2022年から配信が可能になったMicrosoft広告。日本ではGoogle広告やYahoo!広告を利用している人も多いでしょう。
しかしMicrosoft広告はビジネスパーソンへのアプローチに強いことから、導入を始めた企業が増えてきています。
この記事では、Microsoft広告の中でも「オーディエンス広告」に注目して、特徴や利用できるターゲティングの種類、設定方法をご紹介していきます。
Microsoftのオーディエンス広告とは?
Microsoft広告は、Microsoft社が提供しているサイトやパートナーサイトに表示される広告です。
主な配信先は、MSM(マイクロソフトオーディエンスネットワーク)、Outliik.com、Microsoft Edgeなど。
検索エンジンはGoogleを利用している人が多いですが、日本のビジネスパーソンはMicrosoft製品を使用しているユーザーが多くなっています。
そのため他国に比べてMicrosoftの検索エンジンに広告を出稿できる同サービスは、日本との相性がよいといえるのです。
Microsoft広告では7種類の広告タイプから選んで出稿が可能。
- アプリインストール広告
- オーディエンス広告
- マルチメディア広告
- ショッピング広告
- レスポンシブ広告
- バーティカル広告
- 動的検索広告
中でもオーディエンス広告は、ページコンテンツに自然に統合される形で広告を配信できるタイプです。
Microsoft広告については、以下の記事でさらに詳しく解説していますので、参考にしてくださいませ。
自動入札ができない
Microsoft広告の中でもオーディエンス広告は「自動入札」ができません。同広告で利用できる入札戦略は次の3つのみになります。
- 手動CPC:1クリックあたりの入札単価を自分で設定する方法
- 手動CPM:インプレッション1000回あたりの入札単価を手動で設定する方法
- 拡張CPC:手動CPCを過去のコンバージョンデータに基づいて引き上げや引き下げをして調整してくれる方法
ただし手動CPCは今後廃止予定となっており、廃止後の入札戦略のデフォルトは拡張CPCになります。
広告枠ごとに詳細に画像を指定可能
オーディエンス広告では、アップロードした画像が自動的に配置面に合わせてトリミングされる仕様です。そのため推奨されるサイズ外でアップロードしてしまうと、意図しないトリミングによって画像が不十分な状態で表示されてしまうケースも。
そうならないためにも、Microsoft広告が広告枠ごとに入稿を推奨している画像サイズがあります。
なお利用できるファイルの種類は下記のとおり。
- JPEG
- JPG
- PNG
- GIF
広告タイプが1つ
オーディエンス広告で利用できる広告タイプは「レスポンシブ広告」のみです。
レスポンシブ広告とは広告枠に合わせて、広告サイズや見出し、画像サイズが自動調整される広告。
なお設定できる項目は次のとおり。
- 短い見出し:半角30文字までのものを15個まで
- 長い見出し:半角90文字までのものを5個まで
- 広告説明文:半角90文字までのものを5個まで
- 画像:16枚(1.91:1の比率の画像を必ず1つ入れる必要がある)
【Microsoftのオーディエンス広告】ターゲティングの種類
オーディエンス広告では、5つのターゲティング種類があります。
地域ターゲティング
地域ターゲティングでは国や都道府県、市町村を指定できます。それ以外にも郵便番号や座標、ランドマークからの半径指定もできるようになっているのです。
たとえば花屋の集客において広告を出稿したい場合、店舗から半径2kmに住んでいるユーザーに対して店舗の広告を出稿する、といった活用ができます。
年齢・性別ターゲティング
年齢・性別ターゲティングではMicrosoftアカウント情報をもとに、広告の配信もしくは除外する対象者を指定できます。
年齢は以下の対象を選択可能。
- 18~24歳
- 25~34歳
- 35~49歳
- 50~64歳
- 65歳~
性別は以下の対象を選択可能。
- 男性
- 女性
- 不明
性別や年齢を絞り込んで広告を配信したいときに、有効的なターゲティング手法です。
オーディエンスターゲティング
ユーザーの興味や行動、過去の行動や属性に類似している新規顧客ユーザーなど、オーディエンスリストに対して広告を配信する機能。
現在利用できるオーディエンスリストは次の7種類です。
またオーディエンスリストは、ターゲットにするだけでなく「除外リスト」としても活用可能です。
たとえばすでに顧客登録されているユーザーを「除外」することで、新規顧客にのみ広告を配信できるようになります。
なおオーディエンスリストの作成方法は、オーディエンスの作成を参考にしてみてください。
Linkedlnプロフィールターゲティング
現時点で日本では利用不可ですが、LinkedIn(リンクトイン)に登録されているプロフィール情報をもとに、リスト化されたユーザーに広告の配信ができます。
LinkedInとは、自分のスキルや経歴を登録することでそれを見た企業からスカウトを受ける、といった新しいビジネスチャンスを得られる場をなっています。
なお同ターゲティング手法で利用できるのは次の3つです。
- 企業ターゲティング
- 業界ターゲティング
- 職種ターゲティング
詳しい内容や設定方法はLinkedIn プロフィール ターゲティングをご覧くださいませ。
予測ターゲティング
LPや広告コンテンツなどの情報をもとに、成果に繋がりやすいユーザーを予測して広告を配信するターゲティング手法です。
他のターゲティング手法と組み合わせもできるので、1つの手法ではカバーしきれない潜在層のユーザーへのリーチを広げることが可能となっています。
なお組み合わせ可能なターゲティング手法は次のとおり。
- 年齢、性別ターゲティング
- 購入意向の強いユーザー
- リマーケティングリスト
- 動的リマーケティングリスト
- 類似オーディエンス
- カスタマーマッチリスト
- 組み合わせリスト
オーディエンス広告の設定方法
オーディエンス広告の設定方法は次の8ステップで完了します。
- オーディエンスリストの作成
- キャンペーンの作成
- 広告グループの作成
- 予測ターゲットを設定
- 広告の作成
- 画像の編集
- 予算や入札単価の設定
- スケジュール設定
それぞれ詳しく解説していきましょう。
オーディエンスリストの作成
まずは広告を配信するための「オーディエンスリスト」を作成します。
【作成手順】
- 「管理画面>ツール>オーディエンス」をクリック
- 「+作成」ボタンをクリック
- 表示された種類のうち作成したいものを選択して「次へ」をクリック
なお購入意向の強いユーザーや先にMicrosoft広告に用意されたオーディエンスリストを利用する際は、このステップは不要です。
キャンペーンの作成
オーディエンスリストが作成できたら、次にキャンペーンを作成していきます。
【作成手順】
- 「管理画面>キャンペーン」をクリック
- 「+作成」をクリック
- キャンペーンの目的を選択する
- 表示されたキャンペーンの種類から「オーディエンス広告」を選択
- 「次へ」をクリック
- キャンペーン名と1日の予算を設定
- 「保存して次の手順に進む」をクリック
オーディエンス広告では、「アプリのインストール」と「カタログから商品を販売する」の目的は選択できないので、それ以外から選びましょう。
なおこの記事では「個人用Webサイトでのコンバージョン」を例に、設定方法をみていきます。
広告グループの作成
次に広告グループを作成していきましょう。ここでは「オーディエンス」のターゲティング手法を例に進めていきます。
【作成手順】
- 広告グループ名を入力
- ターゲット設定を選択
- 配信対象のユーザーを「追加または除外」をクリック
- 最初に作成したオーディエンスリストやMicrosoft広告で用意されたリストの中から対象のものを選択
予測ターゲットを設定
次に予測ターゲットを設定します。
予測ターゲットとはターゲット設定をしていなくても、先に設定したオーディエンスリストの情報をもとに、新規ユーザーを探して潜在層にリーチできる機能です。
一見ターゲットが広がり便利な機能のように感じますが、拡張配信された広告がどの程度あるのかパフォーマンスを確認できない、というデメリットもあります。
ターゲティングを設定すると、自動で予測ターゲット設定が「ON」に。したがって特定のターゲット以外に広告を配信したくない場合は、「予測ターゲット設定の使用」を「OFF」にしておきましょう。
ここまで設定すれば、キャンペーンの設定は完了です。続いて広告の作成方法をみていきましょう。
広告の作成
広告作成は、以下の内容をまず登録します。
- 最終URL
- 短い見出し(15個まで)
- 長い見出し(5個まで)
- 広告テキスト(5個まで)
- 会社名
登録画面下部にある「モバイルURL」は、ユーザーがモバイルデバイスで広告をクリックした際に、遷移されるWebページのURLを指します。PCとモバイルでURLが違いときに入力しておきましょう。
画像の編集
登録内容の入力が完了したら、次に広告画像の設定を行います。画像の登録は16枚まで可能。
【設定手順】
- 「画像を追加」をクリック
- 使用したい画像を選択して「適用する」をクリック
- 縦横比が自動でトリミングされるのでプレビューで確認
もしプレビューでみた画像のトリミングを変更したい場合は、次のような画像の編集ができます。編集する際は、広告プレビュー右上の「縦横比の編集」をクリック。
スマートエフェクトの使用:エフェクト効果背景をぼかす、背景色の変更が可能
トリミング:縦横比に合わせた画像を用意しなくもトリミング機能で最適な画像に加工可能
プレビューで表示された縦横比を変更したい場合は、「配置の例を表示する」をクリックして変更が可能です。
オーディエンス広告で画像を登録すると、自動でトリミングされるようになっているので、プレビューで確認して、必ず適切なサイズになっていることを確認しておきましょう。
ここまでの設定が完了すれば、広告の作成は完了です。
予算や入札単価の設定
広告の作成が完了したら、出稿のために予算や入札単価を設定していきます。
まずは「予算と入札単価」をクリックして、入札戦略と入札単価を設定。オーディエンス広告で設定できる入札戦略は「手動CPC・手動CPM・拡張CPC」です。
次にコンバージョンについての設定。入札戦略が1つしかない場合は「アカウントのコンバージョンに含める設定を使用する」を選択、お問い合わせや資料請求などコンバージョンが複数あり、作成しているキャンペーンで目標としているコンバージョンを指定したい場合は「このキャンペーンのコンバージョン目標を選択する」を選びましょう。
そして「入札単価調整」をクリックすると、年齢・性別・オーディエンスに対して入札比率を指定することが可能です。たとえば35~49歳に最も適した商材の場合、入札比率を高くすることで、効率の良い広告配信を可能にできます。
なお入札比率は-90%から+900%の間で調整が可能。
スケジュール設定
最後に作成した広告の配信スケジュールを設定します。
「広告スケジュール」のクリックで、キャンペーンの配信開始日と終了日や、曜日時間帯ごとの入札比率を決められます。
最後に「保存」をクリックすると、すべての設定が完了です。広告審査が無事済むといよいよ広告を配信できるようになります。
オーディエンス広告を配信する際の注意点
最後にオーディエンス広告を配信に対して注意しておきたい点を2つご紹介します。
- 画像がトリミングされる
- テキストやロゴを含む画像は不向きである
画像がトリミングされる
Microsoft広告ではアップロードした画像が自動でトリミングされる仕組みです。
1,200×628ピクセル以上を満たす画像が必須ですが、自動トリミングにより意図しない編集が行われて画像が崩れてしまうのを防ぐためにも、他の推奨ピクセルの画像も合わせて用意しておくのがおすすめです。
テキストやロゴを含む画像は不向き
オーディエンス広告では、テキストやロゴを含む画像の使用はおすすめできません。先にお伝えしたように、アップロードした画像の自動トリミングされてしまいます。
そのためテキストやロゴが見切れてしまう可能性に加えて、配置面によってはテキストや会社名が上手く表示されないケースも考えられます。
したがって会社名やテキストは見出しや説明文に含めたり、広告が掲載面でどのように表示されるのかを確認したうえで画像を用意しましょう。
ターゲットに効率よくリーチしよう
ページコンテンツに自然に統合される形で広告を配信できるオーディエンス広告。
5種類のターゲティング手法を組み合わせて効率的にリーチできるので、Google広告やYahoo!広告を利用している人にもぜひ利用してほしい広告配信サービスです。
日本での配信がスタートしてまだ日が浅いため、ノウハウが少なく不安に思う人も多いでしょう。そんなときは広告代理店や専門知識がある人に相談するのもおすすめです。
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