スマートフォンやタブレットの普及により、アプリの利用が高まっています。

 

スマートフォンの利用時間の大半は「アプリ利用」だという調査結果も出ており、人々の生活に欠かせないものになっているのが現状です。

デバイスの高性能化や回線速度の高速化に伴い、高機能なアプリもストレスなく使えるようになったおかげで、各企業でも「自社専用アプリ」の開発・配信に力を入れています。

 

現在は、アプリを配信するための「アプリインストール広告」という広告形態があり、GoogleやYahoo!のほか、各SNS媒体で配信可能です。

今回の記事では、アプリインストール広告を効果的に活用し、インストール数を増やすための方法や、配信前の準備・配信の効果測定などについて解説していきます。

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アプリインストール広告とは

アプリインストール広告とは、インターネット上で配信されている広告の一種で、SNSやポイント獲得アプリなどを利用しているユーザーに「アプリのインストール」をすすめる広告の総称です。

GoogleやYahoo!のほか、playストアでの検索結果・各SNS媒体のタイムラインなどに「インストールしてもらいたいアプリ」の広告を表示させ、広告を見たユーザーにインストールを促しています。

 

一人でも多くのユーザーに自社アプリを使ってもらいたいと考える企業や広告主に利用されており、配信されている広告をクリックすることで「インストールする」ためのページに遷移する…という仕様です。

 

マンガアプリやポイント獲得アプリなどで「作品の購読・ポイント獲得の条件」として配信されているのは、ご存じの方も多いでしょう。

広告視聴がポイント獲得や作品を読むための条件になっているため、広告を最後まで視聴してもらえる可能性が高く、認知度アップの効果を期待して広告を配信している企業も少なくありません。

大きく分けて2種類ある

アプリインストール広告は2種類のパターンがあり、アプリインストール広告のほか「非アプリインストール広告」というものがあります。

 

アプリインストール広告は、配信されている広告をクリックすることで「アプリをインストールするページ」に直接移動するタイプの広告になっており、主に「ストア系」やSNS・ニュースサイトなどで配信されている広告です。

 

もう一方の非アプリインストール広告は、広告をクリックするとまず「ランディングページ」に遷移し、そのページからアプリのインストールを促すタイプのものになります。

非アプリインストール広告なら、やり方次第で「同種のアプリの紹介」なども可能なので、PCユーザーにアプリの認知を促す効果も期待できるでしょう。

アプリインストール広告の仕組み

アプリインストール広告に似ている仕組みを持つ広告として、運用型広告があります。

 

「特定の掲載枠が決まっていない」点が運用型広告と似ているため、配信予算やサイトのジャンル、配信する広告の内容との関連性から、最適な広告枠への出稿が可能です。

また、費用対効果が感じられやすい広告形態のため、多くの企業が自社アプリの配信に利用しています。

アプリ広告との違いは?

アプリインストール広告と混同しがちな広告として、アプリ広告があります。

アプリ広告とは、スマートフォンなどで表示されるすべての広告の総称で、バナー広告やアイコン広告を利用し、アプリ内で「自社商品やサービス」をユーザーに訴求するタイプの広告です。

 

大きく違う点は「クリックするだけでアプリのインストールが可能かどうか?」で、アプリ広告では「直接インストール」はできません。

 

また、アプリインストール広告なら、Google playなどで設定されている検索語句を「入力して検索したユーザー」に対して、検索上位に広告を表示させることが可能です。

 

ちなみに、SNSアプリではタイムライン上に広告が表示されるようになっています。

アプリインストール広告は、クリックすれば「目的のアプリがダイレクトにインストール可能」な状態にもっていけるので、ユーザーに余計な手間をかけさせずにアプリのインストールまで誘導できます。

アプリインストール広告にかかる費用は

アプリインストール広告にかかる費用について、以下の表にまとめました。

上の表にもあるように、どのくらいの費用が必要なのかは決まっていません。

したがって、おおよその費用を把握したい場合は「自社が目標としているKPI」や、出稿・配信する広告媒体の課金形態を知っておく必要があります。

 

KPIは広告運用における費用対効果を知るために重要なものです。アプリインストール広告でよく使われる代表的なKPIは以下のものです。

【CPI】
CPIとは、「Cost Per Install」の頭文字を取ったもので、1インストール当たりにかかった広告費用を表わします。

計算式は「かかった広告費用÷インストールされた数」です。

 

アプリのインストールは、Web広告でいう「コンバージョン」に該当します。

【ROAS】
ROASとは「Return on Advertising Spend」を省略した名称で、別名「広告費の回収率」と呼ばれています。広告配信にかかった費用に対して「どれだけ売上があったか?」を表わすものです。

アプリを利用したことによる売上を基準にしているので、かかった広告費がどれだけ売上に影響したのかを把握することができます。

 

インストールしたのかどうかを知るための指標がCPIであるのに対し、ROASは配信しているアプリを広告によってインストールしたユーザーが、課金などのロイヤリティによって売上に繋がったかどうかを把握することが可能です。

アプリインストール広告の代表的な手法媒体

現在、アプリを直接インストールできる広告を配信可能な媒体は、オンライン上にいくつもあります。

そのなかでも代表的な広告媒体は、以下の8種類です。

  • Google広告アプリキャンペーン
  • Yahoo!検索広告アプリキャンペーン
  • Yahoo!ディスプレイ広告アプリキャンペーン
  • Apple Search Ads
  • Facebookアプリ広告
  • Twitter広告アプリインストール数キャンペーン
  • LINE広告アプリインストールキャンペーン
  • SmartNews Ads

これらの手法について、詳しく解説していきます。

Google広告アプリキャンペーン

Google広告アプリキャンペーンは、Googleが提供する関連サイトに「アプリの宣伝に最適な広告」を表示できるサービスで、ほかのGoogle広告と違い「個別で広告を作成しなくて済む」のが特徴です。

 

広告を作成する側は、広告で必要な説明文や予算の設定・掲載する動画や画像の登録だけで済み、あとはGoogleが「広告の成果が最大限高まる」ように自動で設定してくれます。

 

Googleは機械学習によって得られた膨大なデータから最適な組み合わせを弾き出し、入札単価や動画・画像の選択や配信するユーザーのターゲティングまでを自動でおこない、効果の高い広告を自動表示させることが可能です。

作成された広告は、Googleの主要サービスでも配信されるので、幅広いユーザー層に自社サービスや商品の訴求ができます。

 

以下は、掲載されるGoogleの主要サービスです。

  • Google検索
  • 競合検索サイト
  • GooglePlay
  • YouTube
  • Googleディスプレイネットワーク

上記のサービスで自動配信されるため、大幅な認知度アップも可能になるでしょう。

Googleアプリキャンペーンの、広告を最適化する目標設定

Googleアプリキャンペーンでは、広告を最適化するために以下の目標設定をおこなうと効果が出やすいです。

  • アプリインストール
  • アプリエンゲージメント
  • アプリの事前登録(Androidのみ)


キャンペーンタイプからアプリのプロモーションを選択すると、上記の選択項目が出るので、目的に応じて3つの中から選んでください。

 

「アプリインストール」を選択すれば、ユーザーに配信しているアプリのインストールを促すような広告をGoogleが自動的に表示してくれます。

「アプリエンゲージメント」は、アプリをインストール済みのユーザーを対象に再度アプローチをおこない、アプリ内で特定の行動をしてもらえるよう「利用の再開」などを促すための設定です。

「アプリの事前登録」を選択すれば、Google Playなどでアプリを公開する前に、設定時に指定した国でアプリやゲームの「期待度」や「認知度」を高めることができるでしょう。

Yahoo!検索広告アプリキャンペーン(ダウンロード用広告)

Yahoo!検索広告アプリキャンペーンは、ユーザーがYahoo! JAPANで検索したキーワードと関連性の高いものを表示する広告です。

表示されている広告をクリックすると、アプリをインストールできるストアページに移動します。ストアページは、Androidなら「Google Play」、iOSなら「App Store」です。

画像引用元:広告の作成(アプリダウンロード用広告)ーYahoo!広告ヘルプ

検索広告で利用可能なターゲティングは以下になります。

【サイトリターゲティング】
過去に自社のサイトに訪問した経験のあるユーザーが対象。ユーザーが検索をかけた時に広告を表示する。

【デバイス】
デバイスごとに入札価格調整率を設定できるターゲティング。

【地域】
特定の地域に対して配信したり、配信を除外したりできる。そのほか、入札価格調整率の設定も可能です。

【曜日・時間帯】
指定した曜日・時間帯での配信や、入札価格調整率の設定ができる。

 

Yahoo! JAPANと関連性の高いページを対象に広告を表示できるので、幅広い年代のユーザー層に「アプリの認知拡大」を促せます。

Google広告アプリキャンペーンとの違いは?

Yahoo!とGoogleは広告を配信するサイトとして有名ですが、Googleで配信できる「アプリインストール広告」とYahoo!で配信できる「アプリダウンロード広告」では大きな違いがあり、使い分けるのが最適でしょう。

Googleアプリキャンペーンとの大きな違いは以下になります。

 

【検索広告とディスプレイ広告とはアカウントが別である】
Yahoo!検索広告とYahoo!ディスプレイ広告は、同一の広告アカウントからの配信ができないという点が、大きな違いです。

そのため、両方でアプリ広告の配信を考えているなら、広告アカウントを2つ用意してください。

 

Yahoo!の場合は、アカウントが別なので「各アカウントごとに配信量の調整」ができます。

それに対して、Googleでは1つのアカウントで両方に広告を配信できますが、配信はどちらか一方です。配信量も自動調整されるので、広告運営者が手動で調整することはできません。

 

【広告を配信する時にキーワードの指定ができる】
Yahoo!検索広告では、アプリのインストールを見込めるキーワードの指定や、キーワードの入札価格の調整が可能です。

そのため、キーワードを調整して最適な配信に調整して成果を上げることもできます。

 

Googleでは、広告表示のキーワードを任意で指定できません。自動で配信される仕様なので、アプリのダウンロードに関するレポートの確認も難しいでしょう。

 

【任意でターゲティングの設定ができる】
Yahoo!検索広告もディスプレイ広告も「ターゲティング」の設定を任意に設定できます。

成果を出すのが難しい曜日や時間帯の設定を変更したり、ディスプレイ広告でどんなユーザーを対象に広告を配信したりするかの細かい設定が可能です。

 

それに対してGoogleでは、ターゲティングが「ほとんど自動でおこなわれる」ため、細かい設定ができません。「最適化設定」などで成果が最大になるように配信されますが、任意でのコントロールも不可となります。

Yahoo!ディスプレイ広告アプリキャンペーン(インストール広告)

Yahoo!ディスプレイ広告では、ユーザーに対してアプリの訴求を目的とした広告を作成可能です。

Yahoo!のシステムが「最適な広告配信」を自動的におこなうため、広告運用者の手間がかからず「ユーザーにアプリのインストールをさせよう」とする効果が最大限活かされます。

 

課金形態は上記の検索広告とディスプレイ広告ともにクリック課金方式になっており、配信されている広告がクリックされなければ課金されません。

 

入札戦略は以下の表にまとめていますので、参考にしてください。

検索広告の「コンバージョン数の最大化」では、コンバージョン単価の目標値の設定も可能です。

「コンバージョン価値の最大化」では、広告費用対効果の目標値の設定が必要になります。

ディスプレイ広告で利用できるターゲティングと配信できる広告形態

選択できる広告フォーマットは「テキスト」「バナー」「レスポンシブ」「カルーセル」の4種類で、静止画像や動画が使用可能です。「どんな広告を作りたいのか?」を最初に決めてからフォーマットの選択をしてください。

 

ディスプレイ広告で利用できるターゲティングと内容は以下の通りです。

【デバイス】
デバイスごとの入札価格調整率や、デバイスで使用しているOSのバージョンを設定できる。

【性別】
入札価格調整率をユーザーの性別ごとに設定が可能。

【年齢】
入札価格調整率をユーザーの年齢ごとに設定できる。

【サーチキーワード】
ユーザーが過去に検索した「検索履歴」をもとにターゲティングをおこなう。

【オーディエンスリスト】
データソースをもとにしたターゲティングをおこなう。

【オーディエンスカテゴリー】
特定のカテゴリーに興味関心・属性を持つユーザーを対象にしたターゲティング。

【プレイスメント】
アプリ広告を配信するためのサイトを指定する。

【コンテンツキーワード】
コンテンツを配信するWebページや、アプリのコンテンツ内容を指定できる。

【サイトカテゴリー】
広告を配信するWebサイトのカテゴリーを指定できる。

【曜日・時間帯】
指定した曜日・時間帯での配信や、入札価格調整率の設定ができる。

【地域】
特定の地域に対して配信したり、配信を除外したりできる。そのほか、入札価格調整率の設定も可能。

Apple Search Ads

Apple Search Adsは、Apple社が提供している「AppStore」に対し、ユーザーが検索した結果に応じた広告を配信できる広告媒体になります。

画像引用元:Apple Search Ads

AppStoreは、iPhoneやiPad・Macなどのデバイスで使用できるアプリを多数揃えているプラットフォームで、iOSのデバイスを使用しているユーザーに「iOSのアプリ」を広告によって訴求するのに最適です。

 

広告形態としては、リスティング広告と同様にAppStoreのサイト上部に表示される「検索連動型広告」となります。

 

近年はiPhoneやiPadの需要が高く、ユーザー数はAndroid端末よりも若干高い傾向にあるため、iOSに対応したアプリの開発でユーザーに訴求する企業が増加し「Apple Search Ads」の利用が高まっているのが現状です。

Apple Search Adsでは、「Search Ads Basic」と「Search Ads Advanced」という2つの広告プランがあり、広告を配信する目的によって選択することができます。

 

以下で、それぞれのプランについて詳しく解説していきますので、参考にしてください。

Search Ads Basicプラン

Search Ads Basicは、ベーシックという名の通り「広告運用経験の浅い企業」や「広告の出稿に関する知識の少ない企業」におすすめのプランになります。

Apple Search Adsを初めて利用し、まずは「お試し」と考えている広告主にも最適なプランです。

 

デメリットとして、必要最低限の広告配信に関する情報のレポートしか作れないことと、手動によるターゲティング設定ができないことは、ベテラン運営者や配信に関する詳細な情報を収集している広告主には「物足りない」と感じられる点でしょう。

 

AppStoreで広告出稿をおこなう際は、配信先の地域の設定や1インストール当たりの単価・予算の上限設定など最低限の設定で広告の出稿ができます。

広告運用経験の浅い企業だけでなく、広告運用にあまり時間や人的リソースをかけられない少数経営の企業などにもおすすめできるので、近年Search Ads Basicプランの利用は増加中です。

Search Ads Advancedプラン

Search Ads Advancedプランは、AppStoreでの広告出稿の際に詳細な設定が可能なプランで、一定以上の広告運用に関する知見がある企業におすすめのプランになります。

Search Ads Advancedプランには大きく分けて2種類のフォーマットがあるので、特徴や配信目的に応じて選択してください。

【Search Result】
Search Resultは、検索結果に広告を表示させるフォーマットになります。

リスティング広告の場合は、検索結果に「複数の広告」が表示される仕様ですが、Search Resultで表示される広告はひとつのみです。

【Search Tab】
Search Tabは、検索タブに広告を表示するフォーマットになります。こちらのフォーマットの魅力的な点は「App Storeを利用するユーザーの7割」が検索タブを使用するため、より多くのユーザーに広告を見てもらえるというところです。

 

そのほかの利点として、ターゲティングや広告の配信プラン・広告出稿の金額などを細かくカスタマイズしながら運用できるので、詳細な効果検証をおこないながら配信の最適化ができます。

詳細なレポートの作成も可能なため、自社の広告効果を高めたい企業やピンポイントにユーザーをセグメントしたい広告運用者には、こちらの「Search Ads Advancedプラン」がおすすめです。

 

Apple Search Adsについてもっと詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。

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Facebookモバイルアプリ広告

Facebookモバイルアプリ広告では、アプリのインストールをユーザーに促進させるための広告を、FacebookやInstagramに配信可能です。

 

アプリを配信する点でほかの広告と違う点は、配信するアプリを「Meta for Developers」に登録してからおこなうところで、Meta for Developersとは、Meta社が提供するアプリ開発者向けのサービスになります。

配信したアプリの計測をおこなう場合は、さらに「Facebook SDK」と呼ばれるアプリ開発キットを設定しなければなりません。Facebook SDKはGoogle広告でいう「コンバージョン計測タグ」や「Google Tag Manager」のようなものです。

 

上記の理由からFacebookモバイルアプリ広告では、アプリ開発に慣れていない運用者や運用経験の浅い担当者には、配信そのものが困難である可能性は否定できません。

Facebookモバイルアプリ広告での配信を考えるなら、アプリ開発にも知見がある広告代理店の利用や、アプリ開発担当者と連携して配信をすすめていくのが無難でしょう。

 

Facebookモバイルアプリ広告で配信可能なアプリはiOSやAndroid以外のアプリも対象です。

広告セットの新規作成時に配信するアプリストアの種類を選択して、Google PlayやApp Storeなどの媒体で配信可能になります。

FacebookやInstagram、MessengerやAudience Networkにも配信可能です。

Facebookモバイルアプリ広告の課金方式とターゲティング

Facebookモバイルアプリ広告で利用できる課金方式は、インプレッション課金とクリック課金の2種類ですが、Facebookの公式ヘルプでは「インプレッション課金」を推奨しています。

 

Facebook広告では、地域や性別・年齢・興味関心などの「基本的な属性」からターゲティングする方法と、特定の条件を設定してリストを作成する「カスタムオーディエンス」や「類似オーディエンス」を利用してターゲティングする方法が選択可能です。

モバイルアプリ広告も例外ではなく、このターゲティング手法を利用できます。

 

Facebook SDKを利用すれば、アプリから取得した「アプリの起動回数」や「購入額別のユーザーのデータ」を活用したカスタムオーディエンスを作成可能です。

X(旧:Twitter)広告アプリインストール数キャンペーン

X(旧:Twitter)広告アプリインストール数キャンペーンは、Xのホームタイムラインやプロフィールに表示できる広告で、Facebook広告と同様に詳細なターゲティングを活かした配信ができます。

Xはその仕様上、拡散性が高くタイムライン上で話題を掴めば「認知拡大」の効果は絶大です。

 

Xの広告では「リエンゲージメント数キャンペーン」と呼ばれるキャンペーンがあり、アプリをすでにインストールしているユーザーに「アプリ内で特定のアクション」を起こしてもらいたい時に利用できる広告があります。

利用できる広告の種類は、画像広告と動画広告の2種類です。

【画像広告】
推奨されるファイル形式はJPGとPNGになり、BMPなどは使用できません。利用できる画像広告は以下の5種類になります。

  • アプリボタン付きの画像広告
  • カンバセーションボタン付きの画像広告
  • 投票機能付きの画像広告
  • Webサイトボタン付きの画像広告
  • 独立した画像広告

推奨サイズは800×418ピクセル、スクエア型なら800×800です。

【動画広告】
動画広告の長さは最長2分20秒ですが、広告主により10分まで延長可能な場合もあります。

動画広告の種類は、以下の5種類です。

  • 独立した動画広告
  • Webサイトボタン付きの動画広告
  • アプリボタン付きの動画広告
  • カンバセーションボタン付きの動画広告
  • 投票機能付きの動画広告

推奨サイズは800×450ピクセル、スクエア型なら800×800が最適です。

アプリインストール広告の配信面は?

Xのアプリインストール広告を配信できる場所について、以下で詳しく解説していきます。

【タイムライン】
Xのメイン画面とも言われるタイムラインに、アプリインストール広告を配信することが可能です。

タイムラインは、Xのユーザーが一番に目にする画面であり、最も多くのユーザーが利用しているため、認知拡大の効果が期待できます。

上記の画像のように、「プロモーション」という文字と一緒に広告が配信される仕様です。

【詳細ページ】
詳細ページとは、ユーザーのプロフィールやツイート画面のことで、タイムライン画面以外でもアプリ広告が表示されます。

【検索結果上位】
検索上位広告とは、Xの検索結果ページの上部に表示されるスペースに表示される広告のことです。

ユーザーが任意のキーワードで検索をかけた際に、関連した広告が表示されます。

上の画像の例では、「Adobe Photoshop」で検索した場合に「キーワードに関連」したアプリ広告が表示され、それを見て「気になったユーザー」が何らかのアクションを起こす…ということを期待した広告です。

ユーザーが検索しやすい商品や、サービスの取り扱いがある場合におすすめします。

【パートナーアプリケーション】
パートナーアプリケーションとは、Xが提携する外部アプリケーションのことです。

Xのオーディエンスプラットフォームを利用して、X以外のアプリでも広告を表示させることができます。

 

Xを使用していないユーザーにもアピールできるので、より多くの人に自社商品やサービスを認知してもらえる効果があるでしょう。

アプリインストール広告のターゲティング

アプリインストール広告では、いろいろなターゲティングが可能ですが、代表的なターゲティング手法について、以下で解説していきます。

【テイラードオーディエンスターゲティング】
テイラードオーディエンスターゲティングとは「リマーケティング」のことで、すでに自社のアプリを利用しているユーザーや認知している方を対象に「利用を再開する」ように促すためのターゲティング手法です。

オーディエンスリスト:メールアドレスやXのIDなど、自社で顧客リストを作成してターゲットにする。

webサイト:最近サイトにアクセスした人をターゲットにする。

モバイルアプリのユーザー:インストールやユーザー登録などの「特定の操作をしたアプリのユーザー」をターゲットにする。

【オーディエンスの特性にもとづいたターゲティング】
Xのアプリインストール広告では、以下の特性からターゲティングをおこなうことが可能です。

広告の配信で重要なのは、オーディエンスの特性。これを明確にしておかないと、的外れな広告を配信してしまうことに繋がり、効果が出ません。

 

例えば、Android端末を使用しているユーザーに対して、iOS専用のアプリ広告を配信してもインストールしてもらえない…ことと同じ意味です。

Xのアプリインストール広告は、かなり細かいターゲットの属性を設定できますが、属性を絞り込み過ぎると広告が表示されにくくなるので注意してください。

【オーディエンスの条件にもとづいたターゲティング】
そのほか、以下の表にある条件でもターゲティングが可能です。

さらに詳細なターゲティングをおこないたい場合は、オーディエンスの条件にもとづいたターゲティングをおこないましょう。

 

X(旧:Twitter)のアプリインストール広告について、もっと詳しく知りたい方は、以下のリンクにある記事も読んでみてください。

LINE広告 アプリインストール広告の特徴とは?配信設定やポイントについて解説!
2023.12.6
皆さんはアプリを利用する上で、アプリストアからではなく、Web上やSNS上からバナーをクリックしてアプリをインストールした経験はありませんか?そのような広告をアプリインストール広告と呼びます。「アプリの新規インストールユーザーが中々伸びないな…」と悩んでいる方におすすめの広告になっています。 現在、...…

LINE広告アプリインストールキャンペーン

LINE広告アプリインストールキャンペーンは、普段からLINEを利用している方・タイムラインを閲覧している方を対象に、ユーザーへアプリケーションのインストールを促すことを目的として配信している広告です。

パソコンよりもスマートフォンやタブレットなどの携帯できる媒体をメインに配信され、表示された広告をタップすることで、アプリストアなどに遷移するようになっています。

 

LINE広告アプリインストール広告は、主にタイムラインやLINE NEWS・トークリストの上部に表示され、その仕組みは「運用型広告」と同じです。

また、LINEのアプリインストール広告は「アプリエンゲージメント広告」としても配信が可能で「過去にアプリはインストールしているが、最近は使っていない」ユーザーに対して、利用頻度を上げてもらうようにする効果も期待できます。

 

注意点として、アプリインストール広告とアプリエンゲージメント広告は同時には配信できないため、どちらか一方を選択して配信しましょう。

SDK連携を利用して類似オーディエンスの作成やコンバージョン数を計測する

LINE広告の管理画面でコンバージョン計測ができるのは、Google PlayやAppStoreまでです。そのため、アプリのダウンロードやエンゲージメントの詳細な数値を計測するならSDK連携は必須です。

SDK連携を導入すれば、アプリのインストールや起動などの「アプリに対してのアクション」を計11イベント計測ができます。

 

SDK連携は「Adjust」「AppsFlyer」「Kochava」の3種類。LINE株式会社の審査に通過している「広告計測ツール」を提供する認定社を指す「Ads measurement partner」の利用も可能です。

SDK連携によって、以下の11イベント(広告配信対象のユーザーが起こした行動)の中から該当するユーザーを選択できます。

  • オープン
  • インストール
  • ホーム閲覧
  • カテゴリ閲覧
  • 商品閲覧
  • 検索
  • カート追加
  • 購入
  • レベル達成
  • チュートリアル完了
  • カスタム

イベントのほかにも、管理画面に表示される「オーディエンス名」の記入・オーディエンス作成時に使用するアプリの選択や、ターゲットリストに保存されているサイト訪問履歴情報の有効期間の設定が必要です。

モバイルアプリオーディエンスを設定すれば、自社の配信しているアプリに興味を持っている人に対して、広告を配信することができます。

SmartNews Ads

SmartNews Adsはスマートフォンアプリの「SmartNews」の画面で表示される広告で、月間2000万人のユーザーが視聴しているため「アプリの認知度アップ」に適した広告媒体と言えるでしょう。

スマートニュース広告は、ほかの運用型広告と同様に細かいターゲティングが可能で、特に記事のジャンルごとのターゲティングができるのが、他の媒体と比較した時の強みといえます。

 

ほかの広告媒体よりも比較的低予算で広告配信ができるため、会社規模が小さく広告出稿・配信にかかる予算をおさえたい企業や広告主におすすめです。

画像引用元:Ads Product GuideーSmartNews

運用型の場合は、一覧で記事が表示されるところに、ほかの記事と同様の形式で広告が掲載されます。

初見ではほかの記事との区別がつきにくいため、普段は広告を敬遠しているユーザーにも広告を見てもらえる可能性が高いです。

 

予約型の場合は、アプリの起動時やチャンネルのトップに表示されます。認知度アップが期待できるので、知名度を上げたいなら積極的に活用しましょう。

運用型広告(Standard Ads)

運用型広告では、広告主が入稿から運用まで「日々の予算」や「配信効果」に応じて広告を配信できます。

選択できる広告形態は「Standard Video Ads(動画)」と「Standard Ads(静止画)」の2種類です。

 

広告配信の目的に応じた配信方法の選択も可能で、選べる配信方法は以下の3種類になります。

【リーチ最大化】
設定したターゲットやフリークエンシーの中で、ユーザーが「広告を閲覧・視聴できたか?」を示す「ビューアブルインプレッションの最大化」が目的の配信方法です。

一人でも多くの方に広告をみてもらいたい場合は、こちらの配信方法を選択します。

【クリック最大化】
ユーザーから、広告がクリックされる可能性を最大限に引き上げる効果がある配信方法です。

「広告をクリックしたことがある人」に似ているユーザーを対象に、優先して広告を配信します。タイアップ記事への誘導・自社サイトへの流入を促進したり増加させたりしたい場合は活用してみてください。

【コンバージョン最大化】
商品やサービスの購入・予約や申し込み・アプリのインストールなど、配信している広告を経由して獲得するコンバージョンが最大になるように配信される方法で、コンバージョンした人に似ているユーザーを対象に広告を配信します。

コンバージョンした人と類似のユーザーが対象となるため、コンバージョンの見込みが高いユーザー層を効率的に獲得できるでしょう。

 

運用型広告で設定できるターゲティングは以下になります。

  • 配信面
  • OS
  • 性別
  • 年齢
  • 時間帯
  • キャリア
  • オーディエンス
  • 興味関心
  • 地域

予約型広告(Premium Ads)

予約型広告は、広告を出稿する期間や広告掲載位置などを前もって予約するタイプの広告メニューです。1日だけ配信する「1Dayメニュー」と、1週間のみ配信する「Weekly メニュー」の2種類から選択できます。

 

アプリを起動した時のトップ画面や各種チャンネルのファーストビューなどの「視認性の高い場所」に掲載され、新しい商品やサービスの告知・大規模キャンペーンの認知度アップにおすすめの配信方法です。

 

掲載費用は配置される場所や時間帯により変化しますが、配信期間と表示回数が保証されており、1日だけの配信なら最低500万円、1週間の場合は最低200万円から出稿できます。

予約型広告では、以下の種類でターゲティング設定が可能です。

  • 記事のジャンル
  • 性別
  • 年齢
  • 地域

アプリインストール広告の配信を始める前にしておきたい準備

アプリインストール広告を利用して自社アプリを配信するためには、それなりの準備が必要になります。

配信して「どれくらいインストールされたのか?」を知ることは、今後の広告配信の効果を高めるために重要です。

 

また、自社アプリの認知度を高めておくことも重要で、いくら有益なアプリでも「知られていない」状態だと「無い」ものと同じなので、認知度アップのための戦略や手段なども十分考慮して広告配信を進めましょう。

まずは、アプリインストール広告を配信する前におこなう前準備は以下になります。

  1. 運用効果を測定できるツールを用意しておく
  2. インストールしてもらいたいターゲットを決めておく
  3. 配信する広告媒体を選択する
  4. 訴求力の高い広告クリエイティブの作成

以下で、詳しく解説していくので参考にしてください。

運用効果を測定できるツールを用意しておく

最初に「運用効果を測定できるツール」を用意しておき、分析ができるようにしておくことが大切です。

効果測定ツールは、アプリのインストール数のほか、インストールしたユーザーがアプリを使ってどのようなアクションを起こしたのかを知ることができるので、今後の運用方針の参考になります。

 

分析をすることで、従来の方法では改善できなかった点や不具合などの問題点、配信目標に到達できなかった原因などを客観的に知る材料となるので、必ずツールの導入はやっておいてください。

おすすめの効果測定ツールを、以下で紹介します。

appsflyer


画像引用元:AppsFlyer

AppsFlyerはイスラエルが開発した効果測定ツールで、今や全世界12,000以上の企業が利用しており、その世界シェアは65%以上です。

有名な企業だと「コカ・コーラ」や「adidas」「slack」などの大手企業がこちらの効果測定ツールを使用し、日々広告運用のデータ収集や改善に利用しています。

 

AppsFlyerを使用すれば、さまざまなプラットフォームやチャンネル・デバイスのユーザージャーニーをまとめて確認することが可能です。

adjust


画像引用元:Adjust

Adjustは、ドイツ製のモバイルマーケティング分析プラットフォームで、日本国内におけるマーケットシェアは国内No.1の約80%と高いシェアを占めており、Yahoo! JAPANや楽天・リクルートなどの大企業で利用されています。

各広告媒体との連携も強く、ユーザーがアプリを利用して起こした行動を分析可能です。

 

海外製のものですが、日本語のサポートも充実しているので「効果測定を初めておこなう」広告主や、経験の浅いマーケティング担当者でも安心して利用できます。

インストールしてもらいたいターゲットを決めておく

広告を配信する前に、インストールしてもらいたいターゲットを明確にしておきましょう。

 

「下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる」では、無駄な費用がかさむだけでなく「誰に向けての配信」なのかがぼやけてしまい、広告に込めたメッセージが視聴者に届きません。

女性向けのアプリを配信しようとしているのに、老若男女誰でもオッケーな説明文を掲載しているのと同じで、特定のターゲットに絞ったものでないとインストールには繋がらず想定していた成果も出ないでしょう。

 

広告デザインも「ターゲットに合致」したものでないと、初見でスルーされてしまう可能性が高まり、インストールすらされない結果に繋がります。

アプリとターゲットがずれていると、ユーザーにインストールされにくくなるので、ターゲットの設定はしっかり決めておきましょう。

配信する広告媒体を選択する

ターゲットが明確に決まったら、配信する広告媒体を選択します。

ターゲットを先に決めることで、ユーザーの属性に合わせた配信先や広告媒体を選択しやすくなり、アプリ配信の効果を高めることが可能です。

 

例として、女性向けアプリゲームの配信をする場合、ターゲットは「女性」「若年層」「20〜30代」となります。

ここで、年齢層の高いSNS広告媒体を使用しても、あまり成果は得られません。

 

利用するなら「Instagram」や「TikTok」などの若い年齢層の広告媒体を使いましょう。広告を配信する媒体を適切に選択することで、効果を何倍にも高めることが可能になります。

そのほか、ターゲットユーザーがよく利用しそうな「検索エンジン」やSNSを把握しておけば、どこで広告配信をおこなえばよいかを即座に判断できるようになるでしょう。

訴求力の高い広告クリエイティブの作成

アプリをインストールしてもらうためには、訴求力の高い広告クリエイティブの作成は重要です。

見た目のインパクトで視聴者の目を惹きつけ、認知度を高めることは、広告配信効果を高める結果に繋がります。

 

しかし、アプリの種類やターゲットから逸脱した「やり過ぎたクリエイティブ」では逆効果です。

以下を参考に「効果的なクリエイティブ」を作成してください。

  • アプリ機能の説明は簡潔に
  • 広告ビジュアルを重視する
  • 「アプリを使用した時」のイメージが、ユーザーに伝わりやすくする
  • アピールポイントを明確にする
  • 視聴者に実行してほしいアクションを明示する
  • カルーセル広告などを利用して、アプリの機能を紹介する

アプリインストール広告を活用した成功事例

ここからは、アプリインストール広告を活用した成功事例を紹介していきましょう。

アプリをインストールしてもらい、販売促進を成功させたり、広告費用対効果を改善させたりした事例はいくつもあります。

 

数多くある成功事例の中から、2件をピックアップして紹介していきますので、ぜひ参考にしてください。

芸者東京

芸者東京は、カジュアルなゲームを開発して全世界に配信している会社です。

画像引用元:パズルオブエンパイア 予告編その1ーYouTube

アプリイベントを最適化し、カスタムイベントを使用したことで、広告費用対効果を39%向上させた経歴を持っています。

 

芸者東京は、その名の通り東京を拠点として「ハイパーカジュアルゲーム」を開発している大手ゲームパブリッシャーです。「おみせやさん」や「パズルオブエンパイア」などの名作を全世界に配信しています。

 

芸者東京は、Facebook Gamingと協力し、カスタムイベントに最適化した「アプリイベントの最適化キャンペーン」を実施しました。

その結果を、すでにあったモバイルアプリインストールキャンペーンと比較しています。

 

その理由は、アプリイベントをカスタムイベントに最適化することで、広告費用対効果が向上するかを見極めるためです。

その結果、従来のモバイルアプリインストールキャンペーンを大きく上回る成果を上げています。

クラシコム

2006年創業の株式会社クラシコムは、調理器具や衣料品まで幅広いジャンルの商品を取り扱う会社です。

画像引用元:クラシコム トップページ

運営している日本のEコマースプラットフォーム「北欧、暮らしの道具店」は月間200万人ものアクティブユーザーがいます。

クラシコムは、モバイルファースト戦略を得意とするマーケティング会社「アドウェイズ」と提携して、Advantage+ アプリキャンペーンを開始しました。

 

その結果、通常のアプリキャンペーンと比較して、Advantage+ アプリキャンペーンではインストール単価が23%減少・インプレッション単価が44%減少・クリック単価が26%減少という成果が得られたのです。

まとめ

アプリインストール広告を配信するうえで重要なことは、ターゲットを明確にして効果検証をおこないながら配信していくことです。

アプリ広告も、通常の広告と同様に「配信したら、ハイ終わり」ではありません。放置しておけば、ユーザーが勝手にインストールしてくれる…というほど簡単なものではないことは、ここまでの記事で理解できているでしょう。

 

自社アプリの存在を知ってもらおうと「インパクトのある広告クリエイティブ」を作成して興味関心を惹くことは間違いではありませんが、インパクトが空回りしないようにするには、「ターゲットに沿った見せ方」を考慮してクリエイティブを作成するのが大切です。

ターゲットの年齢層や属性・性別などを考慮して配信する媒体を選択することは、アプリの認知度拡大やインストール数の増加に大きく影響してきます。

 

今回の記事が、御社のアプリ配信拡大の一助になれば幸いです。



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