広告枠を数種類契約して配分して活用するのもおすすめです。

3つのデメリット

広告は多くのメリットがある反面、デメリットを知って自社にとってメリットとデメリットどちらが大きいのか比べたうえで利用する必要があります。

ここでは純広告を運用するうえで起こり得るデメリットについて、解説していきましょう。

他の広告に比べて費用が高い

純広告は、事前に広告枠を購入して表示回数やクリック数を確保できますが、そのぶん運用型広告に比べて費用が高い傾向にあります。

そのため広告費を削減したいのであれば、まずは運用型広告からはじめてみるのがおすすめです。まずは低予算で広告を出稿して、成果が見込めそうであれば純広告に切り替えるといった手法を使えば、費用をおさえつつ成果向上につなげやすくなります。

細かなターゲティングができない

純広告は、人にターゲットを定めるより配信面でターゲティングをします。ゆえに商材やサービスに合わせた細かなターゲティングは難しいというデメリットがあるのです。

他の広告に比べてターゲティングが柔軟にできないので、最初に設定したターゲティングが上手く機能しなかった場合には、望ましい成果を得られないリスクがあります。

そのためどういった人に広告を表示させるかのペルソナを明確化して、ユーザー層が近いサイトに広告を出稿するようにしましょう。

出稿後にクリエイティブの修正ができない

純広告は広告を出稿さえすれば表示回数など広告の掲載が約束されていますが、一度出稿してしまうとクリエイティブの内容を変更することができません。

契約内容によっては途中解約できるものもありますが、1ヶ月前までに契約を継続しない旨を書面によって伝えるなど、媒体によって規約があり手間暇がかかってしまいます。

無駄な労力をかけないためにも、出稿前によく広告内容を確認するようにしましょう。

純広告を掲載する前に注意すべきポイント

純広告を掲載するまえに以下のポイントに注意しましょう。

  • 商材やサービスに合わせた媒体を選択
  • ランディングページを最適化
  • 運用型広告も併用する

純広告は、広告枠を事前契約することで広告を必ず表示できるというメリットがありますが、それだけでは高い成果は望めません。

ここでは純広告を掲載する前に知っておきたいポイントを3つに分けてご紹介します。

商材やサービスに合わせた媒体を選択

自社の商材やサービスに興味関心をもってくれそうなユーザー層が多いサイトの広告枠に出稿することで、成果に繋がりやすくなります。

大手サイトはアクティブユーザーが多いので、認知度向上には最適でしょう。ただし自社の商材やサービスに興味関心がある人が少ないと、コンバージョン率向上には不向きといえます。

したがって広告を出稿する媒体は、アクセス数の多さだけでなく商品に興味をもってくれるユーザー層がいるサイトを選択することで、期待する結果が繋がりやすくなるのです。

ランディングページを最適化する

広告掲載の目的が「商品を買ってもらう」「問い合わせ率向上」「サービスの申し込み」など認知度向上以外である場合、広告クリック後のLPをユーザーにとって興味関心をひくようなものにしましょう。

ユーザーが広告に興味を示してクリックしても、ランディングページで購買意向をそそらなければ離脱される可能性が高まります。

そのため「広告内容が気になる→広告をクリックする→LPでさらにユーザーの購買意向を高める→コンバージョンに繋げる」といった一連の流れを考慮して広告およびランディングページを作成しましょう。

運用型広告も併用する

純広告は、出稿してしまうと修正ができないため、配信後も内容を変更できる運用型広告と併用することで効果が高まります。

また純広告は広告費が高い傾向にあるので、少額から広告配信ができる運用型広告を取り入れることで、広告を抑えつつ純広告だけではターゲティングできない層へのアプローチも可能になるのです。

もしくは運用型広告でABテストをおこない、反応が良かったものだけを純広告で杯居Ⓢンするといった手段も有効的といえるでしょう。

純広告を利用してブランディングしよう

特定の媒体の広告枠を契約して広告を配信することで、広告の表示回数やクリック数を確約できる純広告。

運用型広告に比べて費用は割高になる傾向がありますが「とくかく商品をアピールしたい」「サービスの良さを知ってもらいたい」など、ブランディングに高い効果を期待できるので、認知度向上を目的として場合に最適な広告です。

ただし一度出稿してしまうと、広告内容やターゲットを柔軟に調整できないといったデメリットもあります。

したがって自社にとって純広告を配信するメリットとデメリットをきちんと理解したうえで、利用してみましょう。



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